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見事に優勝したウォーエンブレムと鞍上のV.エスピノーザ騎手 |
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B.バファート+ザ・サラブレット・コーポレーションの組み合わせで想い出されるのは昨年のポイントギヴンだ。 同馬は1番人気だったからジンクス通り勝てなかったとも言えるが、あまりに慎重なレースをしすぎたからだとも言える。 さて、第128回を迎えた本年のケンタッキーダービーは意外な結果に終わったようです。 ダービー史上5番目に多い大観衆-14万5033人-を前に5月4日の土曜日にチャーチルダウンズ競馬場で行われたG1ケンタッキーダービー。 日本で言うところの"行った行ったの競馬"。上位3着までがスタートした時のまんまゴールイン! 得てしてこう言う時はレースは荒れる。優勝したのは単勝21倍のウォーエンブレム。2着は単勝24倍のプラウドシチズンだった。 おかげで馬連単は650倍を付ける大万馬券となりました。 ウォー(戦争)にプラウドシチズン(国民の誇り)ということで、御時世柄、暗号馬券屋(笑)には楽に取れた馬券かもしれない。 ウォーエンブレムの鞍上V.エスピノーザ騎手はダービー初制覇。管理するB.バファート師は3度目の制覇となりました。 おめでとうございます! いかにも先行馬に有利なペースで進んだ今年のダービー。半マイルが47秒04。1マイルが1分36秒7。優勝タイムが2分1秒13。 前半のペースが楽だった分、先行馬の脚が止まらなかったと言える。 だが、ダービーを逃げ切ったのは14年ぶり(ウイニングカラーズ)だし、着差4馬身というのは、この馬の素晴らしい能力を示していると思う。 有力馬のハーランズホリデー(1番人気)やヨハネスブルグなど後ろから行った馬達は末脚届かず惨敗している。 5番人気だったケームホームは前半掛かってしまったのか、4番手という好位置でレースを進めながらも直線伸びず6着に敗れている。 鞍上のC.マッキャロンはオークス・ダービーのダブル優勝は果たせなかった。 勝ち馬ウォーエンブレムは黒鹿毛で父は若い種牡馬アワーエンブレム、母はスイーテストレディー(母父ロードアットウォー)。 同じアワーエンブレムを父に持つプライベートエンブレム(アーカンソーダービー勝ち馬)もここに出走していた。 アワーエンブレムは非常に良血で父はミスタープロスペクター、母は無敗のチャンピオンのパーソナルエンサインである。 アワーエンブレム自体はたいした成績は残せなかったが産駒の活躍で名を高めたことであろう。 母父のロードアットウォーはアルゼンチン産のスタミナ血統、母系は日本でもお馴染みのブレイヴェストローマンと同じである。 しかし、はっきり言って大した血統でもない同馬を大馬主のザ・サラブレット・コーポレーションが何故所有しているかというと・・・ 4月6日のイリノイダービー(G2)での勝ちっぷりに因るところが大きい。 このレースに出走した同馬は、逃げまくって6馬身1/4差をつけて圧勝してしまった。 そして、大金が動くこととなったわけである。報告に因れば90万ドルでトレードされたと言うことだ。さすがはアラブの金持ち! 昨年、ポイントギヴンでダービーを勝てなかったことが悔しかったのだろう。 |
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その時までウォーエンブレムは7戦して4勝していたが、馬主はR.レインマン氏。 調教師はF.スプリンガー師だった。 イリノイダービー後、たった1ヶ月で調教師が馬にしてやれることがどれだけあるのかは私には分からないが、もし、レインマン氏が目先の90万ドルに目が眩まなければ彼自身がダービー馬のオーナーになっていたかもしれない。 まあ、これが競馬だと言ってしまえばおしまいだが・・・。 お陰でB.バファート師は3度目のダービー制覇の栄誉に輝いた。 (シルヴァーチャーム:1997、リアルクワイエット:1998) 師は手塩をかけたオフィサーの2yo時には想像も付かないほどのていたらくぶりにガックリきていたはずなので、この勝利には不思議な喜びを感じたことだろうと思う。 師は1996年以来ダービーに述べ12頭を出走させているが、そのうち3頭が優勝し、2着1回(キャボネール:1996)、3着2回(インディアンチャーリー:1998、コンガリー:2001)の成績を残している。 優勝ジョッキーのV.エスピノーザ騎手は昨年もB.バファート厩舎のコンガリーでダービーに出走したが(彼自身2度目)惜しくも3着であった。 ※追記:前オーナーのレインマン氏はやはりしたたかだった・・・。 同馬の10%の権利を残していたことがわかりました。 |
アラブの馬主として初のダービー制覇。 トロフィーを掲げるアーメド・サルマン王子 |
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ダービーの全着順は下の通り・・・枠順発表後2頭が出走を回避している | |||||||||
128th Kentucky Derby Grade: 1 | |||||||||
2002/5/4 チャーチルダウンズ競馬場 ダート10F 3yo馬 馬場:速 18頭立て | |||||||||
着順 | 馬番 | 馬名(騎手) | 1/4 | 1/2 | 3/4 | 1m | Str | Fin | 人気 |
1 | 5 | War Emblem (Espinoza, V.) | 1-1/2 | 1-1 1/2 | 1-1 1/2 | 1-1 1/2 | 1-1 1/2 | 1-4 | 20.50 |
2 | 13 | Proud Citizen (Smith, M.E.) | 2-1 | 2-1/2 | 2-1/2 | 3-1 | 2-Head | 2-3/4 | 23.30 |
3 | 3 | Perfect Drift (Delahoussaye, E.J.) | 4-Head | 3-1 | 3-1/2 | 2-Head | 3-3 1/2 | 3-3 1/4 | 7.90 |
4 | 9 | Medaglia d'Oro (Pincay, Jr., L.A.) | 10-1 | 9-1 | 7-1/2 | 8-3 | 6-1 | 4-1 1/2 | 6.90 |
5 | 7 | Request for Parole (Albarado, R.) | 6-Head | 5-1/2 | 5-Head | 5-Head | 5-1/2 | 5-3/4 | 29.80 |
6 | 15 | Came Home (McCarron, C.J.) | 3-1/2 | 4-1/2 | 4-1/2 | 4-2 | 4-1/2 | 6-2 | 8.20 |
7 | 14 | Harlan's Holiday (Prado, E.S.) | 9-1/2 | 11-1 1/2 | 8-Head | 6-Head | 7-1 | 7-3/4 | 6.00* |
8 | 1 | Johannesburg (Stevens, G.L.) | 11-1/2 | 10-1 | 10-1/2 | 9-1/2 | 8-1 | 8-Nose | 8.10 |
9 | 8 | Essence of Dubai (Flores, D.R.) | 13-2 | 12-Head | 12-Head | 7-1/2 | 9-3 | 9-1 | 10.00 |
10 | 16 | Saarland (Velazquez, J.R.) | 17-2 | 17-2 | 14-1/2 | 16-Head | 13-1/2 | 10-2 1/2 | 6.90 |
11 | 20 | Blue Burner (Day, P.) | 5-Head | 8-1/2 | 9-1 1/2 | 10-1/2 | 11-Head | 11-1/2 | 24.20 |
12 | 12 | Castle Gandolfo (Bailey, J.D.) | 15-Head | 15-1 | 15-1/2 | 14-1 | 12-2 1/2 | 12-4 1/4 | 14.50 |
13 | 19 | Easy Grades (Chavez, J.F.) | 12-1 | 14-Head | 16-Head | 11-Head | 14-2 | 13-Neck | 43.80 |
14 | 11 | Private Emblem (Meche, D.J.) | 7-1 | 7-Head | 11-1 1/2 | 12-Head | 10-1 | 14-4 1/2 | 22.40 |
15 | 4 | Lusty Latin (Corbett, G.W.) | 18 | 18 | 18 | 18 | 18 | 15-2 1/4 | 22.10 |
16 | 18 | It'sallinthechase (Martin, Jr., E.M.) | 16-2 1/2 | 16-Head | 17-2 | 13-1 1/2 | 15-3 | 16-2 3/4 | 94.50 |
17 | 6 | Ocean Sound (IRE) (Solis, A.O.) | 14-Head | 13-1 1/2 | 13-1 | 17-2 | 17-2 | 17-2 1/4 | 48.70 |
18 | 2 | Wild Horses (Douglas, R.R.) | 8-1/2 | 6-1 | 6-Head | 15-Head | 16-1/2 | 18 | 58.50 |
通過タイム: 23.25, 47.04, 1:11.75, 1:36.70, 2:01.13 |
<ウォーエンブレム> | 牡・3yo 黒鹿毛 1999年2月20日生まれ 生産者: Charles Nuckols Jr. & Sons in KY |
Pedigree: | 父:Our Emblem -母: Sweetest Lady , by Lord At War (ARG) |
Scratched Horses: | Buddha, Danthebluegrassman |
2002/5/6 UP