不思議の国の池江師

●シーキングザパール、タイキシャトル、エルコンドルパサー、アグネスワールドの国際舞台での成功に続けとばかりに多くの日本の調教師達の目は世界に向いています。
エミレーツ・ワールド・シリーズを視野に入れていることは言うに及びません。
1999年、エルコンドルパサーのサンクルー大賞での勝利、そして凱旋門賞におけるモンジューとの死闘によって日本の競馬と言うものが大きくクローズアップされました。
アグネスワールドは1999年のアベイユドロンシャン賞と2000年のジュライCの優勝で世界のスプリント舞台に躍り出ました。
その後、彼はケンタッキーで行われたBCにも出走しました。

3月24日にドゥバイで行われる国際レースには記録的な数の日本馬が出走します。
総額600万ドルという世界1高額なレースであるドゥバイWCにはレギュラーメンバー(山本厩舎)とトゥザヴィクトリー(池江厩舎)が出走。
また、同厩舎のステイゴールドがドゥバイシーマクラシックに出走します。

その他には、イーグルカフェがデューティーフリーに、ゴールドティアラとノボトゥルー(森厩舎)がマイルに出走します。
※OTEF注※この記事が出た時にはゴールドティアラの回避は発表されていなかった。
森師はアグネスワールドを管理していた調教師であり、彼は又、エアシャカールをキングジョージに出走させてもいます。

トゥザヴィクトリーは5yoの牝馬であり、日本のリーディングサイアーであるサンデーサイレンスの娘である。
彼女は2月18日に東京競馬場で行われた前走のフェブラリーS(G1)では1馬身差で3着であった。
レース後管理する池江師は
『彼女はダートレースに出たことがなかったし、G1レースと言うことで大きな冒険だった。しかし、彼女はダートを上手くこなしていたように思えます。
私は彼女のパフォーマンスにも結果にも満足しています。ダートレースに使うことのためらいは無くなりました。』
とコメントしました。

ところで、トゥザヴィクトリーとステイゴールドは池江師が最初にドゥバイに連れてきた馬なのである。
『私は海外に遠征するのは初めての経験なんです。自分にとって素晴らしい経験になると思いますよ。』

池江師は60歳。彼は22年のキャリアがあり、33のグレードレース勝ち馬を出している。
京都競馬場で行われる-日本のセントレジャー-菊花賞や有馬記念をメジロデュレンで制しているのだ。
もう1頭の看板馬はメジロマックイーンという馬で、9つのグレードレースを勝った馬である。
マックイーンは4つのG1レースに勝っている。-阪神競馬場で行われる天皇賞に2度、菊花賞と宝塚記念である。-
※OTEF注※天皇賞は京都競馬場なのだが、これくらいの誤解は許そう!(笑)

トゥザヴィクトリーの勝算は?と聞かれた池江師は次のように答えた
『ベストなのは彼女が自分のペースで先頭を走れる展開になることです。ドゥバイだからといって彼女の走り方を変えることはしないし、私は彼女のスタイルで走って欲しいと思っています。』
『ステイゴールについては、彼には2400mのレースが合っていると思います。
平均ペースで流れてくれれば付いていけるんではないでしょうか。レースの展開は国によって違ってくるし、ドゥバイではどんな展開になるのかなんてのは全然わからない。
だから、我々は自分のスタイルを貫き通します!』


ステイゴールドはサンデーサイレンスの息子で、過去2年連続でJCにも出走しています。
『これまでエミレーツワールドシリーズについては知っていると言う程度だったが、今は違います!
最高の馬達が集まるレースですから。』

池江師は自分の馬がこれらのレースに出走できるチャンスを得ることを望んでいたが、それが叶ったのだ。
『もしも、ワールドCの結果が満足なものになれば、うちの馬達にも大いなるチャンスが広がることとなるでしょう。』