●BCメインイベントのBCクラシックは昨年の優勝馬ティズナウ（牡・4yo）が連覇しました。
凱旋門賞馬サキーは惜しくもハナ差の2着。
勝ち馬ティズナウは昨年もこのレースに優勝し、米国年度代表馬となりましたが、今年もなったりするのかな！？
ポイントギヴンとの一騎打ちですな〜〜。<-ﾍ->
BCクラシックの連覇は史上初の快挙。因みにBCを2回勝った事のある馬はこれで5頭目。
バヤコア、ダホス、ルアー、ミエスクらが他にいます。

ハナ差の勝利と言えば昨年もそうであった。昨年打ち負かした馬はジャイアンツコーズウェイ。
サキーと同じく欧州からの遠征馬だったことなどは面白い。
ティズナウは相当な愛国者なのかもしれないね。

『サキーに負けてしまうのではないかと思ったんだが、それは間違っていたね。もう、ティズナウのレースそのものでしたよ！』
とは管理するJ.ロビンス師のレース後のコメントである。
何を隠そう、このロビンス師は素晴らしい仕事をしていた。
ティズナウを怪我から復活させるために6ヶ月間看病をしたこと。普通なら引退させるだろうに・・・。
オーナーの強い希望と師の執念の様なものだね。
そして、感性の強い同馬の気性を矯正した事。
ここ最近のティズナウはとても落ち着いていたのもそのお陰で、最終的に強い調教が出来た。

『たいしたものです。このような仕事は一握りの人にしか出来ないよ』
と、勝利騎手のC.マッキャロンは述べ、後で伝説の調教師C.ウィッテンガム師にロビンス師を喩えて見せた。

ティズナウの走破タイムは2分0秒62、馬場は良(fast)であった。
単勝オッズは7.9倍で4番人気だった。
そんな彼の走りを52,989人の観衆は厚着をして見守ったのだ！

アルバートザグレートは実力のあるところを見せたが、サキーに遅れる事1馬身3/4の3着。
マッチョウーノが4着に入った。
1番人気だったアプティテュード（3倍）は着外の8着。賞金を稼ぐ事は出来なかった。
同馬を管理するB.フランケル師はこの日、フルート、ユーという1番人気の馬を他のレースに出走させたが両馬とも着外に終わった。
が、BCスプリントに出走させたスカートルスカート（5番人気）が見事優勝！
『まるで嵐のようだった！』と同師はこの日をふりかえる。
『1つ勝つ事が出来たけど、人気馬3頭は掲示板にさえ載らなかった！』

サキーは評判通りの強さを見せてくれた。ここ最近の欧州馬の勢いは本物だ！
BCターフはファンタスティックライトが勝ち、BCジュベナイルはヨハネスブルグが勝った。
バンクスヒルはBCフィリー＆メアーターフを勝った。
チーム・ゴドルフィンはサキーとファンタスティックライトを送り込んできたが、アメリカを拠点に活動していたテンペーラをBCジュベナイルフィリーズに出走させ優勝させた。＞2着も同チームのインペリアルジェスチャーだった。

レースはニューヨークの夕暮れの中スタートが切られた。
いつものようにアルバートザグレートが飛び出し、オリエンテイトがそれに続いた。
2Fを23秒27。半マイルを47秒4で通過。アルバートザグレートは6Fを1分11秒32で走破し、内側にギルデッドツアー、外側にティズナウを従える。この辺りからプレッシャーがキツくなってくる。
第3コーナーでティズナウが先頭をうかがう、サキーはその後ろの好位置に待機。
アプティテュードは既に大きく遅れている。
直線にはいると、サキーが抜群の末脚を発揮して先頭に立った。リードを広げるサキー。
アルバートザグレートの闘争心に火がつき、雄々しく戦いを挑む。
ティズナウは両馬の間で脚をためている。
残り100ヤードでアルバートザグレートはその勢いを止めた。そしてサキーとティズナウの戦いが始まった。
引退レースで素晴らしい走りをしてくれた愛馬をねぎらうN.ジート師（アルバートザグレート）
『素晴らしいレースをしてくれました。あれ以上の走りは出来ません！！』

ティズナウは全身に闘争心を漲らせ、ゴール手前でハナ差だけサキーを退けた。
着差は小さいが、勝つと負けるとでは雲泥の差だ。
こうして、偉大なるサラブレッドがまた誕生した。

ティズナウの通算成績は15戦8勝。最近の勝ち星は3月のサンタアニタHであった。
彼は唯一のカリフォルニア産BC馬であり、彼のオーナーのセシリア・ストラブ・ルーベンス女史は昨年のBC3日後に亡くなっている。
そのため、現オーナーはストラブ・ルーベンス女史のビジネスパートナー、マイケル・クーパー氏に委ねられている。
『彼は競走馬です！種牡馬にはいつでもなれるからね。』
ということで、来年の3連覇に向けトレーニングされる模様です。

クールモアーじゃ、絶対に言わないだろうな・・・・。
Breeders' Cup Classic (Grade 1)
2001/10/27　ベルモント競馬場　ダート10F　3yo以上　13頭立て　馬場：良（fast）
　10番がティズナウ
着順 着差 馬名 枠順 調教師 馬齢 斤量 騎手

1

 2分0秒62

Tiznow

(10)

J Robbins

4

 9-0

C McCarron

2

nse

Sakhee

(6)

Saeed Bin Suroor

4

 9-0

L Dettori

3

1　3/4

Albert The Great

(9)

N Zito

4

 9-0

J Chavez

4

2　3/4

Macho Uno

(7)

J Orseno

3

 8-10

G Stevens

5

1　1/4

Guided Tour

(2)

Niall M O´Callaghan

5

 9-0

L Melancon

6

2

Galileo (IRE)

(5)

A P O´Brien

3

 8-10

M J Kinane

7

1/2

Include

(4)

G Delp

4

 9-0

J R Velazquez

8

1　1/2

Aptitude

(12)

R J Frankel

4

 9-0

J D Bailey

9

nk

Gander

(8)

J Terranova II

5

 9-0

V Espinoza

10

nk

Black Minnaloushe

(3)

A P O´Brien

3

 8-10

J P Murtagh

11

1

A Fleets Dancer

(11)

R L Attfield

6

 9-0

R Landry

12

19

Orientate

(1)

D Wayne Lukas

3

 8-10

P Day

13

3

Freedom Crest

R Baltas

5

 9-0

K Desormeaux

　
-関係者レース後のコメント-
C.マッキャロン・・・ティズナウの鞍上
『凄い接戦だった。ハードな走りだった。ティズナウは好戦的だった。
頭の良い馬はいるけれどこの馬はその中でも抜けた存在です。
彼はレースが何かを知っているし、厩舎は退屈なところだと言う事も知っている。
サキーは強かった。だけど、僕の馬は信じられない馬で、戦慄を覚えてしまったよ。
・・・・・・・・
L.デットーリ・・・サキーの鞍上
『サキーは一生懸命走ってくれました。ただちょっとだけ馬場に戸惑っていたかな。
いまいちダッシュ力が無かったのもその為だと思う。
もし、芝と同じ様な脚が使えてたら、とは思うよ。
間違いのない騎乗をしたけど、順位は間違っていたね！
サキーはやるべきレースをしました。彼はまさしく宝石です。
モハメド殿下の判断は常に正しいですね。
マイケル・キネーン・・・ガリレオ(6着)の鞍上
『ガリレオはここまで激しく長いシーズンを送ってきました。
一言で言ってファンタスティックなシーズンだったと言えるでしょう。
乗っていて楽しかったし、彼は幾度となく勝利を味あわせてくれました。
好位置でレースを進めたと思うが、ダートに対応できなかったようです。
1ストライドする度に苦労していたし、明らかに苦しんでいたよ。』
N.ジート師・・・アルバートザグレート
『これが彼の引退レースだった。素晴らしいレースをしてくれました。
彼は勝利者として家に帰ります。
偉大なるニューヨークの馬のこのレースは世界中の人が見てくれただろう。
ニューヨークを代弁してくれたと思う！』
A.オブライエン師・・・ガリレオ
『長いシーズンは終わった。マイケルはガリレオの調子は良いと言っていた。
初めてのダートに戸惑ったんだと思う。
ブリリアントな馬だった。やっとシーズンが終わったよ。
勝てなかった事については勘弁してくれないか。』
S.クリスフォード・・・チーム・ゴドルフィンのレーシング監督
『非常にタフなレースだった。
たったハナ差だったけど勝つと負けるとでは大きな違いがある。
しかし、負けはしたけれど何も失っていない。
ボスは（モハメド殿下）”我々がサキーをクラシックに、ファンタスティックライトをターフに出したのは間違いではなかったね！”と私に言ってくれました。
サキーの年内のレースはこれで終わりました。
来年の事はオーナーと話し合いたいと思います。
<ティズナウ>　鹿毛　4yo　牡　
父：シーズティジー
母：シーズソング（シアトルソング）
オーナー： M Cooper & Straub-Rubens Revocable Trust
生産者： Cooper & Cecilia Straub
調教師：Jay Robbins