MARICA 〜真実の世界〜 紹介

Pre-Story

「ええ、今思い返してみれば、あの子には人と変わったところがあったかもしれません。はい、まりかのことです。十一、二年前のことですか... まりかが小学校に入る前なんですが、うちの人... ええ、夫の博人です。で、夫が運転する車でドライブに行ったんですよ。伊豆の温泉まで。山道に入ったときですか... 夫がハンドル操作を誤って、あ、刑事さん、わかります?そうなんです。崖下に転落していたかもしれなかったんですよ。ガードレールに思いっきり擦りつけて、すごかったんですよ。でも... ガードレールには何の傷もついていなかったんです。ええ、車を止めて、はい、もちろん降りて確認したんですよ。傷が...なかったんですよ。私も夫も驚いて... まりかは、笑っていました。よくわかっていなかったんでしょうね。ええ、そちらが言う... 超能力ですか? 今話した事じゃ、全然関係ありませんよね。車には傷が付いていましたし。

私たち... 私も、夫も、まりかにそんな力があるなんて...信じられません。今...今思えば... そうですよ、そんな事、誰にだってあるじゃありませんか。思い込めば、思い当たることの一つや二つ... あ?私、今、今って言い過ぎですね... ええ... でも... 未だに信じられないんです。そりゃ、最近のテロ事件だって目茶苦茶ですよ? でも...それは世間のことでしょ?国のことでしょ?信じられないってよりは... 信じたくないのかもしれませんけど...まりかは...まりかは普通の子です。超能力...ですけど普通の子なんです。学校に通って、最近私たちと話さなくなって... どこにでもいる子ですよ。特別だとすれば、それは私たちにとってだけです... まりかは... 私の子供ですから... はい... ごめんなさい...」

神崎永美の調書から抜粋
(テープ起こし・内閣特務捜査室)

Comment

ストーリー的には超能力に目覚めた3人の少女たちが日本を破滅に導くというテロ集団と戦っていくというものであるが、全体的なノリは仮面ライダーなどの特撮系のノリに近く、それでいて単純な勧善懲悪ものではなく、クリアした後も非常に考えさせられるストーリー構成はさすがである。表現面が情け容赦がないので(直接出てくるわけではないにしてもかなりエグい描写あり)、そのためか裸無し(一応サービスカットはあるが、それでもLUNAR SILVER STAR STORY並み)のMA18となっている。
テーマはかなり重たく、登場人物の濃さはSSソフトの中でもかなり高レベルであるのだが、かといって全編を通して重いかと言えばそうではなく、各登場人物の個性が暗さを多分にカバーしている(全編通してギャグは少な目であるが)。
戦闘は敵味方含めた各メンバーごとに攻撃用のグラフィックが用意されており(止め絵なのが残念だが)、また各ボスとの決戦では台詞が入るなど演出面がかなり強化されているので、シナリオの完成度を高めるのにも一役買っている。
難点としては、移動中の画面グラフィックがあまりにも貧弱なのと、戦闘のテンポがやや遅いこと(戦闘のシステム上仕方のないところだが)と、一部の戦闘においてシナリオの原本に忠実に従っているためか、多少矛盾点があったりすることがあるのが難点だが、あまり気にはならない。ゲームをクリアしたら、是非とも原作を読んでもらいたい。
それでも、ほかのゲームにはないすごみを感じるので、18歳以上推奨やパッケージの印象にとらわれず(筆者は某Zで販促用のポスターを見てしまい、購入を躊躇してしまった)入手できる機会があったら一度やってみるとよいと思う(もっとも、最初からその方面をねらっての購入者には厳しい面があるかもしれない)。

Main Cast

神崎 まりか(CV:宮村 優子)/金本 あきら(CV:永島 由子)/東堂 かなめ(CV:渡辺 久美子)

ESP List

(工事中)
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