パセオ・インペリアルホテル 1457号室
部屋の窓からじっとパセオの夜景を見つめる女性がいた。
彼女の名はシルカ。パセオの大富豪レビニア家の令嬢として、何不自由なく育てられた彼女だったが、いつの頃からか、盗みにスリルを求めるようになった。世界有数の宝石からスーパーのカンヅメまで、あらゆる物を盗んでいった。
今度のターゲットは隣のビルの10階のアートギャラリーにある、天才画家、エリオサールの油絵、「オパオパ」。時価数十億メセタと言われる逸品だ。今夜こっそりと、こいつを頂こうというわけである。シルカは久しぶりの大物に、胸が高鳴るのを覚えた…。