PHANTASY STAR II TEXT ADVENTURE
〜ネイの冒険〜

Story

〜AW1284年 春 モタビア星 パセオシティ〜

ネイは旅を続けている。行くあてもない独りぼっちの旅。荒野をさまよい、街を抜け、ひたすら歩き続ける。けれど、どんなに歩いても落ち着ける場所など見つかりはしない。猫のような尖った耳をした、奇妙な姿のネイは、心はただの幼い少女なのに、他人は彼女の体に流れるバイオモンスターの血を嫌う。暖かい家庭の幸せも、束の間で奪われた。そう、あれは半年前のこと…。

生まれた時からずっと独りぼっちだったネイを、拾って育ててくれたのは、優しい中年の夫婦だった。その養父母との団欒を、あの日暴徒の群れが襲った。彼らは手に手に松明を掲げ、ネイを追い回し、家に火を放った。炎に囲まれた夫婦は、危ういところでダストシュートからネイを逃がした。地下水路を抜けて地上に出た時、ネイは遠くに激しく燃え盛る我が家を見た。

その日からまたネイの孤独な日々が始まったのだ。
もう帰っていく家はない。待っていてくれる人も。

暴徒を率いていた、あのハンターの残忍な顔は一生忘れられない。
その頬には大きな傷跡があった…。

そしてネイは今、見知らぬ町にたどり着いた。