ところで、21世紀の世界では地球にいん石が衝突したんだが、私の描くマンガは、それから間もなくの時代が舞台になってるんだ。そして、誕生したのが"新世界帝国"と呼ばれる平穏な地球なのさ。
私のマンガに登場する悪役の名は「モータス」。モータスはスーパーナチュラル・ミュータントで、自分の自由になる「世界帝国」をこの地上に築こうという野望を燃やしている奴なんだ。
平和な"新世界帝国"の防衛長官であるアリッサ・サイアン将軍は、モータスの危険性に目を向けた最初の人物であった。彼女は、この平和な帝国を征服するというミュータントたちの野望を暴き、これをくじくため、あるスーパーヒューマン・エージェント(超人間諜報員)を派遣しようとしたらしい。
ある蒸し暑い夏の夜、私は次の連載分の原稿を仕上げたんだが、そのとき突如…激しいV稲光がしたかと思うと、何と奴がマンガの世界からこの現実世界に飛び出してきた!!
奴は、現実世界に第一歩を踏み出した。しかし、奴が本物の生き物になるには、もう一つだけ仕事が残っている…。それはこの私を抹殺すること!
なんてこった…。
以来、この世界は凶暴な戦いの舞台へと変貌してしまった。奴は私とペットのネズミ、「ロードキル」をマンガの世界へと送り込んだんだ。
今や、創造主(私)は被創造主(モータス)のなすがままになってる。しかも、奴は私のマンガを自由自在にコントロールし、奴の悪賢いペンからはとてつもない怪物が描き出される……この私をズタズタに引きさいてしまいかねない怪物を。
しかし、奴がしくんだミュータントによるテロ活動を打ち砕く無名の英雄がいるとしたら…サイアン将軍が本当に必要としている人物…それはこの私だ!!