Y.K                          Aug. 2001 



異文化に触れたくて旅を始めました。
この地には1996年8月に1度来ました。
予定に無かった場所だったのですが、立ち寄ってみて、カメラを向けると下を向いてしまう子供達、道で出合っただけなのに子供の髪を結い直し、ピンと背筋を伸ばしてカメラの前に立つ母娘、道の両側で多くの陽陰を作ってくれているパンの木と、その間にまばらにある民家・・・・・・

たった数時間の滞在でしたが、その素朴さに心打たれました。
その時の情景を思い描き続けて5年の月日が流れてしまいましたが、今年やっと再訪できました。

家屋の形は変わっていませんでしたが、他は大きく変わっていました。
5年はあまりにも長い時間だったのかも知れません。
自分が日頃住んでいる世界に無いものを求めて、変化していく事を嘆くのは、あまりにも勝手であるのですが、どんどん自分の居心地の良い場所が無くなっていくようで淋しい限りです。

別に秘境が好きな訳ではありませんが、秘境と言われている所にしか私の求めているその人達独自の文化とポリシーが無くなってきてしまったような気がします。

この地の子供達にも、これ以上日本人観光客ズレした状態にはなって欲しくないし、訪れる方々にも『居させて頂いている身』であることを自覚し、またいつ訪れても以前と変わらぬ楽園であり続けるよう願っています。