妙子                              
 Aug.2000
         






小さい頃から秘境に憧れ、文明にとらわれず生活している人に興味を持ち、よくテレビや雑誌にかじりついて見ていました。

2年前にキリバスと佐藤さんの記事が小さく載っていて、直感で
 「ここだ!行きたい」
そんな気持ちがヒシヒシとわいてきてこの地にやってきました。

 
 なぜ、憧れや興味を持ったのか考えた事もなかったけれど、きっと思いっきり心の奥底から笑ったり、思うがままに自分を出してみたい、生活してみたい、自由でいたい、そう思っていたのだと思います。

 日頃の生活は人の顔色をうかがい、自分をおさえたり、手に入れたいものは何だって手に入り、ものにあふれ、ひと時は満足するけど、達成感もなく、心が満たされず暮らしているように思います。

 キリバスに来て、私は自然に誰かに微笑みかけたり、気持ちよく歌ったり、村人に声をかけたりして、顔の表情筋がゆるんだ気がします。そんな風に引き寄せられる、エネルギーがここにはあると感じています。
村の生活の奥底までは理解できないけれど、心の豊かさは感じとれました。自然な大きな笑顔、心の奥にひめてるエネルギー、このキリバスの海のように、青く澄んだ気持ちでいられるよう、日々を送れたらと思います。

そんなおばさんになることが私の小さな夢です。