木田 真弓           July.2002



ブリスベンを午前0時半に飛んだエアーナウル。
ウトウトしてツト窓の外を見やると、プラネタリウム状態。
そこにいつしか朝の最初の光が射してきて、雲海とのすんごいグラデーション。
なんて美しい光景なんだろ。パイロットっていつもこんなイイ思いしてるわけ?
そして晴れあがったキリバス上空、海と島のコントラストが〜〜〜あっあっあぁ
かっこわり〜、涙出てきちゃったじゃん。

村は朝4時半からニワトリが鳴く、犬がわんさか、ネコもわんさか、
子ブタも七匹かわいいぞ〜、そして子供もわんさか。
皆、この暑さの中ハダシでものすごいスピードで走りまわってる。
カールルイスより早いんでない?
サッカーも上手いだよなぁ、股下4回抜かれてしまった。
となりの塩辛声のおばちゃんは”私の髪=カツラ疑惑”を持っているらし。
早く得心してもらわなくちゃ。
夕方、前の道路に出てみると、聞き覚えのある声!
近寄って”ほらほら〜、引っぱってみて〜”と髪を差し出す。
おばちゃん、とまどいながらも持っていたクシで私の髪を梳いて髪止めを留め直してくれた。
”佐藤さん、疑惑を晴らしてきましたよっ!”
”えっ、どれ? うん? あの人違いますよ”
がび〜ん、私いきなり道端に立ってた人に自分の頭突き出して髪梳きを強制したわけ?
おばちゃん、いやおねーさん、ごめんなさい(恥)

調子に乗って毎日ガンガン食べていたら、4日目の晩ついにやってきたぞ。
ものすごいげーりーと腹痛が。
5時間のたうちまわって・・・ウソ、トイレにいた方が長かった。
さすがにこの時ほどウォシュレットが恋しかったことはなかったなあ。
あまりのお腹の痛さに横になれない。
一番楽だったのが体育座りしながら、身体を自分で揺すっている一人ゆりかご状態。
これでそのうちウトウトしてきた。へぇ〜人間どんな格好でも眠れるもんなんだなあ。
次の日はさすがに活動休止。
一日中うで〜っとしている。
マコさんの気遣いと、ヤスさんの特製おかゆのお陰で一日で治った。わーい。
元気になればこっちのもんだいっ。

今回の旅は40年間生きて来たその過ぎ去し方を振り返るのが目的だった。
し・か・し、着いてみたら脳ミソも活動休止。
まっ元々あんまり動いてなかったけど・・・
自分の視界に入るものを眺めてはただただぼ〜っとしてるだけ。
ボートの上でもぼ〜っ、海の中でもぼ〜っ、炊事の煙見てぼ〜っ、
アリ見てぼ〜っ、空見てぼ〜っ、夕陽見てぼ〜っ、
あっ一つだけぼ〜っとできないことがあった。
帰りのエアーナウル、ウェイティングリストの7番目なんだった。
乗れるのかなぁ。乗れなかったらどーしようかなぁ。
まっいっかぁ、ぼ〜〜〜っ。