難民キャンプの子供たち

 街なかであれキャンプであれ、子供たちの笑顔がみられると心が洗われる気がする。この状況下にあっても笑顔でいられることが驚きでもあり、哀しみでもある。
 ここ、ニュー・シャムシャトゥー難民キャンプはまだましなのだ。他のキャンプでは子供たちに小石を投げられたり、荷物をひったくられそうになったこともある。その子達の瞳には敵意すら見とめられなかった。抑圧された環境と精神ゆえの状況反射的行為だったのだと思う。
 そういえば、震災後の神戸の避難所でも、一定の期間を経過した後、子供たちがやたら荒れだした時期があった。
 なにもかも不自然な状況のなかで、子供たちだけが無傷でいられるはずもない。この子たちの顔から笑顔が消えてしまわないような環境をつくっていかなければいけないのだ。