2002・8 白馬紀行再び
北アルプス・白馬岳へ、昨年とは別ルートにて登山をしてきました。
8月22日 天候 晴れのちくもり
立川駅12:19発急行アルプスのまたまた車窓の人となった。
今回はやはりみなさんの休み明けの後ということで空いていた。
立川で乗ってシート4人分を独り占めさせて頂いてしまったのである。
ビールを1本飲んだら日頃の疲れからだろうか、すぐに瞼が重くなりそのまま寝入ってしまった。
気がつけば松本である。
信濃大町が近づくに従って青空をバックに鹿島槍の双耳峰が次第に大きくなってくる。
そう、きょうは今のところ快晴なのである。
金曜日発であれば白馬まで直通のこの列車も平日は信濃大町までである。
木崎湖・中綱湖・青木湖と順に仁科三湖が通り過ぎて行く。
湖の上にだけ朝霧が起ち込めており幻想的な風景である。
青木湖を過ぎトンネルを抜けると雪ならぬ一面の霧というよりも雲の中に入ってしまったようである。
それまでの世界がウソのようである。
だが、白馬駅が近づきようやく視界も開けてきた。
ここからバスに揺られること30分ほどで登山口の猿倉である。
7:05猿倉発
昨年の9月に見上げた山頂は雪であったが今回は緑の山並みが続いている。
8:00白馬尻小屋着
小屋のウラ手すぐ下を雪渓より流れ出る水がここではすでにゴウゴウと音をたてて流れている。
8:15白馬尻小屋発
昨年9月に登ったときには途中に大きな口を開けていた大雪渓も今年は見事に白馬尻までその姿を現してくれている。
雪渓ではガスったり晴れたりとめまぐるしいくらいに空模様が変化していく。
その中でただひとつガスっていて見えないのであるが、杓子側からカランカランと乾いた落石の音だけが不気味に響いている。
そして雪渓にもいたるところにその形跡を残している。
ましてや登山ルートの一部はその杓子側を登っているのである。
この危険地帯を通り抜けると待っているのが高山植物たちである。
昨年は時季が遅かったためにほとんど見ることのできなかったお花たち。
それらのお花たちの間を通り抜け村営山荘を過ぎると、そこはもう石ころだけの道となってしまうが、本日の目的地・白馬山荘はすぐ目の前である。
8月23日 天候 くもり
きょうは朝からくもりである。
白馬岳の頂上に立った。
しかし、朝日はない。
妙高・火打などが見えるだけである。
本来であれば、上越国境の山々が南に目を移していけば八ヶ岳・南ア・富士などが続くはずであるが、厚く覆われた雲に隠れてしまっている。
ここ白馬岳は北アの一番北に位置していると言っていいところで、ここから北は日本海へ向けて標高を下げて行くだけである。
杓子・鑓のすぐ先には鹿島槍が右に目をやると谷を挟んで見事な紡錘型をした劔岳がそれに連なって立山が控えている。
遥か彼方うすい雲のカーテンの向こうには槍・穂高の峰々が浮かんでいる。
6:30白馬山荘発
白馬三山のこの稜線はほとんど石ころばかりの道である。
曇っているために見える山と言えば立山連峰くらいのものである。
このためただただピークを踏んできょうの目的地・鑓温泉に歩を進めるだけである。
が、その石ころばかりのガレ場でけなげにも咲いているのが高山植物の女王「コマクサ」である。
杓子と鑓との間の斜面ではかなりの個体数の群落も見られたりした。
途中信州側の谷を見下ろしているのでなにごとかと覗いてみると、雷鳥が3羽の雛の子育ての真っ最中である。
白馬鑓を過ぎ、鑓温泉への下りと唐松岳への分岐で休憩。
お天気がよければこの稜線上でお昼寝でもしたいところであるが、風もありちょっと寒く景色も望めないので温泉側に下りたところで食事ということにした。
食事も済んで一息入れたところで、ここからはひたすら鑓温泉まで下りである。
下り始めてすぐにお花畑になる。
ここで少し青空が覗いている。
青空と白馬鑓の白い岩稜、そしてお花と見事な対比である。
ここを過ぎてしまえば後は樹林帯の中で景色を楽しむことは全くできなくなってしまう。
途中2〜3ヶ所の鎖場がある。
最後の鎖場を過ぎ雪渓の脇に出ると今日の目的地・鑓温泉がすぐ下に見える。
さあ、本日の最後の下りもう一息だ。
12:30鑓温泉着
ここで荷を降ろし、宿泊の受付を済ませ一風呂浴びることにした。
残念ながらガスっており何も見ることができない。
明日に期待しようと言いたいところであるが天気予報ではこれまた雨模様である。
ちょっと熱めのお湯で長く浸かっていることはできないがとてもいいお湯である。
ほてった身体で石造りの浴槽のに腰掛け、風に吹かれて、なんとも言えずとても気持ちのいい至福のときだ。
そして風呂上りのビール、う〜んなにも言うことはない、もう最高!
8月24日 天候 雨ときどき晴れ
やはり朝から雨である。
だが雨のためか昨日はガスってなにも見えなかった景色を望むことができた。
妙高・火打そして志賀高原方面である。
東の空が明るくなっているが、雲も重く垂れ込めているので朝日を拝むことはできそうもない。
温泉に浸かってご来光を拝むことは残念ながら、また何れの日にか戻ってくるかもしれない。
5:30鑓温泉発
きょうはもう猿倉までただただ下るだけである。
下り始めてすぐに雪渓の下部にでると、クルマユリやミヤマキンポウゲなどのお花が一面を飾っている。
青空が覗くのであるがこのまま上がるようなことはなさそうである。
8:10猿倉着
猿倉に着くとまだこれから登るという人たちでいっぱいである。
でも、この時間からと思って聞いてみると大雪渓を楽しみにきたツアーということであった。
生憎の雨であるが、これもまた山。
さあ、これで今回のわたしの白馬山行も終わりである。
次の山行は果たしてどのようなものになるのであろうか。
最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。m(_ _)m
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