LEDランタン自作

入っているSNSで合同キャンプをする企画が持ち上がった。
僕はソロキャンプの道具しか持っていなくて、
中でも照明機材はヘッドランプとロウソクだけしかない。
一人ならそれで充分なんだけれど、
何人かでやるキャンプでは、照明持っていませんというのも気が引ける
(家族で使っているバーベキュー用の道具類も、
日中を想定した物だから、ランタンは入っていない)。

LOGOSのLEDロケットランタン辺りを買おうと思っていた時期もあったのだが、
結構高いなと思っているうちに、ヘッドランプとロウソクで満足してしまって
バイクでのツーリングキャンプならランタンなんかいらない派になってしまったのだ。
その頃にインターネットでLEDランタンを自作する記事はいくつか読んでいて
ぼんやりと、安く作れるならいいなぁと思っていたのだが、
必要もなくなった事で、ずっと忘れていた。
今回、照明の一つも持ってなきゃいかんな、という事になって
最近貧乏な事だし、いっちょ自作でもしてやるか、と思い立った次第である。

僕は電子工作にはまったくの素人だ。
電気関係の、法則やら計算式やらもまったく覚えていない。
しかしインターネット上には、優秀な先達がいっぱいいて、
事細かに方法を教えてくれる。
幸い、ハンダごては持っているのでなんとかなるだろう。

まずケースを確保しないとLEDの数が決まらないので、 通勤経路にあるダイソーで豆電球のランタンを購入した。 ネット上の先達がよく使用している物だ。 という事で、LEDの数も先達に習って12個使う事にする。

次に、LEDを買わねばならない。目指すは秋葉原の秋月電子だ。
そこなら抵抗やユニバーサル基板も買えそうである。

ネットで下調べをした上での予定では、
6500mcd(6cd)の、定格25mAの広角白色LED:100円/2個、
を使おうと思っていたんだけど品切れ。
近くの電子部品屋さんを当たったがやはりない。
自作ランタンなんて流行っているわけもないから、
車の改造にでももてはやされているのだろうか。
秋月に戻ってしばし悩んだ挙句、同じ広角白色LEDの
15000~15600mcd(15cd)の、定格100mAの物を買う事にした。値段は700円/10個。
よくわからないけど、明るさは2倍だが、5倍くらい電気を食うという事だろう。
どうせ5倍食うなら、6cdのままでLEDの数を5倍にしたほうがいいのだが、
ダイソーのランタンには60個もLEDを仕込めないし、
限られた設置面積での明るさを優先した事にして、無理やりに納得する。
このLEDはまたうっとうしい事に、VF値が3.8V〜4.2Vと流動的だ。
これでは抵抗の数値を追い詰める事ができない。
しかしあまり細かい事に文句を言っても始まらない。
要するに早く製作に取り掛かりたくて、部品の入荷なんて待っていられないのだ。

抵抗も買わなくてはならないが、LEDの性能が予定と変わったので
計算して弾き出しておいた、抵抗の数値も変わってしまった。
店頭で、うろ覚えの計算式で計算する。

電池を3本使う(4.5V)という事で、

(抵抗[Ω])=(電源電圧[V]−LEDの電圧VF[V])÷LEDの最大定格電流IF[A]
とすると(LEDの最大定格はmAをAに)、
VF3.8Vとするなら、(4.5-3.8)/0.1= 抵抗は7Ω、
VF4.2Vとするなら、(4.5-4.2)/0.1= 抵抗は3Ω。
大事を取って7Ωに合わせるならば、実際には10Ωの抵抗を使うというところだろうか。

最大電力値のほうは計算式が思い出せなかったのだが、
店頭にある1/6と1/4ならでかい方が安全だろう、と
とりあえず1/4のほうにして、それの10Ω抵抗を買っておく事にする。


秋葉原から戻って計算をしてみた。
抵抗の最大電力値が合うかどうかだが、これが自信がない。
(最大電力)=(電源電圧[V]−LEDのVF[V])2÷(抵抗[Ω])であるならば
VF3.8Vとするなら、(4.5-3.8)2/10= 最大電力は0.049W→1/20W、
VF4.2Vとするなら、(4.5-4.2)2/10= 最大電力は0.009W→1/100Wというわけで
1/6で充分という事になるのだが…計算はこれで合ってるのかな。
1/4を買って、失敗したかな。
早く作りたくて抵抗はそのまま1/4を使っちゃったけど、明るさに違いが出たりするのかな。

あとユニバーサル基板も一緒に買って、材料は揃った。
LEDと抵抗はパッケージ売りだったので、全部で1800円ぐらいかかったが、
使う分だけ計算すれば1200円程度のはずである。

さて製作に取り掛かるわけだが、基本的にその手順は、ネットで
「LEDランタン 自作」を検索すると出てくるサイトさん達の丸っきりの模倣なのだ。

・ランタンの透明ドームに入るサイズにユニバーサル基板をカットし、
・LEDと抵抗を、配置を考えつつハンダ付けしていき、
・電池ケース部と基板を配線で繋いで、
・基板を透明ドームから吊り下げるように固定してやって
・全部を組み立てれば出来上がり、だ。

LEDは12個使ったのだが、抵抗も同じだけ並べなくてはならない。 この、12セットを並列繋ぎにする並べ方を考えるのが非常に面倒くさかった。 やる前は、ハンダをミミズのように這わせれば繋がるかと思ったのだが それは素人の浅はかな考えで、ハンダはそんなに言う事を聞いてくれない。 結局、結線する端子と端子をなるべく近くに配置したり、 抵抗の足を橋のようにLEDの足に伸ばしたりと 素人ならではのアクロバティックな配線を行って、全部を回路にした。

抵抗はLEDの+側−側どちらに繋いでもいいらしいが
LEDに入ってくる前に適切な数値になっているほうが気持ちがいいので
+側に繋ぐ事にする。

電池ボックスにコードをハンダ付けしようとしたら、
端子の金属にハンダが食い付かない。
何度やっても取れてしまい、すったもんだやっていると
外装に熱いハンダの玉が転がって溶かしたりして、非常に不愉快だった。
結局ハンダで固定するのは諦めて、
電線を巻きつけてねじった所を、ハンダで留める、というような感じにした。

透明ドームはランタン本体にねじ込むように取り付ける事になっている。 だからドームに基板を完全に固定してしまうと、 ねじ込む時に基板も一緒に回ってしまい、基板から伸びた電線がよじれてしまう。 なので、透明ドームと基板を完全に固定するのはやめて、 ドームから突き出したボルトが基板のセンターを通っているだけにした。 こうすれば、ドームが回っても基板は回らない。

実に立体的でダイナミック(汗)な回路になったので、
ショートなどが心配だったが、電池を繋いでみるとめでたく全部のLEDが点灯した。

…うーん、12個使った割りには、そしてcd数の明るいLEDを奮発した割りには暗いな。 しかし、本は充分読める明るさである。 LEDを正面に近い所から見ると、一つ一つのLEDが眩しくて目が悪くなりそうなので、 透明ドームの裏側を紙やすりでやすってやり、曇りガラスっぽくして光の拡散を狙った。 アンバーのフィルターでも使ってもう少し光の青味を抑えようかと思ったけど 光量を落としてまでウォームカラーにするのもな、と思って手をつけない事にする。 どうせ、雰囲気がほしい時にはロウソクなのだ。

その、ロウソクとの比較はこんな感じである。 芯の眩しさはどっこいどっこいに見えるけれど、照らす明るさは段違いだ。

電池の保ちはまだ測定していない。
そのために電池を3本潰すのももったいないので、次回のキャンプででも測定しよう。
常夜灯にするには明るすぎるし、要は宴会専用なのだ。
夕方から5時間ぐらいを単三3本でこなしてくれれば、コストパフォーマンスは充分である。
早く使いたいなぁ。