毛筆で文字を書く

以前、僕のサイトのコラム上(はてなダイアリー)で
いいボールペンでも買うかな。と書いた事がある。
そのネタは、 使い捨てボールペンに関するコラムに遡るのであるが、
先日、いよいよデスクの中の伊東屋のメルシー券が邪魔になってきたので
これはもうボールペンを買うしかないなというところまできたようなのだった。
どうせなら少しお金を足して、プラチナ萬年筆の
ダブルアクション30周年記念モデル(スターリングシルバー)なんかがいいなと
伊東屋に何度か通ったのであるが、どうにも踏ん切りがつかない。
使い捨てのボールペンからは脱却したいが、高級なボールペンとなると、
人に貸したり、オフィスのデスクに置きっぱなしにしたりする自分のライフスタイルに
どうも合わないんではないかと悩んでしまうのだ。

そんな折に弟の結婚式があり、ご祝儀袋に筆ペンで名前を書く機会があった。
ちょっと焦っていた事もあってその字はとんでもなく汚く、
それをきっかけに、そういえばお習字をやりたいな、なんて考えていたのを思い出したのだ。
道具にこだわらなければお習字なんて、小学校の授業で使う程度の道具代しかかからないし
なかなかいい趣味と言えるではないかというわけである。
というわけで、高級ボールペンと書道の道具を比べてある日、伊東屋1と伊東屋3を3往復した挙句、
ボールペンが新しくなっても新しい事は起こらない、という考えで
お習字という趣味・遊びにメルシー券を使う事にした。

購入時の伊東屋のレシート。6160円分のメルシー券を使った証し。 結構恥ずかしかったが、貯まったチケットで余暇を過ごす何かを買うというシチュエーションは 店員さんにも理解を得られやすいんじゃないかと自分に言い聞かせた。

買ったのは硯箱と硯、小筆と墨汁。墨を擦る気がないのが丸わかりである。 墨を擦るのは精神修養にもいいというのだが…。 この時は硯に墨汁をたらすつもりだったんだが、 後にセラミック製500円の墨池(ぼくち)を買って使う事にした。

小筆のほうがメインのつもりである。購入したのは イ方古堂の「みくまの」。 伊東屋で名前書き用として推薦されていてなおかつ安かったからである。

だが後になって大筆も購入した。小筆は筆の運び等、筆任せの部分が多いようで、 基本がまったくわかっていない僕の場合、大筆で少し基本をやらないと、 話にならないようだからだ。筆は同じくイ方古堂の 「」。 これも学童用として推薦されていた。楷書用らしい。

ガイドブックも新宿や神保町で結構な数を吟味したが、 そのほとんどが、ページをお手本の掲載に割いており、 具体的なノウハウについて書かれた物がとても少ない。 そんな中で、この毎日新聞社の「筆で書く」は非常にわかりやすく、 超初心者が入っていきやすい本だと思う。

僕が子供の頃はなかったと思うが、水で書けて、乾かすと何度も使える パイロットの「水書きお習字練習シート」という物である。 練習の成果が残らないので後から反省材料にならないのがデメリットだが、 早い段階の、例えば「一」の字をひたすら書いて とにかく筆に慣れたい時期にはいいんじゃないかと思う。 3枚セットだが、3枚目を書き終わっても1枚目は全然乾いていないので、 もっと欲しいぐらいだ。他のメーカーからも出ているので、 筆が付いていない物を探してこよう。 これでひたすら「一」を書いていると、小学校のお習字の授業のやり方は あまりいいやり方じゃないと思えるのだった。

ガイドブックに、この本で習う前にまず自分の名前を筆で書いてみて残しておけとあったので、 自分の名前を書いてみたが、このネット上で公表するわけにも行かないので、 年齢にちなんで「不惑」と書いてみた。 スキャンできるよう、半紙をさらに二分割した物に書いているから、 半紙に4文字相当の大きさの文字である。これがどこまでましになるやら。

続く。