味玉を作ってみよう!

最近、ラーメン屋の人気店で出てくる味玉。
白身は固く、しかし黄身はとろとろのゼリー状でしっかり味が付いていて。
実はこの味玉、僕にとっては結構身近な存在です。
毎年年末に作る、豚の角煮に必ず入れるからです。

しかし今まで、味玉を研究した事もないし
味玉をメインに調理した事もなく
だから正直、満足のいく味玉ができた事はありませんでした。

味玉の作り方は、ゆで卵を煮汁に漬け込むだけなのですが
他にも注射器でツユを注入するという説や
殻を割らずに殻のまま漬け込むという説もあり、
正しいところはわかりません。
なので一度、しっかり作ってみる事にしました。

ゆで卵というのは僕にとって意外に難しい料理だと言えます。
固ゆで卵はほっとけばできますが半熟卵は難しい。

温泉卵の作り方を検索すると出てくるのが
卵の白身と黄身の凝固温度の違いです。

56℃ 白身の粘度が上がる
58℃ 白身が白濁する
62℃ 白身がゼリー化する
64℃ 黄身の粘度が上がる
70℃ 黄身が凝固する
80℃ 白身が凝固する

温泉卵は温度で管理します(できます)が、
半熟卵は時間でしか管理できません。
白身が固まる温度は既に黄身が固まる温度を超えているからです。

そして茹で時間というのがまた厄介で、
世の中では一般的に、卵を割らないために水から加熱し、
沸騰してからの時間を計ります。
この方法では、沸騰するまでの間に少し調理が進んでしまうのですが、
鍋の大きさや湯量、火力等によって
中間温度になっている時間が変わるので、
各家庭の各調理器具、その時々によって、調理進行具合に差が出てしまいます。

これを解決するためには、沸騰したお湯に卵を投入し、
時間を計るという方法があります。
卵投入により、一瞬温度は下がるでしょうが
白身が凝固する80℃を切らなければいいのですから
管理はよほど簡単です。
そして割らないためには、生卵の底部に穴を開けておくとよく、
また割れてしまった時のために
白身のたんぱく質を固める酢を、茹でるお湯に混ぜておくとよいという事です。
それでは実際に作ってみましょう。

底部に穴を開けるので不要なのかもしれませんが、よいゆで卵を作るテクニックの一つに、 茹でる前に卵を室温に戻しておく、というものがあります。 これは卵とお湯にできるだけ温度差をなくしておき、急激な温度変化をなくすため、らしいのですが、 今は冬なので、卵を冷蔵庫から出して置いておいても、卵はなかなか室温になってくれません。 業を煮やして、水から始めて、加熱しました。理論上は56℃までに出せば卵に変化はないはずです。

温度計で計りながら加熱し、50℃で火を止め、卵を取り出します。

ひび割れた時に白身を固める酢を注入。雪平鍋に中さじ1、ぐらいでしょうか。

取り出した卵の底部に、画鋲で穴を開けます。直径1ミリ弱ぐらいだと思います。 空気穴がないわけで、だから中身は出てきません。

その間にお湯を沸騰させます。温度計で計りながら見ていたのですが、 ぐらぐらと煮立っていても100℃には達しないもので、 この写真で94℃ぐらいです。もっともこれも、80℃を切らなければいいはずです。

沸騰しているお湯に卵を投入しました! 煮立っているので卵がどういう状態なのか、ひび割れているのかどうなのか、 まったくわかりませんがとりあえずお湯の中で転がして、 黄身の位置が中心にくるようにします。

1回目の今回は、沸騰したお湯から始めて6分間茹でる事にしました。

6分茹でて、取り出して、ちょろちょろの流水で冷やします!  いっつも、この流水ってちょっともったいないんですよね…。 この状態で30分間冷やします。

30分冷やしたら水から上げて、コンコンと叩いてひびを入れ、ごりごりと転がしてひびを行き渡らせます。

水の中で殻を剥きます。水の中だと剥いたそばから殻と白身の隙間に水が入り込んで きれいに剥けると聞いたからですが、そんな必要もないぐらいスムーズにきれいに剥けます! これはちょっと驚きです。

いよいよ割ってみました! う〜ん、黄身は固まってはいないですけれど、 人を感動させるにはもっともっと液体のほうがいいなぁ。 次は5分でやってみよう。

この企画、卵を食べなきゃいけないのでそんなにいっぺんに何個も試せません。
卵は一日2個まで、が健康な食生活では定説のようですが
僕はレギュラーで昼晩1個ずつ摂取していてそれは変えられないのです。
とりあえず今回は、ゆで卵作りまでです。次回、味付け編をお楽しみに!