豚の角煮を作ろう!

2003年12月から、毎年年末に豚の角煮を作りはじめました。 レシピは最初は2ちゃんねるのレシピ板を参考に、 その年の反省点を翌年に生かすというやり方です。 しかし1年に一度しか作らないので2006年年末時点でまだ4回目。なかなか上手くなりません。 もう少し頻繁に作りたいのですが、 手はかからないけれど朝昼晩と様子を見られる時でないとならないので なかなかチャンスがありません。

・まず豚バラの固まりを買ってきます。
このブロック肉は、購入する時点ではかなりの迫力に見えます。
なのでついつい量を控えめにしてしまいがちなのですが
調理してみると、かなり縮みます。また脂身も溶けるので、
迷ったら思った量の倍ぐらい買うのがいい気がします。
余っても冷凍が効きますから無駄にはなりませんし。
ただ、結構高いといえば高いんですよね。
高級な肉ではありませんからグラム単価は安いんだけど
一度に量を買えばそれなりにします。
「たかがアブラミ」と捉えると結構高い。
それに「たかが」旦那の気楽な趣味(失敗も厭わないという意味で)ですし。
家族も角煮好きなら問題はないでしょうけれどね。

・下茹でします。
この工程はあまり意味がわかりません。
切りやすくするためかな…。
これ、今までは水から煮始めて、沸騰させたら火を止めるというふうにやっていましたが
別の料理ではありますが、豚しゃぶの記事を検索すると
肉を固くしないためには70~80℃ぐらいがいいようで、
豚肉が硬化する温度は水の沸点よりもだいぶ低いようなのです。
だからここでもやはり沸騰させないほうがいいんじゃないかと思うので
次回は沸騰させない事にしようと思います。
衛生面にしたって、どうせ後で何時間も熱を加えるのですから…。

※下茹での前の炒め付け(未着手)。
生肉の時点で食べる大きさに切り、中華鍋で肉の各面を念入りにさっと炒め、
肉の旨みを封じ込めるという方法もあるようです。
表面部分だけとはいえ高い温度にするので固くなりそうで、
僕はやった事がありません。
しかし僕の仕上がりはいつも照り感・ツヤ感に乏しく、
また色が薄い茶色になるのが悩みの種で、
結局脂は抜くにしても、もう少し潤いがあってもいいんじゃないかと思うので
これも次回はやってみようかと思います。

・茹でた肉を、自然に冷まします。
僕は煮汁から出さずにそのまま冷ましています。
肉の乾燥を防いだほうがいいだろうと思ってそうしているのですが
冷めるのに時間がかかるのが難点です。
待ちきれなくて、ぬるいぐらいになったら次のステップに行っちゃうんですがね。

・肉を水洗いして、角煮の大きさに切ります。
洗う行為はおそらく、血とか余分な筋を取り、
煮ているうちにバラけちゃう内側の突起などを外してしまうためかと思われます。
その後、盛り付け時の大きさに切るわけですが
確かにここで切るのが一番切りやすいです。
だけど、煮込んで肉が溶ける事を考慮すると
切るのは盛り付け前にする事にして
煮汁に対する接触面を減らす方法もアリなような気がします。
溶けた後に、適正な大きさに切れるわけですし。
煮込んだ後は切りにくいんですけれどね…(←一番最初に作った時、最後に切った)。

・できたら一晩、肉を冷凍します。
僕は、下茹でした煮汁は捨てて、肉だけを器に移してラップして冷凍しています。

・煮汁の第1段階を作ります。
水と日本酒や焼酎を3:1くらいに、砂糖を加えた物を沸騰させます。
まだ味は調えなくて大丈夫ですが、砂糖の量は、すき焼きの時と同じぐらいでしょうか。
この煮汁の全体の量はたっぷりめ。肉や卵が入った時に
落し蓋で少し押さえたならば余裕で浸るぐらい。
後で加える醤油の量は考慮しません。水分の蒸発分への充当分とします。
この時にだしorだしの素も入れますが、塩分は肉を固くするらしいので
初期段階では少しだけにするといいようです。
という事は、だしを取るなら別の鍋でという事になり、
それはめんどくさいのでだしの素が楽…です。
また、色を多少付けたいので濃い口醤油も入れますが、
同じ理由でかなり少なめのほうがいいようです。
※ここでの醤油はもしかしたら意味がないから省いていいのかもしれません、
さすがにだしは省きたくないですけれど…。
材料が投入されたらいったん沸騰させます。

・肉を鍋に投入します。
火を止めて煮汁を充分冷ました後に、白ネギぶつ切りを適当な量と生姜スライスを少し、
及び、切った(冷凍してあった)肉を並べます。
生姜は肉の臭みを取るのですが引きあげ時が難しく、
味見してもよくわからなかったり、既に遅かったりするので
量や煮る時間は勘でやって、上手くいかなかったらあきらめましょう。
ネギはやりすぎても別にダメージはないと思うので、多め&長めでいいかと思います
。 ※冷凍してあった肉は皿から剥がれにくく、僕は何度か
それが剥がれるようになるまで待っていた(料理が止まった)ものですが
ぬるくなったスープを皿に注いで溶かして剥がせばいいんですよね。
すごく馬鹿みたいな事なんですけど恥を忍んで書いておきます。

・落し蓋をして、肉が水面より出るのを防ぎます。
鍋の内径より少し小さい皿にアルミホイルを巻いて落し蓋にします。
アルミホイルの意味は、灰汁だったか油脂だったかを吸い寄せる効果があると
聞いたような気がします。また、皿の大きさが少し足りない時に
ゆるく巻く事で隙間をなくす事ができます。
肉は、水面から出てしまうとその部分が干物のようになります。
鍋に蓋をして、蒸気が充満していても駄目なようですから
常に煮汁に沈んでいるようにしましょう。
肉が見えないとつまらないですけれど、
何回もやっていると別に見なくても良くなりますw

・決して沸騰させないように弱火で煮込みます。
鍋に蓋をすると沸騰させてしまう事に繋がるので、蓋はしません(落し蓋は別)。
沸騰直前で火を消し、冷えたらまた弱火で煮る事を繰り返すのですが
沸騰直前まで行かなくてもいいんじゃないかと思います。
水面は静かで、たまにふわっと湯気が上がるかも、ぐらいでいいような気がします。
コトコトと三昼夜、という古いCMの台詞もありますが
角煮の場合はコトコトと言ったら駄目だし、
煮る合い間に何度か冷まして温度差をつけるのがいいような気がします。
煮ている最中には、灰汁を丹念に取り除いてやります。
スケジュール的にやれるところまで、もしくは気が済むまで繰り返し煮たら、
冷える部屋・場所で一晩放置します。
この時、保温調理になると肉が柔らかくなるらしく
トロ箱に入れたり毛布でくるんだりする技もあるようですが
僕はやった事がありません。

・次の日の朝。水面に白く固まった脂を取り除きます。
多少、ネギ成分と生姜成分が入っていますが良質のラードと思われます。
ラードが使える料理にどうぞ。かなり取れるので、うちでは使い切った事がありません。

・肉の柔らかさをチェックします。
冷え切っているとよくわからないので、ほんの少し加熱する必要があるかもしれません。
まだ柔らかさに不満があれば、再度煮込みます。

・朝から昼過ぎまで肉だけを冷凍します。
再度煮込んだ場合は充分冷ましてから冷凍庫に入れます。

・煮汁を味付けします。
肉がいない間に残った煮汁からネギと生姜を取り出し、煮汁の味を調えます。
この時、多少加熱しながらでも大丈夫ですし、そのほうが味がわかりやすいと思います。
味を見ながら醤油とだしを加えます。酒と砂糖も物足りなければ足します。
煮詰まるから薄目とか、染み込まないだろうから濃い目だとか考える必要はなく、
出来上がりの味のつもりで加減してください。
白湯とんこつ以外のラーメンの具材にもするつもりなら、甘みは控えめのほうがいいです。
※味がそれなりに完成した時点で、うちではペットボトルに入れて冷凍してあった、
古い作り置きのタレを混ぜます。これも角煮を作り続ける楽しみの一つです。
味を調えてからいったん沸騰させて、調味料を互いに馴染ませます。

・煮汁(鍋)に肉を戻し、煮込みます。
ここでも沸騰はさせないようにして、熱くなったら火を止めて自然に冷やし、
冷えたらまた加熱する事を何度か繰り返します。
沸騰させないので蒸発も少なく、煮汁を煮詰める事を考えると
水やお湯を足す必要はあまりないと思います。
注意する点として、肉は煮込むほどに脂もうまみも溶け出してしまうという事です。
煮込めば煮込むほど柔らかくなるとばかりに長く煮込むと
パサパサの繊維質だけのような肉の残骸が残ります。
※これは後述する、食べる時の再加熱でも同じです。
煮込むにも限度があると考えたほうがいいでしょう。
※この溶け出しを防ぐ…というよりはそうなってもなお美味しく肉を食べるために
小分けに切らずにある程度のブロックのまま、
肉を煮るのもいいのではないかと思うのです。次回はそうしてみます。

・昼から夜まで何度かに分けて煮たら、鍋のままで冷える部屋で1晩置きます。
ここでも保温調理をしたほうがいいかもしれませんし、
味付け卵を一緒の鍋に作るならこの時に一緒に入れて一晩漬けるといいと思います。

・翌朝、また少し上に脂が浮いていると思いますので取り除きます。

・タッパー等、冷凍できる保存容器に移します。
すぐ食べる分はともかく、食べないであろう分量は必ず鍋から出して、
加熱の回数を減らしてください。食べる分だけ、その都度温めましょう。

・食べる分を少し温めて出来上がり!
彩りが欲しければ、チンゲン菜等も同じ煮汁で調理できます。

煮汁はできれば保存しておきたいです。一度煮立たせてから冷凍保存し、
定期的に解凍して使ってやる=煮立たせれば、保存していけます。
うちでは鶏の手羽を煮るのに使う事が多いです。
おかげでコラーゲンたっぷりの、煮こごりのようになっています。
魚や大根は味が移るし、芋等は溶けすぎるので
これらに使う時には繰り返し保存する事は考えないで、分けた分を使います。

以上、ご馳走様でした!   2007.1.2