リアキャリアの装着

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カワサキ(Kawasaki) ZX-9R のF 型のシート周りは惚れ惚れするほどかっこいいと常々僕は思っていますが、 ツーリングを計画するにあたってはあまりにも積載能力が不安です。 だからキャリアを付けたかったのですが、 僕の知る限り、ZX-9R の 2002〜2003年モデル、つまりF1、F2 通称 F型用の リアキャリアは1種類しか出ていません。 「VENTURA(ベンチュラ) バイクパックシステム(BIKE-PACK SYSTEM)」です。 しかしこいつは、ネット上の資料を見るだけでも実に無骨・素朴…といえば聞こえはいいけれど、 飾りっ気のない鉄工製品、といった趣きであり、なおかつ ZX-9R の F 型用は 車体に加工が必要と聞いてはちょっとげんなりなのですが、 立ちゴケしたのを機にリアカウル穴開けを覚悟して、 キャンプツーリングのために導入する事にしました。 かなり精度が悪いというインプレッションを目にしたので、 できればネット通販ではなくリアル店舗で購入したいと思い、 取り扱いのあった NAP'S で取り寄せてもらいました。 車種によっては注文があってから本国ニュージーランドで製作して送ってくるケースもあるらしく、 数ヶ月かかる事もあるという話をネット上で読みましたが、 今回は代理店に在庫があったのか、3日ほどで NAP'S に来ました。

こんな素っ気ない?普通のパッケージで受け取りました。 ベースセットの BSK068B と、パックフレームの PF19B です。 専用のバッグは購入しませんでした。

ベースセットの内容を広げたところです。 届くまで構成はわからなかったのですが、見るとすぐにブラケットの存在がわかります。 という事は既存の、車体から露出しているボルトナットを使うだけじゃないという事なので、 勢い強度への期待も強まります。

しかし、ステーの曲げが左右で違っていたりもして、これが意図された物なのか「曲がってしまった」のか 判断できず、もしかしたら現物合わせで「合わないから曲げとけー」なんていう風な 家内制手工業的作業によってなされたものかもしれないなと思いながらも、 組んでみるまで吉と出るか凶と出るかはわからないのでした。

うれしい事に F 型用に必要な車体加工というのはリアフェンダーに対してで、 テールカウルには加工が必要ありません。 ブラケットのパイプが2本、突き出るための直径 14mm の穴を二つ開ける事になります。 僕はフェンダーレスキットを入れているので、純正部品には加工しなくて済むわけですが、 その、 Nao のフェンダーエリミネーターはフェンダーと小物入れが別体となっており、 小物入れの隔壁がちょうど穴を開ける位置にきています。 なので隔壁を一部カットするという作業が必要でした。 あまりきれいな加工ではないのですが、見えない部分だからよしとします。

ブラケットにかかる荷重は、シートレールにぶらさがる形で支えられます。

また、シートレール後方の、フェンダー固定ネジでも支えられ(固定され)ます。

フェンダー下部から突き出されたブラケットのパイプに、キャリアのフレーム(グラブレール状の物)が 吊られるわけです。パイプにネジが切ってあり、下からボルトで固定します (キャリアのフレーム前方でもう一箇所、タンデムステップホルダー用ボルトで固定します)。

仮組みしてみるとこんな感じ。文章ではスムーズに作業できたように読めますが、 実際にはフェンダーレスキットへの穴開けが、開けては組み、開けては組みと 試行錯誤の現物合わせだったので、結構時間がかかりました。 これは社外品フェンダーだったためで、純正ならば 穴を開ける位置のテンプレートが付属しているので一発で穴を開けられたと思います。 各部品のフィッティングですが、思っていたよりはスムーズでしたが、 キャリアのフレームを車体に固定しているボルトを4つ緩めておかないと、 グラブバー(やパックフレーム)を差し込むのに苦労する、というレベルです。 テールカウルに隠れてしまうブラケットのボルトは緩めなくても大丈夫そうなので たいした手間ではありません。

梱包を開けた時に気にした、左右フレームの曲がりの違いですが、 フェンダーから突き出たパイプの長さが違うため(写真の赤い線参照)、問題なく取り付けられます。 しかしパイプの長さがなぜ違うのかは謎で、見た目も悪いし、 何かを回避しているわけでもないしで、どうもやっつけ仕事っぽい気もします。 でも、もしかしたら純正フェンダーなら何かを回避しているのかもしれません。 確認するのが面倒なので、好意的解釈をしておきます。

外装を取り付けました。テールボックス内部には、銀色のフレームの前にもう一つ黒いフレームが来る感じになります。 容量は1割ほど減るかもしれません。赤い物は関係のないステッカーや針金なので気にしないでください。

グラブバーを付けてみました。この角度からだと一見、さして悪くないような気もするのですが…

後ろから見るとちょっと浮きすぎだし、固定ネジがやけに目立ちます。やっぱり普段は付けていられません。

パックフレームを付けたところ。背もたれには、ぎりぎり見えない高さです。 もっと背の低いスポーツラックという手もありましたが、 ツーリング目的なら大は小を兼ねるかなと。 が、荷物を積んでいない状態ではなるべく走りたくない見ばえです。

まだ使ってないのでなんとも言えないのですが、 荷物の重量はタンデムシートに負担させて、その保持・固定にキャリアを使う事になると思うので、 その用途についての強度は充分あるような気がします。 キャリアフレームの取り外しは簡単で、ツーリングの時だけ取り付ければいいし、 その場合もテールカウル内部のブラケットは常に付けっぱなしにできるので 普段は外しておく事になるでしょう。 フェンダーからパイプが二つ突き出るのは気にしない事に。 ただ、ネジ穴に泥が入って錆びると嫌なので、 何かのボルトで蓋をしておくほうがいいかな。 普段の外観にさほどダメージを与えない点と、 9R F 型用は了承できる程度の精度がある事から、 唯一無二のキャリアとしては悪くはないかな、と思う一品です。