f l a t d a y s
のんべんだらりを夢見つつ、魂に放浪癖のある一社会人が綴る、カウントダウン的日常の身辺雑記。
貧乏なわけではない。大金ではないが人並みにデジカメ買ったり
気に入ったかばんを買うほどのお金ならある。ただ、なぜか
本人の意思にもポリシーにも関係なく、あまりにも頻繁に
お金を携帯していない。
あるときは財布をどこかに置き忘れ、
かごいっぱいに詰めこんだお菓子をやっとレジの番が回ってきたところで
半べそかきながら全部棚に戻さなければならなかったり、
あるときは財布はもっていてもなぜかその中身全部あつめても
千円に足りず、「おごってあげる」と言った先からその相手に借金しなければ
ならなかったり、初対面の、友人の彼にいきなり国立競技場の売店で
借金しなければならなかったり。それも一度や二度ではない。
1ヶ月に2度3度、一週間に2度3度、となると、さすがに、
これはなにか現代の科学では解明できない超常的な力が働いているのではないか
という気になってくる。
そんな恐ろしい境遇に身をおいたことがありますか。
私は、ずっとです。
今週は、天皇杯のチケットを買いに、昼休みの空いた時間に
ローソンへ行った。
ロッピという、自分で画面見ながら操作する申し込み機械で
まちがったりやり直したりしながら、数試合分チケットを申し込む。
機械から出てきた申し込み受付票をもってレジへ行き、
受付票と引き換えに発券してもらってお金を払う手順なのだが、
いざレジに行って、受付票を手渡したものの、
財布のなかに、お金がない!
財布はある。お金がない。硬貨全部入れたとしても、あと千円足りない。
ぎえええええええ。またやってしまった。
ここは、若いバイトの店員になめられてはいけない。
努めて平静を装い、あたり前みたいに大人の顔で
「すみません、ちょっと現金の持ち合せがなかったので
そこのさくら銀行行って、すぐ戻ってきます。」
ほら、現金はないが、小切手なら切るわよ、とでも言いたげな、
庶民って現金取引なんて面倒なことやってるのかしら
とでも言いたげな、そんな雰囲気をかもし出して。
「30分たつと無効になりますよ」
にべもない。
「わかってます、すぐ戻ります!」
限られた昼休みの時間のこと、焦りは隠せず銀行までダッシュ!!
と、曲がり角のところでありがたい同じ部のNさんの姿が。
「Nさああーーーーーーーーんんんん!!」
いきなり街角で白昼堂々借金だ。
Nさんはなんだかとても心配して、2千円も貸してくれた。ありがとう。
その哀しいものを見るような目はやめてくれないか。
何を悲しむことがある、現にそこにあなたがいたではないか。
そのままローソンまで戻る。どうだ、早いだろう。
いきせきっているように見えてはいけない。
お待たせしたわね、くらいの気持で、
その割りに、いかにも寄せ集めたかのような
千円札ばっか12枚握りしめ。
ようやくチケットをゲット。
そして、実は今度は土曜日にもやってしまったのだが、
もういいや。もう書かない。いいじゃんかーーーーーーー!!
2000.12.7
実は書くことがいっぱいあります。
まず11月末からずっとサッカーばっか見ててわけがわかんねえ。
2戦ともすんげえおもしろかったJのチャンピオンシップ、
勝てたろう試合を落とし準優勝に終わったしかし実り多きアジアユース、
これもPKなんてとられてくやしかったアジアクラブ選手権、ええっと、
そしてそして天皇杯。
チャンピオンシップでは、もう鹿島の強さがまざまざまざ。
つええーーーーーー。柏との最終節みたいなタフでこずるい老獪な試合もすれば、
堂々の王者の試合もする。選手の層が厚いのと同じように
鹿島はゲームの層も厚い。マリノスは0−0に終わった初戦はともかく、
3−0で文字通りなす術も無く負けた第二戦は気の毒なほどだった。
仲が悪いのかなんなのか、なぜひとりひとりがあんなにばらばらなのか。
動いてる選手と動いてない選手、動いてはいても機能してない選手。
先の先を読んで、あそこに走りこみ、受けたボールをはたいてあいつに
渡し、そのボールをまたもらって、といった、
先の先を読んだプレーがない。鹿島の柳沢あたりはそういうことをしてる。
攻めたい気持が空回りして、選手が孤立していた。
秋田はいいなああ。やっぱこういう選手はいてほしい。とにかくつぶす。
とにかく削る。とにかく最終ラインを割らせない。とにかく俺が止める。
おまけに秋田らしからぬあの名良橋へのアシスト。どうしたのか、秋田。
見ましたか。秋田でっせ。最終ラインから前線へのフィードが課題といわれてた、
あの秋田でっせ。
そして、森の人、小笠原。相変わらず美しい。姿勢よく足を振りぬくそのフォームも、
蹴ったボールの軌跡も。近頃では表立ってガッツも見せるようになり、
これならトルシエさんも文句なしだろう。
それはそれで、我がレッズに、ビスマルク獲得の動きがあるという。
それはいやだ。うまい選手なのはわかる。でも、いやだ。
監督もブラジル人だし、ほかの助っ人もブラジル人で固めるみたいで、
レッズってブラジルサッカーになってしまうのか???
カリスマ性のある外人監督を選ぶとか言ってなかったか?
欧州サッカーだの南米サッカーだの言ってる場合ではないのかもしれないが。
それにしたって、チームの根幹たるコンセプトみたいのはあるだろう。ないのか。
もしかしてないのか。ないといわれても驚かない。
とにかく、ビスマルクはいらん。いらんいらん。
あいつがこけまくって起き上がらないのにはつきあいきれん。
鹿島カラーはいらんいらん。小野くんがもしかどこか外国に移籍した後の
ことなど考えてのことなのだろうが。
サッカーの話題はこんなもんで切り上げておこうか。先が長い。
2000.12.12
これは12月10日。松竹座。
シラノ・ド・ベルジュラックのミュージカルです。
シラノ役に市村正親、ロクサーヌに西田ひかる、クリスチャンに山本耕史。
ザ・ミュージカルというだけあって、セリフもみんな歌っちゃうので
聞き取りづらい上に、訳詞がなんだか不自然でかんべんしてくれだった。
「彼は〜、今も〜、今も、意気軒昂ぉぉぉ〜」
なんじゃそら。ロクサーヌにそんなこと歌われても。
なんかミュージカルのパロディを見てるみたいだった。
結構、山場っぽく繰り返されるシラノの歌、
「手紙を書くとき〜、それはなんたらかんたら〜、手紙を〜をを、
書くとき〜ぃいいいい!」
いや、盛り上がってはりますけど。
歌うか、普通。そんな即物的な歌詞。
もうちょっとましな言い方はなかったのか。時間が足りなかったのか。
仮にも「言葉」を武器とするシラノの歌だけに。気の毒に。
芝居自体はおもしろかった。いやー、やっぱ男前なだけではあかんのね。
男前だけどおばかちゃんな男と、ブ男だけど知性感性に秀でた男。
どっちがよいですか。
ブ男の種類にもよるし、おばかちゃんの種類、知性感性の種類にも
よるので一概には言えない。損得計算したりなんやかんや言葉をひねって
むずかしい漢字を連ねて気取っちゃってる知性だったら、
まっすぐなおばかちゃんの方がよっぽどいい。
芝居ではふたりとも勇気も誇りもある潔いいい奴だったから
どっちでなければ、というのはなかった。
ここに私の価値観の分岐点はないということらしい。
それよりも、隊長と、シラノの親友がかっこよかった。(やっぱ外見で
選んでるんでないかい?)
席が前から4列めの一番端っこだったので、舞台の奥が見えず、
せっかく、「奥行き」を意識して作られた装置だったのに
ちょっともったいなかったな。
シラノはずるいね。黙ってるなら一生黙ってろ、と言いたい。
誰も、みんな抱えきれない。シラノでさえ、抱えるだけ抱えて、
死ぬ間際になって全部ロクサーヌにぶちまけて逝ってしまう。
どーーーーーーーしてくれんのよ!、と私がロクサーヌなら怒りまくる。
今更言ってんじゃねえよ!!、と私なら、死んだシラノが生き返りそうなくらい
胸ぐらつかんで揺さぶりまくってやる。
知性やら外見やらという話より、これは人間の弱さの話なのかもしれない。
2000.12.12
新庄。FA宣言で世間を騒がせる。
まさか本気でヤクルトなんか行く気か、あの、君をいつも
なめまくってコケにしてくれる古田のいる、あのヤクルトだぞ。
あんなユニフォームが好きか、と思ってたら、横浜とも交渉。
君は「横浜」という響きにあこがれてるだけじゃないのか、
ユニ的には、ヤクルトよりこっちかもしれないが。
いい条件を提示され、今までは年棒を押さえる為に、
阪神になんだかんだあら探しされうまく言いくるめられていたのが、
今度は、ここがいい君がほしいと評価されちやほやされカメラに追っかけられ、
それでうれしくなっちゃって、有頂天になっちゃって、
外の空気が新鮮で、しっかりしたブレインもついてなくて調子に乗るばっかで、
新庄ーー、いつまでも遊んでないで帰っておいでー。ご飯だよー。
ってなことを思ってた。
それが。
メッツと契約。
そうだったのか、新庄。それを待ってたのか。
正直、やられた。まさか本気でメジャーに行きたかったとは。
本気で行く気になっていたとは。
言ってたよね。でも、子供が、大きくなったらパイロットになりたいっ
ていうみたいな無邪気で遠い夢だと思ってた。
忘れてたよ、君はとことん無邪気な奴だった。
子供のような奴だった。
おばかちゃんならおばかちゃんで、どうせなら
とてつもないおばかちゃんがいい。
1年契約で、年棒は、むこうの最低保障ライン。
「イチローはレギュラーで当たり前。
プレッシャーも大変だろうけど、自分は気楽でいい」。
そうだね、君はチャレンジに行くんだね。とても大きな相手に。
高校出のルーキーみたいにきらきらした目をして。
君が阪神にいないとさびしい。あの軽快なフットワーク、
走者を本塁で刺す強肩、ファインプレーをファインプレーに見せない
ポジショニングの確かさ、球を追う足の速さ、
君の華麗な守備が見られないとつまらない。
ここぞというチャンスに三振続きだったり、かと思うと
派手な逆転打を放ったり、いちかばちかの打席に
はらはらどきどきできないと物足りない。
新庄、君がいないと、ほんとに阪神は淋しい。
それでも、
それが君の夢なら行っておいで。
豪快に玉砕するもよし、なにがよかったんだか波に乗って
しまうもよし。後は自由に、思うままに。
思うままはお手のもののはず。
ニッポンゴも大して使いこなせない君には、英語さえ
壁にはなりえないだろう。
君の天真爛漫がきっと君を救うだろう。
心配は心配だが、君のやることだからしょうがない。
君にはいつもはらはらどきどき。
行くからには思う存分暴れまわってきてくれ。楽しんできてくれ。
新庄剛志、恐るべきイノセンス。がんばれ。
2000.12.12
今日、東京の友人から小包が届いた。
中身は前から言ってたサッカーのビデオと、あと
クリスマスプレントとして、谷川俊太郎が詩をつけたクレーの小さな絵本。
こんなうれしいことがあるでしょうか!
クレーの描いた晩年の天使の絵がいっぱい!!
うれしくてうれしくて、会社だったのだが早く本を見たくて
開きたくて。でも、がまんがまん。もったいないもったいない。
週末のゆったりとした時間に、音楽を聴きながら
1ページずつゆっくり繰ろう。
同じ谷川俊太郎さんがこれもクレーの絵に詩をつけた「クレーの絵本」
というのがあって、やっぱり大のお気に入りの本なのだが、
こんな第二弾が出てたのは知らなかった。
不思議だ。送り主に、私はクレーが好きだなんて言ったことが
あったろうか。なぜわかったのだろうか。送り主もクレーが好きなのだろうか。
家事や育児をしながら台所で絵を描いていたという
この画家が。
私は絵にはくわしくない。
でも、自分で画集を買い求めるほど好きな画家はいる。
シャガールとクレー。
シャガールの絵は、詩みたいで好きだ。
クレーの絵は、音楽みたいだ。
早く週末にならないかなあ。
人をこんなにわくわくさせる絵を描ける人。
人間の力というのは大したものだ。
2000.12.13
私がついていながら、なんという体たらく。
いやしかし、負けるにも負け方というものがある。
なんじゃ今日のレッズは。4対1、と聞くと、えら負けと思われるだろうが、
そのうち3点は、うちのミスだ。うちのミス。それもまんべんなくDF陣。
普段の会社勤めの日より1時間早起きし、朝ご飯も食べずに新幹線に乗りこむ。
浦和へ。
レッズVSセレッソ。駒場競技場。13時KICK OFF。
言っちゃあなんだが、私は生観戦については勝利の女神だった。
J2降格の決まった99年だって、生で見たのは100%勝ってる。
それが。
Jの最終節、鳥栖戦でもDF西野とGK西部の連繋ミスで相手に
致命的な点を献上したものだが、
今日もやってくれた。
ゴール前で敵味方入り乱れてだんごになってクリアしようとしたボールが
自陣ゴールに入ってしまった、というオウンゴールではない。
厳しいプレスをかけられたわけではなし、パスの出しどころが他になかった
わけではなし、だが、ハーフウェイの西野は、後ろを確認することもなく、
ゴールマウスに背を向けたまま、GKにヘッドでバックパスを送った。
そのボールを取ろうと前に出ていた西部とすれちがう。
え?
受け手のないボールは、ころころとゴールに向かって転がっていった。
それが4点目だった。
声を無くす1万人超のサポーター。
グラウンドにあおむけに倒れるキャプテン小野伸二。
今日の3点は、いずれもキーパーを含めDF陣のミス。とどめがこれだった。
室井はなんだって? コンタクトレンズが片方はずれかけてた? てめえらああああ。
最初、レッズはレッズらしからぬ早く細かいパス回しがおもしろいように
つながり、攻めこんでいた。なのに。
負けるなら負けるで、こてんぱんでもいい、力の差で負けるならいい。
なんじゃこら。
そんなこんなで日帰りの浦和遠征は、疲れた。
帰りに、レッズサポの伸二の後援会のKNさんと東京駅で会う。
北海道帰りで、私が来ると聞いて東京駅で待っててくれたのだ。
タフな人だなあ。北海道のおみやげなどもらい、私は代わりに、
阪神百貨店で買ってきた新庄グッズを手渡し、別れる。
はーーーーー。勝利の女神、返上。
先走って、熊本行きの計画をたててたのがいけなかったのかなあ。
あれがいけなかったのか、これがいけなかったのか、と自分の日常生活を
反省。帰りの新幹線の中で、携帯のアイモードでその他の試合結果を見てると、
ガンバVSレイソル 10−9 というのが目に飛び込んできて、息をのむ。
PK戦の結果だった。ああ、びっくり。
2000.12.17
そのレッズvsセレッソ戦だが、
駒場スタジアム、バックスタンドの指定(2階席)、
ハーフラインあたりで見ていた。
ピッチの全体が見渡せるし、2階席といっても、
長居みたいなでかい競技場ではないのでピッチにもほどよく近く、
ひとりひとりの選手も結構大きく見える、という
値段に見合ったいい席だった。
何より、選手の足元がよく見える。
改めて言うまでもないのだが、言わずにはおれない。
伸二はうまい。うまいなああああああ。
ひとつひとつのプレーがすごい。
ひとつひとつのパスの性質がすごい。
前を向いたまま、真横の味方に足のアウトサイドで
正確に強いパスを送ったり、後ろ足で跳ね上げたり、
岡野の動きを読んで絶妙のタイミングでスペースにパスを送ったり、
激しいチェックから守ったボールを、一瞬のすきでゴール前に
上げるときも、どさくさのえいや!のパスじゃなく、きれいに
落ちて、受け手にやさしい。
点をとられてもとられても、果敢に相手のボールを奪いに行き、
味方が孤立していると見るや助けに走る。
みんなに声をかけ鼓舞する。
周囲がコアサポのまっただなかでなかったからか、
選手たちの声も驚くほどクリアによく聞こえた。
あんなに試合中、のべつまくなしに叫びあってるものなのか。
特にGK。野獣のようだ。
最初、サポがずっと何か言ってるのだと思ってた。
が、それは闘いながら掛け合う彼らの声だった。
相手に先制された時、動揺するチームメイトに、ぱんぱんと手をたたいて
「まだ1点だよ、1点。」とか「冷静に冷静に!」と声をかけていたのは、
小野伸二。最年少のキャプテン。
NUMBERで、五輪とアジアカップでは選手のまとまりがちがってたと、
トルシエはインタビューに答えて言っていた。そしてその大きな要因の
ひとつは、小野の存在だと。
どうです。え。
指令塔というからにはだね、テクに走ってうまいだけじゃだめなんだって。
他の選手を動かすということはだね、やっぱ、
チームメイトからの信頼感、みんなをまとめる力、
リーダーシップみたいのも必要なんだって。
全体を見渡せる能力、というのは何も物理的な視野の広さだけのことではないのだ、
と私は思うよ。俊輔。(名指しにしたな)
試合はともかく、そして小野くんへの申しわけなさはともかく
小野の非凡さをまざまざと見ることができた試合ではあった。
あほみたいに準々決勝の行われる熊本県民総合公園競技場へのアクセスだの
飛行機の時間など計画していたので、これごと、ごっそりセレッソサポのゆずろう。
熊本県民競技場へのアクセスをアップした。
2000.12.18
はずかしながら。はまった世代です。
とはいえ、はまったのは最初のシリーズだけで、あとのZガンダムとか、
なんたらガンダムには移行していかなかった。
ガンダムの後はイデオン、しばらくの沈黙を守って
エヴァンゲリオン、そしてエヴァンゲリオンへの怒りへと順調に(?)、
移行していったクチです。
そんなミライ八洲のものまねが得意だった私は、
最近の、プレステ2のCMがうれしくてしょうがない。
最初は、電車の中吊りで、二枚横つなぎの広告に、
「認めたくないものだなあ、自分自身の若さゆえの過ちというものを
−−シャア・アズナブル」
という白抜きの字に、目がくぎづけになった。
そして、右側には、赤いザク(だったと思う)のアップ。
たまりまへんな。これ。え。
これだけでっせ。メッセージは。
でも、十分。やるよなあ、プレステ2。
私などは、なにかにつけはまりやすい方だと思うが、
はまる時はまっておくと、それだけこんな甘い思い出となる。
こんななつかしい、古い友人に会ったようなうれしい気持になる。
ちょっと照れくささもあるけどね。
その後も、TVで、同じガンダム世代が作ったにちがいない、
愛情いっぱいのプレステのCMを見て、ますますうれしくなった。
(会社で、上司の前で「なんでこんな基本的なミスをするんだ!」と
さんざ怒られている同僚を後ろに、鼻でふふんと笑う男の独白、
「坊やだからだよ」。)
うまいなあああ。
名セリフごっこ、はやりましたねえ。
というわけで、今、親しい友とのメールのやりとりは、
全部、ガンダムの名セリフをタイトルにしています。
「砂漠に蝶は飛ぶのか」、「私にも意地というものがあるのでな」、
「マチルダさあああああああああああんんんん」とかね。
懐かしむ人だけ一緒に懐かしんでくれ。
2000.12.19
疲れてます
書くことがいっぱいある。書きたいこと書かなければいけないことが
いーーーーーーーーっぱいあるのだけれど。
うれしかったこと、珍しかったこと、きれいだったこと、思いがけなかったこと、
発見したこと、納得いかないこと。
しかーーーーーし。最近の私の疲れ具合は尋常ではない。
ご飯食べてお風呂入って、パソコンの前にすわって電源を入れると、
それが立ち上がる前のほんの数秒でもう意識を失っている。
見たい番組があってテレビをつけたらCMをやってて、CMか、と
思った次の瞬間には、意識を失ってリモコンを手から落としている。
友人にメールうってる最中に何度も夢を見たり、
携帯を充電しようと思ってるうちに握りしめたまま眠ってたり、
浴槽の中で、鼻がお湯につかってはっと意識を取り戻すなんてしょっちゅうだ。
ほんとうに、おかしい。おかしいとしか言いようがない。
別に残業してるわけでもない。忘年会続きというわけでもない。
特別気を遣う人たちを毎日ご接待してるわけでもない。
この疲れ具合はなんなんだ。
ここのところ、仕事(仕事そのものじゃなく仕事の為に起きたり、出かけたり
着替えたりすること)でも、階段の上り下りでも、人付き合いでも、
なんでもだるいのは自分のやる気とか根性とか、
主に気力の問題だと思っていた。
だが、どうやらこれは体力の問題らしい。
私はといえば、昔から、スポーツセンスはないが基礎体力だけはあった。
テニスも全然上手にならないけど、マイケル・チャンみたいに
どんなボールもとことん追うのがとりえだった。
そんな私が。体力が、この器の中にまるで蓄えられていない。
多分、私みたいに病気知らずでずっと元気だった人はみんなそうだと思うが、
いざこんなふうに、なにかしら体調が良くないと思うとき、だからといって
どこまで自分を大事にしていいのか、どこまでなら自分はやれるのか、
まるでわからない。
底無しの酒のみと同じで、どこが自分の限界なのか知る機会がなかった。
テニスみたいに体を動かしてると毎週それが具体的な問題になって
自分につきつけられる。もうここまでだ、と思うのは、
体がそう言ってるのか、自分が自分を甘やかしているのか。と、思ってる間に
酸欠になって倒れてしまう。
こんなやわなのいやだな。自分の体にいつもお伺いをたてないといけないなんて
まっぴらだな。
はあ。でも、なんていうの、元気なんですよ。別に。
ただ単に年なのか。←と書こうとしたら、去年のレッズ降格瀬戸際時に入れた
「杜氏春」が生きてて、「杜氏」と出た。
2000.12.24
あるんです。でも、日を改めます。
このダメージは、もしかして、12月に入ってぜんぜん週末に家にいないからかもしれない。
12月といえば、心安らかに日々を送る月。
金や銀や美しいクリスマスモードに飾られた街を、
家族へのクリスマスプレゼント選びにうろうろしてみたり。
昔この時期フェスで歌ってた「クリスマスオラトリオ」のCDを聞きながら
お手製クリスマスカードを作ってみたり。
海外の友人から届いたカードにほくほくしたり。
一人暮しの友人に、ちょっとした物を贈る準備をしたり。
ひざかけと紅茶の入ったポットをもって天皇杯へのんびり出かけたり。
居間でテレビの映画なんか見ながら年賀状の準備をしたり。
それが12月という月。
なのに、今年は、コーラスに芝居に遠征サッカーになんだかんだなんだかんだ
で、全く休日に家にいるということがない。
土曜日も日曜日も出ずっぱりで、私はここしばらく
自分の為に本屋に行くこともしていない!!!
本屋に行きてええええええええええーーーーーーーーーーーー!!!!!
買おうと思ってた本の3、4冊はタイトルを忘れちまった。
新聞もろくに読んでない。音楽も聴いてない。ビデオはたまる一方。
買いはしても読めない雑誌が、ベッドのそばにどんどん積まれていく。
全部自分で入れたスケジュールなんですけどね。
一個一個のイベントは楽しくて、どれもこれもやってよかった、行ってよかったと
心から思えるのだけれど。
私は胃酸が少ない人で、調子にのってぽんぽん食べてると必ず胃をこわす。
それと同じで、ろくに咀嚼もせずに楽しいうれしいイベントを次から次へと飲み込んで行くと
消化不良をおこしてしまうんだね。この人はね。
家で落ちつく時間がないと、すっかり弱りきってしまうんだね。
損だ。
損なのか。なんか損な気がする。
このままアクセル踏んでさらに次々イベント入れてぶっとばしていったらどうなるのか。
っつうか、部屋が、もう限界だぞ。人間の住む部屋ではないというよりも、
種々雑多な人種の人間が30人くらい一緒に住んでそうな部屋になってるぞ。
いいけど。
いいのか。
まぼちぼち書いていきますわ。
2000.12.25
暮れの忙しい時期にサッカーやて、サッカー、まあ優雅なこと。
年賀状も書いてないのに、朝から長居へ出かけ、
11時からのJユースの決勝、清水VSガンバ と、
15時からの、天皇杯準決勝 清水VS神戸の豪華2本立てを観戦。
ユースはめちゃくちゃおもしろかった。どっちもバランスがとれた
いいチームで、うーん、こいつらとやっても負けるかもしんない、
我が○ッ○は。
特にガンバ。ディフェンス陣、カンがよくて献身的でいいところに必ずいて、
すばらしい。4番 イガワ、5番 コダマ。宮本がぬけても
こういう人材が育ってきてたんだね。
個々の選手のテクもすごくて、10番 サカキ君のパスも何度か
おお!だった。
1−0でガンバ大阪が優勝!!
胴上げして喜ぶガンバユースの皆さん
なんだけど、エスパルスは、ユースも天皇杯も登場するもんで
応援が最初からにぎにぎしい。比べて、かわいそうなガンバ側は、
応援団がいない。大阪でやってるのにエスパサポにやりたい放題やられて、
なんてこった。かわいそうに。こういう時に野太い男の声が出ればなあ。
なもんで、公平な目で見るつもりが、俄然ガンバについてしまった。
後半からはヴィッセルサポの一部が太鼓使ってガンバの応援を
してくれて、ちょっと安心。
1時からは、横国でやってるガンバVS鹿島の中継をオーロラビジョンで
途中まで見せてくれた。
試合はアウェイ:ユースではガンバ、天皇杯は神戸側(なぜかエスパルスがホーム)
のゴール裏で見てたのだが、オーロラビジョンを見るときだけ、見やすい反対側へ移動。
めったに来ないホーム側より
オレンジ軍団の中で、エスパの応援のマニュアルびらまでもらいながら、
カップらーめんと四川風肉まんをふうふうして食べる。
天皇杯の方は、1−0で清水の辛勝。
神戸も集中してよく耐えたけどなああ。なんかどっちも何度かのチャンスを生かせずで、
そらシュートせな点は取れまへんで。ゴール前であんたら。
うちら○ッ○相手やったら別やけど。うちはシュートされんでも
相手さんがボールに触れんでも点あげますからね。はっはっは。わろてなしょうない。
前半の終わり頃、10分ほどどうしても眠くてうとうとしてしまった。
寝たら死ぬぞ、という寒さの中だったが。
しかし、忘れてはいけない。我が任務。
ハーフタイムや試合の合間に私にはしなければならないことがあった。
じゃーん、かばんから取り出したのは、100枚以上ある年賀状の束。
隣にすわったNにアシスタントを頼み、
住所のはんこを押してはNに手渡し、ひざの上にひろげて乾かしてもらう。
押して、はい、押して、はい、押して、はいー。
一銭にもなりはしない。この寒空の下。
Nは私と出かけるたびになにかしら思い出ができる、と
うれしいことを(多分うれしいこと)を言ってくれる。
来年もいっぱい作ってやるからな。
家のこともせず、部屋はスラム化したまま、墓参りにも行かず、
1日、ごめんなさい。寒かったっす。
2000.12.29
忙しかった年末の書き残すべきことどもを、年賀状も出し終わった今
美容院に行く 12/21
約3ヶ月ぶりにカットに行った。
順番を待ってると、いきなりテレビのロケ隊が上がってくる。
その先頭に見覚えのある若手のお笑いさん2人組が。
ロザンだ!
スタッフの背中には、「くわんがく!」の文字。
「くわんがく!」は、私が一時はまった大阪ローカルの深夜番組だ。
今でもきらいじゃないのでやってたら見てる。
その日は、街で出会った人にその人の持ち合せのなんかの割引券をもらい、
実際にその店に行き、割引してもらって、その割引額が1万円になったら
ゴール、という設定らしい。手持ち資金は2万円。
割引額1万円に到達するのに、元金2万円を越えたら、自己負担に
なるらしい。たまたまもらった割引券がこの美容院のだったという。
美容院の人がしきりに、「ばたばたしてすみません」と私に申し訳ながってくれるが
「好きな番組なんでいいですよ」と私はごきげん。
美容院の人は、そんな番組も来てる芸人さんも知らないというので、
「ロザンって若手で、人気あるし有望株やし、
親切にしといたほうがいいですよ。ああ見えて京大なんですよ」なんて説明までする。
そのままうきうきで店を出て、電車に乗ってから気づく。
待てよ。ロザンじゃないぞ。
あれは、あれは、確か、チュートリアル!!
やっばーーーーー。もし、美容院の人が、「ロザンさんですよね」とか
声かけてたらどうしようおおおおお。「京大なんですって」とか言ってたら。
チュートリアルは、ポジション的に今めっちゃライバルなのでは。
あいたあーーーーー。でもそのためにわざわざ電話するのも変だし、
まして引き返すのもなああと、悩みつつ帰る。
それでも、ほっておけば訂正するのは年明けになる。
それまでに、店に、しょうことなくチュートリアルの2人が
書いた「ロザン(京大出)」って色紙でも飾ってあったらどうしよう。
他のお客さんにも「昨日、ロザンってタレントが来て」って
話題にしかねない。
思い切って、昼休み、美容院に電話して、電話番のおねえさんに伝言を頼む。
「ロザンじゃなくって、チュートリアルなんです。」
「えっと、何じゃなくて? 中途・・・、なんですか?」
「ちゅーとりある」。
一所懸命おねえさんは書きとめていてくれてたが。
多分、それを例え私の担当のおねえさんに伝えてくれたところで
「なに、それ」
で終わってしまうんだろうけどさ。
誠意の問題よね、誠意の。
「川を越え、森をぬけて」 12/22 リサイタルホール
これは芝居です。予備知識なしに行った芝居。
夏に見た「テンペスト」以来、松田洋治が気になっていて、
彼本人が作るHPで(どうやら、タグばっかで作ってるらしい)
この芝居のことを知り、HPからチケットを申し込んでおいた。
まあーー行ってみてびっくり!
C列18番。というのは、つまり、前から3番目の真正面です!
でかい小屋でもないし、舞台もそう高さがなく客席との距離が近いもんだから、
前から3番目というと、もう、なんだか役者さんと、あらまあどうもこんにちは状態。
登場人物6人だけのこじんまりとした、原寸大の人間の生活の芝居。
こういう芝居はひさしぶり。
大きなしかけがあるわけでもない、大きなドラマチックな展開になるわけでもない、
でも、心温まる、上質のコメディタッチの芝居。脚本で見せる。
こういうのもありやね。←物書きモードに入ってます。
ウェルメイドっちゅうんですか、こういうのを。
こういうやさしい上品な芝居で、あれだけ人が入るのか、と
ちょっと大阪を見直す。ちょっと大阪っぽくないんだよね。東京的なにおい。
アメリカのニュージャージーに住むイタリア系移民の老夫婦。
民族的誇りが強く、近所に住む、息子の嫁の親夫婦もファミリーとして
結束している。昔ながらのやり方にとらわれ、実直で働き者で、
身内意識が強く、うるさいほど世話好きでおせっかいで、
愛情過多な彼らから、とうに息子夫婦は離れていき、
今や、老夫婦の関心や愛情を一身に集めるのは
毎週末ディナーに顔をのぞかせる29歳になる孫息子ひとり。
その大事な孫息子が昇進のチャンスをつかみ、
遠いシアトルに転勤になりそうなのを、なんとか思いとどまらせようと画策する。
そんな話です。この孫が、祖父母のことを敬いながらもうざったく思い、
時にはぞんざいに乱暴な口をきき、傷つけ、
彼らのことがストレスになって病気にまでなってるんだけど、
それでも、そこにいて祖母の手料理を毎週食べてあげるというだけで、
転勤のことでちゃんと祖父母に相談に来るというだけで、
もう十分にやさしい。
毎度毎度、祖母の心のこもったヘビーな料理を
がんばって食べて話相手になってあげてるというだけで、
いっこうにルールを理解しようとしないゲームの相手をしてあげてるというだけで、
十分すぎるほどやさしい、と、はるかにやさしくない私なんかは思う。
十分やさしいのに、自分自身悩んだり、
やさしくない、と美人のおねえちゃんに責められたり。
老夫婦は彼にむかって「我々を捨てるのか」なんて言うし。
コメディタッチなので結構笑えるのだが、それでも途中から
やたら切なく哀しくなってくる。人の思いというのはむずかしいね。
なにが大事かは世代によっても人によってもちがうからね。
最善なんてない。食卓はいつもあたたかく、おばあさんはいつも
人にご馳走を作ってあげたい、食べてもらいたい。
みんな愛してる。でも、切ない。
愛が人を支配しようとし、愛が人を孤立させ、愛がエゴとなる。
いろんな方向を向いた愛の物語。
でも、最後には、「おじいさんが私の為に建ててくれた家だから」と
ひとりその家にに残るおばあさんと、そのおばあさんのとびっきりの手料理を
食べに飛行機で戻ってくる出世した孫息子の囲む食卓のあたたかさ。
ラストシーンの、鍋からあがるほんわかたっぷりの白い湯気。
ひととき、あたたかい空間にひたる。
クリスマス前にますます私の「家でゆっくりしたい」欲求に
拍車がかかった。
幸い次の日に行く予定だった熊本は、行かなくてすんだし。
ありがとよ、レッズ。
つづきまして。
きよしこのよる
クリスマスイブに、大丸心斎橋店でバイトした。
クリスマスのコーラス隊のバイトです。ぷーさんとこに来た話で
ぷーさんがやってる、大学のコーラス部のOBグループの面子が足りず、
私に声がかかった。
二つ返事で引きうける。クリスマスの歌は大好き。
こう見えても昔はあーた、キリスト教系の合唱団にいたんだから。
ぷーさん以外は初対面の人々だったが全然気をつかわない
いい感じの人たちで、2度3度集まり、選曲や練習をした。
音域というのはやってないと落ちるものだ。発声もすっかり
忘れてしまった。おはずかしい。
音をとるにも、皆さんは器用に、書いてある楽譜から1度あげた調で、と
打ち合わせていきなり歌い始めてしまうが、私にはそんな器用なまねはできないぞ。
ミのフラットはどこまでいってもミのフラットだ。それを、ファと思えといわれても。
まあそんなこんなで、肩身の狭い思いをしていたが、
楽譜の表紙作り係を引きうけ、俄然はりきる。
こういうのはもうあほみたいに好きだ。私が犬なら楽譜はよだれだらけになってるね。
渋赤の厚紙を表紙にして、金のえんぴつでふちどりして、
100円ショップで買ってきたクリスマスツリー用の飾りや、
みどりのりぼんをくりくりねじったので飾り付け。
どうです。え。夜中の3時までかかったがな。
表紙はメンバーの皆さんにも大好評で、日常生活でほとんど
人の役に立つことのない私が、やっと
人様に喜んでもらえることがあってうれしい。
私たち以外に、当日控え室に集合したメンバーは4組。
全5組で、それぞれフロアに分かれ、20分ずつのステージを2回こなす。
思ったより人が集まり、通りすがりに聞いてほしかったのが、
たまたま椅子のあるところで、みなさんぐるっと取巻いて聴きいってくださって、
恐縮です。すんまへん、こんなんで。
私たち以外のグループは、音大出で声楽の先生してたり、
お金とって歌ったりするプロだったり、学校の音楽の先生だったり、
私なんて素人さんが同じバイト代もらってていいのか。
もらったけど。
最後は、閉店時に出口のところでお客さん送り出しの
「きよしこの夜」エンドレスコーラス。
これがしかし、送り出しのはずがみなさん立ち止まってずっと聴いてくれる
ものだから、それどころか、店の外にいた人までどんどん入ってきて
聴いてくれるものだから、店の人にさっさと打ち切られてしまった。
実は、私たちの控え室は、大丸とは御堂筋をはさんだ向かい側で、
移動のたびにピンクのロングドレスで横断歩道をわたってきて
社員用出入口からこそこそ出入りしなければならない。
私は日常的にロングドレスで過ごしてるせいもあって(なにものや)
こういうのはあんまり気にしないが、
着慣れない他の皆さんはそれを大変はずかしがられて、
信号が赤の間はビルの陰にこそこそと隠れ、
青になるやひたひたと御堂筋をお渡りになっていた。
いや、クリスマスやしなんでもありですやん。
ティッシュ配りのねえちゃんかてミニスカートのサンタ姿やし、
居酒屋の呼びこみのにいちゃんなんかトナカイさんの着ぐるみやし、
あっしらまだかっこええ方ちゃいますのん。
あっしなんか、背に腹はかえられず、ステージの合間にそのかっこのまんま、
南館2階の外商承りコーナーまで行って、お歳暮送ってきましたで。え。
通り道のめがね売り場の店員さんなんか、
全員で一歩下がって「いらっしゃいませ」って深々と礼してはりましたで。
皇族と思ったはるんちゃう。まあ無理はないけど。
ドレスのすそをもって階段降りてくるときなんか、シンデレラになった気分だった。
めぼしい王子はいなかったがな。ちぇ。
全部が無事に終了して、大変疲れた。多分これの練習なんかもあって
12月はしんどい月になったのだと思う。が、めちゃくちゃ楽しかった。
ひっさびさに歌って、またコーラスをやりたくなってしまった。
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