ざっぱな人々    
ツレのMNさんは、食べ物が「ハズレ」続きだったらしい。最初の外食となったパスタの「味が無い」に始まり、なにかにつけ薄味のものとばかり遭遇し、塩やこしょうをふっていた。

確かに薄味のものが多いようだが、幸い私は普段から薄味派なこともあり、なんじゃこの味は、というものにはめぐり合わなかった。

ツレたちは、オージーの人たちは、見た目のでかさもあってみんな{ざっぱ」なんじゃないの、と事あるごとに言っていた。味付けもしかり。

実際、待ってたバスの乗り場が目の前で移動していっちゃたりして、JTBの人も「オーストラリア人はアバウトなんで、場所が変わりました」なんて変な説明をしていた。

ざっぱっていうか、思うに、どうでもいいことはどうでもいいのだろう。味は人それぞれだし、自分で塩なりこしょうなり振れば、って感じなんじゃないか。BBQの時も、玉ねぎなどの野菜類を炒めながら、こっちでは塩こしょうなんかしない、と言ってたそうだ。(そのまんまで、野菜の甘味が十分しみだしておいしかった)

私は結構そういう人たちが好きだ。私自身、たいていのことはどうでもいい。コアな譲れないこと以外は日常生活で、あまりまじでイライラしたり、腹がたったりすることもない。

別にアバウトでいいじゃん。期待しすぎなんだよ。自分が几帳面なのは自分の勝手だ。2分おき、3分おきにダイヤ通りきっちり来る日本の鉄道事情なんて、偏執狂入ってんじゃないの、と思うよ。

几帳面な国民性の日本人社会の中で、しょっちゅう生きづらさを感じているクチなのが私なら、

キャンベラ WILD LIFE PARKにて MNさん撮影

ざっぱと言われるオーストラリアにも、逆に、変に几帳面できっちりしてて、みんなからなんだあいつ、なんて言われて、生きにくさを感じてる人がいるんだろうな。そんな人にしたって、生きにくさを感じないところが、オージー流だったりして。

これだけの空、これだけの陽光、これだけの木々、これだけの視界に恵まれ、背だって、許容量だって、どんどん伸びちゃうよな、と思う。

生きやすそうでいい国だ。

     
余談    
開会式もたいがいだったが、閉会式もわけわからんかった。

君は誰やねん、という歌手だかスターだかが次々と登場し、知らない歌を次々に歌う。どうせえっちゅうねん、と私があのスタジアムにいる選手だったら思うよ。そりゃ記念撮影でもしてるしかないよな。興がのって、2、3曲なら踊るかもしれないが、体力は永遠には続かない。

会場に次々登場するフロートみたいのもわけがわからない。あのでかいフランス人形みたいのはなんなんだ。え。かわいいのか。一体。

カンガルーのフランケンシュタインはかわいかったけど。卵産みかけのにわとりもよかった。あれっておんどりじゃないっすか。いいんすけど。

思うに、オーストラリアの人って多分、誰も止めないのではないか。止める人がいない。誰かが企画をもってくる。「こんなの考えたんですがどうでしょう。」

「ええやん、それいっとこ。」

「こういうのはどうでしょうか。」

「ええんちゃう、それもいっとこ。」

いや、もういっぱいいっぱいなんだよ、とか、いいんだけど、時間がね、とか言う人がいないのだろう。

はい、おっけー。(今、頭にさんまが浮んだ)

そういうとこも、いいとこなのかな。よくわからない。

ま、ええんちゃう。

オーストラリア人が漫才やったらツッコミいないんだろうな。

誰が止めるんだ。

「ええかげんにしなさい。」

     
シドニーでもやられた    
オリンピックの開会式の翌日、日帰りでシドニーに遊びに行ってきた。

飛行機を手配してたのだが、一体、仮にも首都たる都市の空港がこんなでいいのか。これではまるで松山空港。(って松山知らないんだけどごめんね←どっちに失礼なのか)

36人ばかし乗りのプロペラ機が待っていた。シドニーーキャンベラ間のバスより狭い。

飛行機で約40分。その間に、機内ではたったひとりのスッチーが、コーヒー紅茶の飲み物や軽食まで出してくれた。

シドニーは都会だった。ひさびさの人だ車だびるぢんぐだ。

EXPLOLORという、市内のスポットを循環してる乗り放題のバスを利用することにする。

まずはシドニー水族館。

やっぱりちがいまっせ、シドニーは。デパートの夏休みの催し物みたいなキャンベラの水族館とはえらいちがいでっせ。海底トンネルみたいに水槽の下を歩いていく回廊が楽しい。頭の上をサメやエイが泳いでいく。見上げていると異空間にいるような不思議な感覚。

フランス人のおっちゃん客に「SASHIMIがいっぱいでうまそうだね」なんて声かけられ、「しょうゆがあればね」と軽く返しておく。

ここで異変が。引き続き、循環バスに乗った私たちだが、途中のバス停まで来たら、バスが止まって動かない。何やら運転手が電話でしゃべったかと思うと、ようやく動き出し、同じ場所をぐるっと回って戻ってきた。なんだ。なんなんだ。

なんでも一個前の循環バスの運転手が電話をかけに行ったまま戻ってこなくて、バスはそのバス停に置きっぱなし。出たな、オージー気質。いや、ダイヤ通りの日本の鉄道のことを確かに茶化しはしたが、運転手ごといなくなっていいとは言ってないぞ。

ファイティングカンガルー:ぬいぐるみ買っておけばよかったな。 MNさん撮影

WILD LIFE PARKにて 著者近影(エ、エミューだったのか)

結局私達のバスの運転手がその主のいないバスに乗り換えて運転していくことになり、私たちのバスには別の女運転手さんが。おかげで予定は大幅に狂い、オペラハウスなどの、めっちゃシドニーなところには行けなかった。

が、さすが、シドニー、いろんな国の人々が国旗もって歩いてたり、各国の名前入りのジャンパー着てたり、街がオリンピックしていた。

でも、シドニーのみやげ物ショップの店員さんは、街が騒がしくていやだ、オリンピックが早く終わればいい、なんて言ってた。

キャンベラに戻るとほっとする。私はキャンベラの味方なんだってば。

 

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