しけしけキャンベラ  
仮にも首都である。っていうかー、首都でしかない。何もない、とは聞いていた。が、行ってみたらば本当に何もない。半日、シティのセンターでみやげものを買えば事足りる。

とりあえず、出かけていくところがない。日曜日なんかにセンターに出かけちゃったらあなた、店は4時に閉まるし、道聞こうにも外歩いてるのは日本人ばっかだし、稼ぎ時だというのに、待てど暮らせどタクシーは来ないし、乗り場で行列作ってるのがまた日本人ばっかだし。

オリンピック? 何の話ですか? ここにいると、自分たちが何しに来たんだかわからなくなる。オリンピックの盛り上がりのかけらもない。街で、見慣れた青いユニ着て闊歩する日本人を見かけて、はっと当初の目的を思い出す。

だが、そのオリンピックにも浮かれない、商売上手に走らない、落着いた静かなたたずまいは嫌いじゃない。友人が言うには、「英国調」なのだそうだ。物は言いようである。

通い慣れちまった道

散策にはいい。私たちが行った時には春先。道路沿いに、ミモザやサクラが咲き誇る。

地上130mに噴き上がる噴水を目指していくと、湖畔にたどりつく。オージーたちがピクニックしたり、お昼寝したり。水鳥たちも人懐こく、岸に寄ってくる。

16日からフロリア−ドという、公園を花でいっぱいにしたフェスティバルみたいのもやっていて、最終日にのぞいてみる。チューリップやパンジー、らっぱ水仙、黄水仙、ヒヤシンス、マーガレットなどなど、子供たちの目線にちょうどいい高さの花々が花壇を埋め尽くす。広場には生バンド、ハンバーガーやホットドッグの屋台。お人形みたいにかわいい子供達がくるくると走りまわる。カンガルーや、象の形に刈りこまれた植えこみ。のどかで幸せなひととき。

住むにはいい街かもしれない。ただし、夜は真っ暗。

私は結構気に入っている。住人のほとんどが公務員というあたり、公務員一家の私には合ってるのかもしれない。言っておくが、私はキャンベラの味方だ。負けるな、キャンベラ。

  でかでかオージー

 

でかいっすね、あっちの人は。むこうからみたら150cm台のこっちはどんな風に見えてるんだろうか。ホテルの部屋のドアノブからして、肩の高さにある。

街で靴下を見てた。23cmくらいの私はこちらの表示で「3」あたりのを買えばいいらしい。会社の男の人のおみやげも靴下にしよう。と、見てると、店員さんが、May I help you?と声をかけてくれる。26cmくらいだったらどのサイズ表示のを買えばいいのか聞いてみる。一覧表を見て、店員さんが「6」でいいよ、と教えてくれる。

私「ありがとう。6ね。」 

店員「あなたの?」

は? 

わたし? は? 26cmでっせ。あんさん。この私が、150cm台の身長のこの私が、26cmの足に見えまっか。えっらいまた安定のええ、雪の日もすいすい進める、家の中でしょっちゅうつま先ぶつける、ルパン三世みたいな足でんな。

しかし、よくよく見れば、自分用にと思ってた靴下の表示は「3−7」。それはもしかして、23〜28cmてな感じなのか。それだけのサイズをカバーできるならほぼ全人類カバーできてるのではないのか。ちなみに、会社の男の人用に買った靴下の表示は「6−10」。いったい10というのはどれほどの足なのか。30cm以上はあるのだろうか。恐るべし、オーストラリア人のタップダンス。

どこかでカンガルーの血が混じっちまったんだね。

 
 

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