ふらふらうろうろ日記―お山で駆けっこ録

丹沢のお山制覇の〆は走ってみる。
…でもまだ登ってないお山もあるし、とりあえず中〆ってとこで。。


2006.7.2(日)くもり のち 豪雨 のち 晴れ 北丹沢12時間耐久登山レース

( 登ったり駆け下りたり登ったり駆け下りたり…。高低差1140mあるんだとぉ〜。 )

一人です。。

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『北丹沢12時間耐久登山レース』なる山ん中を走るマラソンレースがあると知ったのは昨年ボーイの夏キャンプのハイキングコースの下見で神ノ川ヒュッテを訪れた時のことだった。

水や食料を背負って山を登ったり降りたりしながら43.86kmを12時間以内に走るんだって??


初めて聞いたとき、山は歩くもの。何が嬉しくて山を走るんだか…???
しかも1000人ほどもの参加者がいるらしい ったく、おかしいんじゃないの??(呆)

それが正直な印象だった。


その後、ハイキングコースのルートを捜してネットを検索していると、このレースの参戦記をつづった個人のページにいくつも行き当たる。


読んでいるうちに、いつしか、おもしろそうかも? 試しに出てみる?? という気持ちに変わってきたのはなんなのか…(汗)

キャンプの下見の時は神ノ川ヒュッテから鐘撞山へのルートがわからず断念。結局キャンプ初日スカウトが着く前に鐘衝山への別ルートを下見することになった経緯もあり、鐘撞山から神ノ川ヒュッテに至るルートを確認してみたかったのもある。
隊長に「レースに出たらコースわかるんじゃないですか〜」なんて言ったのは冗談だったのだが(汗)


しかし、それよりも…。

実は、この年のGWにボーイのリーダーキャンプ(大人関係者のお遊びキャンプ?)で神ノ川ヒュッテでキャンプする機会があり、その時Y父に連れて行ってもらって檜洞丸に登った。
その道中でなにやらお山に行きたいどなたかを拾ってしまったのか、その後、憑かれたように丹沢の山登りに明け暮れるようになった。

お山歩き録を見ればわかるが、GW後の5月は自分でも何かおかしい?(ぞわっ)と思ったほどだ。

北丹沢で拾ったんなら、丹沢のお山を制覇した〆に北丹沢を走ってそのどなたかを落としてくるっていうのはどうだろうか?


半分冗談でそんなことを思いつつ、いつしか『北丹沢を制限時間内に完走したい』という思いが強くなっていく。

しかし、子供時代は体育の時間が何より嫌いだった私。中でも走るのなんて大の大の大嫌い。そんなんではとてもとても…。
まず場馴れのためにも11月の陣場山トレイルレースに出てみることにする。
3月には石段登る以外はただただアスファルトの登り走る大山マラソンにも出てみた。

時々夜の闇にまぎれてご近所をパタパタと走りつつ、いよいよ北丹沢のレース当日を迎える。


前日に会場横のキャンプ場入り。寝袋持参で車中泊。
実は昨年車を買い換える時に、北丹沢のレースで前泊するためにも車はワンボックスでなくちゃなぁ。。との思いが頭にあり、なんだかんだと理由をつけてワンボックスの車をGET♪(笑)


開会式6:30。スタート7:00。


参加者は圧倒的に男性が多い。エントリー数を数えてみても女子は1割程度。
朝、女子トイレがガラガラなのに、男子トイレに長蛇の列ができていた。普通は逆なのになんて珍しい光景(笑)

4時半頃から起きてたのに、まごまごしていたのでスタート地点に並んだ時にはすでに前方は人人人。後ろにも人人人。

天候はくもり。これなら暑すぎなくてちょうどいいかも?

スタートしてまずはアスファルトの上り坂を登る登る。
どんどん抜かれながらもそれでもアスファルトの上をなんとか走り続けられたのは日々暗闇に紛れてご近所でパタパタ走り回ってた成果だろうか。。

最初の山道に入ったところでいきなり大渋滞。
ここでかなりムダな時間を過ごしてしまった。
ただでさえ遅いのに。。やはり渋滞にはまらないためにもスタートダッシュが大事なのね。…でも私にスタートダッシュはムリだけど。。

なんとか前に進めるようになって、まず一山越えて、またアスファルトの音久和の集落を抜け、神ノ川キャンプ場へ。

昨年のボーイの夏キャンプでは、お風呂に入るために(笑)山を越えて神ノ川キャンプ場までハイキングしたのだ。

神ノ川キャンプ場を抜けるといよいよ本格的に山の中へ。
昨年崩壊していて通れなかったキャンプ場からすぐ上がったところは崩壊していたけど無理矢理通れるようにしました!!って感じで倒れて邪魔な木はチェーンソーで切り取られ、通れるようになっていた。

急な斜面をひたすら登る。
昨年降りてきたから知ってはいたが、登るのは結構キツイ。
鐘撞山の鐘にやっとたどり着いて、さて、ここから神ノ川ヒュッテまで去年わからなかったルートをしっかり見てこなければ。

…しかし。。問題のルートは大室山に向けてさらに激しく登って行くものだった。。

あとでよくよく高低図を見たら900mの鐘撞山からさらに登って分岐点は1400mもあるぢゃんっ(汗)

昨年のキャンプでは結局別ルートから鐘撞山に登って神ノ川キャンプ場に降りたが、そっちを選んで正解だったに違いない!


やっとたどり着いた分岐点から今度はひたすら下って懐かしの神ノ川ヒュッテへ。


水をガブガブ、バナナをパクパクしたけれど、ゆっくりする間もなく第一関門を越える。ここの制限時間の11:30まであと30分(汗) ホントはもっと余裕が欲しかったけど、最初に渋滞にはまったし仕方ないのか。。

雨がポツリポツリと降り始めていたので、とりあえずデジカメをビニール袋に入れる。
ビニール袋はまだあったのに気が急いてしまってここでケータイも仕舞わなかったことがあとで悔やまれる(苦笑)


犬越路方面へまた登り。
下見はしていないけど、昨年のGWのハイキングでここ降りてきたよなぁ(懐)

しかし、懐かしんでる場合じゃなかった。雨がどんどん本格的に降ってくる。
犬越路トンネルの前を通って?林道を下り始める頃には完全にドシャ降り。

林道が川になってますが。。。

背中のリュックからチューブで水分補給しなくても、顔を伝う雨水で水分補給できてしまうほどだったり。。。

本当ならここは走れる所なんだろうけどロードの嫌いな私には颯爽と走ることなんてできません(泣) 雨で冷えたのか途中で何度か足つっちゃうし。。


あぁぁ、時間内に第2関門(制限時間13:00)にたどり着けるのだろうか??


悪いことに、腕時計が時間表示しなくなってるし。今何時???

すでに2年半ほど愛用の私のBaby-G。ソーラーの調子が悪いのか普通に使っている分には問題ないが、前日からキャンプや車中泊して翌日もくもりだったりで十分光が当たらない環境で使うと表示が消えてしまうようになってきた。

いくらなんでも今消えちゃまずいって(滝汗)

雨はますますひどくなるし、ここは前に通ったことがないから第2関門までこの林道があとどのくらい続くのかよくわかんないし、関門越えられなきゃ越えられないでもういいやっ と気分もだんだん投げやりになってきた。

それでもなんとか第2関門付近にたどり着く。
手前の給水所で水をガブガブ。背中の水袋にも足したいけど「まもなく時間よぉ〜」の声を聞くと手が焦ってますます水袋のふたが開けられない(汗)


時間わからないけど、第2関門を越えたのは制限時間まで数分あったかどうか? もしかしたらあと数十秒ってとこだったのかも(汗)


第2関門を越えてしまうともう途中でリタイヤしたくてもゴールまでひたすら山道を行くしかない。
風巻の頭までまたもや急斜面をひたすら登る。
この頃には雨は多少小降りになってきたが、山道はぐちゃぐちゃドロドロの泥地獄。

泥の急斜面ってすべるんですけどぉぉ〜(泣)

ストックもないからひたすら木にしがみつきつつ、泥だらけの手を木を伝う水や首に巻いたビチャビチャのタオルからしたたる水で洗い流しつつ必死で斜面に取り組む。

風巻の頭を越えてもまだまだ登り。

頭も朦朧としてくるし、あとはゴールまで時間制限がないのをいいことに途中の切り株でパワーバーをかじりつつ、一瞬寝てたり。。。
パワーバーって顎が疲れるぅ〜。

泥地獄と格闘しながらも登っていくうちに、今度は晴れて日が差してきたり…。

表示の消えたBaby-Gを必死に日にかざしたおかげか途中から表示復活♪

袖平山(1432m)を越えれば1m高い姫次(1433m)まであと少し。
ちなみに姫次は東海自然歩道の最高地点だそうで。。

姫次から先は途中まで、丹沢の主脈縦走ん時に通ったことがある。

が、やっぱりここも泥地獄。下りはズリズリ滑り落ちてく感じ。
あぁもう足完全に泥に埋まってるし。。

泥地獄でなかったら程よく下る斜面は走ると気持ちいいんだろうなぁ。。

それでも途中走れそうなところはなんとなく走ってみたくなるのはなんなんだろう?(笑)

縦走の時は黍殻山を巻いてしまったのに気づいてわざわざ戻って山頂通ってきたんだっけ。でもわざわざ行ってみたけど山頂なぁんもなかったなぁ(懐)

もちろん今回のコースは黍殻山の巻き道。

平丸分岐からはまた知らない道をゴールまで下る。
なんか楽しくなってきて走って降りてみる。
斜面が緩やかでないから駆け下りるとあとで筋肉痛になるのだが。。

もうここまで来るとよっぽどのアクシデントでもない限り、時間内にゴールできるのは間違いない。
あとはタイムが…。

10時間切れるか? いや、やっぱりムリ。10時間越えちゃうなぁ。。


そしてゴール。
10時間は越えたけど、完走できたのでよしとしよう♪



ドロドロの足を洗い流し、うどんとスポーツドリンクをいただき、参加賞のいやしの湯のお風呂券は有効に使わせていただき、帰宅の途へ。


帰り道、道路に出てきたシカを轢きそうになるし…(汗)
東名高速にシカが紛れ込むくらいだから、山の中の国道にシカが出るのはなんの不思議もないのか?


今回は1175人が出走して、完走率は73.1%だったそうで。


翌日からしばらく強烈な筋肉痛に悩まされ、その後、右足の中指の爪が剥がれ落ち、現在(9/9)左足の薬指の爪も皮一枚でなんとか繋がっている状態で…。

そして、ビニール袋に避難させたデジカメは無事だったが、ケータイは雨で水死してしまった。
前回水死させたのも山だった(汗)
その時は浅瀬を渡り損ねて尻餅。ケータイはウエストポーチの中だったので、しばらくは生きててデータを取り出すことができたけど、今回はザックの中とはいえ、ドシャ降りのおかげでデータごと飛んでしまった。データが飛ぶととっても不便。あの時一瞬の手間を惜しんだことが悔やまれる。


北丹沢に完走できたら、やっぱりハセツネにも挑戦してみようか。
挑戦して完走できたら、この山を走るというわけのわかんない呪縛から開放されるかもしれない?
そんなことを思いつつ、10月のハセツネに向けて気持ちを高める今日この頃だったり…。

2006.9.9

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