ふらふらうろうろ日記―丹沢のお山歩き録

「ボーイスカウトのハイキングって山登りのことやん(泣)」と悟ったのはいつのことやら。
活動のお手伝いやら下見やらなんだかんだとお山に登る機会が増えました。
一緒にお手伝いしているH母と「今度は景色の良い山に登りたいねぇ」 「そ〜ね、景色の良い山頂でビールっていうのもいいねぇ」と 話したのが事の発端。わざわざ遠くから登りに来る人もいるというのに、 せっかく丹沢のお山の端に住んでいるんだから と、 いつしか足が山方面へ向くようになり…。


2005.3.19(土)はれ 煤ヶ谷〜物見峠〜黒岩〜札掛

H母の花粉症の症状がよろしくないようで、うちの子供たちと3人で。

ガイドブックによると、このコースは春先の野花がいいらしい。

煤ヶ谷でバスを降り、谷太郎林道から分かれて物見峠方面へ。
鹿柵トビラのチェーンを開けてハイキングコースに入る。

もっと暖かい季節なら草ぼうぼうなんじゃないかと思う道を どんどんどんどん登る。

雲ひとつない澄み切った青空で気持ちいいが、 他に人影もなく静かだ。
あぁなのに、姿が見えないのに後ろから鈴の音が付いて 来るのはかなり不気味だ。
同じバス停で降りたハイカーのおじさんのクマ避け鈴かなぁ?


さすがに花粉が舞い飛ぶ季節なので、歩き始めると なんだか目が痒くてちょっと水洟が垂れてくる。
おまけに、前を歩く子供たちの足元の落ち葉から舞い上がっているのは 砂ぼこりじゃなくて花粉だよねぇ(汗)

ま、花粉症っぽかったのは最初だけでそのうち身体が慣れたのか CMそのままに目の前で舞い上がる花粉を見てもなんともなくなるのだが…。

尾根道をのんびり登って約1時間で三峰山との分岐点。

今回は山頂を目指さないので、景色は期待していなかったのだが、 振り返ると木立ちの間から遠くに江ノ島まで見えた♪



いつも通勤路から眺めている憧れの?三峰山へも そのうち行ってみたいのだが、今回は物見峠へ。

物見峠までには崩壊地を通らなければならない。
この付近の凝灰質の地層はフィリピン海プレートの圧力を受けて 少しずつ崩れているそうで、あちこちで谷に向かって道が崩れている。

ひぇぇ〜、道が崩れてるよぉぉ〜(汗)
とは言っても足元に注意して歩けばそんなにたいしたこともなさそうだ。




区間800mほどの崩壊地も無事通り抜け、物見峠を越えて黒岩方面へ向かう。
ふと見上げると椿の花が咲いている。(春先の花を見に行ったつもりなのに、 結局この椿くらいしか見てないよ〜な)



ん?ん? 道はこっちでいいのかしら??

ガイドブックによるとこのあたりから沢に降りることになるようだが、 今まではどこを歩けばいいのかわかる程度には整備されたハイキングコースだったのに、 渡し橋が壊れていたり木が倒れていたりで、 このあたりからどこを通ればいいんだかさっぱりわからなくなってくる。

整備されたハイキングコースに慣れてしまっているので、 整備されていないだけのか、迷ったのかわらかず、 道なき道を突き進んでいいのかとガイドブックを睨んでいると、 さっきのクマ鈴のおじさんとは別のおじさんが追いついてきた。

私たちの1時間後のバスで来られたそうなのに、 追いつかれてしまうとは…。

おじさんも道がよくわかんない と言いつつ、 うちも初めて来たと知ると、 こんな所に道もわからないのに子連れで来るなんてなんて無謀な母子だと 思われてしまったようだ(汗)

一緒に道を探しつつ、道なき道を突き進む。
ったく、どこ歩いていいんだかわかんないよーじゃ、さっきの崩壊地の方がよっぽどましでは?

「子連れでゆっくりだから先に行って下さいね〜」と言っても 不明瞭な道を気にして一緒に歩いてくれているようで申し訳ない。

そうは言っても結局子連れとは歩くペースが違うのでおじさんの姿も見えなく なった頃、ちょうど斜面のかろうじて片足分の幅しかないような道?を歩いていた。

こんなとこがホントにコースなのかなぁ? でも通れるってことは きっとハイキングコースなんだろうなぁ。。
とかなんとか思っていると…。

「ぅぎゃぁぁあああああ〜(泣)」

甲高い泣き声と共に下の子が斜面を滑り落ちていった(汗)

。。。。。あ〜ぁ、やりよった。。

さて、どうやって引っぱり上げようか。。
落ちた所は急だからもうちょっと先で斜面を斜めに登れば上がれるかしら?
崩壊地とわざわざ明記されていなくても、落ちたら危険そうな谷底に向かっていないだけで 崩れやすいのは結局どこも同じのようだ。

そうこうしていると、さっきのおじさんが泣き声を聞きつけて下から現れた。

下??

どうやら先で結局下の河原に下りることになるらしい。
おじさんに助けられて斜面に這い上がってきた下の子だが、 どうせそのまま先で下に下りるのなら上がってこなくてよかったんでは?


少し先で斜面を降り、下の河原に全員が降り立ったところで、ちょうど時間的にも お昼タイム。


さてと…。
またここからの道がない(汗)


あたりを見回すと向こう岸に流されてしまっている橋があるので どうやらこの川を越えて向こうに行くらしい。

水はそれほどでもなく、大人の膝下半分くらいだが、 橋がないので、飛び石の上を渡って行くしかないようだ。

しかし、この飛び石、川の真ん中あたりは流されてしまっていて、 新たに石を放り込むしかないよなぁ。

とりあえず、手近な大きな石をヨイショと持ち上げドブンと投げてみる。
おじさんもどんどん石を投げ込んでくれ、 子供の歩幅でもなんとか向こう岸に渡れそうになってきた。

私のミドルカットのトレッキングシューズは幸いゴアテックスだ。
くるぶしから下くらいなら水の中に突っ込んでも大丈夫なはず。
最後の浅い所で子供の手を取って向こう岸に渡してやればいいだろう。


と、子供たちより先に川を渡り始めたのだが…。


あっ と思った時には遅かった。

ドボンッ!!

身体はバランスを崩し水の中へ…。


だぁぁ〜っ、何のために石をたくさん投入したんだか。。。
これじゃぁ意味ないぢゃんっ。

こうなりゃ今更濡れてもどーでもいいわいっ。 と水の中に仁王立ちで 順番に子供たちの手を引っ掴み向こう岸へ渡らせる。


再び歩き始めたが、水没したゴアテックスの靴はとってもとっても嫌な感じ(泣)
外から水が入らないように設計されているのに、中に水を入れてどーする。。

仕方ないので、靴の中を水でぐちょぐちょさせながら歩く。
ゴアの靴は普通に洗っちゃいけないって言われてるくらいなのに大丈夫かなぁ?
帰ってよく乾かしたら防水透湿の機能は問題ないのかしら…。


おじさんが一緒だとどうしても歩くペースが速くなり、ゆっくり辺りを見回している余裕もない。
それでもやはり途中でおじさんとはぐれてしまった。
おじさんと別行動になっても、さすがにこの頃になると帰りのバスの時間が気になって あまりゆっくりしている場合じゃなくなってきた。

ひたすら歩く。気づけば札掛モミ考証林も抜け、やっとハイキングコース終了の 物見峠入口で県道に出る。
この時、時間は14:00ピッタリ。

これならヤビツ峠からのバスに間に合うかな。
恐ろしいことに、この日のダイヤでは ヤビツ峠から秦野駅への午後のバスは15:51発と16:16発の2本しかない。


ここから舗装された県道を延々歩くのだが、ガイドブックをよくよく見ると、なんと今まで 彷徨ってきたハイキングコースと同じくらいの距離があったりする。
そして、「15分、20分、45分・・・・・140分!!」ガイドブックの所要時間を計算すると、 いくら舗装された道路とはいえ 2時間以上かかるんぢゃないのか? をいっ。


もう大股早足のハイペースでひたすら歩く歩く。
山道はいいのだが、舗装された道路を歩くのはどーも足に優しくなくて疲れる。


ガイドブックによると途中から山の中を通ってヤビツ峠に抜ける近道があるようだ。
ををっ!時間短縮なるか?
茶店があり、この辺から入って行くのかなぁ? と見ていると、 中から茶店のおばさんが飛び出してきた。

先に行ったさっきのおじさんが心配して後から来る母子連れが もしバスに間に合いそうになかったら、ふもとまで送ってくれるように 頼んで行ってくれたらしい。

そして、「道がわかりにくいので近道は通らずに道路を歩くように」と 伝言を残して行ったそうだ。


うっ。よ、読まれてる…(汗)
無謀な母子のやりそうなことはお見通しというわけか。。


最初のバスは無理でも2本目の終バスにはなんとか間に合いそうなので、 忠告に従って舗装された道路をひたすら歩く。
「乗り遅れたら歩いて山降りなきゃなんないからねっ」と脅しが効いたのか 子供たちもしっかり付いて来る。
最後の方、上の子はへたばって遅れ気味だったが、最後まで私の横にぴったり付いて 歩いた下の子の体力恐るべし。


まだか?まだか? 間に合うのか??



そしてついに神奈中バスのくすんだ黄色の車体が見えた。
やたっ♪

途中からハイペースで歩いたので、なんと15:51発のバスに 5分も余裕を残してたどり着くことができた。

先に行ったさっきのおじさんが心配してバスの外で待ってくれていたようで、 私たちの姿を確認してバスに乗り込んで行くのが見えた。
あぁぁ、ご心配おかけしてすみません。

バスに乗る時に声はかけたが、バスを降りて駅まで行く間におじさんを見失い、 最後にお礼を言えなかったのが残念だ。
いろいろご心配おかけしました。どうもありがとうございました。

おじさんに出会わず山の中をのんびり歩いていたら、 道は見つけられただろうけど、道路に出るのがもっと遅くなって バスに間に合わず、蓑毛までもう1時間ほど歩いて降りるハメになったに違いない。 それはそれで新たなバス乗り遅れネタになったのだろうけど…(苦笑)


2005.3.24

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