出産にまつわるエトセトラ(上)

会社で後輩(♂)に「(結婚して、何年もたつのに) 病院に行かなくてもいいんですか?」などと失礼なことを言われつつ、 「いつかの旅行記」にも書いたように、 インドへ行くまで絶対子供はいらんっ!! と豪語しておりました。

で、インドへ行って、帰ってすぐ、速攻でできてしまったのには、我ながら笑ってしまったわけですが…。

タバコのニオイがますます嫌いになった他は、つわりらしいつわりもなく、
…というか、『食べたい』つわりだったようで、「焼きソバUFOが食べたい。どーしても食べたいっ」と 会社から一旦帰ってから、コンビニへ買いに出かけたり、 「駅前のあそこの店のサンドイッチが食べたい。」など、突然「どこの何」っと 限定した食べ物に取り憑かれておりました。

そして後半は、マーボー豆腐などトウバンジャンの入った辛い辛い料理にやたらとはまりました。

もともとタバコは嫌いですが、つわりの時期は特に耐えられなくて、通勤途中のおぢさんたちの 歩きタバコの煙だけで吐きそうで、 香水を振ったハンカチを口にあてながら通勤してました(涙)

きっちり冬のボーナスをもらえる時期までいて、 会社を辞めた後は、ひたすら運動のために歩き回るお散歩の日々。
阪神淡路大震災の直後は、両側の家が今にも崩れてきそうな道のど真ん中を歩きつつ、 轢けるもんなら轢いてみぃっ<車 と強気で思いながら、大きなおなかでのっしのっしと徘徊しておりました。

出産予定日のその日も日課の散歩へ出かけようとしていたところへ、 婦長さんから「予定日だから一応診察に来なさい」とTELがありました。

徒歩20分(…妊婦の足なら30分)の駅の向こうの病院までえっちらおっちら歩いて行ったら…。

先生曰く「はい。子宮口開きかけてますから、このまま入院です」
って、あのぉ〜。荷物もなぁんも持ってきてないんですけど…。

実家の母(自宅から車で20分)に電話して、玄関に置いてある入院バッグを持ってきてもらいました。
こういう時に嬉しい近くの実家♪

で、会社の夫にも電話して…。
私:「陣痛が始まるまで、いつ生まれるかわからへんけど、このまま入院することになったし…」
夫:「ほな、夕方には帰るようにするわ」

とりあえず、病院出産のお決まりごと(しない所もあるようだが)梯毛・浣腸…。
(これに後の「会陰切開」が加わって、3種の嫌事とでも言おうか…)

初産でそんなことは、あり得ないと思いながらも、このままトイレで生まれちゃったら…と 思うと、思うようにきばれない。

思えばこれがいけなかったのだが……。ははは。
あとはご想像におまかせして、あえて書くのは避けます。


ちょうど、お昼の時間で、入院患者となったのでごはんが出たものの、 いきなり「あ痛っ」っと思ったら、あっという間に5分間隔で陣痛が始まった(汗)
ふつうはもっと間隔あいてて、だんだん短い間隔になるのでは?
もしかしたら、始まっているのに気づかなかっただけか?

陣痛の合間どころか、こんな短い間隔じゃ、とても最後まで食べきれない。
(全部食べるつもりなのかよ。おいっ。)

あれよあれよという間に、本人突然生まれる気になったらしい。

最後まであっちこっちガンガン蹴り飛ばしながら生まれてきたので、てっきり『太郎』 (男の子だったらマジで『太郎』と命名される予定だった。) だとばかり思っていたら…、

「おじょ〜ちゃんです〜」の声に力が抜けた。

あんなに蹴飛ばすお嬢ちゃん??

病院にたどり着いてから、ここまでしめて3時間半。
当然、夕方にやってきた夫が間に合うはずもなく…。

新生児室を覗く夫の第一声『うちのおさるはどれ?』

それは彼女の呼び名がおさるに決定した瞬間だった。


「きっと片意地で『今日は予定日じゃないから出ない』って思ってるに違いない」とか さんざん悪口を言われながら、ホントに出産予定日ぴったりに出てきた彼女。

実は、3日ほど前にあんまりおなかが張るので、病院に行ったら、 その日は名医と誉れ高いK先生は休診で、会陰切開の痕を縫い合わせる手が震えているのでは ないかと噂される高齢の院長先生とその奥さん先生(この人も産婦人科医)。

奥さん先生が、診察したけど、まだ生まれそうにもないから、時間があるなら NST(分娩監視装置)検査でもしてみましょう と別室でおなかに装置をつけて 寝ているところへ、やって来る看護婦さん婦長さん、みんなに口々に 「今日はK先生休みやのに、こんな日に来たらあかん。今日はハズレや。」って…。

おいおい。いいのかそんなこと言って。なんちゅう病院じゃぁ(汗)

奥さん先生は生まれそうになかったら、次の診察は週明けに来い と言ったけど、 実はこの時、胎胞がちょっと見えかけていたらしい。 で、週明けを待たず、 婦長さんから呼び出し電話がかかってきたというのが、あとで聞いた真相らしいのだが…。

病院へ歩いてる最中も、いつになくおなかが張ってたから、 あのまま散歩に行っていたら、放浪先で破水ってことになっていたのかも…(冷汗)

2002.2.7
 

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