ブレーキキャリパーのオーバーホールおよびローター交換をしました。
(作業日 06,17,2000  06,18,2000)

必要な工具

購入品

部品番号
名称
個数
値段
NAY12646ZA R.キャリパーシールキット
1.0
3,410
NAY13324Z フロント キャリパーシールキット
1.0
1,710
B4583325XD ディスクプレート F
2.0
15,240
B4Y226251C ディスクプレート R
2.0
12,500


ジャッキアップしてウマをかけ、ホイールを外します。

パッド交換の要領でキャリパーを外します。サポートごと外してからキャリパーをサポートから外すのは大変ですので、キャリパーを外してからキャリパーサポートを外すという順番を守りましょう。外したキャリパーはブレーキホースに負担がかからないように何か台の上にでも乗せておいて下さい。4リッターのオイル缶なんかがちょうどいい大きさです。
まずはローターを交換しちゃいます。
古いローターは固着してますので用意しておいたM8のボルトをローターに付いているネジ穴にねじこんで外します。
リアでしたらギアを入れておくだけで周り止めになりますが、フロントはローターが一緒に回りますので、それを防ぐ為に棒をハブボルトに引っかけておきます。ハブボルトにはネジ山を保護するためにナットを軽くかけておきましょう。
ボルトをネジ込むと共にネジ山保護の為のナットも緩めて行くのを忘れないようにして下さいね。
ローターの交換が終わりました。ナットを2つ対角線に付けて交互に締めながらハブに密着させます。


次はキャリパーのOHです。
まずは下にオイル受けを置いてピストンを抜き出すわけですが、リアの場合はサイドブレーキの調整ネジを緩めるだけでピストンが抜けて来ます。フロントはそんなものありませんのでエアを吹き込んだりするのですが、私はブレーキを何回か踏み込んで抜いてしまいました。この間リザーバータンクからはどんどんフルードが減っていきます。切らしちゃうとエア抜き大変なので切らさないように継ぎ足しながら行いました。

ピストンが抜けた状態、ここまで抜けてくれば後は手でカンタンに抜けます。
錆が付いていましたがキャリパーの錆が付いていただけのようです。ブレーキフルードを付けた細かい耐水ペーパーで力を入れずになでるようにこすってやったらキレイに取れました。注意としては、この時ピストンの円周方向にこすって下さい。縦方向にへたにやってしまうとフルード漏れの原因になる可能性もあります。大きな傷や錆がある場合はピストン単体では購入出来ませんのでキャリパーASSY交換となります。
フロントのキャリパー内部、シールの一部分をミゾから持ち上げた状態です。先のほそ〜いラジペンやピンセットでシリンダーに傷を付けないように注意しながらシールを外して下さい。
こちらはリアのキャリパーです。事前の下調べがまずくてスナップリングプライヤーを用意していなかった為、サイドブレーキ調整用ネジに付くOリングは交換出来ない事が判明。先にちゃんと調べてから始めれば良かったと反省。しょうがないのでここは交換しない。


シールのはまっていたミゾにゴミなどが残ってないか調べてから、新しいシールにOHキット付属のピンクのグリスを薄く全面に塗ってミゾに入れます。
あとはブリーダースクリュウを緩めてピストンをキャリパーに入れるのですが問題はピストンブーツです。ブーツを先にキャリパー側に付けてからピストンをはめるようですが何回やってもうまく行かず、結局ピストン側に先に付けてからキャリパーのミゾにブーツを入れてピストンをその後で押し込むという方法を取りました
ブーツだけをキャリパーにはめる方法に比べてキャリパーのミゾにきっちりはめるのが難しいですから時間をかけてじっくりとやりました。キャリパー側のブーツがはまるミゾの錆などをキレイに落としておくのがコツといえばコツでしょうか。それとピストンがシールの部分に入っていく時にもシールに引っかからないように丁寧に押し込んでいって下さい。ブーツのせいで見えませんので手の感覚だけで丁寧に押し込みます。
リアの場合はサイドブレーキ調整用のネジを回してピストンを引き込みます。フロントは途中までは手で押し込んで途中からは古いパッドをあて板にしてメガネをテコに使ってピストンを押し込みました。

リアのほうはキャリパーサポートに付いているゴムのブーツなどもOHキットに入っているのですが、フロント側はシールとピストンブーツしか付属してませんでした。気になる人はこれも交換しておくと気分が良いですね。
スライドピンの古いグリスをキレイにしてから新しくグリスアップしてキャリパーがスムーズに動く事を確認しながら組み立てます。
参考までに私が使用している耐熱グリスを紹介しておきます。SUMICOモリラバーグリス PGM-100です。二流化モリブデン配合でゴムを侵さない耐熱グリスです。アストロプロダクツで100gのチューブが1100円でした。
ここでカンタンにエア抜きをしておきます。他のキャリパーからシリンダーを抜くときに1カ所でもエアー入っているとやりにくいので、ざっとでいいですからやっておきましょう。今回はフルードの全量交換もかねていたのでここで古いフルードは全て抜いておきました。でも色がぜんぜん変色してなかったので新しいのになったかどうかはカンが頼りでしたけど(笑)


同様の手順で4輪とも作業します。作業は左リア、右リア、左フロント、右フロントの順番でマスターシリンダーから遠い順番で行いました。

4輪とも終わりましたら仕上げのエアー抜きを同じくマスターシリンダーから遠い順番で行います。
私はラジコンの燃料用のシリコンチューブとホームセンターの熱帯魚コーナーで売っている逆流防止弁を使用しています。これで一人でもエア抜きが出来るはずですが、念の為に最後の仕上げだけは2人でやるようにしています。ブリーダースクリュウを緩めすぎないように注意してエア抜きをして完了です。
サイドブレーキの調整も忘れずに行って下さいね。作業中にこぼれたブレーキフルードは水で良く流せば大丈夫です。

ブレーキローターを新品に替えているのも効いているのでしょうがブレーキタッチが見違えるように良くなりました。

おまけ

ローターのハブの部分がさびさびになるのがイヤだったので耐熱スプレーで塗装してみました。全面にバーっと塗っちゃってからひとっ走りしてブレーキ踏めばパッドとの接触面の塗料ははがれますので、その後でパッドに付いた塗料をキレイに取ってあげれば作業完了です。


注)ブレーキ整備のミスはそのまま命にかかわります。自信のない方は気軽に行わないで下さい。
注)ブレーキフルードが目に入るとすんごく痛いです。めっちゃしみますのでご注意を