5月に留学の区切りと考えていたHSK(漢語水平考試)を受験した私は、残りの授業は放棄して学校を後にした。
風光明媚で知られる桂林に近い陽朔に数日滞在した後、千枚田で有名な龍勝、風雨橋で名高い三江(いずれも知る人ぞ知る名所です)を経由し長江に至り、船で河を上って三峡観光をし、重慶から大足を経て成都へとたどり着いた。
成都動物園は敷地も広く、様々な動物がいるのだが、スケジュールの都合からあまり時間が取れず、入口の案内板で「パンダ館」の場所を確認し、そこに直行した。
私がたどり着いた時、そこには見物客が誰もおらず、子供の頃テレビで何時間待ちもの行列を見ていた者としては拍子抜けするほどだった。
そして、そこには・・・いたいた、ホンマモンのパンダだ!
何枚か撮ったが、興奮してたのかこれ
以外ブレがひどくて使い物にならない

メインの檻にパンダが1・・・2・・・3・・・4頭もいる!しかも隣の檻にも、何故か「シェー」のポーズをとっているかのようにごろりと横になっているパンダがいる。
ううう・・・畜生!可愛いじゃないか!
私より後から来た何人かの人々とのんびりパンダ見物をしていると、飼育係らしいおばちゃんが何やらソフトボール位の大きさの黒い玉を持って来て、檻の中に放りこんだ。パンダがそれを器用に手に持ってかぶりつく。どうやらパンダの餌らしいが、パンダは笹しか食べないと思っていたので、正直驚いた(無知でごめん)。
こうして餌を取り合ったり、ごろごろしているパンダを見ていると時間の経つのを忘れてしまいそうになるが、そろそろ次の予定が迫っている。名残惜しいがそろそろ出発しようか、と思ったのだが、どうもパンダ館の左手にある部屋の中が気になる。
実は、このパンダ館に着いた時から気にはなっていたのだ。その部屋の中に何人か人が集まって何かしている。集まった人々はそこで「何か」を取り囲んでいるように見える。そして人々は何故かにこやかに談笑しているようでもある。
どうしても、そこにある「何か」が気になるが、質があまり良くないと思われるガラスが妙な反射をして中がはっきりとは見えない。それでも気になるので、反射があまりひどくない角度を探して透かして見る。どうやら皆の真中に台があるようだ。そして、その台の上に何か乗っている。それは・・・
パンダじゃないか!
しかもよくよく見ると、パンダの両腕はロープのようなもので台に括り付けられていて、その腕からは、また紐のようなものが上に延びている。その紐状のものを目でたどっていくと、逆さまにした瓶に行きついた。
・・・・・どうやら点滴をしているらしい。
初公開(?)点滴を受けるパンダの図
何?よく見えない?
それでは、写真をクリックしてみよう
うーむ、こんな目に見えるところでパンダに点滴をするのか?
それにしても、この状況は結構緊急事態じゃないかと思われるが、何故皆笑顔なんだ?
果たしてパンダは大丈夫なのか?病状は?

気にはなったが、彼らに何と聞いて良いのか分からないし、そろそろ次の目的地に行かねば間に合わない。
思いを残して動物園を後にしたが、果たしてあのパンダは無事回復しただろうか?それとも、私の「パンダを殺す男」としての面目躍如となってしまったのか?
どなたかご存知でしたら、教えて頂きたい・・・



合掌