題名:カンダハール
媒体:映画(イラン)
見た場所:松山市 シネマルナティック
見た日時:2002年4月29日(月) 20時45分の上映
その回の動員人数:11名
監督:モフセン・マフマルバフ
出演:ニルファー・パズィラ、ハッサン・タンタイ他

妹を助ける為に、カンダハールへ向かおうとする姉(カナダに移り住んでジャーナリストになっている)の話し。
冒頭に出てくる人々、特に女の子達の表情が、何だか悲壮な感じがして胸に響いてくる。多分、難民キャンプかどこかで撮られたものだろう。
荒涼としたアフガニスタンの風景、そこで生きる人々の様子が描かれた作品は、私達には滅多に出会えるものでは無い、という点でも一見の価値はある。
作品のラストは「クライマックス」というものに慣れ親しんだ者からすると、唐突な感はあるけれども、当時のかの地の状況からすれば(今の事情は却って分からないが)、こういう終わり方が自然なのかもしれない。


題名:友へ−チング−
媒体:映画(韓国)
見た場所:松山市 シネリエンテ
見た日時:2002年4月21日(日) 19時20分の上映
その回の動員人数:2名
監督:クァク・キョンテク
出演:ユ・オソン、チャン・ドンゴン他

見た人達から「良い映画だった」と聞いて、期待して行ったら、期待以上の作品だった。
こういう事は、正直言ってあまり無い。
少年時代親友だった4人は、違う中学に進んだ後、高校で再会し友情を深めるが、やがて別々の道へと進んで行く。
4人の中では似たもの同士だったジュンソクとドンスも、行く道が分かれ、その為に悲劇が起こる。
作中、ジュンソクが優等生のサンテクに「中学も一緒だったら、俺も今頃優等生だったのに」と冗談混じりに言うシーンがあった。
実際そうであったら、ドンスのジュンソクに対する感情も違ったものになっていただろうし、彼らの進む道も違ったものになったかも知れない。
対立し、憎しみ合っている様に見えても、彼らの中に友情はあった。
ドンスの行動にも、ジュンソクの行動にもそれが見られ、だからこそ感動を呼ぶ作品になっている。
個人的な思い入れの部分で言うと、主人公達と私が同世代で、自分のその年代と彼らを比べて、同じ部分や違った部分を見られたことが面白かった。
ちょうど彼らと同じ位の年代に、私も友達の家で、ビデオデッキにお目にかかっている。見たのは「ガンダム」だったけど・・・
また、「事件」が起こる1990年は、ちょうど私が当時の仕事の関係でソウルに赴任した年で、そういう部分でもノスタルジーに浸れる作品だった。
皆さんに是非見ていただきたい一編です。


題名:コラテラル ダメージ
媒体:映画(アメリカ)
見た場所:松山市 松山シネマサンシャイン
見た日時:2002年4月21日(日) 15時30分の上映
その回の動員人数:約50名
監督:アンドリュー・デイビス
出演:アーノルド・シュワルツネッガー、フランチェスカ・ネリー他

久々に劇場で見たシュワルツネッガー最新作。
相変わらず筋骨隆々としているが、はて?シュワちゃん幾つになったけ?
ストーリーは、なかなか考えられた、好きな部類の作品だったが、アクションシーンは、「随分特撮に頼ってるな」という感じがした。
特撮を用いる事によって、よりリアリティを持たせるアクションと、危険防止や単にインパクトを与えるために特撮を用いる事があるように思うが、最近後者の方については、かなり鼻について来た。
当初は分かりにくかった合成シーンも、最近は見てると何となく分かってくるようになって来たので、余計感じるのだろう。
個人的にはシュワルツネッガー好きなので、これからも頑張っていただきたい。


題名:青−chong−
監督:李 相日(リ・サンイル)
出演:眞島 秀和、山本 隆司、有山 尚宏、竹本 志帆他
上映時間:54分
題名:あんにょんキムチ
監督:松江 哲明
上映時間:52分
媒体:映画
見た場所:松山市 シネマルナティック
見た日時:2002年4月21日(日) 12時50分の上映
その回の動員人数:数えるの忘れた(^-^;) 多分20〜30人位

松山の自主上映鑑賞団体「マネキネマ」の第32回例会での上映作品。
2本とも日本映画学校卒業製作作品。
その完成度の高さから一般公開されたそうだ。

「青−chong−」の方は、朝鮮学校に通う高校生を主人公にした青春ドラマ。
はっきり言って、商業映画のこの手の映画よりもよっぽど面白いと思う(あまりそのジャンルの商業映画を見ていない私が言っても説得力無いかも知れんけど)。
全体的にコメディの要素を多く持ちながら、結構いろいろ考えさせられる作品。
普段あまり窺い知る事の出来ない、朝鮮学校の授業風景なども見られて、興味深かった。オススメ作品です。

「あんにょんキムチ」の方は、祖父や家族が歩んで来た歴史を調べようと思い立った在日3世の監督(帰化して日本国籍になってはいる)が、家族や身の回りの人々、更には韓国まで出かけて行って現地の人々相手にインタビューを行っていくドキュメンタリー。
正直いうと、インタビューを受けるお祖母さんや叔母さん達、両親や妹の話はすごく興味深くて面白かったんだけど、それに対する監督のツッコミには、ある種の思い込みと押し付けがましさが感じられる気がした。
まあ、この年頃の男の子に有りがちな正義感とか焦燥感から来るもんだとは思うけど(おお!大人ぶってる^^)。
この映画を見て、大学時代の同級生の事を思い出した。
彼も在日韓国人(何世かは聞かなかった)で、大学2年の時(だったと思う)に年賀状にいきなり「僕は韓国人です。びっくりした?」と書いて送って来た。
親しい同級生皆に送ったようで、冬休み明けに、皆で免許証を見せてもらい、「おお!本籍に韓国と書いてある」などというやり取りはあったものの、その後彼との付き合いが特別変わったということは、やはり無かったように思う。
個人的には、彼を今まで通りの通名で呼ぶべきか、本名の韓国名で呼ぶべきか迷ったが、本人が「どっちでも良い」と言ったのと、周りも皆今まで通り通名で呼んでいたので、結局卒業までそのままだった。
今でも、それが「正しい対応」だったかどうかは分からない。
卒業後は、私が関西の方に就職したせいもあって音信が途絶えてしまったが、この作品を見て「彼は今頃どうしているかな?」と思う。


題名:必殺!三味線屋・勇次
媒体:ビデオ(レンタル)
借りた店:TSUTAYA BOOKS WILL 宮西店
見た日:2002年4月18日(木)
監督:石原 興
出演:中条 きよし、天海 祐希、阿部 寛、名取 優子、藤田 まこと他

久しぶりに「必殺シリーズ」を見た。
あらゆる意味で、やっぱり「必殺シリーズ」だった。
今回は、石橋 蓮司、中尾 彬、本田 博太郎など、好きな役者さん達が悪役に揃っていたのがうれしかったが、相変わらずキレタ演技で突っ走っていた本田 博太郎が、割と下っ端(失礼)の仕事人にあっさりやられちゃったのが、ちょっと不満。
もう少し個性的に殺られて欲しかった(笑)


題名:プラットホーム(站台)
媒体:映画(香港、日本、フランス合作)
見た場所:松山市 シネマルナティック
見た日時:2002年4月16日(火) 15時15分の上映
その回の動員人数:2名
監督:賈 樟柯
出演:王 宏偉、趙 濤、梁 景東、陽 天乙他

80年代の中国の田舎を舞台にした作品。
同じ村の文化劇団に所属する5人の若い男女を中心に、社会の変動が彼らに及ぼす影響などを交えつつ、人々の生活を淡々と描いた作品。
冒頭では、文革期を過ごした厳格だが人望のある(らしい)の元、毛沢東の革命精神などを扱った小劇や歌謡を披露していた彼らの劇団が、時を経るに従い、軽音楽やフラメンコを取り入れ、更に補助金の打ち切りで団長が変わり、いつのまにかブレイクダンスも披露するロックバンドに成り果てて(?)いく。
彼らの恋愛や生活の変化、彼らをとりまく人々の生活・・・そのようなものを描きながら、この作品(というか、この監督)は、それに対する意見や結論を、観客に伝えて来ない。むしろ、観客に想像させ、各々の結論を導かせるかのように進んで行く。
この作品の中で目立った手法として、登場人物が画面外や物陰などに隠れてしまい、別の人物がそちらに向かって話しかけたり、単に音声だけが流れて来たり、場合によっては、話しながら一人が物陰にかくれ、話していた別の一人がそちらに一緒に入り込み、そしてまた一人が出てくる、ということを繰り返したり・・・見えない人物はそこで何をしていて、一体どんな表情で話しているのか?そこで行われていることを想像する事によって、物語はどういう風にもとれて行く。
そして、それぞれにそれなりに成長して行ったであろう、ラストシーン。
ここでも、「こうなった」という結論は語られない。
その画面を見ることによって、観客は一体、どう受け取るだろうか。
そして、彼らの生活は、決してそこで終わらない。
これから、どういう時代を生きて行くのか?それも、また想像の中・・・


題名:プクスヌン チャエ ゴッ
媒体:映画(韓国)
見た場所:大韓民国 ソウル特別市明洞 コリア劇場2館
見た日時:2002年4月9日(火) 11時30分の上映
その回の動員人数:貸し切り(笑)
監督:パク・チャヌク(「JSA」)
出演:ソン・ガンホ(「JSA」「シュリ」「反則王」)、シン・ハギュン、ペ・ドゥナ他

直訳すると「復讐は俺のモノ」というところだろうか。
朝鮮日報では「復讐するは我にあり」と訳していたが、パクリになっちゃうでしょ、それは・・・(緒方拳万歳)
「JSA」の監督、ソン・ガンホ主演の作品ですが、すんげぇ暗い作品だった。
正直言うと、とにかくソウルに行ったついでに、一本映画を見ようと思って映画館に行き、ソン・ガンホが出ていて時間もちょうど良かったので飛び込んだ映画で、当然全編韓国語なので、ほとんど台詞も分からなかったため、全体のストーリーも、後で朝鮮日報の記事を読んでやっと完全に把握出来たというのがホントのところだけど、それでも救いの無い内容だというのは、よく分かった。
腎臓病の姉を持つ聾唖の青年リュは、製鉄所を働いていたが、そこを解雇され、更に姉の為に接触した臓器密売グループに、手術の為に溜めていた金と自分の腎臓を奪われる。
途方に暮れた彼は、ガールフレンドの発案に乗り、ソン・ガンホ演じる会社社長の娘を誘拐する。
誘拐されたとは自分で気付いていない少女は彼らによくなつき、特にリュの姉(彼女も事情は知らない模様)と仲良くなり、楽しく過ごす。
元々、身代金さえ手に入れば、彼女を傷つけることなく送り返す予定で、計画通り身代金は手に入れるが・・・
ここから事態は悪い方へ、悪い方へと流れて行く。
登場人物それぞれが、自分の運命に抗うようにそれぞれの復讐へと走って行く様は、鬼気迫るものがあり、最悪のラストへ向けて突っ走って行く。
見終えた後に爽快感などは微塵も残らない、ものすごく後味の悪い作品。
決して作品の出来が悪い訳ではなく、むしろ出来が良いからこその後味の悪さだ。
一度どっぷりと陰にこもりたい方にはうってつけの映画だが、果たして日本で公開されるだろうか?


題名:チキンラン
媒体:ビデオ(レンタル)
借りた店:TSUTAYA BOOKS WILL 宮西店
見た日:2002年4月3日(水)
製作年・国:2000年・イギリス
監督:ピーター・ロード、ニック・バーク
声の出演:ジュリア・サウラ(ジンジャー)、メル・ギブソン(ロッキー)他

「ウォレスとグルミット」のスタッフが作った、クレイアニメーション。
一体全編作るのに、どれだけの手間がかかっているんだか、気が遠くなるような作業だと思うんですけどね。
内容は題名通りで「ニワトリ版大脱走」です。
実際、かなり「大脱走」のパロディが入ってます。
ロッキー役のメル・ギブソン、テンション高いです。
クレイアニメーションって、見ていて何だかホッとさせる、癒し系の部分があると思います。
お子様と一緒に見るのにもお勧めです。


題名:ブラックホーク・ダウン
媒体:映画(アメリカ)
見た場所:松山市 衣山シネマサンシャイン
見た日時:2002年4月3日(水) 12時00分の上映
その回の動員人数:20数名(レディース・デイの為女性多し)
監督:リドリー・スコット
出演:ジョシュ・ハートネット、ユアン・マクレガー他

1993年ソマリアでの実話に基づいた作品。
10年程前の事だが、正直言って当時のソマリアで国連が行っていた平和維持活動のことは、ほとんど記憶に残っていなかった。
随分苦労した挙句、結局撤退してしまったという事しか思い浮かばない。
この作品は、いわゆる「戦争映画」に属するものだと思うが、その手の作品の中でも、戦闘シーンが作品中に占める割合が、非常に高い作品であろう。
なにしろ、最初の2、30分と最後の10分位を除いて、ずーっと戦闘地帯にいて、ほとんど戦闘状態という作品なのです。
全体の7割くらいが「プライベート・ライアン」の最初の30分くらいの感じと言えば、見た人には解ってもらえるかも・・・
そういう映画なので、見ていて結構疲れた。
それと、映画そのものの出来は良いと思うんだけど、実を言うと出てくる登場人物がほとんど丸刈りの兵隊さんで、顔も汚れている事が多く、普通でも白人さんの顔の区別をうまくつけられない私としては、誰が誰だか解らなくて、今一つ感情移入出来なかった、というのが本音のところです。
まあ、これは私が悪いのであって、文句をつける筋合いじゃあ無いんですけどね。