むらさきぐま日記2008.お正月杯


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1.天皇杯2回戦・阪南大VSHonda FC 9/21

9月21日 名古屋市港サッカー場 曇
天皇杯2回戦
阪南大学VSHonda FC

 朝起きたときは体がだるくてぐてーっとしていたが、寝ているのもイヤなので起き出して車に乗り、名古屋へ。
 この週末には天皇杯2回戦が行われており、名古屋市港サッカー場では大阪府代表・阪南大学と静岡県代表・Honda FCとの試合が行われる。阪南大は1回戦で岐阜県代表のFC岐阜セカンドを延長戦の末1-0で破っている。得点者は木原。2回戦でも、JFLの雄、アマチュア最強チーム・Honda相手にゴールを決めることができるか。わくわくしながら運転していった。
 が、途中から雨が降り始め、休憩のために入った御在所SAでは大雨になった。これは名古屋のほうは大丈夫だろうか?
 運転しながら地図を見ると、ちょうど朝日町にICがあったので降りる。ここがさんま(佐藤昭大)の出身地か・・・としばらく町中をドライブ。
 鈴鹿・桑名・名古屋のベッドタウン化してきているのか、山のほうは住宅団地としての開発が進んでいる。平地部は概ね田園地帯で、主要幹線道路の周辺の賑わいはその風景からはいささか浮き上がって見えた。
 そういえばここらへんに天武天皇御遥拝所があるのかな、と思って携帯で検索してみたらあるみたいなのでしばらく走り回ってみたが見つからない。関西マップルじゃ細かいところはまるでわからないし、あきらめる。
 雨は止み、明るくなってきた。これはいけそうだ。

 国道23号線に入り、揖斐川や木曽川などを渡り、庄内川を渡って右折、しばらく走って海沿いにある港サッカー場へ着。12時50分。
 急いでチケットを買い、入場してプログラムを買い、スタンドへ上がる。
 サッカー専用スタジアムで、ピッチがとても近い。芝のきれいな広域公園第一球技場ってところか。ホーム側に阪南大の選手たちが、アウェイ側にはHondaのサポーターたちが陣取っている。阪南側には選手たちのご家族の方々もかけつけているようだ。
 試合開始時間が近づき、両チームの選手たちが入場してくる。

阪南大:
GK1竹重
DF30魚谷 4吉川 20久野 3野田
MF14東 47岩本 8中濱 7小寺
FW45宮脇 11木原

Honda:
GK12中村
DF14桶田 25村松 3石井 17牧野
MF18糸数 19柴田 4安部
FW9新田 20早坂 11鈴木


 今日はFIFA国際フェアプレイデーらしい。両チームの選手が入り交じって写真撮影し、ピッチに散る。空は曇り、遠くでやや雷鳴が聞こえるが、雨はない。阪南大からキックオフ!

 いきなりホンダ、左サイドからつないでMF19柴田が中央へ折り返し中央鈴木?がダイレクトのアウトサイドで裏に出そうとする、そのボールがDF吉川の手に当たり、それほど故意ではなかったと思うが主審はファウルを宣告、イエローを出した。PAすぐ外中央左、絶好の位置。ボールの右にMF18糸数、左にDF17牧野、後方にDF3石井が立つ。誰が蹴るんだ・・・・・・牧野!鋭いボールは壁の横を抜ける、GK一歩も動けず――ゴールネットを激しく揺らした。
 ホンダサイドからどっと歓声が上がる。しかし主審は左コーナーポストを指していた。カベに当たって左サイドネット外側だった。歓声が苦笑いに変わる。
 左CK、牧野のキック!ニアに低いボール、DFクリア、もう一度CK。左CK、牧野のキック、ニア、クリア。
 ホンダ、今度は右サイドバック桶田からFW9新田へ、そこから鈴木→柴田→オーバーラップの牧野へとスムーズにサイドを変え、牧野が切り込んで右足でゴール向け巻いてくるクロス、鈴木飛び込むがGKキャッチ。ピッチは雨をたっぷりと吸っており、走ると水しぶきが立つほど。しかしホンダはその中でもしっかりとボールをコントロールし、正確にボールを回している。
 
 またもホンダの攻撃、右サイドに開くFW20早坂へパス、早坂切り返すがDFカットしクリア、しかしまだホンダ、こぼれを拾って右サイドにいたボランチの糸数が中央早坂へクサビ、早坂はパス&ゴーで裏へ抜けようとする糸数へと見事なカベパス、走り込んだ糸数そのままシュート!

 セーブ!!

GK竹重、見事な反応で決定的なシュートを足ではじき返した。クリア、しかしホンダがこれを拾ってまた攻め込む、糸数が中央早坂に入れる、早坂、DFにつかれながらも粘り強くキープ、そしてフィジカルを活かして相手を弾き飛ばすと反転してドリブル、最終ラインを突き破って中央を独走、PAに入るや飛び出すGKの脇を破って左スミにゲット!!
 選手たちと同じ赤いユニを着たホンダサポーターがどっと沸く。立ち上がりから圧倒的攻勢をかけているHondaが前半5分、早くもゴールを決めた。


 先制したホンダ、なおも攻める。左サイドを早坂キープからタテに出してFW11鈴木が走り込んで受けそのままドリブルからクロス、GK跳ぶがさわるだけ、ファーに落ちる、FW9新田がトラップ、戻す、DF寄せる、最終的には阪南クリア。今度は早坂から右に開く鈴木へ、クロス、こぼれる、ホンダ拾って左へ、糸数がオーバーラップしてくる牧野に出し、牧野クロス、DFクリア。
 試合開始からホンダが一方的に攻めている。フィジカル、体のキレにボディシェイプ、トラップ、パス、動きの質、連携とすべての面で上回り、重馬場でボールコントロールにあたふたしている阪南を怒涛のパスサッカーでパニックに陥れている。
 中盤でボールカットしホンダのカウンター、糸数から鈴木へ、鈴木が落としたところを受けた糸数がドリブルで持ち上がってさらにワンツーで裏に抜けようとする、がDFカット。
 ようやく阪南、DF4吉川のフィードこぼれを右MF14東が拾って左のMF7小寺へ、小寺はタテFW45宮脇に出す、通らない、しかしこぼれを左サイドバックの3野田がクロス、DFクリア。ホンダが拾う、左サイドに展開し新田→牧野→新田→糸数とつなぐが、ここは阪南も対応して押し返した。

 阪南、左サイド野田のフィードに木原飛び出すがオフサイド。今度はホンダ、左サイドに展開し鈴木から牧野へ、中央折り返すところを鈴木がスルー、もその裏DFが必死でカット、クリア。そして阪南、左サイドに開いてアーリー気味のクロス、これがファーに抜け、落ちてくるところを走り込んできたFW宮脇がダイレクトシュート!DFにわずかに当たって方向が変わり――バー直撃!惜しいいいい!左CK、小寺のキック!GKの上を越える、ファー、DFクリア、ホンダ拾ってフィード、これは阪南GK竹重が蹴り返す。まだ前半11分。

 阪南、右サイド東が一対一から見事な切り返しのフェイントでタテに抜けクロス、しかし大きすぎて合わず。今度は左サイド小寺がキープから右サイド宮脇に振る、しかしカットされホンダのカウンター、しかし阪南守備陣がクリア。またも阪南、左サイドから小寺がドリブル、小柄ながら見事に相手守備を潜り抜けてFW宮脇にクサビ、宮脇左に落とすカベパス、そこへ走り込んだ小寺、抜け出すや角度のないところからシュート!

バー!!

また惜しいいいいい
 小寺(青森山田出身)のテクニックはこの足場でもホンダ相手に充分通用している。野田もうまくオーバーラップして絡むことができているので、このコンビでなんとかしたいところ。
 と、ピッチサイドにホンダの選手が出てきた。6番、MF田阪。ペース握ってるのにもう交代?と見てみると、ホンダベンチにキャプテンマークを巻いているMF4安部がトレーナーと一緒にゆっくり歩いてきている。怪我なのか。なんというアクシデント。
 安部は田阪のところに歩いていくと、キャプテンマークを渡して二言三言何事か告げ、下がっていった。そしてプレイが切れたところで選手交代、17分、田阪がピッチに入った。そのままボランチの位置に入り、キャプテンマークは右サイドバックの桶田が巻く。主将のこの時間での途中交代、このアクシデントが試合の行方に影響を及ぼすだろうか。

 ホンダ、鈴木からトップの位置まで上がってきている柴田へクサビ、落としたボールを鈴木が左サイドへはたいてオーバーラップの牧野が受けクロス、DFクリア。中盤ができているので、サイドバックもガンガン上がってこれる。特に牧野は相当アグレッシブ。
 中盤こぼれたボールを阪南・小寺が前へフィード、木原飛び出すがオフサイド。ここで阪南・須佐監督が、
「早く上げろ!」
と、攻守の切り替えを早くするよう声を張り上げて指示する。
 阪南、右サイドで東がキープし木原へ、木原ドリブルで切り込みクロス、DFに当たる、こぼれを木原拾って戻し、上がってきた右サイドバック魚谷がクロス、合わない。
 ホンダ、左サイド牧野から早坂、新田、鈴木とスリートップを経由し、鈴木が落としたボールを交代出場の田阪が右サイドへパス、これは桶田に通らずも、滑らかなパス回し。さらにこぼれ球を糸数がクロス、GKキャッチ。

 20分を回るころになると、阪南大もホンダのパス回しになんとかついていけるようになり、攻撃の手数も増えてきた。
 ホンダ、中央新田から早坂へ、ドリブルで突っ込むが阪南ボランチ岩本がカット、ホンダもすぐさま取り返す、しかし阪南も防いで反撃、中央木原が一人かわしてドリブルで持ち上がり右へはたき東が受ける、がホンダも素早く寄せてカットする。ホンダ、左サイドタテパスから早坂が受けて折り返し鈴木、しかしDFブロック。
 阪南自陣からのFK、DF久野から右サイド東へ、タテに入れて木原、の前でホンダDF石井がカットしカウンター、タテに出し早坂が受けてドリブルで抜け出す、ところへ阪南選手が二人スライディングタックル!足を刈ってしまい、どちらかにイエローが出た。
 阪南、左サイドで野田と小寺が細かくパス交換、そこから右に出して東→木原と右サイドに展開しクロス、DFクリア、タッチラインを割る。今のはいい形だった。スローイン、魚谷がゴールライン方向に投げて木原を走らせるがボールはゴールラインを割った。

 阪南、宮脇から左へ出し小寺がリターン、宮脇が走り込んでDFと競るが宮脇のファウルをとられる。
 Hondaは主将・安部の交代が響いているのか、攻撃面でややかみ合わない場面がちらほら見えている。 もっとも、足場の悪さでパススピードが変わってしまったり踏ん張れなかったりで細かいところが合わないというのもあるが。
 30分を回る。ホンダが右サイドでFKを得、糸数が左足でゴール前に入れる、DF久野がクリア。今度は阪南、左サイドで宮脇が粘ってタテに出し、そこへボランチ中濱が飛び出してキープからセンタリング、DFに当たりCKに。左CK、小寺のキックに中央186cmの久野が飛び込む、しかしGKキャッチ。そして一気に前線へスロー、鈴木に渡り鈴木ドリブルで持ち上がる、そして中央にクサビを入れ、早坂の落としたボールをミドルシュート、しかしDFブロック!そしてクリアを阪南つないで木原へ、左サイドに展開し小寺が受け、ドリブルから一人かわしてセンタリング、これにボランチ岩本が飛び込む、がわずかに合わず!惜しい。ボールが逆サイドに流れ、追いついたホンダDFがタテにフィード、左サイドタッチライン際には鈴木がいたが、マークしていたDFが一瞬ボールに眼をやった、その瞬間身を翻して体を入れ替えダッシュ、完全に置き去りにした。そして落ちてくるボールをトラップすると左からゴールめがけ一直線にドリブル、中央にも一人上がってくる、彼にDFがついているが、鈴木マークだったDFは完全に振り切られており人数的には2対2も実質2対1の状況。鈴木PA突入、中央上がってくる選手についていたDFもやむなく鈴木に向かう、鈴木どうするシュートかパスか――シュート!

ゲット!

ボールはGKの左脇下を抜けてゴール右スミに飛び込み、前半35分、Honda追加点。鈴木、速い!


 ホンダの攻勢を何とかしのぎつつ攻めの形を作っていた矢先の失点、これは痛い。阪南、立ち直れるか。
 岩本から宮脇へクサビ、しかし奪われる。今度は小寺から左に開く木原へ、木原ドリブルで仕掛けゴールライン際からセンタリング、ポストに当たる。ホンダ、左サイドに展開し牧野が抜け出そうとするところ魚谷が倒してファウル、注意を受ける。
 前半40分。ホンダ、中盤高めで柴田がカットしすかさずスルーパス一閃、見事に抜け出した鈴木がGKと一対一となりシュート!

はずれ!

わずか右に外れた。これが決まっていたら、あとはホンダフェスティバルになっていただろう。阪南、まだツイてる。
 阪南、中央小寺から右の東へ、さらに魚谷へと展開し、魚谷タテに突破してクロス、GKキャッチ。次いで東のフィードを中央PA付近の木原がちょんと落として走り込んだ宮脇がダイレクトシュート!は右に外れる。
 ホンダ、右サイドでつないで桶田が一気にサイドチェンジ、牧野が受けて中央折り返す、がボールが水溜りにハマって止まってしまい、DFクリア。
 それからほどなく前半が終了した。



 Hondaはスリートップの動きが秀逸で、ポジションを流動的に動かしつつ上下動してボールを受け、状況をよく見たキープで中盤やサイドバックの上がる時間を作り、分厚い攻めを演出している。ダイレクトパスを四、五本つないで展開する場面もたびたびで、その都度スタンドから感嘆の声が上がっていた。下は水しぶきが上がるくらいなのだが、よくつなげるなと思う。
 阪南はいきなりの失点でラインがズルズル下がり、中盤をいいように使われて打たれまくっていたが、監督の指示で押し上げるようになってからは徐々にセカンドボールを拾えるようになり、左サイドを中心に攻撃の形を作りかけていた。それだけに、一瞬のスキを突かれた2失点目は痛かった。挽回するには、これまでの時間でつくっていたいい形をさらに徹底して行うしかない。
 御在所SAで買っていたサンドイッチ食べてたら両チームの選手が出てきた。選手交代はないようだ。
 Hondaのキックオフで後半開始。

 まず阪南、右サイド東がグラウンダーのクロス、GKキャッチ。
 雲間から太陽が顔をのぞかせた。蒸し暑くなる。
 ホンダ、左サイドから柴田が中央に入ってくると右の桶田にパス、桶田はそのまま柴田とのワンツーで右サイドを破るとクロス、DFクリアが飛び込んできた柴田に当たってゴールラインを割る。今度は阪南、ホンダのパスを小寺がカットして木原に入れ、落としたところを小寺ダイレクトシュート!

わずか左!

惜しいいい!
 さらに阪南の攻撃、木原から東に落としたところファウル受けFK、ボールをつないで木原のクロス、ファーこぼれるところ小寺シュート!はDFブロック、こぼれ球をホンダが拾うと一気に左サイドへ振り、そこから右サイドへパスを連ねて柴田が受けドリブル、マークが二枚つくが、柴田はちょんちょんとキープしながら中央のほうへ持ち込むと、不意に左足を振り抜いた。ふわっと浮き上がったボールがDFの上を越える、GKも反応できずに見送る、そして――ゴール左上にぱさっと飛び込んだ。

ゴール!

後半7分、カウンターから柴田の見事なコントロールシュートでHonda、リードを3点に広げた。うーまーいーぞー。しかし阪南、これで窮地に追い込まれた。今の場面、二人いたんだからもっと厳しくいけなかったか・・・

 ホンダ、鈴木から左サイド早坂へ、早坂ドリブルで切り込み新田へちょんとラストパス、しかし息が合わず。次いで中央から左へ展開し、新田は追いつけなかったがその外側から牧野が猛然と上がってきてトラップ、ドリブル突破するところを魚谷が倒してイエロー。FK、横に出して糸数が柴田とパス交換し右サイドへ、しかし阪南もプレスをかけて前へと出させない。
 ここで阪南、選手交代。FW宮脇に代わって、FW13西田イン。天皇杯大阪府予選決勝で負傷していた主将にしてエースが復帰出場を果たした。阪南とすればもっといい形で西田を投入したかったろうが、ここはもう西田の働きに期待するしかない。
 中濱から西田へクサビ、右に落として小寺が抜け出し、ゴールライン際で止めてセンタリング、ゴール前を飛ばしてファーへ落ちるところを木原がダイレクトボレー!左に外れる。ホンダのフィード、鈴木が見事な飛び出しで裏に飛び出すが、ボールはDF吉川の守備範囲内で、鈴木もPA付近で立ち止まる。落ちてくるボール、しかし吉川は鈴木に気づいていなかったようで、GKに捕らせようとそのボールをやりすごしてしまった。鈴木、ラッキイイイ!とばかりにボールの落下点に走る、DFたちがヤベエエエエ!とそれに殺到する、鈴木トラップし、シンプルに落として走り込んだ新田シュート!はDFに当たって左に外れた。左CK、牧野のキックはGKパンチ、こぼれを糸数→柴田とつないでクロス、GKキャッチ。

 阪南、左サイドで受けた木原が中央西田へクサビ、西田はキープでタメて左へ落とし、トップスピードの木原が受けてドリブルで仕掛け、切り込んでセンタリングはDFがブロックし、CKに。左CK、小寺のキック、ファー、阪南の選手が足を上げてトラップしそのままボレーに行くが足が滑って転倒、ホンダがクリアしそのままカウンター、鈴木が受けてそのままドリブルで突っ込み、サイドに流れてから切り返してクロス、ファー新田が落として中央早坂がダイレクトシュート!左に外れる。
 ホンダが中盤でダイレクトパスを回し、観衆がどっと沸く。そして鈴木が突破、ファウルを誘ってFK。中央左、やや遠い位置。牧野・柴田そして石井が立ち・・・・・・石井が長めの助走からキック!鋭いボールがゴール左スミに曲がり落ちる、ワク行って――GK竹重横っ飛びでセーブ!よく止めtってこぼれる先にどフリーの早坂、竹重まだ起き上がれない、ボレーシュート!しかしミスキック、中途半端なバウンドシュートとなってしまい、竹重が倒れた状態から起き上がり思い切り上体と腕を伸ばしてキャッチした。助かった。

 後半17分、阪南選手交代、右サイドバックの魚谷に代えてDF5澤崎イン。
 ホンダ、左へ展開。新田→糸数→鈴木→新田とつなぎ新田が早坂へ出す、それを阪南がカットしカウンター、右サイドに開いて東、東から西田に入れたところファウルを受けFK。ホンダにイエローが出る。
 PAにほど近い、右サイドからのFK。東がセットする。中央で場所取りの小競り合いがあり、主審が注意。仕切りなおして、東キック!ファーに飛ぶ、しかしGKが跳んで体をいっぱいに伸ばしキャッチ、したところへ久野が体ごと飛び込んできた。両者激突、主審がすかさず笛を吹き、走ってくるや久野にイエローを提示し、続いてレッドカードを掲げた。
 久野退場!前半の二人タックルのときに一枚受けてたのか。捕球体勢で無防備のGKに遅れてぶつかっていったら、ラフプレイでの警告をとられても仕方がない。本人とすれば何としてもゴールをと突っ込んでいったのだろうが・・・
 これで阪南は10人となってしまった。反撃すら厳しい状況に。

 阪南必死の反撃、西田キープから小寺を経由して左サイドの木原へ、木原キープからマークの二枚の間を通してクロスを上げようとするが引っかかる。今度は小寺からのスルーパス、西田がDFと競りつつ抜け出そうとするが、DFに抑えられ、カットされる。さらに右サイドで東がファウルをもらいFK、東のキックに中央西田がヘッド!左に外れる。
 今度はホンダ、左サイドでボールをつなぎ鈴木が仕掛けて柴田へパスを通し柴田シュート、GKキャッチ。阪南、クリアボールが西田へ入り、左サイドの木原へパス、木原、タテに走る西田にフィードを送るが長すぎた。
 後半26分、ホンダ選手交代。FW新田に代えてFW23川島イン。186cmの長身FWだ。
 その投入早々、中央鈴木から柴田へパス、キープしている間に鈴木が右サイドに回り込んで柴田が右にはたき、受けた鈴木が折り返す、PA前で混戦となる、こぼれる、それを川島が拾い、ちょんちょんとキープしてシュートコースを探し、右足一閃!

ゲット!

ファーストプレイでゴール左スミに蹴り込み、Hondaが決定的な4点目を挙げた。


 ホンダ、川島のポストを柴田が受けて左に展開、牧野が受けてクロス、DFクリア。続いて左サイドで柴田がキープ、倒されてFK。牧野のキック、鋭いボールがニアを襲い、GK竹重が正面に立ちはだかったものの、くっと沈むボールをキャッチできず、ファンブルしてゴールラインを割りCK。左CK、牧野のキックはファーに抜けてゴールラインを割った。さらに川島から鈴木、右に開いて新田がクロス、DFクリア、ホンダがカットし左サイドでキープからスルーパスに抜け出しセンタリングは合わず。
 後半31分、ホンダ選手交代。鈴木に代えMF16土屋イン。そのままFWの位置に入る。
 ホンダ右へ展開、柴田が粘って川島→桶田→柴田→糸数とつないだところを澤崎のファウルでFK。PA右からの位置、柴田のキック!GKパンチ、糸数拾って田阪に渡しミドルシュートはGK竹重キャッチしそのままフィード、競り合い、こぼれをホンダ拾ってカウンター、右サイドから左へ振り川島から土屋に出し土屋シュートはDFブロック。
 阪南選手交代、吉川に代わってMF17永岩イン。右サイドバックに入り、岩本がセンターバックへ。

 後半35分。ホンダ、土屋→桶田→柴田とダイレクトで右に展開し柴田がタテに突破してクロス、ニアに川島飛び込むが合わず、GKキャッチ。今度は左サイドからのクロスに川島飛び込むがGKキャッチ。
 一人少ない阪南は4−4−1。西田がワントップで、中盤はダイヤモンド型、トップ下に小寺、左に木原、右に東、ボランチに中濱、DFが右から永岩、澤崎、岩本、野田。なんとか西田に入れて小寺と絡ませたいところだが、ホンダもそれはわかっているので、なかなかそうさせてもらえない。
 ホンダ、軽快なパス回しから田阪→右サイド早坂、クロス、GKパンチ。次いでパスを連ねて右サイドから中央へつなぎ、川島スルーパスに右から土屋が飛び込みシュートはGKセーブ!
 今度は阪南、東がドリブルで持ち上がり、倒されてFK。東がこのファウルに激昂し、倒した相手に食ってかかり少しもめる。なんとか収まり、FK。東のキック、中央西田が競り勝つがGKキャッチ。


 ホンダのカウンター、川島から糸数、右に開いてオーバーラップの桶田クロス、DFブロックでタッチラインを割りスローイン、スロー、右サイドでつないでクロス、ファー頭で合わせるがGKキャッチ。今度は右からパスをつないで左へ展開し折り返して中央川島がキープ、右へ持ち出しつつシュートは上に外れる。
 後半40分を回った。
 さらに柴田から左サイド牧野へ、クロス、こぼれを田阪が落として右へ出すが、ラインを割る。
 なおもホンダ、右スローインからつないで左に出し土屋シュート!GKセーブで左に外れる。
 阪南、中盤こぼれを木原がダイレクトで前線の西田へフィード、しかし田阪がブロック。今度は西田から左に開き木原クロス、しかし中に誰もいない。
 競り合いからのこぼれを柴田がカットしてドリブル突破、しかしDF澤崎が何とかカットしてファウルをもらう。
 阪南、右サイドでFKを得る。一矢報いることができるか。東のキック、ファー、野田がヘッド!しかしジャストミートせず、ボールは後ろに逸れてタッチラインを割った。
 ホンダ、早坂から柴田にパス、柴田ドリブルで切り込み左へ、牧野が受けて中央へ切れ込み折り返して川島が受け、ドリブルで突っ込む、しかしDFがカット、ファウルをもらう。
 そしてほどなく試合終了の笛が鳴った。

 両チームが整列して挨拶、スタンドから大きな拍手が上がる。
 試合前はもっと競った試合になると思っていたけど、ちょっとサッカーの質が違いすぎた。Honda強い。さすが天皇杯ベスト8。水の張ったピッチ上であそこまでのパスサッカーを展開するとは・・・いいものを見せてもらった。
 阪南は、ひと言で言えば「相手が悪かった」。個々でいえば小寺・東・木原らの技術はHonda相手にも通用していたが、チームとしての力が段違いだった。立ち上がりをうまくしのげればまた違ったかもしれないが、ああいう展開になってしまってははねかえすのは難しい。しかし、この日HondaというJリーグクラスのチームと戦ったという経験をリーグ戦に活かし、さらにレベルアップしていってほしいところ。次節は久野がこの日の退場で出場停止、さらに吉川がリーグ戦の累積警告で出場停止と、レギュラーセンターバック二人を欠く苦しい戦いになるようだが・・・

 駐車場でしばらく休み、名古屋のへんちょっとドライブしてみようとしたが、しばらくすると雨が降ってきた。だんだん強くなり、しまいにはバケツひっくり返したような豪雨に雷が加わって前も見づらい状況に。しかたないので引き返す。雨の中を高速道路飛ばしたので、肉体的にも精神的にも疲れた。