むらさきぐま日記2003.天皇杯


トップ ユース
1回戦
(11月30日)
○1v−0 関西学院大学
(姫路)
●0−1 水戸ホーリーホック
(福山竹ヶ端)
2回戦
(12月7日)
○3−0 金沢SC
(広スタ)
3回戦
(12月14日)
○2−0 京都パープルサンガ
(西京極)
4回戦
(12月20日)
●1−2 横浜F・マリノス
(長崎)

 


戻る


12月7日 広島スタジアム 晴
VS金沢サッカークラブ

 前日は会社の飲み会(でも忘年会ではない)。風邪も治ってないのに遅くまで飲んだりなんかしたもんだから、朝起きたら喉は壊滅してるし気分悪いしなんかずっと寝ていたい気分だけど天皇杯があるから寝てらんない。えーと、9時・・・今から出りゃ11時30分くらいには・・・には・・・

そういや車は福山駅の駐車場

しまったー飲んだから車を駅前に置いてタクシーで帰ったんだったー!!車取りに行かにゃーいけん。というわけで福塩線にゴトゴト揺られて40分、福山駅に着くとパン屋で買い物して車を回収し、福山東ICから広島へ向かってGo!
クリオよ、チェーザレは来た、見た、勝った!
今やポンペーオは敗れ、空しくエジプトの王を頼り、
兵士の一団を立て直そうとしておる・・・
 ヘンデルの歌劇《エジプトのジューリオ・チェーザレ》を聴きつつ走る。ジューリオ・チェーザレはユリウス・カエサルのイタリア語形。当時の歌劇はほぼイタリア語台本のためこんな表記。ちなみに英語形がジュリアス・シーザーで、フランス語ではジュール・セザール、ドイツ語ではユリウス・ツェーザル。ポルトガル語形がジュリオ・セザールで、スペイン語じゃフリオ・セサル。つまりセザール・サンパイオとはカエサル・サンパイオ!今年の活躍ぶりはまさに最高司令官、皇帝というべきだった。哲人皇帝タイプ?これでリバウド連れて来てくれた日にゃ、我を忘れてインペラトール歓呼ですよ。
 広島ICで下りる。天皇杯では山陽高校前の最果て駐車場が使えないはずなので、この時間じゃ広スタ付近の駐車場はすでに埋まっている可能性もある。それでなくても駐車場入りの渋滞はイヤなので、紙屋町DEODEO近くの駐車場に車放り込んで、ヘイタクシー!
「広島スタジアムまでお願いします」
「えーと、高速4号線抜けますか?」
高速4号だとォ?ビッグアーチ行くつもりかよ。
「広島スタジアムです」
「ああ観音のね!勘違いしとった。今日何かあるんですか?
「天皇杯です」
ちゃんと広報しとけよ広島県サッカー協会ィィィ!!
何時くらいに終わりますかね?と訊かれたので、3時くらいに来たら客拾えますよーと教えてタクシーを降りる。のどかな初冬の正午・・・今日の相手は、
「見まっし、来まっし、食べまっし」
の、何だかカエサルみたいなスローガン(なのか?)な石川県金沢市の社会人チーム・金沢サッカークラブだし、なんかマッタリしそうな感じ・・・ゴール裏入口は開いていないので、バックスタンドから入ってゴール裏へ。

 今日は風邪ひいてるから声は出せないので、後ろの方で戦況を眺めることにする。今日はどうやっても勝つだろうし。向こうのゴール裏は閉じられたまま。金沢SCの応援の方々はどこにいるのだろうか。バックスタンドにはそれらしいのはいないので、メインのどこかに陣取ってるのか。横断幕くらいあればいいのに。
 ピッチでは選手たちが出てきてアップを開始する。前日練習では、シュート練習での精度が壊滅的というか全滅的だったそうで、モチベーションはどうやら高くないようだ。フルメンバーが出るというのに・・・今日はホームというか、広島のスタジアムでは最後のゲーム。それだけに、これまでチームを支えてくれた沢田さんにはぜひ出場してほしかったが、ベンチ入りすらならず。小野監督も冷たいな。
10マルセロ
27元気 20大木
7浩司
8カズ 6サンパイオ
17服部 19上村 2リカルド 37井川
1下田

リザーブ:21林、4桑原、23ハンジェ、13松浦、36眞中
 対する金沢SCは、ベースは4−4−2DVらしいが、発表スタメンのポジション登録を見る限りではFW15松田ワントップの4−5−1。松田は県予選でも活躍したエースらしいので、どれほどのものかちょっと楽しみ。
 些事は省略して、キックオフ!
 まずはというか当然というかサンフが押し込んでゆく。右サイドバックの井川を積極的に使おうということか、右サイドからの攻めが多い。浩司も右へと流れてゆく。対する金沢はボールを奪うとFW松田にボールを集めて走らせる。なかなかスピードがあって小回りのきくプレイヤーだ。服部からサンパイオへ、タテに入れて浩司が受けセンタリング、はクリアされスローインへ。入れたボールをカズがキープし持ち込んでミドルシュート!GKキャッチ。金沢、右サイドの突破からCKゲット。MF28西川のCKをMF24山崎がヘッドで合わせる!が枠を捉えず。競り勝たれてどうするよ。
 サンフのカウンター、浩司から元気にパスが出る、元気、持ち込んでマルセロにパス、は合わず、DFクリアでCKに。浩司の左CK、クリアされるもカズがもう一度浩司に戻してクロス!中央トラップするもシュート撃てずクリアされる。中盤で浩司がボールカット、すぐさま服部に開き、服部がクロスを入れるがオフサイドの旗が上がる。そして今度は右サイドに開いたカズが前方の浩司へパス!ボールを受けた浩司はゴールに背を向けたまましばらくボールキープすると、突如ターンしてマーカーを振り切り、左足一閃!
ゲット!ボールはゴール左スミに突き刺さり、先制!

 先制した直後、金沢からボールを奪い返したサンフ、サンパイオが左に開き、服部がボールを受け、持ち込んでクロス!ファーに飛んだボール、浩司が走り込むがその前でDFが足を上げてクリアしようとした、がボールは足元に落ち、詰めていた浩司がひょいと足を出してボールをゴールに押し込んだ。2−0、たちまち突き放す!ゴール裏はオーレ浩司コール。もう勝ったも同然。取れるだけ取っていきたいッ!
 と思いきや金沢カウンター!松田の突破から右に振り、ボールを受けたMF32輿石(こしいし)がドリブルで中へ切れ込む、服部をかわす、サンパイオもスピードで振り切ってシュート!ゴール右スミを襲う、しかし下田が横っ飛びでセーブ!はじき出してCKへ。プレイングマネージャーのMF7中野のキックは下田がキャッチ。おいおいきれいにシュート撃たれていますよ!集中しろ!とはいえサンパイオとカズが中盤を完全に掌握しパスを回しまくっているので基本的には安心してみていられる。でも元気への叱咤の声が大きい。サンフ、フィードから左マルセロが破ってセンタリング、大木がトラップするが流れてGKキャッチ。それにしても金沢、えらくラインを上げている。プロを相手に、大した度胸だ。それにしても、元気の姿が見えない。最前線にいて、あれだけ背が高いくせに行方不明とはどうしたことか。成岡翔ばりの消えっぷりだ。そして時たま出てきてオフサイドに引っかかる。アマチュア相手に何やってんだー!
 ダイレクトプレイで中盤は確実に支配、脅威はとりあえず松田のカウンター、という状況が続くが、シュートにまでなかなかいけない、その中、桑原がスタンバイする。もう交代か。元気を下げてカズと浩司を一列ずつ上げるのか?と思ったら井川と交代。はてどうするのか・・・桑原はそのまま右サイドバックに入った。もう見切りつけたのか!と思ってる暇もなく、いきなり桑原がタテにぶち抜かれてあわわな感じだったが何とかクリア。金沢、右サイドからフィード!松田が走る!ドリブルで切り込んでCKゲット。いいなあ松田。元気と交換しない?西川のキックはクリアする。
 カズがボールキープから反転しざまのスルーパス!完全にDFラインを破り、大木が抜け出す!GK飛び出す、一対一、大木シュート!ボールはGKの脇を抜け・・・・左に外れた。
「素人ー!」「シロートー!」
ガックリ来たゴール裏から野次が飛ぶ。
 サンパイオがファウルを受けFKを得る。金沢の選手がボールを足元に置いていると、サンパイオは彼に体をぶつけるようにボールを奪ってセットし、すかさずリスタート!これは認められなかったが、相手が誰であろうと常に全開!のサンパイオのプロ意識の高さを見た。左からサンパイオ、大木と繋いでマルセロに入る、フリーのマルセロ、ゴールのほうを向くやカーブをかけたミドルシュート!ボールはGKの上を越え、グンと曲がり落ちて―――

クロスバー

_| ̄|〇またかよ
と、金沢反撃、左サイドからクロス、松田がニア飛び込んでジャンプ一番右足で合わせる!がボールは上に浮き、下田がキャッチ。今度は左サイドから右サイドへサイドチェンジし、西田がクロス!ファーに飛ぶが、これは上村がヘッドでクリア。前半終了間際には上村がドリブルで持ち上がってミドルシュートを放つが、DFに当たってGKがキャッチした。で、前半終了。
 「15番ええな。松田?」
「関学の17番も凄かったろ。岸田じゃったっけ?」
「あれは7番。神戸に入る奴。17番は岡野」
「へー、でも17番のほうが怖かったで」
「もし関学が金沢と戦ったら、絶対虐殺しとるな」
先週と今週の対戦相手のストライカー談義が行われている。それだけウチの攻撃陣が不甲斐ないということだろう。
 他会場では、市船が阪南大を1−0でリード。やるなー。国見は川崎相手に先制したものの、やはり力の差はいかんともしがたく3−1と逆転されている。国見はタイプ上自分よりフィジカルの勝る相手には無力だから、しょうがない。水戸は鳥取SCを虐殺中。ユースが勝ってればなあ。
 そんなこんなで後半戦が始まる。
 まず大木が右サイドを突破してセンタリング、しかしDFにひっかかってしまう。次いでカズが右サイドでキープ、一転ドリブルで切り込んでファウルを受けFKゲット。浩司のキックにゴール前サンパイオ飛び込みGKと交錯!ファウルで金沢のFKに。両者立ち上がり、サンパイオがGK30小又の腰をポンポンと叩いて戻っていった。金沢反撃、輿石がロングフィードに反応し、上村をかわしてシュート!は下田正面。服部、マーカー二人の間を通すクロス!マルセロ飛び出すが、寸前でGKキャッチ。桑原から右に流れたマルセロへパス、キープから戻してカズが中にいる浩司にパス!浩司はトラップして反転、すかさず右足でループシュートを放ったが、ボールは上に外れた。中央から左に開いた浩司の前スペースにパス、走り込んだ浩司が折り返すがマルセロに合わず。今度は桑原が右サイド攻めあがる!ゴール裏興奮!ファンタジークロス来い!クロス!

・・・・・・・・・・GK前へポトリ

_| ̄|〇やはりダメなのか
しかし金沢の高いラインの裏のスペースを中盤からのフィードで突く、という意識が徹底されてきた。またも中盤の底から左へフィード、服部が走ってトラップ、やや外に流れたものの追いかけて保持し、中を見てクロス!鮮やかなカーブを描いたクロスがゴール前ピンポイント落下、走り込んだ大木がダイレクトでゴールに叩き込みゲーット!3−0!!おおうビューティフルゴール!

 よしゴールラッシュ行くぜ、と思ったら元気ボールカットされカウンター食らう!そして松田のドリブルシュート!下田キャッチ。おいおい元気、アマ相手にボール取られてんじゃねえ!それはともかく、サンフは服部にボールを集め攻めまくる。個人的には右サイドの攻めが見たいんですが。あ、カズが右に出した!桑様来た!クロス!元気がヘッドで合わせt

オフサイド

_| ̄|〇元気・・・
ここで元気と大木が下がり、ハンジェと眞中投入。元気は結局シュートゼロ。この相手でそれはないで。反省せよ。
 眞中のポストから右の浩司に渡り、浩司がドリブルで切り込むがストップされる。今度はトップ下にポジションを移したカズがキープから間合いを外してミドルシュート!GKがはじいてCKに。このCKはゴールに結びつかず。今度は服部のクロスに中央マルセロがトラップしてキープ、後ろへ落として上がってきたハンジェがミドルシュート!DFに当たってCKに。右から浩司のキック!競り合いのこぼれをハンジェがシュート!これもDFに当たってもう一度CKに。浩司のキック!はね返される。セットプレイで1点ぐらいとれー。
 左サイドを眞中がドリブルで破る!センタリング、ファーでマルセロがトラップ、フリー!やたっ!
シュート!
しかし飛び出したGKに当たってはね返る、こぼれをボレーシュート!決まttいや戻ってきたDFに当たってゴールラインを割る!CK。それは決めてくれ。
 浩司のキック!サンパイオヘッド!GKファンブルするもしっかりキャッチした。金沢反撃、中盤のルーズボールを西田が拾って切り込みシュート!下田キャッチ。中盤で取られるな!眞中がポストプレイ、落としたボールが金沢DFに当たって高く跳ね上がりラインの裏へ、それに飛び込んだ服部がバウンドに合わせてジャンプ、ダイレクトでループシュート!GKの上を越えるが、ボールはわずかにゴール右に外れた。眞中は元気よりよっぽど小柄だが、実に的確なポストプレイを見せる。よく見て勉強しろ。サンパイオ、ボールカットしてバックパス、浩司がミドルシュート!は上に外れる。またもサンパイオ、前方へ絶妙フィード!これに反応してマルセロが飛び出し、これも飛び出してきたGKの鼻先でボールをちょーんと浮かせてかわす。ボールはGKの背後高く舞い上がり、マルセロがその落下点に入った。
「オーバーヘッド!!」
ゴール裏から声が上がった、しかしマルセロはボールが落ちてくるのを待ってしまい、カバーに入ったDFに寄せられシュートにいけず。眞中に戻す、眞中も撃てない、ボールがこぼれる、そこにハンジェが走り込んで、ミドルシュート!地を這うシュートがゴール左スミを襲ったが、GK小又が横っ飛びではじき返すスーパーセーブ!またしてもゴールならず。
マルセロー!貴様仮にもブラジル人ならそこでロベッシャータに行かんかーッ!!
 眞中ミドル!上に外れる。ミドルが多いな。でも枠くらい捉えてー。かなり弛緩した空気になってきた。サンフが圧倒的にボールを支配するものの、足元に繋ぐばかりでスピードのある攻めが見られない。それでもシュートにまで行けてしまうのがそれに拍車をかける。服部のアーリークロスにマルセロ飛び出しシュートも飛び出したGK正面。浩司が倒されてFK、素早くリスタートし眞中がボールを受けループ!は上のネットに乗っかる。服部からマルセロにスルーパス、マルセロセンタリングにファー浩司が倒れ込みながら左足で合わせる!も合わせただけで威力なくGKがっちりキャッチ。ロングボールに眞中抜け出しシュート!はGKセーブ、DFクリア。あーもーもう1点とれー!ここでまさかの桑様ですよ!どこにいる?

_| ̄|〇・・・・・・なんかスリーバックでの右CBの位置に引きこもっています

 試合終了間際、眞中がドリブル突破しシュート!GKセーブ!はね返りを右サイドでマルセロがキープし、折り返してそこにはサンパイオー!
来たー!シュート!!

至近距離宇宙開発

ゴール裏一斉にしかも派手にズッコケ
_| ̄|〇サンパイオ、おまえもかー!

で、長谷さんの笛が鳴り、お笑いなんだかマジメなんだかよくわからない90分が幕を下ろした。
 実際途中からは、おお愛媛先制友近やるじゃんうわ追いつかれたおいおい市船まだリードしてるようひゃあ国見虐殺されてるーかりゆしアローズ双方譲らずだなヴォルティスは貫禄だねーとか他会場の経過に気をとられたりしていた。そんな試合運びでは観る者は納得せん!それにそもそも降格したとはいえ今季J1で戦った京都に勝てるものか。フルメンバーで戦ってその程度というのは猛省に値する。コンディションと集中力をさらに高めて西京極に乗り込むべし。
 選手たちが引き揚げたあと、みんなで「沢田!」コール。柏から移籍してきて今までサンフのために燃えてくれたベテランは、来季の戦力外となっている。森保さんの時もそうだが、経営の都合上、年棒の問題もあるとはいえ、みんなに愛されている(はずだ!)ベテランをアッサリと切ってしまうのには承服できない。そのほかの面ではフロントを信頼してるけど・・・彼は絶対まだできるはずだ。そうなるとまた他のクラブへと移ってしまう。それは寂しい。コーチになってサンフにとどまってほしいけど、まだ輝けるのならその姿も見たい。複雑。
 コートを羽織った沢田さんがピッチサイドから出てきてゴールのあたりに立ち、こちらに向かって手を上げた。沢田コールがひときわ大きくなる。これからどうされるのかはわからないけど、とりあえずは今までの感謝を込めて精一杯コールする。昨年のセカンド柏戦、魂の先制ゴールは絶対に忘れない!
 沢田さんが引き返してゆくと、同じく戦力外となった尾崎さん、梅田、恭平、西嶋の名前がコールされる。どこかでサッカーが続けられるように・・・と、井川と小野監督が出てきた。井川コールとなんだかよくわからない小野剛コール。
 各地の結果が出揃った。サンフは京都と、新潟は仙台と、そして川崎は大分と。組み分け法則上(組み分け発表時の年間順位に応じ、順当に行った場合J1上位〜下位とJ2下位〜上位が当たるように組まれている)、毎年行われるいわゆる「入れ替え戦」。今年のJ2は激戦じゃったけえ、J2全員でJ1どもに一泡吹かせてやろうかのう。鳥栖以外で。鳥栖、頑張れよ。
 バスに乗って紙屋町まで戻り、ヴァージンメガストアとか紀伊国屋書店とか寄って買い物し、車で帰宅。
来週は、吉田に行ってみるか・・・水戸戦を糧に、ユースがどれほどの戦いを見せるのか・・・

 ...    

11月30日 福山市竹ヶ端運動公園陸上競技場 曇
サンフレッチェ広島FCユースVS水戸ホーリーホック

 今年もやってまいりました年の瀬の風物詩、お正月杯。じゃなかった天皇杯。ジ・エンペラーズ・カップ。コパ・デル・レイより格上だ。エンペラドールですよ。ランペルールですよ。カイザーですよ。インペラトールですよ。インペラトール・カエサル万歳!
 意味なく羅列していると右翼みたいかもー、なのでこれはこれまでとして、今年J2だったサンフは早くも1回戦からの登場。今日は姫路で関学と対戦。一方、広島県代表のサンフレッチェ広島FCユースは、広島県東端の福山市・竹ヶ端競技場にてJ2・水戸ホーリーホックと対戦する。どっちに行く?もし姫路に行ったら、
「風に思う空の翼〜」
とか、
「若いみどりの朝風に〜」
とか普通に歌ってしまいそう(しかもベースパートを)なので、やっぱりユースのほうかなあと思いつつチケット買うのは待っていたが、川崎戦の時にユースのサポートに行ってほしいと要請があり、福山決定。ファン感謝デーの帰りにローソンで竹ヶ端と広スタのチケットを買い、一週間の激務に何とか耐え、土曜日、仕事から帰って、日中に繰り広げられたJ1劇場に感嘆しながらベッドに入ってうつらうつらしつつはっと目を覚ましてワールドユース観てでも前半終了と同時に意識を失って6時過ぎに目が覚めた。どうなったんだ・・・一応録画してたのでちょっと巻き戻して・・・
坂田―――
やっぱり彼はやる男だ。茂木もちょっと出てた。コーナー付近でのボールキープ&CKゲトでちょっと目立った。それにしても阿部は全くポストできないなあ。でかいくせに。ゴールシーンはうまく落としたけど、あんだけサイドに開いてれば茂木でも平山でも宇野沢でもできる。坂田と同じチームにいるんなら、もっとコンビプレイとか見せろっつーの。とか心の中で茂木支援しつつ起きる。でも体がだるいので水を飲んでまた寝る。
 ようやく本格的に目を覚ましてパン、茶、宿直で一息つき、ちょっとサイト更新し、用意をして家を出る。腹の中にまだ空きがあったのでコンビニで補充し、芦田川土手沿いに車を走らせ、前を走る遅い車にイライラしつつ神島橋の下をくぐり、さらに南下して河口方面へ。このたび新しくできた橋のところで右折、次の信号(角にファミマ有り)で左折、しばらく走って臨時の駐車場(空き地)へ。試合開始1時間ちょっと前。
 陸上競技場まで歩いて行くと、沢山の老若男女が入り口の周辺にたむろしていた。ユース選手のご家族の姿も見える。きょろきょろしていると、広島から駆けつけたコアサポの方々の姿が見えたので、そちらへ行って挨拶。ゴール裏、バックスタンド、それともメインスタンドのホーム側、どこに陣取るかという話になったが、メイン・ホーム側に落ち着いた。メイン入り口から入ってスタンドへ。人でごった返している。とりあえずプログラム(1000円)を買って、スタンドへ上る。
 すでにバックスタンドにはユース選手のご家族によって断幕が架けられている。纉cの断幕はサンフレッチェみろくの里一同から?自分達が布陣するところの隣には、同じくご家族の方によるフラッグが立っていた。水戸サポは・・・あ、バックスタンド(芝生)に三人くらいいる!
「元旦國立前田水戸」
の大断幕が頼もしい、感じ。
 ほどなく、塩爺こと塩崎コーチが出てきてコーンを置き、続いて出てきた森山監督とピッチでパス回しを始めた。続いて、水戸の面々が出てくる。先頭は、田中マルクス闘莉王。来たか。今日は彼をなんとしても抑えなければ。彼はDFだが、水戸で最も警戒すべき点取り屋。高さで劣るうウチは、セットプレイをなるべく与えないようにしたい。闘莉王を先頭にアップ開始。まずはダッシュを何本か。それから談笑しながら円陣を組んで一声上げて散り、アップに入った。森山監督&塩崎コーチ戻ってゆく。そして二人と一緒にユース登場。負傷上がりの高柳一誠の姿もある。どうやらベンチ入り(16名)しているようだ。ユースは数日前にトップチームと壮行練習試合を行い、サテライトを圧倒し、レギュラー組と互角の試合をしたらしい。期待できそうだ。水戸は何年か前に片桐名古屋、遅刻王や荻(神戸)らを擁する岐阜工を大人げなくチンチンにのした過去があるが、あの時はクラブ存続がかかっていたし、今日はそれほどでもないだろう。一泡吹かせてやるぜ。
 場内アナウンスで登録選手が発表される。ユースからだ。1番松岡から番号順にどんどん読み上げていく。ここらへんは皆ピッチ上でアップしていたし、とくに何とも思わなかったが、「12番黒飛」がアナウンスされた時点で
「?」
まだリハビリ中だろ。本日のベンチ入りメンバーではなく、登録選手全員を読み上げていたのだった。そして、
「27番、ゴールキーパー、槙野智章」
DFだっつーの!!しかしプログラムを見ると確かに槙野はGK登録。ゴリさんか塩爺さんが登録用紙書き間違えたのか手続きの途中でミスがあったのか。前者のような気がする。
 そして極めつけ、
「監督、モリ ヨシロウ」
元日本国総理大臣キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
どうやったら山を抜かせるねん。
 正式なメンバー表来ましたよ。
10馬屋原
8前田俊 11西山
20纉c
6田坂 5前田和
2高柳 4藤井 3中野 14森脇
16佐藤昭

リザーブ:GK1松岡、DF27槙野、DF13吉村、MF15田中、FW9田村。

水戸は、
GK本間、DF木澤、闘莉王、森、冨田、MF秦、吉本、小池、栗田、FW北川、樹森。
リザーブは鏑木、北島、上園、吉田、金子。

 田村はスタメンじゃないのか。話によると、怪我上がりらしい。相手がフィジカルに勝るだけに、体調万全の馬屋原を起用したか。これはこれで問題ない。個人的には、前線で激しく動き回る田村で敵陣を撹乱してほしかったけど・・・リザーブも、昨年までの守護神松岡、センターバックの控え槙野、スピードスター・吉村、中盤以上ならどこでもお任せのテクニシャン田中、そして田村と、誰が出ても大丈夫なメンツだ。
 ふとバックスタンド見ると、水戸(ホリ)サポの数が五人になってる。増殖した。今ご到着か。まだ増えるのか?
 選手たちが引き揚げ、しばしのざわめき。スタンドはほぼ埋まっている。そして両チームスターティングメンバー発表、そしてフェアプレイ旗の入場、続いて選手たちが入場。トップチームの選手と同じく《Smoke on tha water》で迎える。さあキックオフ!
 水戸がまともに攻撃している姿は新鮮だった。さすがにフィジカルの差はいかんともしがたく、速いプレッシャーにサンフは完全に後手に回ってしまい、ボールがまともにつなげない。どんどん押し込まれるものの、森脇・中野・藤井・一誠にカズ&田坂、纉cまで戻ってきてプレスをかけ、ボールを奪い返す。それでもCK、FKを次々に与えてしまい、闘莉王の跳躍にヒヤヒヤするが、マークに付く藤井がうまく体を寄せ、ジャストミートさせない。決定的なボールはクロスバーがはね返すゥゥゥ!!ツイてるね。
 15分を過ぎると、水戸の攻撃も一段落してきた。しかし、今度は闘莉王が攻撃参加してきた。中盤でボールを回して組み立て、一気に前線に飛び出してクロスボールをヘッドで折り返す!超本気。DFもMFもFWも一人でこなしてます。これは良いユーティリティープレイヤーですね。闘莉王は一息ついているチームメイトをさかんに叱咤しながら攻撃する。が、サンフもゴール前を固め、また二人、三人と襲いかかる鬼プレスで水戸の思い通りにさせない。そのうち水戸はイライラしてきたのか、ラフプレイが目立つようになってきた。西山が後ろから足をすくわれ、転倒する。かなり痛がっているのだが笛はなし。なにィどこ見てやがる主審!!それに、大人げないんじゃ水戸―――!!西山は立ち上がって復帰したが、足を引きずり気味だ。
 サンフは馬屋原のポスト、纉cのスペースへの飛び出しが機能しない。カズはショート&ミドルパス、田坂はキープとドリブルが持ち味なので、どうしても大きな展開ができない。中央で繋いでいるうちに寄せられてしまい、カットされる。いかんな、サンフユースのサッカーじゃない。双方じりじりとした時間が過ぎて行く。と、闘莉王が最終ラインから怒声を上げて、皆に攻撃するよう指示する。水戸攻勢に出る、しかしサンフがきっちりと守りきって前半終了0−0。
 うん、何はともあれよく守ってる。水戸も焦ってるみたいだし、一発あれば勝てるぞ。
 姫路より電話。

サンフ0−0関学
サンフ、まともにシュート撃てていません


何やっとんじゃゴルァ!!
まだ昇格ボケから立ち直ってないようだな。負けるなよ。2回戦広スタの券もう買ってるんだから・・・といっても、万が一関学が勝っても行くけど。関学をひそかに応援しに。
 後半開始。水戸は小池に代え上園。小池はユースの選手のプレッシャーに簡単にスッ転んだりボールコントロールをミスしたりで、前半はまったくのブレーキだった。FC東京時代はちょっと好きな選手だったが・・・あれでは使えない。
 さてゲームは相変わらず水戸の攻勢で、サンフは我慢の展開が続く。水戸が放り込んだフィードを中野がGKに戻そうとバックヘッド、しかし昭大がすぐ後ろまで飛び出していて、ボールはその上を越えゴールへ転がってゆく・・・この時はひやりとしたが、昭大が何とか追いついてキャッチ。オウンゴールで決着じゃあ悔やんでも悔やみきれん。しっかり声出せー。水戸、右からのクロスに闘莉王がヘッド!!セットプレイじゃなく流れの中で!ボールはバーを叩いて下に叩きつけられ跳ねる、そこを昭大キャッチ、主審はノーゴールの判定!闘莉王、
「入ってるよ入ってるよ入ってるよ!」
無駄無駄無駄ァーッ!!判定はもちろん覆らず。
 攻められるものの、サンフはゴール前で必死の守り。きちんとプレッシャーをかけ体を寄せて水戸の攻撃陣に前を向かせない。そして後半も中ごろを過ぎると、いよいよ攻めに出る回数が増えてくる。中盤で田坂が巧みなキープからボールを前へ運び、ケガの西山に代わってついに入った田村と馬屋原が前線で持ち堪えキープ、そして前田俊介が一瞬のテクニックから最終ラインを突破しシュートを狙う。後ろからのグラウンダーのボールを前を向きつつトラップ、反転した自分の左足の前にボールを落としてそのまま左足シュート!というスキルの高さも見せたが、このシュートは当たりそこねてGK正面、俊介悔しがる。
 俊介の突破からFKをゲット、田坂が直接狙うが壁に当たる。俊介は吉村と交代。拍手と俊介コールの中、俊介は頭をユニの中に収納して帰ってきた。ジャミラみたいに。
 サンフは吉村へボールを集める。いつもの左サイドバックではなく完全な左ウイング、彼の本来の位置だ。スピードで左サイドをガンガン突く吉村のおかげでサンフがやや押し返す。そして試合はだんだん膠着状態に陥り、ついにロスタイムも経過してホイッスル、延長戦に突入した。ユースの本来のサッカーはできていないが、ここまでくればそのようなもの関係ない。一発決めて、勝つ!
 姫路からの連絡。

サンフ0−0関学
延長戦突入。ポスト当てまくり


大丈夫かよ。
 そして延長前半。開始前にピッチに出ている全員の名前をコールする。
 最初のチャンスはサンフ、中盤の底のカズが左サイドにパス、田村が受ける、と見せかけスルー!その向こうで、前田俊介に代わって投入のスピードスター・吉村がボールを受けた!吉村はそのまま左サイドを突破、スピードでDFを振り切りGKと一対一!

シュート!!

左上へ外れー!!

うわあああああ枠へ飛ばせば決まってたのにィィィ!!

 拮抗した展開のまま延長後半へ。こちらも声の限りにコールする。馬屋原に代わって田中登場(もっと前だったかな)。姫路から、眞中のVゴールでサンフ2回戦進出の報が届く。互角の勝負が続くが、ついにユースは力尽きた。昭大のキックを水戸が中盤で蹴り返し、途中出場のFW金子がヘッドで反らしたボールを最前線に残っていた闘莉王が受けてキープ、金子の上がりを待ってスルーパス!トップスピードで抜け出した金子が昭大との一対一を制し、逆を衝いてゴール左スミに流し込みVゴール。100分を越える戦いに終止符を打った。
 ボールがネットを揺らした瞬間、ユースの選手達は一斉にその場に崩おれ、泣き始めた。主審が整列を促すが、立てない。センターサークル付近にいた攻撃陣は、水戸の選手に立たされてねぎらいの言葉とともに背中を叩かれたりしていたが、守備陣はなおも立てない。
その時、
「立てーっ!!」
「立て、立てー!!」

スタンドから声が飛んだ。そう、お前らはプロを相手に100分以上ゴールを許さず、互角に戦った!勝てなかったのは悔しいが、これは恥辱でも何でもない!誇らしく胸を張れ!ベンチからも森山監督が彼らに立ち上がるよう叫ぶ。そして彼らは立ち上がり、整列して2千人を越える観衆の大きな拍手を受けた。水戸の選手はややばつが悪そうにバックスタンドへ歩いてゆき、また10人くらいに増えていたサポーターたちの声援を受けていた。メインスタンド側に整列し一礼したサンフユースのメンバーにサンフレッチェ・コールと共に大きな拍手が降り注ぐ。この日出場して戦った勇者達の名前を改めてコール。今年も天皇杯1回戦突破はならなかったが、まだJユースカップがある!この日の戦いを糧として、絶対に優勝するのだ!森山監督、こちらに走ってきて、
「ありがとーございましたー」
と挨拶。森山コール。
 闘莉王はサンフベンチに走ってきて加藤コーチほかと握手し、戻っていった。今は敵ではあるが、来年は戻ってくるからコールしとこかー、ということで闘莉王コール。闘莉王はこちらに手を振りつつ控室へと消えていった。
 各地の結果がアナウンスされる。国見、市船揃って勝利。三洋電機徳島じゃまあ国見に敵うまい。それにしてもザスパ・・・おいしいネタを提供したね。そして鳥栖、かりゆしに敗れる―――!!なんてこった。ほかのJ2勢は何とか勝利。サンフと山形は危なかったなー。
 ピッチサイドにBS解説の高木琢也さん登場。シックでスタイリッシュ。スタンドに残っていた女性陣、興奮!!走って行って、
「高木さーん!」
「たっきゅーん!」

大人気です。

 外に出ると、ユースの選手のご家族の方々がいらっしゃった。
「闘莉王ひどい!帰ってくるな!」
と、ゴール前競り合いの中で藤井くんに肘打ちした闘莉王に怒っている方も。その闘莉王、ひとり車に乗って帰っていった。
 そして、高木琢也さんお帰り。ユースのご家族の女性陣、素早い反応でゾーンディフェンス、写真撮影。高木のことを「誰?」と訊く人もおり、これも歴史というものか、と思った。
 ユースの選手たちがバスに乗り込んでゆく。森山監督とすれ違う時、
「Jユースカップ獲って下さい!」
と言っといた。言うまでもないことだったけど。
 ファミリーマートで一息つき、手城の天満屋ハピータウン内の書店で『もえたん』買って帰った。


   ...