むらさきぐま日記2002.ミカド杯


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12月22日 愛媛県総合運動公園陸上競技場 晴
天皇杯4回戦・VS横浜F・マリノス

 師走の年末進行、毎日帰りが9時10時、貧乏ヒマなし逝ってよし、な毎日。なんだかわけがわからないこと言ってるな。うーふふーでも22日と23日は確保したもんねこれで天皇杯とJユースカップには逝ける、いや行ける!というわけで前日も9時まで仕事してクッタクタになって疲れた体を引きずって家に帰って明日の支度してばたんきゅー。
 んで、6時過ぎに起床。起きようとするとズッシリと疲労感。3Gくらいかかってる感じ!?お、重い!こりゃいかんぞなもし。しばらく横になって休む。ちょっとは楽になったが、まだ重い。と、とにかく体をほぐさにゃあ・・・というわけで熱いシャワーをザーザー浴びて無理矢理体をスッキリさせて服を着込み、荷物を引っつかんで車に乗って出る。
 チケットを買っとかにゃあ・・・どうせ天皇杯の席なんて当日で楽ちんだ、と思ってローソンに入ったら自由席完売。え?いや当日券は多分あるだろうが・・・いやしかし松田ギャルが2万人、上野良治様親衛隊が500人、奥様激ラヴ隊が456人、ハトギャルが200人、ドゥトラマニアが44人くらい押し寄せたりしているかもしれない(ないよ)。念のためだ、とSAを買う。で、山を越えて2号線に出、そこからしまなみ街道で今治へ渡った。それから、昨年全日本ユース&JFLを観に行ったときと同じく海沿いの196号線を南へ。数日前は曇りとか雨とかいっていた天気予報も曇りに修正され、今現在の実際の天気は最高の小春日和。疲れた体もすうっとしてきた。
 ところでしまなみは半額ぐらいに値下げしたほうがいいよ。

 さて松山入り。今回はどこにも寄らずに一気に南下、隣町の運動公園へ。途中Aコープ城南店で昼飯を買い、11時30分過ぎに運動公園および動物園駐車場へ。昼飯を食べてちょっと休息し、車を出る。坂をのぼり、陸上競技場までたどりつくと、そこには露店がずらりと立ち並んでいた。出雲のアイルランド戦を思い出す。入り口前でheyさんにばったり会い、一緒に入る。入り口でSA席を見せ、「自由席に入ります」と宣言。「もったいないですよ」と言われたが、自分としては全くもったいなくない。アウェイ側から入り、芝生のバックスタンドをてくてく歩いて、バックスタンドホーム側端のサンフサポーター陣営へ。振り返ると、えふまりサポーターはアウェイゴール裏に陣取っている。
 本日はお日柄もよく、まっ                               たり感の甘い罠がてぐすね引いて待ち構えていそうな雰囲気ぷんぷんだが、ビュービュー吹きつけてくる強風がそれを払拭することにある程度成功していた。
 バスツアー勢も到着、またフェリーや車で駆けつけた多くのサポーターたちにより、バックスタンドの一角は紫に染まった。愛媛の方々もかなり入り、バックスタンドがかなり埋まる。愛媛FCの試合もそれくらい応援してあげてつかあさい。ピッチサイドでは、愛媛県サッカー協会より、今年の愛媛サッカー界の各賞が発表されていた。磐田の福西って愛媛出身だったんか。あと愛媛FCの面々など表彰されていた。
 さて、それも終わっていよいよ試合モード。でもスタジアムジョッキーが妙なノリのアナウンスで脱力させる。なんとか我慢していると、両チームの選手たちがアップに出てきた。そしてスターティングメンバー発表。
 サンフは、
GK林、DF駒野、桑原、上村、MF浩司、ハンジェ、カズ、服部、FWエルツェッグ、久保、大木。
リザーブはGK尾崎、DF八田、MF沢田、FW高橋、茂木。
ウイニング・ノーチェンジの鉄則を崩し、ストッパーに駒野を回し、右のハーフに浩司、そしてFWにエルツェッグと、怪我から復帰の大木を起用。南宇和高出身の大木、「里帰り」とスタジアムジョッキーに紹介される。
 対するえふまりは、
GK榎本達、DF波戸、松田、中澤、MF上野、遠藤、ナザ、ドゥトラ、奥、FW平瀬、清水。
リザーブにはアホの坂田とか永山さんとか。
 空き時間には音楽が流される。これはたしか「必殺仕事人X」の仕事のテーマ・・・なんでなんだよ。それはともかく、両チームとも準備万端整え、一旦引っ込む。昨年一昨年と4回戦で敗れているため、今年こそは突破せねば。呼吸を整える。さあ、両チームの選手が出てきた。コイントスの結果、えふまりが勝ち、風上側をとった。そしてキックオフ!
 風上のえふまりがどんどんボールを放り込み、平瀬や清水を走らせる。サンフキラー・上野のスルーパス!危ういところ、駒野が体を寄せシュートを撃たせない。しかしえふまりの圧力にサンフが押され始めた。バックラインからのパスも不正確で、FWたちもボールを全くキープできない。カズとハンジェがどんどん動いて攻守に貢献するが、それが全く有効打に結びつかない。バタバタした展開になり、その中、左ドゥトラのクロスをファーの平瀬が折り返し、清水が押し込んでえふまりが先制してしまった。
 直後にサンフ反撃、左サイドを破って服部がクロス!ファーから大木が走り込むも、背後から倒される。だが笛はなし。コノヤロー松村主審!それからも、ミスミスでなかなか攻撃できないサンフ。その中、中盤で確実なつなぎを行っていたカズが左サイドから久保にクサビのパス。久保はそのまま上がってくるカズにダイレクトで戻す。カズはトラップすると、タックルに来た中澤をひょいとかわし、さらに前へ出る、DFはチェックに来ない、カズはそのまま右足一閃!
ゴーーーーーーーーーーーーーーーーール!!
横っ飛びの榎本達も及ばず、ボールはゴール左スミに突き刺さった。鮮やかなミドルでサンフ、同点に追いつく!
 直後にドゥトラからのシュータリングが来てちょっとひやり。でもカズのゴールで調子が出てきたサンフ、徐々に押し返す。とはいえ前線は相変わらず不安定なんだけど。エルツェッグは、かつての「何がなんでも一人で突破」をやめて、チームプレイに徹しようとしていた。それは好感がもてるが、やはり今まで周りとのコンビネーションが確立されていなかったため、あたふたする場面が多い。大丈夫かな、高橋に代えたほうがいいんじゃないか・・・と、左サイドでのせめぎあいからサンフがキープ、カズにボールが渡った。しばらく左サイドでプレイが続いていたため、逆サイドは大きく空いていた。「サイドチェンジ!」と辺りで声が上がる。カズ、サイドチェンジ!しかし一気に右ハーフの浩司まで蹴るのではなく、その手前、オーバーラップしてくるセンターバック・駒野へのパス!ボールを受けた駒野は、トップスピードで走り出した浩司の前のスペースへパス!抜けた浩司、ドゥトラが来るまえにダイレクトで右足センタリング!ボールはニアのエルツェッグへのグラウンダー、と、エルツェッグは右足でわずかにすらしてスルー、ボールは中央へ、そこへ駆け込んだのは大木!!
ゲーーーーーーーーーット!!
GK動けず!!あまりにも鮮やかな展開からのゴールにこっちは狂喜乱舞!!逆転だ!!大木、凱旋ゴールゲット!!エルツェッグも、あとでTV見たら「トラップし損なって後ろへ反らしちゃっただけ」って感じもしないではないが、相手の意表をグッサリと突いたプレイということで、よし!浩司の、利き足と逆の右足ダイレクトで上げた判断もよし。何よりカズのスーパーなサイドチェンジ!そうだおまえがこのチームを仕切るのだ!
 これで蘇ったサンフ、ギクシャクはしてるものの横浜を押し返し、前半終了。いけるいける!
 後半風上に立ったサンフ、徹底してカウンター狙い。中盤でプレスをかけ、素早く前線にパスを放ってFWを走らせる。とくにハンジェの動きが秀逸で、運動量を生かしたしつこいマークでボールを追い、広範囲に動いてボールを呼び込み、前線にスルーパス!ルイ・コスタに心酔する彼から鮮やかなスルーパスがえふまり最終ラインを切り裂いて久保に、大木に通る!!それは決めてやれおまえら!!さらにGK林からも久保にナイスなキックが渡る!林−久保は最強のカウンターオプション?えふまりは攻撃の糸口をつかめない。坂田が入ってからはマシになったが、やっぱ俺王様の存在は大きかったな。サンフはシャドーストライカーの二人を高橋・茂木と入れ替え、攻めの姿勢を崩さない。えふまり、最後は松田を前線に上げパワープレイに出たが、ギリギリのところで林のセーブに阻まれゴールならず。林と松田はゴール前で一瞬プロレスバトルを展開。来年出来ないのは残念か。そんなこんなでホイッスル、サンフがえふまりとの久保争奪戦を制し、逆転勝ちで4回戦進出を決めた。次の相手は・・・・・あ、清水っすか。久保争奪戦第2ラウンドか、腕が鳴る。湘南でも面白かったけどなあ・・・
 さて帰ろう。でもお金がない。ので、松山中央郵便局へ。駅付近の狭い道路に苦労しながらもなんとかお金を引き出し、そのまま東に向かって道後温泉へ。駐車場に車を停めて、神の湯につかってほふぅと一息つき、天ざる食べて幸せな満腹感にひたり、一六タルトを買ってから駐車場へ戻る。駐車場のおやじさんに訊いてみると、やはりここからは317号線で山越えするのがいちばん今治へは近いようだ。
「これから広島へお帰りですか」
「今日はサッカーを観に来てたんですよ」
「サッカー?広島と愛媛FCが?」
「いえ天皇杯で、広島と横浜が」
「はあーそんなんがあったんですか。でどちらが?」
「広島が勝ちました!」
「そりゃあよかった。わしも広島を応援しとりますよ!」
「ありがとうございます」
「今年は愛媛も強かったしのう」
「(JFL)6位でしたね」
「そうそう!」
「わたしも応援してますよ。元広島の吉田とかいますからね・・・」
そんなことを会話しながらお金を払い、お礼を言って車に乗り込み、既に暗くなった中を317号線に出て山を越え、帰路についた。
駐車場のおやじさんにも愛媛FCは強く認知されているようだ。このまま育っていってほしい。
 帰って風呂入って寝る。明日は長居第2でサンフユースと京都ユースの戦いだ。


12月15日 広島スタジアム 晴
天皇杯3回戦・VSアルビレックス新潟

 300年前の未明に赤穂浪士たちが吉良上野介邸を急襲、上野介の首を取って意気揚々と引き上げていったのだが、こっちはぐうぐうと寝ていた。だって仇もいないし。で、寒いので起きてみると頭がちょっと痛い。体調悪い。でも広スタ行かなくちゃ。
 今日の相手はアルビレックス新潟。新潟といえば、ホモかゲイの街(by川合俊一)面影の街(@美川憲一)。といってもピンと来ない。やっぱり亀田製菓か。印象に残っているのは、昨年ナビスコ杯で対戦した際、某銀行員の集団が酒飲んで騒いだ事件だ。新潟には関係ないけどね。その時は、主力が抜けていたがサンフの貫禄勝ちといったところだったが、今は、来年からは晴れて(こちとら晴れてはないけど)ともにJ2で戦う境遇。あるいは激戦となるかもしれない。チームを完全に掌握した、メガネがチャーミングな知性派・反町監督の采配はあなどれない。なんたって今季のJ2・3位。セルジオ越後がいないとはいえ、そうそう圧勝とはいくまい。
 とある新潟サイトを訪れてみると、新潟が5−0勝利とか書いてあったので、さすがに、「身の程を知れ」という気分になっていた。
なにゆえもろもろの国びとは騒ぎたち、もろもろの民はむなしい事をたくらむのか。
地のもろもろの王たちは立ち構え、もろもろのつかさはともに謀り、主とその油そそがれた者とに逆らって言う、
「われらはそのかせをこわし、彼らのきずなを解き捨てるであろう」と。
天に座するものは笑い、主は彼等をあざけられるだろう。
汝は鉄の杖をもって彼らを打ち破り、陶工の作る器物のように彼らを打ち砕くであろう。
 ジョージ・フリデリック・ヘンデルのオラトリオ《メサイア》を聴きつつ山陽道を行く。打ち砕いちゃるけえのー。
 それからルートヴィヒ・ファン・ベートーフェンの交響曲第9番を聴く。にしても、第4楽章の7分ぐらいまで延々引っ張っといて、
「おお友よ、このような響きではない!」
って何さ。じゃあやるなっつーの。はじめからそこからやれ。
 小谷SAで蕎麦を食べ、五日市ICまで行って引き返す。天皇杯では、Jリーグではおなじみの「最果て駐車場」がないため、スタジアム周辺の駐車場がふさがってしまうともう入るところがないので、時間的に最短のルートで行かねばならない。10時40分ころに広スタに到着した。駐車場に入る前にちらりと中が見えたが、皆実と多々良が試合をやっているらしい。毎年恒例の、冬の選手権・広島県代表校の壮行試合だ。でもこっちとしては、Jユースカップ決勝トーナメント1回戦・サンフユースと横河FCの試合を見たいんですが。鹿島と万博ではそれぞれのユースの試合を天皇杯の前後にやる予定になってるんですけど・・・
 ヘンデルのオラトリオ《サウル》の最後の2曲、「汝らユダの民よ、泣くのを止めよ」「剣を帯びよ、汝、力ある勇士よ!」を聴いてから車を出る。
汝らユダの民よ、泣くのを止めよ。われらの軍勢全てに喜びを満たせ。
敬虔なるダヴィデは回復するだろう、神への反抗にてサウルが失いしものを。
万軍の主はダヴィデの友にして、その武の行くところ、征服あり


剣を帯びよ、力ある戦士よ、常なる名声を求めよ。
進め、戦いにては好運であれ、ヘブライの名を回復せよ!
恐怖にて武装せし汝が強き右手は、頑強なる敵も狼狽させる。
また汝が徳に惹かれし者は、汝が正しき支配のもとに集うだろう。
 ユダ、ヘブライを広島に、ダヴィデを小野に、サウルをガジエフに置き換えるが良い。
 雲ひとつない快晴で、ここ数日の寒さがウソのように暖かい。ていうか暑いくらいだ。チケットを買ってまずバックスタンドに上がると、ちょうど新潟サポのところに出てきた。まだアウェイゴール裏が開いてないらしい。なんでいつも県サッカー協会は開けないのか。
 ピッチでは緑の皆実とオレンジの多々良が鎬を削っている。多々良が押すかなと思っていたが、なかなかどうして皆実もサイドに開いての速攻で対抗、そして、クロスボールをゴール前GKと競り、こぼれたボールをうまく懐に収めた皆実FWが反転して蹴り込み先制、前半を終了した。
 ゴール裏へ移る。heyさんが「広島に関わる全ての人へ」という寄せ書き風断幕を広げていた。で、
「2003無敗優勝!」とか「J2蹂躙!!」とか「風邪ひくな」とか「走れ、クワ!」とか書いた。
あと、「専用スタジアム希望」と書いてあった下に、
(牡蠣スタ)
と書き添えた。味スタに負けてなるものか。上から見たら牡蠣形で、パカッと開閉式のドームが理想だが、そこまでは望まん。
 後半、皆実が左CKをファーからヘッドでぶち込み2−0と突き放す。多々良もその直後にPA内で倒されてPKをゲット、このたび仙台入りが内定したエース・中原が決めて追いすがったが、そのまま2−1で皆実が勝利した。
 暑い。セーターではたまらん!ランニングの上に半袖のレプリカユニを着てちょうどいいくらいだ。喉が渇いてきたので、コンビニに飲み物を買いに出る。外に新潟バスが止まっていた。おお、ツアーの皆さんだ。オレンジな方々がぞろぞろと歩いてくる。コンビニは混雑で弱った。急いで帰ってくると、すでに選手たちがピッチに出てアップを始めていた。
 広島のメンバーは以下の通り。
GK林、DF八田、桑原、上村、MF駒野、カズ、ハンジェ、服部、FW茂木、久保、浩司。
リザーブはGK尾崎、DFトゥーリオ、MF沢田、山形、FW高橋。
下田の負傷によりGKは林。初先発だ。ハンジェも同じく初先発。スリーバックの中央には桑原が入る。札幌戦でキレを見せた山形は今日もベンチ入り。
 対する新潟は、
GK野澤、DF山形、軽部、丸山、三田、MF宮沢、秋葉、寺川、深澤、FWマルクス、氏原。
右サイドバックの山形辰徳は、うちの山形恭平の弟。兄はリザーブだが、兄弟対決なるか?セルジオとベットは契約が終了しすでに帰国しているが、J2得点王・マルクスは健在。アトランタで名を馳せた秋葉がチームを仕切る。U−21日本代表候補の三田光も侮れない。何より反町康治男前!のシステムサッカーがこわい。リザーブには懐かしの元日本代表・神田勝夫の名が。
 サンフの面々、アップも結構気合が入っている。いけそうな感じだ。この陽気に当てられてマターリしなければ。
 キックオフ!
マターリ。
まあ手を抜いているわけでもなく、それなりにボールを支配し回してはいるのだが、ゴール前でうまくいかない。服部のクロスは大ふかしだし、茂木は先日のカキ打ちの影響か動きに精彩を欠く。久保は茂木の精気を吸い取りでもしたのか、物凄く走り回って前線からプレスをかける。カズとハンジェのドイスボランチは、ボールをスムーズにはたく。上村はヘッドが強い!ホントに足にヒビが入っているのか?桑原は冷静なカバーリング。林はちょいと危なっかしいが、昔の下田もそうだった、がんばれ。
 しかし、素早いプレスから新潟が反撃に移る。両サイドの辰徳・三田が積極的に攻め上がってチャンスを作る。サイドアタックのシステムが実に熟成されており、見事な展開から服部・駒野を出し抜いてクロスを上げる場面が増えてきた。ハンジェ、ヤバいバックパス!マルクスに渡ってしまい危機に陥ったが、何とか凌ぐ。
 林のパントキック!あとでTVで見たらPA飛び出してるじゃん、と思ったが気にするな。これが素晴らしい精度で、一気に前線に張る久保の胸に収まった。久保、ボールを落とすとゴール向け突進!大きなストライドのド迫力ドリブル、そして細かなフェイントで前を開けるや左足一閃!!弾丸シュートがゴールを襲い、GK野澤かろうじて手に当てセーブ!それでこそ久保!新潟も宮沢がミドルを放つが、右にそれる。右サイドに進出したハンジェ、クロス!ニアに落ちる低いクロスに茂木が飛び込むが、ヘッドは枠を捉えず。
 さてスコアレスのまま膠着していた試合が突如動いた。マルクスが上村のマークに耐えかねたか彼を突き飛ばしイエロー。そして前半終了間際、マルクスが深いところからの競り合いで強引にボールを奪われる。サンフがボールを奪って攻めよう・・・としたとき、ホイッスルが鳴った。あれ?何、何?と、主審がマルクスにレッドカードを提示していた。何だろう、ファウルはなかったようだけど・・・何か暴言を吐いたのか?どうも上村の術中にはまったようだ。過去ピクシーや柳沢、ロペスなどをレッドカード退場に追い込んだ上村、久しぶりにエースキラーぶりを発揮。上村は時に攻撃参加、ミドルシュートも放ったりでチームを鼓舞する。
 しかし、前半はそのまま0−0。ブーイングが起こるが、それも仕方あるまい。前線の運動量とポストプレイが足りない。特に茂木。彼を高橋か山形に代えるべきだな・・・ハンジェはちと奔放に動きすぎなので、沢田に代えて守備を締めるのも一手だけど、小野監督はどうする?
 大分5−0札幌の報。なんとまあ。もっとまじめにやりんさい。
 後半開始。茂木>高橋。うむ!前線で競れるし、ポストもできる彼の投入で、サンフの攻撃が活性化してきた。一人少なくなった新潟が引き気味となったため、サンフがボールを支配し攻め立てる。駒野のクロスに高橋ヘッド!!頭を振りすぎ左に外れる。空中戦は強いぞ。桑原のミドルシュート!飛び込んできたDFに当たる。惜しい!今度は左サイド、服部がクロス!ゴール前ボールがこぼれる、それに高橋が食らいついた。ゴールに背を向け、背後にはDFが二人。どうする、何とか撃て、高橋、ふっと左に体を揺らす、「右足でトラップして左回りに反転」・・・そう思った新潟DFはつられてそちらに動く、瞬間高橋は右回りに反転、そのまま左足でダイレクトシュートを放った!
ユタカキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!!
GKを破り、ゴール右スミにボールが突き刺さる!!サンフ先制!!そして間髪入れずハンジェ>山形。FWに置き、さらに桑原を中盤に上げて浩司を中盤に下げ4−3−3とする。ほとんど2−4−1−3だが。
 久保が中盤でボールを受けて前を向いた。トテチテター!猛然と突撃!!センターサークル付近から一気にPAまで疾走、DFを細かなステップでかわし右足一閃!・・・はさすがにコントロールがきかずあさっての方向に外してしまったが、これは相手としては恐怖以外の何ものでもあるまい。うかつにラインを上げれば致命傷となるからだ。さてスリートップに森崎兄弟・両サイドが華麗なパス回しを見せ始める。ショートパスミドルパスサイドチェンジでもシュートにまで行かんぞこら!撃て撃て!!どうも山形がブレーキとなっている。運動量にボールへの絡みは申し分ないが、パスミスや判断の悪さでボールを失って・・・って、藤本状態だな。服部のクロスに高橋が身を沈めながらヘッド!左に外れる。浩司のループ!GKセーブ。
 再び久保がドリブルでゴールに迫る!新潟ディフェンス、背後からファウルで倒すしかない!!FK!
「カードじゃ!」「退場じゃろうが!」
の怒号の中、チョンとボールをセットした浩司がひょいっとボールをリフトして浮かせる。そのボールをカズがぽーんと壁の裏へ上げる、トリックプレイだ!これはちょっと低く、ジャンプした壁にはね返されたが、これを高橋が拾い、ブロックしつつ浩司に戻す。浩司、利き足とは逆の右足ダイレクトでクロス!ボールはニアへ、そこに陽光を受けて紫の人影が舞った!
ゴール!!
鮮やかなヘッドがゴールに突き刺さる。あまりの見事さに最初は上村かと思ったが最終ラインにいる、じゃ高橋か、ヘッド強いからな・・・ってでもさっき浩司にパス出してたなあ。じゃ誰だよ、と思ってたら恭平ですかァーーーーーーー!!やったぜ公式戦初ゴールだ!!しかもヘッド!
 これで試合は決まった。新潟の攻めは三田のロングスローから氏原が反らして・・・というのがちょっと怖かったがそれも防ぎ、その他の攻撃は上村が鬼気迫る守備っぷりではね返した。中盤でも桑原が攻撃の芽を摘みまくり、そのまま2−0でホイッスル。4回戦進出を決めた。
 やはり高橋(帝京)と山形(東福岡)、昔の習性で、冬の選手権の時期になると燃えてくるのだろうか。調子も上がり気味だし、きっちり結果を出した。次も頼みやす。
 吉田の結果を電話で訊く。4−0でサンフユースの勝利!というわけで、22日に愛媛で天皇杯4回戦・VS横浜えふまり、23日に長居第2でJユースカップ決勝トーナメント準々決勝・VS京都ユースというコンボが実現。時間があれば行くしかないだろ。
 ・・・・・・・・・・・・・・で、札幌はともかく柏に神戸さん、もう今年はやる気なしですか?いやまあ来季からJ2のうちにはJ1のチームがどうなろうと関係ないですが。
 買い物して帰る。頭痛い。風邪だ。うーん・・・