むらさきぐま日記2002.ver.1


2勝1分7敗。


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8月17日 神戸ユニバー競技場 晴
VSヴィッセル神戸

1.サッカーコートに漲る 熱いライフスタイルとヘアスタイル
優勝カップで飲み干す 汗のしずくサニーシャンペン
足首太もも 男の世界
人を寄せ付けない その名はオリ・カーン
止まらないヤツは くじけないヤツは 泥まみれのキャプテン 緑の海で
飛べるのさヤツは 輝けよヤツは
それでもたまには 赤いカードで ご退場
2.女も酒も 麻薬も賭けも他人のこと
お腹はペッチャンコ ボールは丸い
芝生が冷たいと 機嫌が悪い
高級車で飛ばす その名はオリ・カーン
止まらないヤツは くじけないヤツは 泥まみれのキャプテン 緑の海で
飛べるのさヤツは 輝けよヤツは
それでもたまには うっかりやられる 得点
間奏(実況&インタビュー音声がバックに入る)
止まらないヤツは くじけないヤツは 泥まみれのキャプテン 緑の海で
飛べるのさヤツは 輝けよヤツは
忘れられない その名は
止まらないヤツは くじけないヤツは 泥まみれのキャプテン 緑の海で
飛べるのさヤツは 輝けよヤツは
忘れられない その名は オリ・カーン
・・・・カッコいーなあ、『オリ・カーン』。ええ今日三宮のタワーで買ってきたんですけどね。独英日三ヶ国語歌唱にカラオケ・バージョンつき。歌詞が載ってないのがアレですけど、漢度の高い逸品です。歌ってるアーティスト・プリンツェン、日本語ほんとにウマいです。さすがに大バッハゆかりのライプツィヒ聖トーマス教会聖歌隊出身だけはありますな。歌詞がちょいマヌケなとこありますが、日本語歌詞を作ったのはイワサキ・セツコさんて方らしいです。
BMG・ベルリンミュージックレーベルの、ナンバーは「74321 93904 2 4」。輸入CDを扱ってるところで買うか注文してクワさい。
 ・・・え、サンフのゲームですか?・・・ちょっとカンベンしてください・・・一人退場(しかも守備の要シジクレイ)して10人の神戸にロスタイムでやられるなんて、もー何かに憑かれてるとしか思えません。まあ、集中力が足りないとか、プレッシャーに弱すぎと言うのは簡単ですが・・・あと監督の采配がちょっと・・・全く機能してない中盤ダイヤモンドの4−4−2に相変わらず固執してるわ、選手交代が遅すぎだわ(シジクレイが退場した瞬間、大木に代えて松下かミロをブチ込めなかったのか)・・・だからペリマン呼べペリマン!!と、愚痴しか出てきませんので。
 一応簡単に書いときます。
サンフ:
GK下田、DF駒野、八田、ビロング、服部、MF沢田、梅田、カズ、藤本、FW大木、久保
リザーブは尾崎、井手口、松下、ミロ、中山。
中山って何だよ。鳴尾は使わないのか。中山以下ならそもそも獲得するな。お金の無駄だろ(あっ、愚痴が・・・)
神戸:
GKセクシー、DF吉村、シジクレイ、バウル、平野、MF菅原、佐伯、望月、薮田、FWバンバン、ホー。
第4の審判員に辺見。格下げか!?
 試合開始。神戸は右に展開し、ポーンとロングボールを放り込む。ホーについていたビロングの後ろのスペースへ。そこへバンバン走り込む。当然八田がマークに行かなければならないが寄せが大甘で、スピードスター・バンバンそのままトップスピードでPA侵入ズドム。開始20秒そこそこの、ユニバーお馴染みのスットコ失点またもや。
 サンフは中盤が全く改善されておらず、全くボールがつながらずシュートまで行けない。ダイレクトパスを多用するものの精度なくミスパス連発。カットされまくり。DFラインも八田がメロメロで上げられない。菅原抜け出しフリーでシュート、下田ファインセーブ!右からのクロスに久保のヘッド、バー直撃!でもセカンドボール拾われまくりで神戸ペースのまま前半終了。岡田さんはともかく副審のレベルが低すぎ。
 後半開始、前半途中からミロと中山がアップしていたが選手交代はなし。相変わらず神戸ペース。しかし徐々にサイドが使えるようになってきた。中央沢田から左サイドに流れたカズにパス、カズが狙いすましてクロス、中央で大木がヘッド合わせてゴール右スミに突き刺す!1−1!しかし副審が旗を上げた。オフサイド!?大木のどこがオフサイドか!沢田が副審向け突進するのを岡田さんが止め、副審に尋ねに行く。しばらく話を聞いたあと、岡田さんはホイッスルとともにセンターサークルを指差した。ゴールの判定、1−1同点!もっと勉強しろよ、副審。
 続いて藤本のセンタリングをまたも大木がヘッドで合わせ、再びゴール右スミに!逆転・・・・しかし、岡田さんホイッスルとともに大木にイエローカード提示。はれ?ここでやるっていったらシミュレーションかハンドだけど・・・どっち?よくわからなかった。岡田さんは判定を覆した負い目からか、神戸に有利に笛を吹く傾向になった。PA内、サンフが左に開く!しかし岡田さん邪魔。そろそろ年か?
 中盤のダイレクトパスから前線へスルーパス!抜け出した久保が一気に加速、ゴール前に迫る、追走するシジクレイも寄せられない、引き倒した、岡田さんホイッスル、躊躇なくレッド提示!!シジクレイ覚悟のレッド、抗議することもなく静かにピッチを去った。PAすぐ外右サイドからのFK、藤本、服部、駒野(あとビロング)がボールに集まる。誰?位置的には服部だが・・・駒野!しかし上へ外れてしまった。それは決めとかないと・・・
 菅原がDFに下がる。佐伯に代えて岡野が右サイドに入っていたので望月が下がるほかなく、神戸の攻撃が機能しなくなりサンフが攻撃にかかる。しかし肝心なところでミスが出て攻めきれない。誰か代えろ、と思ったが誰も出てきそうにない。神戸はとにかく守って延長に持ち込み立て直そうという感じになった。時間はロスタイムへ。ここでミロが出てきた。遅いな・・・その時藤本のファウルで神戸のFK。ここはしっかり守らな・・・しかしゴール前に飛んだボールの処理にわたわたしクリアできない、ボールが左にこぼれる、そこには完全フリーの平野、猛然と走り込むと左足一閃、豪快にゴールど真ん中に突き刺し、神戸勝ち越し。そしてロスタイムが消費され、試合終了。開始早々の失点、そして10人の相手に、終了近く、セットプレイで沈むという、仙台戦ほかで何度も体験したパターンをバリエーションを変えて最終節でも繰り返し、15位に後退してしまった。
 今のサッカーではシジクレイ抜きの10人の神戸にも勝てない!これは純然たる事実。今日の神戸、磐田なら軽く4点はブチ込んでいただろう。やり方を変えない限りこのまま行くところまで行ってしまうことは確実。ボランチにドゥンガとかハマンみたいなのが入ってくれるなら別だけど、まあそれは無理だから・・・みんなのダイレクトパス精度が飛躍的に向上するなら別だけど、人がそう簡単に変われるなら、柳沢は今ごろ日本のスーパーエースとなっている。つまり、もはや現実的な戦術を採るしかないということだ。具体的にいえば、

ペリマンスタイルの3−5−2サイドアタックサッカー

というのが私の気分。コリカが帰ってくるなら4−5−1でもいいけどね。
 とにかく、第2ステージは勝ち越し必須。もう負けられない、プレッシャーとの戦いとなる。ホームでは何が何でも勝つ、アウェイではもう120分耐え切っての引き分け狙いでもOK、というなりふり構わぬ戦いになる。若い選手の多いサンフがそれに耐え切れるか・・・ベテランの補強が要る。
 あと、U−21代表が出るアジアカップ、カズと駒野は絶対に出すな。絶対に拒否するように。
 ・・・・ああ、マジメになってしまった。来週はU−21の中国遠征だわ、再来週はU−19合宿だわ、立て直そうにも主力がいなくなるんではどうにも。しかしチーム一丸となって乗り切ってほしい。


8月10日 東京スタジアム 晴
VS東京ヴェルディ1969

 第9節・市原戦に久保のスーパーヘッドで勝利して以来勝利に見放されたサンフ、磐田戦にも善戦し延長まで持ち込んだものの高原に決められ苦杯。水曜日ということもあったがこの試合に行けず、どうにも悔しいので急遽東京に行くことを決めた。絶対に負けられない戦いだ。
 日帰りは無理なので宿をどうするかという問題はあったが、
「東京ならどっかにあるやろ」
といつもの楽天的観測。しかしNaclさんより、
コミケがあるんでヤバいですよ」
と電話があって不安に。そ、そんなにコミケに来ますか?まあ行ってからのことよ!
 土曜日、起きる。毎度のことだがこの疲れは起きるのにつらい。体力ないなあ・・・でもさっさと支度して家を出る。
あ、今回はアウェイだからチケット買わないと・・・とローソンに立ち寄ったが、
金がない。
昨日おろすの忘れてた・・・ここで買ったらそれっきりどこへも動けなくなってしまう・・・・現地調達に決定。
 残り金をはたいて福山に出て、お金をおろすとみどりの窓口へ。わっちは体力がほんとにないので、鈍行で行ったら瀕死の状態になるのは確実!そうコーラを飲んだらゲップが出るっていうくらい確実じゃ!経験からも。みんなから「ブルジョアジー!」と白い目で見られるのは覚悟で新幹線。
「東京まで指定席でお願いします」
500円そこらのプラスで、席を取ったりや周りの乗客の乗り降りに悩まされることなくゆったりできる指定席のほうが、長距離移動の際は絶対にいい。でないと、精神的に疲れる・・・と人に聞いていたが、柏に行ったときは確かにそのとおりだった。で今回もそれに倣う。
 福山発10時8分のこだまで岡山に移動し、10時57分岡山発のひかり(臨時)で一路東京へ。早速寝る。
 15時10分、東京駅着。インフォメーションセンターで宿の斡旋をしてくれるところの場所を聞き、構内の旅行センターへ。人が多いなあ。
 整理券を引っこ抜いて本を読みつつぼーっとしていると、やっと自分の番が来た。
「今日の宿を取りたいんですけど。2泊で」
次の日は本やCDを買いまくって帰る予定。
 受付のねーさんはそれを聞くと「しばらくお待ちください」と奥へ引っ込み、しばらくしてホテルのカタログを持ってきた。
「ここはどうでしょう」
そこは新木場だった。新木場?東のほうだなあ。いやもっと近くで・・・
「神田の辺りにありません?」
神田なら、すぐに荷を置いて中央線で新宿に行き、京王線に乗り換えて飛田給に行ける。東京駅周辺は高そうだし。
「はい、お待ちください」
また奥へ引っ込んだ。
・・・にしても何でいきなり新木場に?
・・・・待てよ、新木場っていったらそこからりんかい線で東京ビッグサイトまですぐじゃんか。
・・・・てーことは、この私をコミケ組だと思ったのかあの女!!こんにゃろー、こっちは円形の闘技場に戦いに赴く身だっつーのに!
 結局神田駅に程近いホテルが取れた(しかも休日とその前日は1泊6900円。おっけー!)ので早速急行してチェックイン。さて部屋に行こうとしたとき、後ろから同じくチェックインの男がフロントにやってきた。大きな紙袋を持っている。そこからのぞくシロモノを見ると、彼がさっきまでどこにいたかは容易に想像できた。その男の容姿がそれにダメを押している。Naclさんの言葉は誇張ではなかったッ!
 今宵何人の男性がこのホテルの中で本日の戦利品に萌え萌えするのか。想像しただけでなんだかヤな気分になったが、とりあえず荷物を部屋に置くと武具(ユニとかね)をカバンに入れてホテルを出る。中央線で新宿へ、さらに京王線特急で調布まで行き、そこから各停に乗り換え飛田給へ。さすがに閑静だ。遠くに東スタが見える。人の流れにそって歩いていく、がなんだか人が少ないぞ。一国の首都のクラブにこの程度の人しか来ないのか。うーん、みんな帰省しちゃったのだろうか、それとも猫も杓子もビッグサイト?
 高架橋を渡って東スタへ。風が強い!チケットを買ってゲートへ。荷物検査を受けてスタンドへ向かう。
 東スタは、ちょっとスタンドが大きすぎるためにピッチが遠めになっているのがあれだが、大きい割にコンパクトでさっぱりしていて、感じがいいスタジアムだった。屋根がぐるりとスタンドの上を取り囲んでおり、客席に深い影を投げかけている。ホームメイン側スタンドから夕陽が洩れているのが見えた。試合開始1時間前だったがスタンドはまばらで、1万人はとても集まるまい。
 heyさんを始めとして、もう来られていた方々にあいさつ。ハウス猫さんは体調が悪いとのことでバックスタンドにいるとのこと。
 サンフの選手が出てきた。遠征帯同の話があったミロの姿はない。前節と全く同じメンバーだ。リザーブ組が先発組と分かれて球回しを始めた。スタメンも最近不動のメンバー。
GK下田、DF駒野、トゥーリオ、ビロング、服部、MFカズ、沢田、松下、藤本、FW大木、久保。
リザーブ:尾崎、井手口、浩司、高橋、茂木。
 選手名をコールする。紫の一群の声が屋根に反響して増幅され辺りに響き渡る。やっぱり屋根はあったほうがいい。
東京のメンバーは、
「野獣様とそのしもべたち」
以上。エジムンドがトップ下に入り、マルキーにょスと平本がツートップを組んでいた。それはともかく、マッチデープログラムに前園と石塚の名前があって西田の名前だけがない。三人とも解雇したんじゃないのか。まあ西田だけ移籍先が決まっていて(札幌)ほかはまだだから載せてるのかもしれないが。
 さてピッチではシュート練習が始まったが、しかし入らないなあ。大丈夫かよ、と思ったが・・・
 そして、ほどなくしてキックオフの時間を迎えた。
 最初は互角の展開。サンフは時折見せる素早いパス回しで稲城ゴールに迫る。対する稲城はエジムンドのキープから左右に展開、相馬と田中隼磨が切り込んで折り返す、という戦術を徹底。一進一退の攻防が続いたが、徐々に稲城が押し込み、シュートを撃ち始めた。それでも最終ラインと下田のセーブではじき返し前半を0−0で終える。
 ・・・・いつもの展開だ。どうしても点がとれず、ひとつのミスで失点して0−1、という・・・しかし昨年は前半20分あればほぼ確実に1点は取っていたのに、どうして取れなくなってしまったのだろう。木村監督も、ニポ・サッカーを目指しているのなら、もっと波状攻撃を仕掛けてもいいと思うのだが、バランス最優先なのか中盤でパスをまわしてばかりで一向に攻めないイメージだ。ゴール前でもFWがことごとくパスを選択、しかしそれを追い越すものがいないので最後の崩しがない。守備は安定してるけど、ラインを引いているから、ということもある。それが、中盤の緊密な構成を妨げている。エジムンドへのファウルで松下がイエローをもらっており、彼ではもう野獣を止められない。攻撃でも精彩を欠いていたので、彼と同じく存在感のなかった大木といつ代えてくるか・・・と、高橋と浩司が大木と松下に代わってピッチに出てきた。これで攻撃にかかるのか?
 後半開始。立ち上がりこそサンフは元気が良かったが、次第に中盤がスカスカになりだした。もうバテてきたのか・・・?ラインが深く引き、FWは前線に張り、左右のMFはサイドに張り出しすぎるので中央がいきおい空く。ここのスペースをエジムンドが自由に使い始めた。ドリブル、パス、シュート・・・彼に操られて次々に若い稲城の面々がゴール前に飛び出す。だがここで彼の前に立ちはだかったのがビロング。エジムンドとの一対一に完勝、彼から次々にボールを奪い去る。サイドに展開され、ピンチを迎えるもののこんどは下田がスーパーセーブ連発!隼磨を、マルキーニョスを、次々にストップ!エジムンドのFK、ゴール左スミを正確に捉えたボールを見事にはじき出す!
 後半も半ばを過ぎると、稲城も疲れてきた。素早いリスタートのボールを味方にぶつけてしまい、跳ね返ったボールがラインの裏へ。反応した藤本がフリーでセンタリング、フリーの久保がヘッド!やった、と思ったが、久保のヘッドは抑えがきかず上へ外れた。ふたたび稲城ペースに。前線では高橋が奮闘しているが、中盤のサポートがない状況ではどうしようもない。カズが消えてきた。浩司はといえば、ピンチのときにチンタラ戻る場面が目に付く程度で、全く存在感がない。松下のほうがまだよかった。藤本も中盤において個人で打開できるプレイヤーではない。彼の恐ろしさはPAに迫ってからのドリブルシュートなのだが、そこで有効なボールを受けることができない。受けても、まずFWへのパスを選択してしまう。以前はフェイントでコースを空けざまシュートを放っていたのに・・・迷いは深いようだ。彼の場合もっと気楽に、相手をおちょくるようにプレイすればいいのに。
 ここで久保に代わって茂木投入。彼の投入でリズムが変わった。素早い反転から前を向き、強引に前を目指すプレイがサンフに活気を呼び込む。サイド攻撃から高橋のヘッド!左に外れる。
 ゴールが生まれないまま時間が過ぎる。稲城はサンフキラー・シャクライを投入、その突貫ドリブルでサンフのディフェンスを押し込む。トゥーリオがズルズル引いてしまい、さらにフィードの精度は桑原以下で、次々相手にボールを供給。
 後半ロスタイム、最後の攻撃、サンフがCKを得る。右CK、キッカーは浩司。スタンドから浩司に声が飛ぶ。いいボールを!
・・・しかしボールはファーのトゥーリオを大きく越えてしまった。トゥーリオが追いかけていったところでホイッスル。延長突入、となった。ここで勝点3がなくなった。
 延長開始までの間、アウェイゴール裏からは広島コールが絶えることなく続いた。なんとしても勝て!
・・・しかしそれもかなわなかった。延長から井手口がトゥーリオに代わって投入されたものの、彼はあわやオウンゴールという場面もあり、小林大悟のVゴールのときも、ゴール前で何もできなかった。ビロングの空振りは痛恨だったが、彼がいなければ今ごろエジムンドがハットトリックですでに試合を決めていたろう、責められない。
 みんながこれだけ頑張っているのに勝てない、というのなら、理由は二つ。単純に弱いか、やり方が間違っているか、だ。
弱いというのはありえない。代表に名を連ねた男が5人(沢田、久保、下田、藤本、ビロング)、U−21代表が4人(カズ、浩司、駒野、松下)、U−19が1人(茂木)、これだけの人材がいて弱いというのはない。ということは、やりかたがどこか間違っているのだ。
木村監督は確かに人望はある。しかし、ここまでメンバーを固定、リザーブも固定、交代パターンも固定、戦術も固定というのはどうか。現実問題として結果が出ていないのだから、どんどん修正を加えていっていいのでは?今のサッカーでは、神戸には確実にユニバーお馴染みの0−1で敗れる。安定しているがそれは0−0の安定。もっと点を取りにいってほしい。
 でもひょっとしたら、まずはチームを固定してしまわなければ安定しない、つまり骨折した状態・・・ガジエフがそれほどまでにチームを破壊してしまっていたのかもしれない。だとすると、その完治はいつなのか。
・・・・外部からは、チームが今どういう状態なのか解らない。私たちにできることは、力の限りサポートすることだけだ。
みんなは精一杯やっている、そのことは見ていればすぐにわかる。それが報われるように、そしてセカンドにつながるように・・・さあ、次は神戸。松田さんには悪いが、絶対に勝たせてもらわなければ。いや、叩き潰す。神戸もそのつもりだろうし。
 heyさんと神田で食事をして別れ、ホテルに戻る。ベッドに横になったら、また無性に悔しくなってしばらくの間のた打ち回った。シャワーを浴びてもまだ気分が治まらず、バッハの受難曲(ヨハネ、マタイ、マルコ)を編集したMDを聴いてやっと寝付いた。
 次の日9時30分に目覚めると、やや気分は落ち着いていた。喉は壊滅状態だったけど。
早速着替えて外に出る。神田の古書街の方へ行き、日曜日でも開いている奇特な古本屋さんを回ってみたが欲しい本はなし。仕方ないから書泉グランデ&ブックタワーや三省堂で本を買い、知人と約束があったのでビッグサイトに行き(何も買わなかったけど)初めて見る異様な光景に瞠目し(サカー関連では宮本ギャルとかベッカムさんとか大五郎さんとかベルマーレな人とかいた)、それから渋谷に行ってHMVとタワーレコードを回り、それから秋葉原へ取って返してまたちょいちょいと買い物をして神田へ戻って寝て、次の日朝起きて帰った。



7月27日 広島ビッグアーチ 晴
VS名古屋グランパスエイト

 九州をかすめて行った台風のおかげで空はスッキリサワヤカ秋空な感じなのだが、日差しは夏真っ盛りでいささか違和感のある昨日今日の広島県地方、みなさんはいかがお過ごしでしょうか。
 午前中ちょっと仕事があったのでそれを済ませて広島へ向かう。14時過ぎには着いたので、DEODEOやそごうに行ったりして買い物をし、それからビッグアーチへ。16時40分ぐらいだったが、駐車場は埋まり始めていた。今日も結構な人出がありそうだ(1万人越えだった)。
 17時開場、列が捌けるのを待って入場する。水曜日は悔しい負け方をしたから、この日は結構既に本気モードに入っていた。名古屋は攻撃力が凄いが守備はそれほどでもない。たたみ掛けて勝利を狙いたい。今年2番目の最高気温を記録したこの日広島市、立っているだけでも汗だくになってしまうが、ゴール裏は日陰になっているので助かった。とりあえず飯を食べる。
 メンバーが発表となる。
 サンフ:GK下田、DF駒野、トゥーリオ、ビロング、服部、MFカズ、井手口、松下、藤本、FW大木、久保。
井手口が初スタメン、というか広島でJ初登場。累積警告で出場停止の沢田に代わってボランチの位置に入る。
リザーブは、GK尾崎、DF八田、中村、FW高橋、茂木。
 名古屋:GK楢崎、DF大森、パナディッチ、古賀、MF酒井、山口素、岡山、中谷、中村、FWウェズレイ、ヴァスティッチ。
墺太利はシュトルム・グラーツからやってきたパナとイヴォはなかなかのヤツらしい。特にイヴォ・ヴァスティッチは、人気出そうないやにサッパリした顔付きもさることながら、動きの質も良くチームプレイも上手そうで要注意。時間が経てばピチブーとともにJ最強2トップになりそうな予感・・・果たして抑えられるのか。まだコミュニケーションに不安を残すDF陣に上手くつけこみたい。
 さあ気合を入れて、キックオフ!
 まずはサンフがペースを握る。中央松下から右に開く藤本へ絶妙のロングパス!藤本がセンタリング、ファーで大木が合わせる!がゴールならず。松下の長所が活かされた形となった。さらに左の服部が敵陣深く切り込みマイナスの折り返し、久保がダイレクトヒールで落として走り込んだ藤本がシュート!しかしサイドネット外。左サイドから大木が抜け出し楢崎と一対一、シュート!も右に外れる。今度は右に展開し折り返してまたしても久保が落とし、藤本がシュート!大きくふかしてしまう。枠を狙え!!
 松下のFK。距離はある、しかし松下は長い助走を取り、キック!抑えの効いた強烈なライナーがゴール向け一直線に飛んで行ったが、壁に当たってしまった。
 名古屋はサンフのミスにつけ込んでサイドに展開、岡山と中谷のスピードを活かしてカウンター攻撃を仕掛ける。特に左サイドの中谷はどんどんタテに抜けてきてサンフDF陣を脅かした。中に折り返せば、見かけによらず小技のあるピチブー、簡単にはたいて鋭くスペースに飛び出すイヴォ、それらの後方から抜け目なく狙ってくる直志と揃っているのでヒヤヒヤな場面もあったが、この日も動いているトゥーリオや、暑くなって本領発揮か不思議守備全開のビロングがはね返す。何処がどう不思議かは、言葉で説明するのは難しいので、実際に生で見てね。しかしビロングやる気が出すぎてやりすぎちゃってイエローをもらい、これが累積3枚目。次節、仙台戦には出場停止となってしまった。うーん、まいっちんぐ。
 さて時間が経つにつれ、サンフの集中力が途切れがちになり、ミスパスでボールを失い速攻を食らう場面が増えてきた。イヴォがシュート!下田の正面で事なきを得る。松下のロングパスを狙われたようで、彼のパスがインターセプトされることが多くなった。それにつれて中盤で押し込まれ始める。名古屋の攻勢となった。しかし、名古屋も次第にゾーンプレスの弊害で運動量が落ちてきてイーブンに。その中、0−0のままハーフタイムとなった。
 後半立ち上がりもサンフペース。オーバーラップの井手口、ミドル!外れる。藤本のクロスがコントロールミス、しかしゴールへ向かっていく、楢崎ジャンプ、届かない・・・バー直撃!うん、まあまあ良さそうだ・・・と思っていたら、左サイドで久保がボールを奪われた。そのまま一気にサイドを破られ、ピチブーとのワンツーで岡山が深く切り込みセンタリング!ニアに飛び込むイヴォを囮に、壁パスを出した後大きく回りこんでファーに飛び込んだピチブーがフリーでヘッド!下田が弾く、しかしこれがポストに当たってゴール前にはね返った。そこにいたのはイヴォ。体ごと押し込んで名古屋先制!!
 駒野が意表をつくミドル!楢崎はじくのが精一杯でCKに。服部が向かう。ショートコーナー、藤本が返して服部がクロス!中央で大木が反らしてファーでトゥーリオがダイビングヘッド!・・・サイドネット外!惜しい!!
 サンフは前線で活発にパスが回っていたが、最後の崩しがない。大木も久保もパス優先でシュートに行く気概が見えない。そのうち二人の運動量が落ちてくると、ボールが収まらなくなり前線でためが作れなくなった。特に久保が、ポストプレイはできない、シュート撃たない、で「疲れてんのか?」と思ってしまう。プレイが切れたときの仕草を見ると、実際疲れていた。藤本がなんとかしようと頑張るが、低い位置でボールを受けてしまうので、ドリブルでの仕掛けがなかなかかけられない。カズもボールをつなぐのに精一杯。松下は消えてきた。
 左から服部のクロス!飛び出した久保が市原戦ばりの高いジャンプ!しかし寸前で楢崎が宙を舞ってキャッチ!
 ここで松下>中村、大木>茂木。中村は左に張り、久保が中央に固定され、茂木がその左右を動き回る、という形になった。これでやや持ち直したサンフ、サイドからの攻撃で活路を見出そうとする。カウンターも受けるが、ビロングとトゥーリオの頑張りでことごとくはね返す。名古屋も次第にきつくなったか、駒野やカズの突破を止めきれず、イエローがかさみ始めた。FKのチャンスを得るが、それを決めきれない。左CK、ファーでトゥーリオがヘッド!これもサイドネット外。トゥーリオ空を仰ぐ。
 久保にボールが入ってもしっかり収まらない。高橋に代えた方がいいんじゃないか。高橋コールが巻き起こる。しかし、三人目の交代はない。
 時間がなくなってくる。服部の右CK、楢崎がパンチングするが小さく、ゴール前混戦となる。サンフがシュートを立て続けに放つが、名古屋DF陣がブロック、PA外にこぼれたボールをカズが狙いすましてミドル!しかしDFに当たって大きく跳ね上がり、バーの上を越えた。
 反転し飛び出す茂木にスルーパス、抜け出したところで足をかけられFK奪取!さあキッカーは藤本、キック!しかしボールはゴールの枠を大きくハズレ越えていってしまった。枠に飛ばせ。
 ロスタイム3分。しかし今回は前回のような奇跡は起こらなかった。0−1、サンフ、ホームで連敗。
 よくやってるのはわかる。どうしようもない敗戦ではなかった。事実、名古屋の決定機はヴァスティッチのゴールのときくらいのものだった。最近破壊的な得点力を誇っていたガンバと名古屋の攻撃をほぼ封じていたし、攻撃も、いいときはちゃんとパスがつながっている。
 ・・・・ただし、プロは勝たないと銭にならないことを改めて肝に銘じてほしい。惜しい敗戦より、内容がダメダメでも勝ったほうがより価値がある。勝つためにどうするか、を考えながらやってくれ。今のやり方を信じているのなら、それを貫き通せ。そして京都のように進撃して見せろ。
 今のサンフは、ボールはつながっているが得点の気配がない。シュートに行かない、シュートが枠に行かない。どこかめっちゃ弱いところと練習試合して点の取り方を思い出してみたらいいんじゃないか。
 次の仙台戦は、アウェイながらもう落とせない一戦。しっかり休養して、万全の状態で臨め。これ以上、「負けたけど悪くなかった」という言い訳はなしだ。負けるということはJ2への道。「J2に落ちちゃったけど悪いサッカーじゃなかった」というのはありえない。だいたい、「負けたけど悪くなかった」というのは、言い換えれば「いい試合をしたけど勝てなかった」、つまり「ベストを尽くしましたが相手は一枚上手でした」究極的には「自分は相手より弱かった」といっているのと同じ。もういくら内容が良かろうと、負け試合で満足するな。価値のないものに満足していては成長などありえない。勝って満足しろ。
 FWの皆さんはお疲れならば、磐田戦に向け休んでもらって、ユタカやモギモギやナルさんに任せてみてはいかがか。特にナルさんは仙台の地理とか内情をわきまえてそうだし、おすすめかもよ。モギモギも動きの質がいい。阿部ユータローに話題を独占させてたまるか。
つーかコリカ戻ってきてマジで。
 さーて『GUNGRAVE』でバリバリ撃ちまくって気分転換だー。


7月24日 広島スタジアム 晴
VSガンバ大阪

 仕事を早めに切り上げて高速を飛ばし広スタへ。到着は19時20分過ぎ。スタジアム周辺の駐車場は当然埋まっていた。じゃ最果て駐車場か・・・と思っていたら何とそこも満車。ええー!!平日なのに!?かくて更に奥、海のそばの観音マリーナの有料駐車場へ。ここまでくると、常世の国に足を突っ込んだ感じだ。バスに乗ってスタジアムへ。
 まだ0−0だった。メンバーは、
サンフ:GK下田、DF駒野、トゥーリオ、ビロング、服部、MF沢田、カズ、松下、藤本、FW久保、大木。
ガンバ:GK都築、DF宮本、山口、木場、MF森岡、遠藤、ファビーニョ、アライバ、マルカリ、FW吉原、鮪。
この暑さと湿気で双方動きがやや悪げだが、まあ互角の試合を繰り広げている。サンフのほうが速攻でより決定的な形を作っているようだ。そのうち前半が終了。
 後半もほぼ互角の展開。ガンバはさすがにキープ力のあるマルカリや遠藤を中心にボールを支配しているが、サンフは中央をがっちり固めて決定機を作らせない。マグロンや吉原がほぼ消えている。サンフは逆に速攻から藤本、服部、大木、久保のコンビネーションで次々にゴール前に迫る。大木、藤本、久保がシュートを放つが、惜しくも枠を捉えない。大木>高橋。そしてその中、小さかったクリアボールをマルカリに拾われて蹴り込まれ、先制されてしまった。ありゃ・・・ここまできっちり抑えてきたのに・・・
 松下>中村。彼を左に張らせ、藤本・服部と絡ませサイド攻撃を繰り出す。しかし、中央の久保がいまいち動きが悪い。すると就任2戦目の木村監督は思い切った手を打ってきた。
 久保>茂木。
エースを下げ、ルーキー投入。果たしてどうなる?
 サンフの選手がガンバの選手ともつれて倒れる。ボールはそのままアウトサイドでフリーの服部へ!よしチャンスだ!
しかしここで辺見の笛!!
なんで流さんのじゃボゲェ!!
全くヤツは・・・・相変わらず場の流れや空気を読めないヤツ!ちったあ成長しろや。
 守備に入ってきたガンバを次第に崩せなくなってくる。逆に反撃からマグロンの決定的ヘッド!しかし下田がファインセーブでキャッチ!
 ガンバは柳本投入、完全に守りに入る。茂木が、藤本がシュートを放つが都築が防ぐ。そしてロスタイムに。3分。ガンバはボールキープ、サイドに逃げてキープ!1分、2分・・・宮本がサイドに蹴り出し、サンフ陣のコーナーポストでキープ!この野郎め。しかしサンフがボールを奪う。素早くボールをつないで右に展開、開いていた高橋が中へ入れる、藤本がスルーしてゴール正面の茂木へ、DF二人が付く、反転して撃てるか!?いや後方に落とした、そこに背番号3が走り込む!
 右足が一閃し、地を転がって走ったボールは都築の手の先を抜け、ゴール左スミに納まった。試合終了間際、まさかの同点ゴール!!歓喜に爆発するスタンド!私も我を忘れて喜び・・・気が付いたときにはキックオフ、ガンバが素早くゴール前に入れ、しかし副審が旗を上げる。オフサイドか、よし延長・・・しかし様子が変だ。PK!?な何で!?オフサイドじゃないんか?ていうか、さっきの同点ゴールで既にロスタイム3分消費してるだろ!!なんでガンバにそんなにプレイ時間があるんだ!?
 PKをマグロンが蹴りこみガンバが再び勝ち越し、サンフのキックオフの直後に試合終了の笛。
 もし私が「銀の戦車(シルバー・チャリオッツ)」を使えたなら、間違いなく辺見を
「針串刺しの刑だッ!!」
に処していただろう。
「勝点を盗まれた」と言ったイタリア代表の気持ちがわかったね。
 同点に追いついた直後にあそこまでやすやすと押し込まれてしまったサンフのほうにも非がないこともないが、流れからいってあそこはガンバのキックオフ直後に笛、が当然のパターン。すでに3分は過ぎていたんだから。辺見の常識のなさには毎度のことながら呆れる。つーかそれでも、トゥーリオのファウルを取ったみたいだがその前にオフサイドが優先適用されるだろ普通!!マルカリが倒れたのはどう見てもパスが出たあとだったんだから、パスが出た瞬間に成立するオフサイドを先に取るのは当たり前・・・暑さと湿気に、もともとない判断力をさらに欠いてしまった辺見に見事にやられたゲームだった。
 まあ過ぎたことはしょうがない。これで、これ以上はもうホームでは負けられない。次の名古屋戦は、絶対に勝つ。今日の恨みを名古屋にぶつけろ。グランパスエイトだけに、存分に八つ当たりしちゃってくれい!!
 ビデオを見たが、マルカリはオフサイドではなかった。トゥーリオのプレイは微妙だが、マルカリの前に出てボールをカットしようとした意図は感じられた。こういう場合にもつれても、ボールの競り合いとみなされ別にファウルとはならないんじゃないか?ファウルなら、得点機会阻止でレッドを出さないとおかしいのでは?ロスタイムもとっくに3分を回っていたし、やっぱり辺見の考えることはよくわからん。



4月21日 広島ビッグアーチ 曇
VS清水エスパルス

 ちょっと風邪を引いてしまい体が重く、さらに朝から雨のそぼ降るあいにくの天候、しかし西から回復傾向だし、私が行けば雨くらい止むもんだ、と正午前に家を出る。メンデルスゾーンの劇音楽《アタリー》、《コロノスのオイディプス》を聴きながらビッグアーチへ。着いた頃には雨は止んでいた。
汝らユダの民よ、泣くのを止めよ!われらが軍勢すべてに喜びを満たせ。
敬虔なるダヴィデは回復せん、不従順によりサウルが失いしものを。
万軍の主はダヴィデの友にして、その軍勢の行くところ、勝利あり。

剣を帯びよ、汝力強き戦士よ!常なる名誉を求めよ。

進め、戦にては好運なれ、ヘブライの名を回復せよ!・・・
 車内で一休みし、最後にヘンデルのオラトリオ《サウル》の終曲を聴き、車を出る。サンフにも若きダヴィデが登場するか否か?
 うどんを食べ、B6下上段に腰掛ける。体が重すぎる。試合開始までは座っとこう。
 電光掲示板に他会場の結果と途中経過発表。今日やってるのはこの試合とあと仙台の・・・仙台0−0清水!?え、清水はAチームとBチームで今節やるんすか。FC東京はいずこ?・・・しばらくすると仙台0−0FC東京となった。なんだ、つまらん。
 オーロラビジョンでは来場した団体名が流れる。その中に、
「黒河貴矢ファンクラブ」
があってたまげた。
 メンバー発表。サンフは、
GK下田、DF駒野、トゥーリオ、ビロング、沢田、MFカズ、桑原、梅田、藤本、FW大木、久保。
川島はベンチ。トゥーリオがCBで先発した。桑原も久々の先発。守備で頑張ってもらいたい。
川島以外のリザーブは、GK尾崎、DF中村、MF浩司、FW茂木。
対する清水は、
GK黒河、DF池田、大榎、古賀、MF戸田、吉田、市川、アレックス、平松、FWバロン、澤登。
両翼のアタックを封じたいところだ。
 試合前にDJさんが、
「ここまで延長突入がないのはサンフレッチェだけ!勝つも負けるも90分で決着!」
だからどうした。しかしこれが微妙な伏線となる。
 試合開始!まずはサンフが押し込む、そして左からのクロスに中央久保シュート!弾かれるもクリアボールの先には桑原、ダイレクトで蹴り返す!
ポスト直撃!リーグ初ゴールならず!
 それから一進一退の展開、清水が左から破ってクロス、しかしクリアでCKへ!しかし中央をケアした沢田にバロンがチャージ!沢田はそのまま倒れて痛みにのたうつ。立ち上がれない、これはマズイぞ・・・飛び込んできたドクターは即刻バツのサイン。急遽川島が入ることとなった。バロンに対しスタンドから怒号が沸き起こる。
 市川はその川島が、アレックスは梅田と駒野の二人で抑え込み、清水の攻め手を確実に摘む。中央もビロングとトゥーリオに桑原でがっちりカギをかけ、平松の突破でヤバい場面もあったがなかなか決定機を与えない。いい感じ!
 藤本FK。小さな助走からキック!壁の外を巻いてゴール右上隅へ!黒河触れない、しかしボールはそのまま右上隅ポストを正確に捉え、はね返った。惜しいイイイイ!アレックスもお返しのFK!下田跳ぶも触れない、やべー!しかし右に外れて助かった。
やっぱりカズが高い位置でボールを持つと攻撃のバリエーションが飛躍的に増える。アレックスの裏を衝いて梅田が、久保が次々に突破していく。市川の裏は藤本が衝き、次々にチャンスを作り出すものの、決定的なフィニッシュまではなかなかいけない。久保は迫力のあるドリブル突破やロングシュートで沸かせる。足を傷めているが、いけそうだ。そのうち前半終了。
 後半開始早々、浩司が出てきた。誰と代わるんだろう。大木か?と、その大木が中盤で吉田のタックルを受けて転倒、担架で運び出される。すぐに浩司が大木に代わって投入。規定路線だったか?吉田にはイエローカード。浩司は左サイドに入った。藤本が中央に回る。
 戸田がカズに背後からタックル、イエローカード。相手がどこだろうとお構いなしです、彼。
 どうも浩司が入って来れない。左サイド、ボランチの位置まで引いておりなかなか攻撃に出て行かない。そういう戦術?いやそれなら中村を入れればいいんだから・・・今までの癖か?今までバランスよく出来ていたサイド攻撃が鳴りをひそめ、清水が押し返してきた。中盤でつながらなくなったサンフのボールをカットし、素早くサイドへ展開してのカウンターを仕掛ける。澤登に代わってつび太登場。ポストプレイがうまい。アレックスのクロスにバロンがヘッド、ゴールネットが揺れる!・・・しかし副審はすでに旗を上げていた。オフサイド。
 サンフは清水の攻勢を受け止めてのカウンター攻撃に変わってきたが、ここから久保が輝き始める。前線で広範囲に動き回り、常に裏を狙いまくる。オフサイドにもかかりまくるがどれも微妙で、確実に敵DFには脅威だろう。パスを受けざま反転してミドルシュート!黒河かろうじて弾く。ライン際ビロングから絶妙のカーブのかかったパスが久保へ!突破してPAに持ち込み、倒されるも笛はなし!上川〜!ホームなんだからファウル取れ!CKからファーに反らし、そこには川島!しかし胸でのトラップが大きすぎGKにキャッチされる。
 久保に入れてのカウンターが決まり始めて押し返してきたところで、後半終了のホイッスルが鳴った。えーと・・・私は延長なんていつ以来だ?2000年の第2ステージ、鳥取での鹿島戦以来か・・・あの時は負けたなあ。
 梅田に代えて中村投入。ビロング、トゥーリオ、川島のスリーバックとなる。開始からサンフが押し込む。久保が、藤本が、浩司が立て続けにシュートを放つが、黒河が素早い飛び出しで間一髪防ぐ。久保の突破にはDF陣がファウルすれすれのチャージで止める。カズが絶妙な配給でサイドに散らし、波状攻撃を仕掛ける。清水はボールがつながらず、守勢一方となった。得点が入らないまま延長後半へ。ここで藤本に代わり茂木登場!入れてくれ!茂木はセンターに陣取り、久保がサイドに開くという戦術に。とにかく清水DF陣が久保を全く捕まえられず、3人がかりくらいでないとボールを奪えない。久保に入るとそこからことごとくサンフのチャンスとなる。攻めて、攻めて、攻め倒す。ボールを奪った川島ががら空きの中盤を引き裂くドリブル!一気にゴール前まで迫る。そのままシュートだ!しかしここで川島、逆サイドに走り込んできた久保を目にするとスピードダウン、パスしようかどうしようか迷ったあげくにDFに詰められてしまい、タテへかわしたもののボールは黒河の懐中へ。なんでシュート撃たんのや!!!そこは笑う、もとい撃つとこじゃろう!久保や藤本があんだけハズしてるんだから、おまえが1本外したくらいで責めはしないのに・・・トゥーリオなら間違いなく撃ってるぞ。決まるかどうかはともかく、サカー選手ならゴール前では撃て!川島、こんどまでの宿題な。
 そのまま試合終了、0−0のドローとなった。
 やっと形ができてきた。去年より仕上がりは早いぜ。シュートが入らなかったのはここまで来るとツキがなかったという感じ。攻めの形は出来てきたし、守備も安定(トゥーリオはやや引きすぎだが)、清水のサイドアタックをほぼ完全に封じ込めたし、服部が帰ってきたら、大反攻開始だ。
沢田の足は気がかりだが・・・試合後出てきたときは歩いていたから骨には異常はないんだろうけど・・・バツがすぐに出ていたってことは、靭帯か・・・・?



4月13日 広島ビッグアーチ 晴
VS横浜F・マリノス

 4月から配置転換で仕事が忙しくなったので、この日は朝からひどく体がだるく、それでももちろんビッグアーチへは行かねばならないので車で家を出たが、山陽道走行中2回ほど寝そうになった。それでも何とかがまんして12時過ぎに五日市ICで下りる。料金所のところへは結構車がいたのだが、ビッグアーチ前の駐車場はまだガラガラだった。今日はスンスケ君のいるえふまり戦なのに・・・やっぱりみんな現在好調のカープの応援(VSスワローズ)に行っちゃったのか。昨日は前田がHRかっ飛ばしたからなあ・・・それにオトナはやっぱりみんな仕事なのか。広島県では週休二日制なんて口だけだからな。それに会社は期が変わったばかりで忙しいし・・・車を止め、しばらく休んでから出る。
 先日ファンクラブのカードが来ていたのでそれを見せて年間パスを買い、スタンドへ。売店にはスンスケギャルや上野ギャルが闊歩している。俺王ギャルはいないのか。そこら辺にあるものを食って一息ついているとメンバー発表。
 サンフは、大木が復帰して4−4−2に戻した。ただ浩司の代わりにミロがスタメンに入っている。
GK下田、DF駒野、川島、ビロング、沢田、MFカズ、梅田、ミロ、藤本、FW大木、久保。
リザーブはGK尾崎、DFトゥーリオ、MF桑原、浩司、そして初のベンチ入りとなるFW茂木。
対するえふまりは、
GK榎本達、DF中澤、松田、小原、MF上野、奥、波戸、ドゥトラ、中村、FWウィル、木島。
リザーブには坂田がいる。U−19代表FWコンビが双方のベンチに座るという状況となった。
 今日からの新応援コール「HIROSHIMA NIGHT」の練習。そのうち、選手たちがアップを終え引き上げる。そして入場、桑原の200試合出場を祝って花束贈呈。彼もサンフの苦しい時期から頑張ってきた人間、ぜひ活躍してほしいが。
 試合開始!まずは中央に絞ったミロが左サイドに流れる久保にロングパス、PA付近で落下点に入った久保はそのまま左足一閃ダイレクトボレー!ボールはゴールを襲ったが、榎本がとっさに反応してゴールライン外にはじき出した。いきなり出た!昨日の練習を捻挫で休んだそうだが、これなら大丈夫・・・か?
 前節浦和相手にボロボロだった守備陣も何とか無難に守っていく。俺王はビロングが見ていた。ビロングはフィジカルではまず負けないので(軽くショルダーチャージしただけで俺王吹っ飛んでしまう)、俺王は次第にゴールから遠ざかってボール回しをするようになっていく。もう一人の木島は、サンフ守備陣が大の苦手のスピード系選手。ガンガン飛び出してゆく。これに後方から上野、奥、中村から精度の高いパスが飛んでくるため、オフサイドをまだ確実に取れないサンフDFラインが徐々に下がってきた。そして、PAすぐ外中央やや右側でビロングがファウルを犯しFKを与えてしまう。あれしきで取るとは神経質だな。しかし・・・スンスケ大好きな位置じゃん!俺王もやってくるが、スンスケ君は、

「オレは一国の代表選手。貴様ごときとは格が違う」

とばかりに牽制。
 サンフはみんなが下がってきて、壁10人。俊輔軽く助走を取り、左足一閃!ボールは壁を全く問題にせず鋭く曲がり落ち、下田のセーブの届きようのないゴール左スミに飛び込んだ。えふまり先制!FKってこんなに簡単なものなのか、と思ってしまうくらいの鮮やかな軌跡だった。
 これでスンスケ調子に乗った。CK、FKが恐るべき精度でゴール前に飛んでいく。もうチームの勝敗よりもW杯に向けてのアッピールで頭が一杯なのだろうが、代表候補のオックンが代表滑り込みを狙っているのか彼の周りを衛星のように回ってプレイを合わせているので、チームプレイがギリギリ機能している。上野を起点にしてこの二人が繰り出す自在のパス回しにサンフは時間が経過するごとに全く対応できなくなり、プレイが常に一歩ずつ遅れ、背後からのチャージが多くなり、背後からのプレイにひどく神経質な布施さんはイエロー連発。サンフはあっという間に4枚のイエローをもらってしまった。サンフは攻撃でもえふまりのプレスにボールがつなげず、個人技で5人くらい抜くしか攻め手がないという状況に。つまりマラドーナでもいないとどうしようもないということだ。FKのチャンスも得るが、ミロのFKはわずかに上へはずれ、藤本のFKは誰もさわれずゴール右ポストをかすめてラインを割った。大木は豪快スルー(後ろに誰もいなかった)を披露。
 前半はそれ以上の進展はなく、一言でいえばプレイスキッカーの差、といった前半が終わった。しかしこのままでは勝てる気は全くしない。攻撃が全く手詰まりで、サイドに開いてもバックパスしかない。カズが低い位置でしかプレイできない。ディフェンスはまあ最後のところでは破綻していないし、後半からはボールの全くつなげない中盤のテコ入れをしなければ・・・
 しかし選手交代はなく後半開始。しかしハーフタイムでの指示がきいたのか、サンフが徐々に押し込み始める。前線の3人が激しく動き、右サイドの駒野が飛び出していく。えふまりも、中盤は支配しているもののトップが抑えられて手詰まりになっているため守勢に回り、ファウルがかさんでくる。そのたびにFKのチャンスがあるのだが、これを決められない。プレイスキッカーというのは大切だなあ・・・あとビロング、それだけ長身なのになんでヘッドが下手ですか。サンフのプレイヤーはとにかく頑張ってはいる(ミロは倒れこみながらもヘッドでボールをつないだりしていた)が、それが結果に結びつかない。ゴール前の決定的な場面も、榎本が運良く正面にいて弾き飛ばす。えふまりは攻撃テコ入れのため木島に代わって坂田登場。
 
 久保の動きに精彩がなくなってきた。好調時の躍動感が全く見られない。プレイが中断したときにガジ書記長が珍しく出てきて久保に向かって両手で「交代するか?」のサイン。ほどなく浩司が出てきて、久保と交代。足の状態がやはり万全ではなかったようだ。浩司は右MFに入って梅田がトップに入る。しかしサンフの攻撃は確実にトーンダウン。逆にスンスケ君のFKがバー直撃。
 スンスケは他にも鮮やかなサイドチェンジや、レアル移籍を意識したかジダンの真似して足裏フェイントから二人抜き去って突破したり、やりたい放題。サンフはそれにプレスすらかけられず、前半もらったイエローの影響か強く当たれず反対にひっくり返されてしまうなど情けない場面連発。

 後半35分になろうとする頃、書記長は沢田に代え桑原投入。何を今さら・・・出すんならもっと早く出せ。時間は経過し、ロスタイムに。ここでえふまりは時間稼ぎに坂田>久永。対してサンフもカズ>茂木。茂木J1デビュー・・・って、1点ビハインドのロスタイムに出てどうしろと?こっちが時間稼ぎに協力してどうする。その交代の直前、ミロが相手に奪われたボールを取り戻そうとチャージ!これがモロに足をすくってしまいイエロー。この日2枚目で、退場となった。これではもうどうしようもなく、川島がボールを奪っての一か八かのドリブル突進、これをストップされると左サイドに張ったスンスケへ展開される。彼はダイレクトで中へ入れる、そこにどフリーで走り込んだのは交代出場の久永。飛び出した下田(出るのが遅いよ!)の鼻先でちょんと合わせ、ゴール右隅に流し込む。0−2、ここで勝負は決まり、同時にホイッスルが鳴った。
 2戦連続ホームで無得点という、昨年は考えられなかった失態。それでも選手のやる気は確かにある(プレイに絶対の自信があるかどうかはまた別だが)。あとはやり方・・・ちょっとかみ合えば元に戻るはず。みんな若いんだから、下手に萎縮せずパーっと行け。
「『男ならやってやれ』だ!」
とセクシーコマンダー・マサルさんも言っている。やってやれ。
 あと書記長、システム変えましょう。京都に中盤支配されていたような今のフォーメーションはやめて。札幌戦では、相手のやり方がダメすぎたから成功したということはもはや明白デス!
さもないと、このまま行くと1969くらいにしか勝ち目ないですよ?Jのレベルと選手の適性を考えて、普通にやりましょう。ていうか高血圧で苦しんでいるそうですが大丈夫ですクワ?ロシアの人は土地柄か高血圧とか心臓病の人多いんでしょうか、ロバノフスキーさんとかニポさんの奥さんとかもそうでしたね。気をつけて。
 選手も彼の血圧上げさせんな。
 しかし、この電波がお茶の間に流れるかと思うと、ひどく恥ずかしい。インテリジェンスやファンタジーに溢れるサッカーでも、気迫と勢いで押し切るサッカーでもいい、観る者を魅せるサッカーをお願いしたい。この日結局どこのニュースでも、映っているのはスンスケ君だけだった。他の選手は、えふまりの選手すら無視状態(得点をあげた久永はまあ別だが、所詮は刺身のツマ)。つーことは、彼以外の21人はインパクトナッシングだったっつーこと。頼むよプロフェッショナルのあんさんら。


3月31日 広島ビッグアーチ 晴
VS鹿島アントラーズ

 センバツは広島勢(および中四国勢)快勝、カープも白星発進で野球のほうは快調。サッカーのほうもこういきたいね、と思いつつ、ハインリヒ・シュッツの《復活祭オラトリオ》を聴きつつビッグアーチへ。家を出たときに夕立に遭ってひえーと思ったがじきに止んだ。それにしても中国からはるばる飛んできた黄砂の影響か、遠くが霞んでいる。
 13時20分ごろ五日市ICに着いたが、ビッグアーチ前駐車場はすでに一杯。今日も広島市民球場ではカープVSベイスターズがあるのだが、さすが相手が鹿島だけあって結構な人出らしい。ていうか相手がどこでも鯉、いや来いって感じだ。
 西風新都のほうの駐車場に止め、てくてく歩いて正面に回り、遅ればせながらファンクラブに入会してスタンドに入る。
 1時間前ながらまあまあ入っている。このまま行けば1万2千はいくだろう・・・B6付近の密度も高い。
 サンフは大木がスタメンから外れ、代わりにミロが入っている。FW登録だが左の攻撃的MFに入るんだろう。森崎兄弟のドイスボランチ、4−5−1だ。
GK下田、DF駒野、川島、ビロング、沢田、MFカズ、浩司、梅田、藤本、FW久保、ミロ。
リザーブはGK尾崎、DFトゥーリオ、MF桑原、FW高橋、大木。
 鹿島は出場停止の秋田の代わりに金古が入っている以外はベストメンバー。代表組も全員登場だ。
GK曽ヶ端、DF名良橋、金古、ファビアーノ、アウグスト、MF熊谷、中田、本山、小笠原、FW柳沢、鈴木。
 さて試合開始。鹿島のサポーターは、ミーハー系が多いのか、数のわりに声が出ていない。京都のほうが凄かったな。序盤はどちらともいえなかったが、徐々にサンフが押し込んでいった。ワントップの久保を中心に、2列目が融通無碍にポジションチェンジしてゴールに迫る。ファーストシュートは小笠原のFKから柳沢のヘッドだったが(下田の正面)、サンフも浩司のCKからファーの川島がヘッド!しかし曽ヶ端キャッチ。叩きつけてりゃ入ってたぞ今の。久保は海外遠征の疲れを感じさせない体のキレで、ポーランド戦でもやっていたように前線からさかんにチェイスをかける。サンフの攻撃をしのいでほっと一息のボールキープしていた金古に向かって猛然とアタック!これに恐れをなした金古はあっさりとボールを譲渡。ボールを奪った久保は切り込んでシュート!外れる。金古不勝神話、健在か?
 しかし、鹿島中盤からロングボールがサンフのラインの裏へ。これに反応したのが焼豚、いや柳沢。川島のマークを振り切って走る。ボールはPA左上スミをかすめる位置へ転がっていく。加速した川島が追いつきそう、だが下田が飛び出した。しかしタイミング的に間に合わない!ヤバい!
 ボールが抜ける、柳沢も抜ける、その時下田が柳沢に激突した。柳沢は転倒。すかさず笛が吹かれた。PAの外・・・・・・こりゃあ、出るな。
 レッドカード。下田退場。うーん、ほっといても柳沢はあの位置からシュート打たないし、打っても入るわけないし、カウンターのため他に攻めてくるのいなかったんだから、そのまま川島に任せりゃよかったのに・・・まだ前半だというのに、なんて軽率なプレイだ!ふと神戸ユニバーでの神戸戦を思い出した。下田って、けっこう飛び出し苦手?
 当然GK尾崎が入ることになる。誰に代わる?久保、そして森崎兄弟のドイスボランチは代えられないから、攻撃的MFのうち誰か・・・ミロだった。キレが良かったのに残念。
 小笠原のFKを防ぎ、サンフは攻撃に出る。いい形も創り出すが、やはり前線に人が足りないので決定的な場面にまではいけない。鹿島はシンプルにサイドを突いてくる。沢田が鈴木とマッチアップ、しかし沢田はあっさりひっくり返されてしまった。さすがにフィジカルだけは強い。
 アウグストのクロス!ファーサイドで熊谷ダイビングヘッド!GK尾崎ストップ。何だかんだいって反応は一級だ。アジアクラブ選手権決勝のゴールマウスを守っただけはある。そういえば去年は福岡のGKとして対戦したね。本山、ワンツーからスルーパス!ラインの裏へ飛び出した鈴木にピタリ!鈴木反転、フリー!PKスポットより近い位置、やられる!・・・しかし鈴木は何を思ったかバーの上へナイスクリア。相棒の柳沢も外しまくっていた。それでも日本代表か!?まあ代表ではそれぞれDFとMFだし、しょうがないか。サンフの最終ラインは6バック状態。
 その不発二人はさておき中田浩二はいい。久保のシュートコースに果敢に飛び込んでブロックしたり、左サイドを破ってクロスを上げたりと八面六臂の活躍。小笠原も、最少の動きで最大の効果を得る老獪な動き。本山はせっかくドリブルするのにパスを出してもFWがダメダメなので骨折り損。
 この日はビロング大当たり。柳沢の後ろから近づき、にゅっと足を伸ばしてボールを奪ったり、また鈴木や本山を赤子扱い。ただ直後にパスミスするのをやめてほしい。そのうち0−0で前半終了。
 今のところ互角だけど、後半を戦うには桑原を入れて純粋にカウンター狙いしかあるまいよ、と思っていたが、メンバーチェンジなしで後半開始。だがほどなく体調不良気味の梅田に代わって桑原が入った。200試合出場達成!状況がアレなのが残念だが・・・・それに左サイドのケアばっかりでいつものような中盤全域を走り回る姿が見られない。やはり沢田の左サイドは・・・なのか。うーん、服部が戻らないといかんともしがたいかな、ここらへんは。
 だんだん鹿島のペースになってくる。前線からプレスがかからなくなり、鹿島が自在にボールを回してゴールに迫る。立て続けにきわどいシュートを打たれるが、ここに立ちはだかるのが尾崎、ことごとくキャッチしてしまう。またビロングもゴールに近づくものをシャットアウト。必死で守る。だがついにそれが破れた。ビロングがPAやや外でファウルを犯しFK。小笠原がキック!鹿島の選手がニアに飛び込み、それにつられてサンフの選手もニアに雪崩れる。だがボールはその後ろ、ゴール中央へ。そこに残っていたのは中田浩二!立ったままヘッドで叩きつけると、ボールはワンバウンドしてゴールに飛び込んだ。
 こういう難しい試合に先制したアントラーズは強い。無理をせずにボールを回して逃げ切りに入った。サンフも中盤のボールカットから浩司が鹿島の裏へパス、藤本が完全に抜け出したが、曽ヶ端が猛然と飛び出して決死のスライディングタックル、藤本転倒するもノーホイッスル!ビッグアーチが怒号に包まれる。下田退場で曽ヶ端はお咎めなしか。さすがに代表選手は優遇されるようだな。・・・といっても主審は近いところで見ていたし、正当なタックルだったんだろう。もしあんな鋭いタックルをまともに脚に食らっていたのなら、藤本は今ごろ立てていない。
 久保はさすがに疲れてきたようだ。精彩がなくなってくる。浩司に代わってトゥーリオが入るとき、鹿島も本山>平瀬の交代で「10」のボードが出たのだが、久保はそれを自分と勘違いしてタッチラインを出ちゃう場面も。藤本がトップの位置に入って奮闘するも後ろがついてこなくなった。トゥーリオも柏戦で見せたような、クロスかシュートかわからんようなキックでラインを割り、みなの嘆息を誘う。1万4千の大観衆も必死の応援を繰り広げたが、藤本が意地で奪い取った最後のFKも曽ヶ端がキャッチしてホイッスル。0−1、いつ以来?のホーム完封負けとなった。(一昨年の川崎F戦以来かひょっとして)
 とりあえず、「金古、スタメン出場勝利おめでとう!」
 まあ、ダメダメな悪い試合ではなかったので、挨拶に来た選手たちには拍手とサンフレッチェ・コール、そして尾崎コール。あと走り回った藤本&沢田を讃える。サンフのバスを拍手で送り出し、あとは他会場の結果、またカープと広島商が勝ったことを確認し、ボールをちょっと蹴ってから帰った。
 今年は悪い負け方がまだないのがいいところだ。次のホーム、ビロングVS俺王に期待。セットプレイはしっかり守れ。あとこっちのセットプレイ、長身の選手があれだけいるんだから、ちゃんとしたボール蹴らんかいっ!以上。


3月16日 広島ビッグアーチ 晴
VS京都パープルサンガ

 某稲城系サイトで『銀河英雄伝説』に登場した艦艇の数々を見ていたら、いつの間にか3時を過ぎていた。いかーんと思ってすぐに寝て、9時過ぎに起きた。ついサカつく2002をやり始めたら、これがまったく勝てずに11位と12位を行ったり来たり。カーッとなって試合を重ねたが泥沼に。ふと気づいたら12時をとうに回っていた。ちくしょー、金が入らないから補強もままならん。くそ福山市のやつらめ、もっとスタジアムに来やがれ、このモノグサどもめ。もちろんゲームの中の話デスので、聞き流してください現実の福山市の方々。キリは悪いがセーブして電源を切って飯を食べ、支度を整えて車に乗る。13時10分。着くのは15時ごろか・・・
 15時少し前にビッグアーチ前の駐車場に車を止める。ありり、この時間にここへ止められるなんて、ひょっとして今日少ない?そりゃ市民球場でオープン戦やってるし、相手が京都だけど(京都の方、すみません)・・・開幕戦では5−1だったのになあ。ともかくビッグアーチへ。
 まずうどんを食べているとTomoさんに会う。あとたこ焼きを買ってB6へ向かうと、dgさんとハウス猫さんに会う。応援掲示板で話が出ていた、サポーター機関紙をいただいた。熱い内容だ!今日はB6上とスタンド最前列に固まっていたメンバーのうち何人かがB6下中段に入ってコールをするみたいだ。では私もこのへん(B6ゲート隣)で声を出すかな。
 仙台5−2柏に驚愕。サンフマニアのペリマンさん、前節サンフに勝って、あとはもうどうでもよくなったようです。
 主審辺見にまた驚愕。
サンフのメンバーは変わらず。京都は、
GK上野、DF鈴木和、佐藤、角田、MFパク・チソン、石丸、アン・ヒョヨン、中払、松井、鈴木慎、FW黒部。スピードのあるやつが多いので注意が必要だけど、4点くらいは入れなきゃあ、と軽く思っていたのだが・・・
 試合開始。さて、行け!・・・しかし、行くのは京都。素早いプレスからボールを奪い、アン・ヒョヨン、鈴木慎吾らスピードのあるサイドアタッカーを走らせる。サンフはパスがつながらず、ドリブルで突破を図るがうまくいかず、ボールを奪われサイドを破られ、を繰り返す。右サイドでは、梅田と駒野が慎吾や中払をストップしえていたが、左サイドは、まだちょっとポジショニングが怪しい浩司と本来のポジションでない沢田が破られまくった。ガタイが良いわりに速いアンは沢田をまるで問題にせずフィジカルで圧倒し抜きさるし、さらにその後方からはチソンが上がってくる。そしてついに最終ラインが決壊、パク・チソンが突破して切り込み、追いすがる沢田と飛び出したビロングが衝突して転倒。チソンは悠々PAに侵入しセンタリング、川島のマークを外した黒部がピタリと合わせた。眼前でのこのシュートをいったんは下田が素晴らしい反応で手に当てたが、黒部はこのこぼれ球に反応して押し込み、京都が先制した。なんてスットコな失点だ。
 反撃しろ!・・・しかし、ペースは変わらず。キャプテンマークをつける下田もキックミス連発。何やってんだー!!京都は実にスピーディーな攻撃を地道に続ける。このままでは・・・と引き始めたころ、久しぶりに右サイドからサンフが押し込んだ。京都クリア!しかし寄せていった駒野の体に当たりボールが浮く。駒野は肩でワントラップして足元にボールを落とし、ゴールライン際からセンタリング!ゴール前に曲がり落ちるボールにヴァイオレット・カラーのユニが舞った。高い打点の豪快なヘッドがゴールに突き刺さる!1−1同点!スコアラーは、久保竜彦!
 リプレイで見ると、昨年の2nd開幕セレッソ戦でのそれを彷彿とさせる、素晴らしい跳躍からの打点の高すぎるヘッドだった。このゴールでサンフが盛り返す。破られまくっていた左サイドもきっちり対応できるようになり、そのままイーブンスコアで前半終了。
 後半開始。逆転だー!・・・と思いきや、決定機は京都に。黒部がフリーでヘッド!ボレーシュート!幸いすべて下田の正面を衝いたが、どれも決まっていてもおかしくない、危険極まりない場面だった。
 川島はよくやっている。俊足を生かしたカバーもいいし、果敢に飛び出してのインターセプトも見事。ただビロングが何ともいいようがない。ヘッドは横に飛んでいくわ、いったん見送ってクリアしようとし、京都の選手にさらわれてピンチを迎えるわ、パスはたびたびミスするし、そうかと思えばとんでもない俊足で追いついてクリアとか、グーンと足の伸びるタックルとか繰り出して沸かせるし・・・良くも悪くもアフリカ的だ。
 京都はまるでバテない。プレスしまくってボールを追いまわす。中盤では優位を保たれ、2トップにもボールが落ち着かない。どうにも埒があかない中、不調の大木に代えてミロ登場。あんまり上背はないがヘッドが強いぞ。しかし藤本がいささか中央に絞り気味のため、ポジションがかぶって窮屈そうだ。藤本、右に開けよ・・・と、入ってきたボールを梅田がポストで右に開いた藤本にはたく。藤本はボールをキープしながらPAに迫り、スッと侵入するや撃つ、と見せかけ中央にチョン、と出した。誰に?
・・・先ほどポストをこなした梅田が音もなく入ってきた。そして左足一閃!
GK上野は一歩も動けず、ボールはゴール右スミへ!2−1、ついに逆転!梅田!プロ入り初ゴールだッ!なんかメチャクチャ喜んでいるぞ。いやそれも当然か。同じ大卒でもモリツァとは違うぜ。
 ミロ、左サイドから持ち込み、中へ入ると見せかけ一気にタテへ抜けPA侵入、ここで引っ掛けられ転倒!PKッ!・・・しかし辺見はシミュレーションの判定でミロにイエローカード。・・・・・・けっ。
 京都反撃、途中出場の上野優作が下田と交錯しながらループシュート!ボールはゴールに向かう、川島追うが間に合わない・・・ポスト!ひえ〜!
 久保、右から切り込んで右足シュート!バー直撃!惜しい!
 最後に浩司に代えてトゥーリオ投入でスリーバックにして逃げ切り、2−1、勝利!
・・・・よかった、勝てて・・・京都強いじゃん。本当にヤバかったよ今日は・・・ラッキーだった。京都にほんのちょっと決定力があったら、大敗していたろう。柏のように。
でも、今までなら追いついてもひとたまりもなく突き放されていた展開だった。それでも勝てるようになったのは、書記長のしごきの結果だろうか。ビバ書記長!
 さて来週は、今日の出来に怒り心頭に違いない書記長さまによる地獄のトレーニングデスよ。
 それにしても、本当に頑張っていればきっとその報いがある、ということを改めて学ばせてもらいました。次も頼むよ、ウメ!
 あと、恩氏さん、関西以西に来るな。




3月9日 日立柏サッカー場 晴
VS柏レイソル

 火曜日にPS2を買い、木曜日にサカつく2002を買い、とりあえずクラブだけ作った。知人から、「地元以外は認めん」と言われ、でも芦品郡はあんまりなのでホームタウンは福山市に。となったらチーム名は「ロッサ」にするしかないよなー(福山市の市花はバラ)ということで、私のクラブは「ロッサ福山」に。まあ福山市在住のプレイヤーはけっこうこのチーム名にしてると思うが。トッポリーノも捨てがたいところだったが・・・
 さて9日は初の関東遠征。日立台へGo!です。さらに、あの「切腹倶楽部」の青田さんとお会いします。15時に柏駅・みどりの窓口前で待ち合わせなので、金曜日はPS2は封印し、さっさと就寝。そして6時に起床。いそいで身支度し、7時31分発のローカル線で福山駅に出て、9時4分福山発のひかりの券を買う。東京まで行くのなら指定席でゆったり行ったほうがいいと聞くので、みどりの窓口で聞いてみた。禁煙席でお願いします。
「禁煙席はもうないですね〜。喫煙席でよろしいですか?」
イヤです。断じて。神宮寺三郎以外、タバコを吸うことは認めん。では、新大阪からのぞみ乗り継ぎでもいいんですが。
「ああ、それでしたら、新大阪までは今のひかりで席空いてますので、新大阪から、のぞみですね」
こういう機会でもないとのぞみに乗れないから、いい機会だ、うん。と納得して喫茶店で朝食を摂り、9時4分、福山発。
 私は時間とお金を天秤にかけた場合「時間」を優先するタイプなので(だって、お金は働けば戻ってくるけど、時間はどうやったって戻ってこないから)、いくらお金がかかろうが最速のルートを取ります。決してお金持ちではありません。臨海や仙台も行きたいけど、夏のボーナス出ないかもしれないので今から困ってます。
 『黒死館殺人事件』を読み始めたらいきなり「天正少年遣欧使節」が出てきたので、それに関する知識を仕入れるために講談社学術文庫の『天正遣欧使節』を買っていた。それを読みつつ新大阪へ。そこでのぞみに乗り換え、早速疲れが出てきてグーと爆睡。気づいたら新横浜駅の手前だった。ほどなく東京着。さっさと上野へ移動し、なんかメシ食うところないかなと見たけどなかったので、じゃあもう柏へ行っちゃえと常磐線快速に乗り、14時には柏へと着いてしまった。改札そばのベッカーズ(だっけ)でハンバーガーを食べ、駅前をぶらついて新星堂へ入り、3Fの書店で立ち読みして岩波文庫の『どちりな・きりしたん』を買ったり、2FでCDを見て回ってギヨーム・ド・マショーの《ノートルダム・ミサ》(アンサンブル・ジル・バンショワ盤)を買ったりしていると、いつの間にか14時50分に。いけない遅れる!いそいで柏駅に舞い戻る。
 みどりの窓口の前には待ち合わせの人がそこそこいた。どの方が青田さんだろう・・・それらしい方がいらっしゃるが、久保竜彦以上にシャイで初対面の人には弱い私は声がかけられず、確認のために携帯を鳴らしてみる。あ、やっぱりそうでした。はじめまして。初対面はやっぱり緊張します。となりには崖先生とじぇふぃさん、ゆにてぃさんが。崖先生には、この前ネタに使ってすみませんと謝りました。本当に花粉がつらそうです。それから、北屋さんや本田ろぺすさんやきょんさんなど著名な方が続々と合流され、ちょっとした集団になった。わわ、すごい。覚えきれないデス!
 それから最寄の某所に移動、BS観戦に。まずは鹿島VS清水、後半戦から!焼豚王、ゴールエリア内から豪快に外す!それでこそおまえだ!もっとやれ。と思ったら熊谷に間違われた男・池内と代わってしまった。ちぇー、つまんないの。チャンネル切り替え。中村俊輔、俺王様を押しのけ決勝FK!うむ!俊輔、俺王様とのFK争奪戦は目が離せない。そのうち鹿島と清水は延長戦突入。それはほっといて、神戸VS市原に。
 いきなり城の坊主頭アップ。瞬間、一同大爆笑(北屋さん除く)。鹿実時代を彷彿とさせる見事な頭。これは、一からやり直したいという彼の心意気のあらわれなのだろうか。カズゥもえらく若作り。土屋の頭もシジクレイばりのつるつるに。アタリバもつるつる。主審もつるつるの奥谷さん。太陽に映えます。
 市原のほうは千葉移転を見越してそんなことはしていない。都会派を目指す所存か。
 試合開始。阿部ちゃんはいないものの、組織力に勝る市原がガンガン押し込んでいく。村井の突破はいいなあ。
そのうち、実況と画像を見ていたじぇふぃさんが驚いたように仰った。
「アタリバって、外国人?日本人だと思ってた!だって、ガンバに新井場っているし!」
この瞬間、アタリバは「当庭 徹(あたりば・とおる)」となった。まあ、実況のイントネーションもモロ日本人ぽい呼びかただし。
 さて、市原の右サイド・坂本が前半早々に側頭部にヘッドを食らって昏倒、ピッチ外に出された。
「代えたほうがいいよ〜」
じぇふぃさんが心配そうに言う。しかし坂本は頭をグルグル巻きにテーピングされて戻ってきた。大丈夫だろうか?
試合は相変わらず市原ペース。激しいマークを受けるチェ・ヨンスがカッカしだした。見た目にも怒っている。うひゃー、怖い!
と、カズのミスクリアを村井が拾う。そしてゴールライン際からセンタリング!これが絶妙なカーブでゴール前に飛び、マークを外して走り込んだヨンス兄貴がピンポイントでヘッド!ゴールに叩き込んだ。1−0、市原先制!しかしヨンス兄、喜んでいない、まだ怒ってるよ!
神戸のスリートップはまったく機能しない。城、カズゥはともかく、播戸が死んでいる。沸かせるのは、野人が常人離れしたスピードでボールに追いつくときくらいだ。でも彼はクロスを上げる才能に欠けるので、怖くはない。
坂本が映る。頭のほうは大丈夫だろうか。
「フジツボみたい!」
一同爆笑。激しい運動のせいか、テーピングが上のほうにずり上がってしまい、まさにフジツボみたいになっていた。そろそろ前半終了だが、もう20分くらいしたら、スポーンと飛んでいきそうだ。幸いユニバーの皆さんを笑かすことなく前半終了。
それにしても、櫛野のキックシーンを映さないのはNHKの特別な配慮かなんかですか?
 磐田に「熊林ギャル」がいると聞いてビックリ。
バロンの2試合連続のVゴールで清水勝利の報。みんなで拍手。そして「おっぱいプリン」なるものを食しているうちに後半開始。
 市原がペースを握り続ける。神戸についても、実況にネタがなくなってきたようで、神戸のスローインのときに、
「しかし今年は和多田はいません!」
いちいち言わんでよろしいがな。
 城のヘッド!上へ外れる。ここでユニバーの伯爵さまより、「畳障子コール」のTELが。
 ついに平野登場!しかしボールが足につかず、ピッチの真ん中でつまずいて空振って笑われる。そのまま1−0で市原勝利、連勝を飾った。ことしも強い!ヨンス兄もやる気まんまんです。
 さあ、日立台へ。
 「死のレイソルロード」を歩いていく。一方通行レベルの狭い路なのに対面通行。そこを人の行列なのだから、怖いったらありゃしない。さかんに後ろを気にしつつも、そのうち交差点に出てきた。左手奥に照明が見える。助かった・・・
スタンドに入る。そこそこ入っている。サンフでなければもっと入っていたかもしれないが、そこは同じ地味クラブということで、ご勘弁を願いたい。バックスタンドのアウェイ側のチケットを取っていただいていたのだが、辺りはえらく黄色い。アウェイ側なのに・・・
「こんなもんですよ」
と青田さん。うーん、敵地という感じです。
 でも堂々とサンフのレプリカユニを着る。ランニングの上に半袖のユニなので、隣の北屋さんが、「下に一枚着た方がいいでしょう」とおっしゃったが、これでいいです。でも寒い。そういえば今日の関東地方は寒いですね。でも今さら着れないし、がまん。
やっぱりサッカー専用スタジアムは臨場感があっていい。もう使わないんなら、ウチに払い下げてくださいと言いたい。
試合開始前にちょっとアウェイゴール裏に顔を出す。選手のコールをやっていると、まんまるな中島女史の国歌と、近藤マチャ彦による始球式が執り行われた。まったりと。それが終わると、両サポーターともそれを打ち消すように一斉に喚声をあげた。
 サンフのメンバーは、リザーブまで札幌戦と同じ。
柏は、GK南、DF萩村、薩川、渡辺毅、MF渡辺光、サンパイオ、明神、平山、大野、FWユ・サンチョル、ファン・ソンホン。
主審は、最近何かと話題の上川徹さん。今日はどんな裁きを見せるんか。期待も込めつつキックオフ!
 序盤は一進一退の攻防が続く。落ち着いたころを見計らってバックスタンドに戻った。このまま声出しもしたいが、せっかくいろいろと手配していただいたのにそれでは信義にもとるので、それはさすがにできない。
さてこの日の見物はなんといってもビロング。広島に現れた久々のネタ系キャラ。ことによるとサントス以来かも知れん。
盛り上がっているとFKのチャンス。
「誰が蹴る?」
「右なら藤本、左なら浩司。距離があるから、ひょっとしたらビロング蹴るかも・・・」
ビロングが来た。藤本となにやら話し合う。そして長ーい助走をとって、思わせぶりなモーションから闘牛の牛みたいに地を蹴る。
バカウケです。
そしてダッシュ!してスルー、藤本が蹴ったが、南が素早く反応してセーブした。
 あとで再びFKのチャンスがきて、今度はビロングが蹴ったが、このボールは大フカシ。しかし、ボールはグングン加速しながら一直線にゴール裏最上段に突き刺さった。パワーは凄いや。
 試合は、徐々に柏ペースとなっていった。中盤の素早いプレスからトップに当て、サイドに展開する。サンチョルとファンの二人はとにかく強く、サイドに流れてボールを受けたら、まず一対一ではボールを奪われない。サンパイオと明神、そして大野までも精力的な動きでサンフのパス回しを寸断、時折トップの久保と大木に入るボールも、スリーバックがタイトなマークですかさず奪い返す。サンフマニアのペリマンさん、かなり研究してきているようだ。ていうか、サンフ戦になると俄然張り切るのはやめてください。平山と光輝がイマイチなので助かっているが、ヒヤヒヤの展開・・・そのうち、柏の左CK。大野のキックが大きく曲がってゴールに向かって飛ぶ。それに合わせたのはニアに走り込んだサンパイオ!久保に競り勝って鮮やかにゴールに叩き込み、流れの通りに柏が先制した。
 サンフは相変わらず中盤を制圧され、ボールが全くつながらない。さらに柏にサンチョル、ファンの連続シュートを浴びるが、下田の神通力か、ともにバーが弾き返した。カズのワンボランチである今の中盤は押し込まれたら弱い。なかなか押し返せない。桑原がいればもっと高い位置からプレスにいけるのだが・・・やはり浩司が所在無げだ。
 サンフのマフラーを着けているじぇふぃさんが買い物のために席を立たれる。その最中、ビロングがボールカットしてそのままドリブルで猛然と上がっていった。そしてゴール前にパス!しかし誰もおらず、リベロの萩村の真正面。萩村もあんまりなプレゼントパスにビックリしたのか、ついトラップが大きくなる。そこへ横合いから藤本が飛び込み、それをかっさらった。
あっ、と思ったときには南と一対一。瞬間、藤本がループシュートを放つ。あ、大きい!と思ったが、ボールはワンバウンドするとゴールネットを優しく揺らした。1−1同点!藤本はメインスタンドホーム側で阿波踊り。またビロングがついていって踊る。気に入ったらしい。
 その時じぇふぃさんが戻ってきて、ゴールシーンを見逃したのを悔しがられた。
ただ追いついたものの、ペースは柏に握られたまま前半が終了した。
 寒い、凍える!ホットウーロン茶を買って戻る。
すると、つい先ほどまでは愛知県にいた(しかも名古屋VS横浜FM観戦)という落石さんが来られていた。・・・凄い。
 後半開始。最初のうちはまだ柏ペースだったが、そのうち徐々にサンフが押し返してきた。柏が、さすがにプレス疲れしてきたのだ。両サイドの梅田と浩司がやっと前線に絡み始める。この日の梅田はタテへの突破で魅せる。浩司も高い個人技を見せるが、中へ中への意識が強すぎ、密集地帯へと突っ込んでクリアされる、という場面が多かった。サイドハーフはもっとサイドをえぐる場面がないと・・・あっちはスリーバックなんだから。
 久保が「紅海をまっぷたつに裂いて渡ったっつうモーセ」のようにど真ん中から3人を「かきわけて」ドリブル突破したシーンは圧巻だったが、惜しくもゴールには結びつかず。サンフの時間帯が過ぎると、再び柏のペースに・・・そして、一瞬の隙をつかれ平山・サンチョルの素早い崩しでサイドを破られセンタリング、これをファーで今の今まで消えていた光輝が合わせてゴール!柏が勝ち越した。
サンフは必死で反撃、終了間際に梅田が右サイドで一人かわして一気にサイドを切り裂き、追いすがるディフェンスを振り切ってセンタリング!しかしこれもわずかに大木に合わず、その後久保が必死にポストで落としたが、走り込んだトゥーリオ(沢田と交代でイン)が大きくふかして万事休す。そのままタイムアップ、柏に敗れてしまった。
 「いーち、にー、さーん、パイオ〜!」
至極まったりとした柏サポの勝利の雄叫びに膝が崩れそうになったが、うちが全くダメだったわけではない。梅田はまだまだ伸びそうだ。浩司がもうちょっと経験をつめば・・・京都戦は頑張ってほしいところだ。
 くそー、練習試合で柏と市原から連続ゴールを奪った「千葉殺し」ハンジェを連れてきていれば・・・
それは冗談としても、せめて桑原か服部がいれば、決してこのような結果にはならなかっただろうに・・・
ていうか、ビロング、ネタに走りすぎ。もっとマジメにやりんさい。
 試合後半には、黄色いスタンドの中、私一人で大声上げていたので、ひょっとしたらみんな引いていたかもしれません。
 この試合、上川さんはカードを出さず。クリーンな試合でしたね。今までの乱発でカード切れでなかったのなら。
 FC東京、退場者を出しながらも小林成光のゴールで浦和に勝利!きょんさん大喜び。
・・・ということは、今日ここに集まった人の中で、サポートチームが敗れたの、私だけですかァ〜?
私だけでした。・・・・スパリチューダさんみたいに頭抱えて「うにゃ〜」な気分です・・・
 それから一同で最寄の料理屋へ入り、食事に。途中お手洗いに立ったが、体がえらく重い。負けのダメージもあるが、今日は朝から唇が異常に乾いていたので、ちょっと体調を崩しているのかもしれない。いや、この寒い中2時間も半袖でいたからですね。
私がそのサンフの旧ユニを着ていたので、そのチェックのユニが好きだったから見せて!という声が出て、試合後ユニの上にそのまま着ていた服を脱いで披露。写真を撮られることになったので、あわてて「スヌーピーサンフタオル」で顔を隠し、パチリ。
「伯爵みたい!」
との声が。
 それから泊まり組は青田さんの導きで某基地へ移動。幸い日付が変わる前に到着できたので、スーパーサッカーを見る。でもレイソルVSサンフはゴールシーンのみ。サンパイオのヘッドは高いな〜とか、萩村貴様かァー!!とか、平山〜!のみでした。久保の突破とかビロングとかも映してほしかった。
 それから買出しに出て、そのあとはアルコールもふんだんに入った飲み会に。途中から記憶が無くなり、気づいたら朝で、青田さんが切腹倶楽部の更新をしておられました。
 それからはなぜか『グラップラー刃牙』講読会になり、崖先生が何気なくつまんでいたカレー味のカールで花粉症を悪化させ(というか落石さんと私も鼻がアレでしたが)、それから今回の毒毒連合に対する懲罰をどうしようかということで、青田さんが、
「ふぇりくすさんに描いてもらいましょう」
そんなことしたら来週あねご様に殺されます。必死で固辞。
 年齢を訊かれたので答えると、
「じゃ私と同年代なんですね。もっと若いのかと思ってました」
どうとっていいのか悩みます。でもまあ若いことはいいことです。
昼 近くになったので、最寄の駅そばにある24時間営業の某料理店で食事をし、私は上野方面へ向かうため、東京スタジアム(稲城VS磐田)へと向かう青田さんと別れた。
 いくつか乗り継いで上野駅へ到着し、公園内の国立西洋美術館で「プラド美術館展」を観る。まああんまり大したもの来てないだろと思ったら、エル・グレコの『洗礼者聖ヨハネと福音書記者聖ヨハネ』、スルバランの『神の小羊(アニュス・デイ)』や、ムリーリョの『無原罪の御宿り』などがあって大感激。ほかにもティツィアーノ、ティントレット、ルーベンス、ベラスケス、ゴヤなどを展示。心が癒されます。
ここを出ると足が重くなり、さらにひどく眠くなってきたので、これはいかんもう帰ろうと上野駅に戻った。乗り継ぎ無しでのひかりの指定席が取れたのでラッキー。
 東京駅に出てお土産と駅弁を買い、乗り込んで駅弁を食べ、プラド美術館展のカタログを読もうとしたら睡魔が一気に襲ってきた。気づいたら名古屋駅手前だった。新横浜駅の記憶すらないので、速攻で寝てしまったらしい。
カタログをざっと読み、それから『天正遣欧使節』の続きを読む。サンタ・エレーナ(セント・ヘレナ)島からポルトガル入国、スペインに入ってフェリペ二世に謁見、現在世界遺産に認定されているエル・エスコリアールを訪問、それからイタリアに入り、トスカーナ大公の案内でピサ、フィレンツェを通り、ローマで教皇グレゴリウス十三世に謁見、少年使節たちは教皇の抱擁を受けた。教皇聖下に書状を奉呈し役割を果たした後はアッシジ、ペルージャ、ロレート、アンコーナ、イモラ、ボローニャ、フェラーラ、ヴェネツィア、ヴィチェンツァ、マントヴァ、ミラノ、ジェノヴァの各地で大歓迎を受けつつスペインに戻り、ポルトガルから日本へ・・・ここで福山駅に着き、ローカルに乗り換えて家へ。
 かくて、今までで最遠の遠征終了。さすがに疲れた・・・しかし今年はもう一回は行ってみようか・・・


3月3日 広島ビッグアーチ 晴
VSコンサドーレ札幌

 前日、ちょっとHPの更新をしていて、気づいた時には3月3日の3時過ぎ。しまった、と風呂に入ってすぐさま寝たが、まあ寝付いた時には4時を回っていたろう。目を覚ましたときには9時。起きてみたがちょっとだるいので、また少し寝てそれから起き、パンを食べ、メールチェックだけして家を出・・・ようとして引き返し、5番の旧レプリカユニを取ってくる。まだ寝ぼけているようだ。
 旧ユニの5番は、昨日J開幕戦でゴールを決めたFC東京ガスDF伊藤哲也が広島時代につけていたもの。彼がいれば守備の心配なんぞしなくてすむのに・・・レンタルでもいいからまた来てくれないものか。抜け出した敵にスピードで追いついて背後からピンポイントタックル一閃でボール奪取!という彼のプレイぶりにはシビれたものだったが。このたび(レンタルで)やってきたビロングは果たしてどれくらいやってくれるのか?話では、「高い(192p)」「強い(90s)」「岡野にも走り負けない駿足」ということだったが。
 家の近くのローソンでチケットを買おうとしたが、おばさんがメモを見ながらLoppiの前で悪戦苦闘していた。あーそういや早いとこファンクラブに入って年間パス買わにゃあかんなと思いつつあきらめてクルマに戻る。ビッグアーチで買えばええわ。
 小谷SAで昼食を摂り、ビッグアーチへ急ぐ。五日市ICに着いたのは12時30分ごろ。
おお汝ら、われと同じく、自由・美徳・勇気の地なるテームズの河辺に生まれし者よ、
今しも汝ら、正義と勇気の偉業を前にす。
汝らの王に続け!
われらが軍の最初の栄光は、邪悪な東方にて、異国の不正なる者どもを屈服さすことであれ。
ブリタニア人伝統の試みは、驕れる者を倒し・・・・
 ジョージ・フリデリック・ヘンデルの歌劇《イングランド王リッカルド(リチャード)一世》を聴きつつビッグアーチ前の駐車場に入る。
嵐の恐怖に背く運命の厳しさに、海にても陸にても慣れた勇者らよ、
戦いだ、戦いだ!
わが復讐は汝らの名誉―
戦の栄光は運命の手中にあらず。
勝利はただ指揮と勇気より出ずるなり!
 ライオン・ハーテッド(獅子心王)と異名を取ったリチャード一世が、今しもキプロスの暴君イサキオスを攻めようとする場面で歌われる劇的なアリア「嵐の恐怖に」を聴き終えて、車を出た。いかにも戦いだ。ビッグアーチ前の駐車場は早くも埋まりそうになっていた。早出の人が多い。自由席を買って入り口へと向かうと、ここも長蛇の列。相手が札幌ながら、けっこう入りそうじゃないか。(札幌の人、すまん)
 13時に開門。中に入ると、サンフジュニアと福山FC(正確な名前忘れた)の試合が始まっていた。それにしてもサンフジュニアのFW10横竹翔くん、でかいな。試合が始まると、シャツの裾がはみ出してきて、リトル久保みたいな風情となる。真似しているのだろうか。体格を生かした正確なポストプレイを見せ、豪快なゴールも決めた。対する福山は、GKがいい。さらに速攻が得意で、1点を返した。ゲームは2−1でサンフジュニアが勝ったが、両者ともピッチを広く使った、伯仲のいい試合だった。
 それにしても札幌からのお客さんが多い。アウェイ側の一角が赤黒に染まっている。開幕ということもあって気合も入っているようだ。こっちも負けとられんのう。
 スーツ姿のサンフの選手たちがB6の下へ挨拶に来た。なぜかミロだけは私服だった。
 登録選手とスタメンが発表された。サンフは、
GK下田、DF駒野、川島、ビロング、沢田、MFカズ、梅田、浩司、藤本、FW大木、久保。
リザーブはGK尾崎、DFトゥーリオ、八田、MFミロ、FW元気。
桑原は膝の怪我が悪化してメンバー入りせず。ビロング初お目見え。沢田は左に入る。中盤は、藤本がトップ下に入るダイヤモンド型。森崎兄弟が先発で揃い踏み。梅田の右サイドがどう機能するか、が問題だ。2トップは不動の二人。今年もコンビが冴えるか?
札幌は、
GK佐藤、DF森下、マクサンドロ、吉川、大森、MF今野、ビジュ、山瀬、平間、FWロブソン、小島。
リザーブはGK藤ヶ谷、DF吉瀬、MF酒井、FW堀井、小倉。
岡田時代とは違う4−4−2。森下が右サイドバックというのは何でだろう。DF吉川<ルーキーって、こちらをナメてんのか、という感じだが、そんなに凄いやつか?
 B6付近の皆さんに挨拶。仙台が稲城に1−0でリードの報が入る。岩本テルのゴールらしい。森保さんも先発出場!頑張ってますね。稲城は野獣さんがいないとダメですか?
 試合開始間近、メンバーがシュート練習を始める。久保がサク越えを含む大きい当たり連発で、ちょっと不安に。
 試合開始前に、今西総監督がスピーチ。
「両チームの選手、サポーターとも、正々堂々と戦いましょう!」
場内から大きな拍手。惜しいな、「エンジョ〜〜〜イ、フットボール」ぐらい言ってほしかったが(ウソ)。
そして、開幕!
 まずは双方にらみ合いとなる。中盤でボールが行ったりきたりし、その中浩司がバックチャージでいきなりイエローをもらう。あとで今西さんに謝っとけ。ビロングはバックラインでボールを持つと、ルックアップして状況を見、ポーンと蹴っ飛ばしていきなり前線にボールを放り込む。あんまり強く蹴っているように見えないのだが、ボールはいっぺんに札幌GK佐藤洋平の懐に納まった。うむ。でももっと精度を・・・そのうち、サンフがペースを掴んできた。久保が、浩司が次々にゴール前に抜け出す。しかしシュートに精度を欠きゴールならず。
 またビロングにボールが入った。札幌の前線は全然チェックに来ない。彼はゆっくりとピッチを見回すと、ぶんと足を振りぬいた。左サイドにロングボールが飛ぶ。それに反応したのは藤本!完全に抜け出し、トラップすると、向かってくるDFを一発でかわして中に切れ込む。そしてあっという間にPA深く侵入し、一撃!
 ネットが豪快に揺れた。サンフレッチェ広島2002年ファーストゲットは藤本主税!!藤本はメインスタンド側に一目散に走っていって阿波踊り開始。するとそこへビロング登場。今まで最終ライン左サイドにいたのに、いったいいつの間に!?何というスピードかッ!おっと彼は阿波踊りを知らないな、邪魔したりなや・・・と思ったとき、彼は何と、藤本の後ろで見よう見まねの阿波踊りを始めた。しかも結構いいセンいっている。さすが高度なリズム感を持つアフリカ人。それとも阿波踊りはアフリカ人のリズム感とジャストフィットなのか。しかし今のは素晴らしいロングパスだった。ビロングのロングパスだから、これをビロングパスと名づけよう。
 それはともかく1−0だ。
 これでサンフペースとなった。札幌は、4バックにしているとは思えないほどサイドが薄く、簡単にサイドを破られてチャンスを作られてしまう。右から駒野が、左から藤本が次々にクロスを放り込む。駒野のクロスに、右サイドから駆け上がった梅田がシュート!これはゴールならなかったが、梅田は右サイドで仕事をするだけではなく、機を見てセンターFWの位置まで進出してゴールを狙う。大木と久保は絶妙な距離を保ちながら前線で動き回り、札幌のセンターバックも捕まえきれない。浩司はボールをつなぐものの、前線での仕事はやや出来ていない。しかし藤本が豊富な運動量とシンプルなプレイでそれをカバーする。代表合宿でコンビネーションプレイの面白さに目覚めたのだろうか。駒野のスローインを受けると、中へ持ち込みざま左足でミドルシュート!洋平かろうじてセーブ!
 ここから怒涛のコーナーキックの嵐が始まった。浩司が右から左からCKを放り込む。なんといってもこの日のサンフは、久保・大木・梅田・川島・ビロングと長身選手を揃えている。札幌DF陣はゴールライン外にクリアするのに精一杯。やっと弾き返したと思ったら、また攻め込まれてCKに。見ているこちらも、「ええ加減に決めえや〜!」とブーイング。やっとこさ札幌が凌ぎきって一息・・・とはならなかった。バックラインから飛び出した川島がインターセプト、再び攻め込む。そして左サイドの展開から久保にボールが入る。久保は振り返ると、またセンターFWの位置に上がってきていた梅田に入れる。梅田はDFのチェックの中キープすると、左サイドにはたいた。そこには大木がいた。完全なフリー。狙い済ましてダイレクトの右足一閃!ボールは一直線にゴール右サイドネットに突き刺さった。2−0!大木が大きく飛び上がってガッツポーズ!凄いシュートだ!これで今日はもらったか?
 ・・・と喜んでいたとき、札幌がアーリークロス。ロブソンに入る。ビロングが寄せていく。ロブソンはポストで後方に落とすが、そこには沢田がいた。ゆっくりクリア・・・その時山瀬が猛然と上がってきてそれをカット、ビロングも振り切って下田と一対一、そのままゴールに蹴りこんだ。2−1!あ〜????そりゃいけんよ、集中が・・・
 これで札幌が押し返してきた。山瀬が目覚しい動きでゴールを脅かす。ベテラン・森下も右サイドから果敢に進出してくる。サンフは中盤のプレスがきかずに後退、ボールがつながらなくなって波状攻撃を食らう。平間ごときににキープさせるなよ。山瀬のCKからゴール前大混戦に!札幌の立て続けのシュート!しかしゴール前の全員が体を張って防ぎ、最後はロブソンのシュートが味方に当たってバーを越え、危地を脱した。これで落ち着いたか、小島の突破もビロングが至極あっさり追いついてクリアと危なげなく、そのまま前半終了。うん、でも完全に崩された場面はなかったし、このままいけるんじゃないか、という前半だった。
 DAKARAを買って水分補給。他会場、仙台は1−0勝利!横浜は俺王様ゴールも松田退場で油断ならぬ状態。J2ではセレッソが山形に4−0、早くも格の違いを見せつけている模様。
 選手たちが出てくる。両者とも選手交代はなし。後半開始。
 最初のうちは札幌も奮闘していたが、サンフもカズのミドルシュート(洋平はじき出す)、それから得たCKからの川島のシュート(これも洋平はじき出す)などで反撃。もう一度のCKをはね返されて速攻を食らうが、後方にいた沢田がきっちりついていってCKに逃げる。その時、彼のフォローにはビロングがしっかり入っていた。相手ゴール前から一気に戻ってきていたのだ。速い速い!札幌はなおも山瀬がミドルシュートを放つが、下田が難なくはじき出す。この攻勢を凌ぎきると、さて今度はこちらの番スよ。
 ビロングから久保にボールが入ると、そこからダイレクトで藤本>大木>久保とつながり久保が突破してCKへ。ボールがつながり始める。そして、川島がロブソンからボールを奪うと一気に前線の久保までパス!右サイドに開いていた久保が一気にタテへ抜け、DF2枚を引き連れつつ右足で強烈なシュート!洋平ははじくので精一杯、ボールはゴール前にころころと転がる。そこへ紫のユニがさっと走り込み、左足でミート!完全にコントロールされたボールがゴール右スミに収まる。3−1、浩司、復活を告げるゴールゲットだ!みんながわっと浩司に集まる。これでもうこっちのもんだ!
 ここでサイドに埋没していた小島に代わって堀井岳也登場。堀井は早速後方からの浮き球に反応、CBの間をすり抜け下田と一対一!げ!しかしこのシュートを下田、右足一本でセーーーーーーブ!スーパーセーブ!さすが下田!!!
 札幌はさらに攻勢をかけるべくCBの吉川を外し酒井直樹イン、3バックにするのかな・・・と見ていると藤本が中盤左サイドで粘り強くキープ。そして久保に入れる。久保は大木へ渡し、大木はマークを受けつつも中央へ向かう。このとき、右サイドからまたも梅田が中央向けダッシュしてきていた。大木、梅田めがけクロス!札幌DFが梅田のマークにつく、しかし梅田、ボールを受ける直前スッと身を沈めこれをスルー!その先には、先ほど左サイドで大木にボールを渡した後、大きく回りこんで右サイドに移っていた久保!
 右足が強振され、ボールはゴール左スミに突き刺さった。4−1!われらがエースの最初のゴールは右足からだった。スタンド大爆発!久保はB6スタンドに向け手を高く挙げ、指をクルクルと回す。もう絶好調じゃあないかっ!
 この展開の上に久保が決めると、おとなしい広島のファンの方々も限りなくヒートアップ。もー行け行けな雰囲気になってくる。それに応えて久保、中盤でのこぼれ球を拾うと一人を股抜きでかわし、前が空いているのを確認するとそのままロングシュートォォォ!低い弾道で撃ち出されたボールが加速するようにグングンホップしてゴール右上スミを捉える。洋平がかろうじて触り、ボールはバーを直撃してはね返ったが、これでスタンドは火に油を注いだようになった。オフサイドラインをかいくぐった藤本がゴールライン際まで切り込みセンタリング、大木があわせてネットを揺らしたがこれは藤本のドリブルがラインを割ったとしてノーゴール。洋平のゴールキックに。
「よーへー!よ−へー!」
B6から洋平向け声が飛ぶ。彼はこれが気になったのか思いっきりキックミス、高く舞い上がったボールはラインを割ってしまった。ちょっと前にも、
「さとー!」
とか呼んだらこっちのほう向いたりして、彼ってばけっこうおちゃめ。
 そしてとどめはビロングパスから。久保(大木だったか?)が競り、こぼれたボールを、左に回っていた梅田がキープ。中央にドリブルで向かい、パス!逆サイド、右に回っていた浩司がフリーで走り込んできた。札幌DF陣は片側に寄りすぎ誰もチェックにいけない。
 浩司トラップ、そしてシュートフェイクを入れて正面のDFを足止めしてさらに中央へ切り込み、ほぼ正面から左足を振り抜いてまたもゴール右スミに蹴り込む。5−1、浩司本日2ゴール目!こんなに獲っていいのか!こりゃ今日は首位に立てるな。これで足をつらせた浩司はピッチ外に出る。大事のためにミロが出てきた。そして交代する。
「ミロ!ミロ!ネスコ!ミロ!」
ミロコールが起こる。レッツゴーじゃなかったんですね。
 山瀬のCKを堀井がニアで合わせるが、枠を捉えない。酒井のクロスを、前に立ちはだかったビロングが頭で撃墜する。沢田>トゥーリオ。後半40分を回ったが、みんなの運動量は落ちない。ちょっと前にタックルをすねに食らった藤本も全力でプレスをかける。梅田も足をつらせる。ビロング、鼻血を出す。大木>元気でロスタイム突入。元気、コーナー付近でキープしようとするがちょっと失敗。そのスローインが入ったところでホイッスル!広島に住んでいながら今日来なかった人間は結構不幸なゴールラッシュの2時間が終わった。
 試合後には、藤本とマン・オブ・ザ・マッチの浩司がバックスタンドからホームゴール裏に挨拶に来る。藤本は満面の笑み。よっぽど気分がよかったらしく、バスで帰る時にも、サインを求めるちびっこたちに応じてバスから出てきてサイン、バスの出発を大幅に遅らせて(笑)いた。それにしても今日の藤本はよかった。ドリブルしてる場面が思い出せないくらい球離れが良く、森島を彷彿させるといっても過言ではないほどの出来。さては盗んできたか?
 帰ってきてみて撮っていたビデオを見る。
・・・・これは・・・札幌のディフェンス陣、ボロボロじゃん。統制も何もない。今日の出来はそのまま受け取らず、気を引き締めて柏戦に臨むべし。
 でも何度も観ちゃうよ。