むらさきぐま日記2001.ver.2



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11月24日 広島ビッグアーチ 晴れ
VS鹿島アントラーズ

朝、ちょっとサカつく特大号をやっていたら、ついついやりこんでしまって南米トーナメントに優勝してしまい、気づくと11時を大幅に回っていた。あ、まずい、遅れる。急いで家を出る。三原久井まで下を通ったら遅くなると思い、府中から山を越えて福山西ICから山陽道に乗り、五日市ICへ向かう。
12時30分過ぎに五日市に着いたが、ビッグアーチ正面の駐車場はすでにいっぱいのようだ。まあ今日は鹿島戦やしな・・・と遠くのほうの駐車場へ向かう・・・が、こちらも物凄い車の量で、たちまち渋滞になってしまった。こりゃあすごい。今日は軽く1万5千人を越えるなあ、と思いつつ、CDを聴きながらのろのろ進む。
この汚らわしきアフリカ人の群れに向かいて、進め、進め、トロイア人よティルス人よ、勝利に向かいて急げ!
風に吹かれる砂のごとく、陽に焼ける砂漠の中へ、敗残のヌミディア人を追え!
震撼せしめよ!(合唱:震撼せしめよ!!)
軍神マルス、我らを率いたもうなり。
ウェヌスの御子、汝ら(合唱:我ら)を導きたもう!
殲滅せよ!(合唱:殲滅せん!!)かの黒き軍勢を、
しかして明日にははるか遠くにまで告げ知らせん、イアルバスの恥辱と死の知らせを!

ベルリオーズの歌劇《トロイ人》第3幕のド派手なフィナーレを聴きつつ駐車場に車を止め、ビッグアーチに急ぐ。今日のサンフも鹿島の赤い軍勢を震撼させ、殲滅することができるかどうか?
入場するとまず昼食もとっていないのでうどんを買い、B6傍で急いで食べるとお手洗いに行き、飲み物を買ってB6下に降りる。それにしても人が多い。元気丸応援団にもたくさん集まっているが、やや分散しているので、コールがなかなか全体で合わない。まあ、試合になれば何とかなるでしょうか・・・鹿島からもけっこうな数の人が来ている。優勝も決まったというのに、ヒマな人が多いな。柳沢も天皇杯までいるんだろうに、まあ、んなこたあどうでもいい。
スタンドには広島テレビの「元気丸」の吉田さん&藤村アナにRCCの「スポ天」まで加わってマスコミ度が妙に高い。
快晴でけっこう気温が高く、ランニングに半袖のレプリカユニを着ているだけなのに額に汗がにじむ。

先発発表。サンフは3−5−2。コリカはW杯プレーオフのため不在、服部は両足の亀裂骨折・半月板の手術で欠場、そして中盤の重鎮カズが累積警告のため出場停止、とけっこうまずい感じだが、前節磐田戦で見せたカウンターサッカーに勝機を見出したい。中長距離のパスを得意とする松下がスタメン入りした。
GK下田、DF奥野、オレグ、上村、MF駒野、桑原、松下、沢田、藤本、FW久保、大木。
対する鹿島は、中田浩二等が怪我のため大事を取って欠場、控えメンバーが中心とは聞いていたが、ここまでテキトーなメンバーだとは思わなかった。
GK高桑、DF名良橋、秋田、金古、アウグスト、MFファビアーノ、小笠原、相馬野沢、FW柳沢、平瀬
熊谷もいない、堂々たる「二流」メンバー。そりゃー、いくら調整だからってナメ過ぎですぜ。
試合開始。しかしけっこういい勝負になる。中盤でしっかり組み立てて攻める鹿島と、ボールを奪ってすぐさま速攻、のサンフが真っ向からぶつかる。初めは鹿島ペースだったが、サンフが落ち着いて前線にボールを供給できるようになると、ほぼ互角の展開になった。そして、サンフの右サイド遠目のFK。駒野が向かう。キック!鮮やかな弾道のボールがゴール正面に曲がり落ちていった、その落下点に跳んだのは紫の20番!ほぼフリーで放たれたヘッドに高桑の反応する余地はなく、ボールはネットに突き刺さった。サンフ先制!
それからも互角の勝負が続く。速攻で鹿島の裏を狙うサンフ、そのボールを中盤でカットし反撃する鹿島とが激しくせめぎ合うが、鹿島の2トップは恐怖感皆無。バーモント平瀬はサイドに流れるばかりで全く威圧感なし、柳沢は青空高く打ち上げるばかりでゴールの予感なし。ファビアーノのミドルはちょっとやばかったが。しかしこっちも負けてはいない。中盤からスルスルと上がっていった松下がロングシュート!鋭く撃ち出されゴール前で急激にドライブしたボールが高桑の手の後ろでバーを叩く。惜しいッ!守備面ではややヤバい場面もあったが、これでけっこう硬さがほぐれたようだ。
・・・にしても、今日は駒野が凄い。対面には左サイドのスペシャリスト、アウグストに相馬がいるのだが、彼らを全く問題にしない。桑原とともに激しいチェックで彼らに全く仕事をさせない。そしてすかさずその裏を取って攻撃に進出、正確なクロスを前線のトリオに上げて鹿島ゴールを脅かす。奥野先輩を中心にした3バックも鹿島の前線を封じ込める。先輩は古巣が相手ということでハッスルしているようで、中盤から進出してくる小笠原や野沢を封殺、決定機を与えない。
鹿島が全体的にボールは支配するものの、好機はカウンターのサンフ、という構図でそのまま前半が終了した。
他会場の途中経過は・・・注目は降格争いだが、サンフ的には2nd3位争いのほうが重要だ。現在6位。上には市原、名古屋、柏がいるが・・・
市原1−2磐田 浦和1−0名古屋 清水0−0柏
おうッ!いい感じだッ!今日だけは浦和を応援してやる!がんばれ!
後半開始。序盤は一進一退だったが、やがて久保・大木・藤本の飛び出しに鹿島DF陣が耐え切れなくなりサンフが押し込み始める。そして左サイドを破った久保、クロスを上げるもはねかえされる。しかしそのボールに追いすがって拾い、ほぼタッチライン際からドリブルを開始した。そして向かってくる2人を瞬時にかわし、PAに侵入、チェックに来る名良橋を切り返してかわした―とき、名良橋の足が久保の足をすくった。久保は転倒、主審の小幡さんはすかさずホイッスルを吹いてペナルティスポットを指した。PKだ!・・・で、誰が蹴るんだ?コリカはいないぞ。
藤本がペナルティスポットにボールをセットした。ああ、藤本か・・・と思ったら、久保がつかつかとボールに歩み寄り、ボールをセットしなおした。うを、久保が蹴るか!久保はゆっくりと後ずさりし、助走を取ると左足を一閃!次の瞬間にはゴール右上に叩き込まれたボールがフィールドに跳ね返ってきていた。2−0!
サンフペースになった。中盤での厳しいチェックからボールを奪うとすかさず前線へ、という速攻が徹底され、それに久保・大木・藤本が惜しみない運動量で応える。この単純な戦術に鹿島の守備陣は全く対応できず、打たれっ放しになってきた。久保はさらに猛威をふるい、カウンターで抜け出してのポスト直撃の強烈シュートを放ったりやりたい放題。金古はちょっと見ているのがかわいそうなくらいだ。ここでファビアーノ、野沢に代え青木、内田。さらに柳沢に代え長谷川。しかし中盤に入った若手は全く機能せず、長谷川のところにボールが行かない。左サイドを突破した大木に高桑がたまらずPAを飛び出しファウル、イエローカード。アホか、GKがPAを出てのファウルはレッド対象じゃあなかったんか?これで得たFK、トリックプレイから松下キック!糸を引くような鋭いボールがスライスしながらファーサイドに飛んだ。高桑とどかない・・・しかしボールはわずかに右に外れて飛んでいった。おしい!!ほどなくして松下>森保。まずまずOK!頑張った!

サンフ、藤本からちょーんと大木にパス!バックスピンのかかったボールが大木の前でピタリと止まる。大木はそれを持ち込むと、マークに来た青木と間合いを計りながらじりじりと前進、そしてぶん、と右足を振り抜いた。ボールには勢いはさほどなかったが、高桑も届かない絶妙なコースで、逆サイドの左スミにころころと転がっていって納まった。3−0!これでほぼ勝負を決した。高桑はしばらくばったりと倒れたまま動かなかった。・・・ああっ、もう曽ヶ端の時代なのかっ?
さらに駒野が右サイドでボール奪取、大木に。大木、中央へ走る藤本にパス!DFがディレイに向かう、しかし藤本はダイレクトで前のスペースへ!そこに走り込んだのは久保!突破した久保は高桑をもかわすが、ここでコントロールが乱れボールを後ろに反らしてしまう。再び足元に収めたときには内田が戻ってきていた。だめか?しかし久保は大きなストライドで中央に向かう―と見せかけタテに切り返し、内田を完全に外して左の一撃!カバーに入ったDFの両足の間を抜け、またもやネットが揺れた。4−0!!高桑、またばったり。再びカウンター、左から大木が抜け出す!シュートだ!だが大木は親友・久保にハットトリックをさせるべく無理やりセンタリング、しかしこれはさすがに無理で、カットされてしまった。
最後に鹿島の皆さんに優勝おめでとうのご祝儀一発を許して差し上げ、4−1で勝利!そして・・・
市原2−4磐田 浦和2−0名古屋 清水1−0柏
サンフレッチェ広島3位確定、賞金3000万円獲得!
ベスト3に入るのは、優勝した94年第1ステージ以来。8勝7敗という、これだけ見るとイマイチな成績だが、プロは結果がすべて、そしてその結果が3位なのだから、恥じる必要は全くない。万歳!来年、目指すは優勝のみ!
試合後にはセレモニー。ニポ監督のご挨拶があったが、通訳のアンドリューは相変わらずのへんな日本語だった。
その後、選手たちがトラックを回ってボールなどを投げこむ。
やっと攻撃と守備のバランスが取れてカッコがついてきたという感じでしょか。もっとも理想はあくまでも4−3−3なんだろうけど・・・
しかし今年の第2ステージのシステムは、まさに「藤本スペシャル」ていう感じで、チームの調子は彼しだいだった。ここに来て彼がようやく一皮向けたみたいで、来年は更なる飛躍が期待できそうだ。
さあ、これで第2ステージも終了、次は天皇杯!

11月10日 広島スタジアム 晴
VS清水エスパルス

ガンバ戦でものの見事に風邪をひき、この一週間は体調が悪い中なんとか仕事をやっつけて土曜日を迎えたが、今までの疲れがどっと出て起き上がれない。サカつくをやりながら10時頃になると気分も楽になってきた。そこで起き出して「荒野の果てに」を聴き、精神を高揚させて車で家を出た。
ちなみに「荒野の果てに」はクリスマスキャロルではなくて、『必殺仕掛人』のテーマのほう。
必殺シリーズは、同じ曲でもテンポが違うだけでこれほどまでに別物の曲になるのか、ということを教えてくれた作品でした。
ヘンデルのオラトリオ《ベルシャザル》を聴きつつ山陽道に乗り、小谷SAで豚まんやコロッケを食べ、13時に広スタへ。近場の駐車場は既にふさがっていたので、さいはて駐車場へ。前日までの予報とはうって変わって素晴らしい青空が広がっている。バスに乗ってスタジアムへ向かう。
この日に勝てばJ1残留が決まる一戦、サンフは清水のサイドアタック対策に3−5−2のフォーメーションを採用。第1ステージでは引きすぎた挙句に中盤をスカスカにしてしまい一方的に叩かれたが、今回はそういうことはあるまい。
メンバーは、GK下田、DF奥野、上村、オレグ、MF駒野、桑原、カズ、服部、藤本、FW久保、大木。コリカはオーストラリア代表に合流して不在だが、問題ないメンバーだ。
対する清水は、GK黒河、DF森岡、高木、戸田、MF市川、伊東、吉田、アレックス、平松、FW沢登、バロン。斉藤がいないのが痛い。
それにしてもいい天気だ。眠くなってきそうになる。こういうときはえてしてサンフは気の抜けたゲームをしがちなのだが、はたしてどうか。
アウェイ側のゴール裏塀には、ジャンパル君がちょこんと鎮座ましましていた。
立ち上がりから一進一退。サンフはきっちりサイドを抑えにかかり、服部が市川を、駒野がアレックスを確実にストップ。3バックで後ろに人数が多いということで時々お見合いしたりしてヒヤヒヤしたが、サイドからのクロスも双方1本か2本くらいで、バロンに放り込まれるフィードボールも、マンマークについているオレグが確実にはね返す。対する清水の中盤のプレスもしっかり利いているので、サンフも思うようにパスを回せない。DFラインからのロングボールが主体で、あまり有効なチャンスをつくれない。それでも上村のクロスに久保がダイレクトボレーを見せるなど、時々いい場面を見せる。桑原も、パスコースがないので仕方なくドリブル突破を見せたりする。
前半30分を過ぎて0−0。最近はあまりない試合展開だ。しかし徐々にサンフが押し込み始めてきた。CKを得る。右CK、服部が向かう。キック!高く上がって急激に落ちてくるボールがゴール正面へ。清水DFが足を伸ばしてクリア、しかしその先にはオレグがいた。鋭く右足を振りぬくと、ボールは黒河の反応速度より速くその頭上を抜け、ゴールど真ん中に突き刺さった。サンフ先制!
これでサンフが勢いづいた。そのまま前半終了。
後半開始。出だしはいつもまったりして相手の攻勢を許すのだが、今回はどうか・・・下田からキック、右サイドで待っていた久保が落下点に入り、DFをブロックしながらこれをトラップ、ドリブルで中央へ向かう。一人かわし、前が空いた・・・瞬間、久保が左足を振り抜いた!
ロングレンジからのいきなりのシュートに、前めに出ていたGK黒河は一瞬動けなかった。ふかして越えるかと思ったか、反応が遅れる。しかしボールはカーブしながら急激に落ちてくる。黒河はあわてて後ろに跳びながら手を伸ばす、しかしはるかに及ばない。ボールはそのまま落ちていき―ゴール右隅に突き刺さった!
このスーパー・エクセレント・ビューティフル・ゴールに広島スタジアムは一瞬にして熱狂の坩堝と化した。サンフも一気にノッてきた。中盤でパスをつないでサイドに展開、駒野が、服部が次々にクロスを放り込む。特に駒野は鮮やかな突破から立て続けにビューティフル・クロスを供給。このサンフ攻撃陣の圧力に清水が下がってくる。吉田のヤッさんがほとんどDFラインに吸収され、中盤が薄くなる。ちょうど第1ステージとは逆の展開になってきた。清水は沢登に代わって横山が入るが、大勢に全く影響はない。一度左サイドを崩され、そこからの流れからゴールネットを揺らされたが、ファウルの判定(アレックスのハンド)でノーゴール。
ここで沢田投入。服部に交代し、彼は右WBに入って駒野が左に回る。さらに前節復帰を果たした森保が藤本に代わって入りボランチへ、カズがトップ下に上がる。久々の森保の登場に広島スタジアム、沸く。
後半30分過ぎ、サンフのバックラインから低い弾道のフィードボールが打ち出された。清水の中央をぎゅん、と抜けていく。そしてそれに久保が絶妙の反応、加速装置を入れてあっという間にDF3人を置き去りにし、GKと1対1。久保は飛び出した黒河をあざ笑うようにチョーンとループシュート、ボールは先ほどと同じようなところにゆっくりと吸い込まれた。3−0!勝負あった。
サンフは大木に代えてスカ様投入、そのまま守備にも高い集中を保ち続け、無失点で試合終了を告げるホイッスルを聞いた。
これにて、年間勝点を34に伸ばし、J1残留を決定!さらに第2ステージ順位も4位に浮上、3位の賞金も狙える位置につけてきた。こーなったら狙うしか!久保社長ならきっとボーナスくれるよ!
試合後、インタヴューを終えた久保がゴール裏へやってきた。何をするんだろう、と思ったら、小さく頭をペコリと下げ、去っていった。男だ!
試合後は、「清水爆裂宣言!」のふるまき様を迎えて罰ゲーム。ふるまき様は本当にササキ様そっくりでした。背格好も。世の中には自分そっくりの人が3人いるといいますが、あとひとり探せばOKだと思いました。サンフのユニを着たパルちゃんと一緒に撮影。さらに夕日に照らされる塀にパルちゃんたちを座らせ、その隣にふるまき様も座り撮影。凄く絵になってました。哀愁感がたまりません。
帰ってニュースを見たら、ゴール後に祝!奥野さんに第二子誕生!のゆりかごパフォーマンスやってましたね。久保、ホントにうれしそうにやってたのが微笑ましかった。


11月3日 石川県西部緑地公園競技場 雨
VSガンバ大阪
秋の行楽シーズン、いっちょ金沢まで遠出するかあ、と思っていたら事前の天気予報は雨。しかも前日の仕事中に頭痛と吐き気が襲ってきた。どうやら水曜日の神戸戦に、ランニングの上に半そでのレプリカユニという軽装で応援していたため風邪をひいてしまったらしい。出発するかどうかは明日の調子を見て決める、ということにして寝る。
5時に起床。しかし気分が悪い。やめるか・・・いやもう少し待ってみよう。金沢までは6時間あれば行けるはず。7時まで待つとだいぶ楽になった。雨が小降りなこともあって行くことに決め、車で家を出る。福山東ICから山陽自動車道に乗って一路東へ。
CDを何枚か持ってきていたが、J.S.バッハほかのオーボエ曲集のCDケースを開いてみると、そこにあったのはヘンデルの《王宮の花火の音楽》ほかのCD。間違えて入れていたようだ。バッハのほうには、カンタータ156番《片足は墓穴にありてわれは立つ》のシンフォニアという、現在のサンフにぴったりな曲を含んでいたのだが、これが輝かしい花火の音楽に替わっていたということは、なんだか縁起がいい。

雨のせいで路上に水がたまっていたり前の車の起こす飛沫で視界が遮られてなかなかスピードを上げられない。それでも竜野西SAで朝食を食べ、地図を見ながら、このまま名神から北陸自動車道に入れば充分間に合うな、と思って走り出したら、先の方で15km渋滞、との掲示が。
15km!?
そりゃいかん、どれだけ足止め食らうかわからんぞ。急遽目の前のジャンクションに入って舞鶴自動車道へ。
山々は赤く色づいているのだが、雨のためにその美しさも映えないのが残念。途中対面走行になって前の車にイライラしながらも舞鶴到着、国道を通って敦賀へ向かう。これも途中、小浜のあたりで道路工事で片側交互通行になっていて渋滞。そこで脇道へ入って農道を走り、別の道に連絡してショートカット、再び国道へ戻る。手間取ったが12時40分ごろ敦賀到着、ここで給油して、敦賀ICから北陸自動車道に乗って金沢西ICへ向かう。
雨が激しくなってきた。さらに北陸自動車道には神経質なまでに速度取締機が設置されているので、そのたびにいちいち速度を落とさないといけない。途中福山ナンバーの車を2台追い越した。おお同志よ!違うかもしれんが。大阪や神戸ナンバーの車も多い。こやつらもそうだろうか。しかしぎりぎりの時間になりそうだ。
金沢西ICに到着。間に合った。しかし緑地公園では他のイベントも開催中ということで、とにかく車が多い。駐車場に入るまでに大いに時間をロスし、そのうちに14時を回ってしまった。緑地公園の駐車場はすでに一杯になり、道ひとつ隔てた空き地へと回される。まだ雨は降り続いていた。止みそうにはない。ユニをカバンに入れ、傘をさして競技場へと急ぐ。
アウェイ側のゴール裏入り口に回り、上がってきてまず目に入ったのは、こちら側のペナルティスポットに置かれたボールと、その前に立つ下田の姿だった。
ええ、PK?しかもガンバの!
ペナルティエリアのスミのほうでオレグがガンバの選手と一緒に倒れていた。ボールにはガチャピン遠藤が向かう。PKで間違いないようだ。遠藤がキック、下田の跳んだ方向はドンピシャで手にも当てたのだが、ボールはゴールへと吸い込まれてしまった。ガンバ先制。
サンフのメンバーは、出場停止が解けた下田以外は神戸戦と同じ。水曜日の疲れかピッチ状況のせいかやや動きが重い。負傷のため前日の練習に参加できなかったオレグはやはり身体が思うに任せないようで、ちょっといつもの動きが見られない。ニーノ・ブーレとビタウを欠くガンバはシンプルなカウンターを心掛けており、吉原、松波の前線に打ち出されるロングボールの対処にサンフは奔走させられる。危機的な場面もつくられるが、最後の砦・下田が素早い判断と反応で的確にセーブしていく。
左サイドで久保がボールを受けた。久保はそのまま左サイドを破って疾走、角度のないところから左足を振りぬいた。一瞬後、ゴールネットが揺れた。同点!
やった、久保!と思ったが、スクリーンに映し出されたリプレイでは、久保の速いグラウンダーのセンタリングを都築が捕れず後ろにそらし、あわてた片野坂がクリアしようと足を出したところゴール内にクリアしちゃった、といった顛末らしい。なにはともあれゴールはゴール!いい感じだ。
これでサンフが息を吹き返した。足元は悪いものの、軽妙なパス回しでサイドを破り、ガンバゴールに迫る。そして前半終了近く、何度めかのCKのチャンス。右CKということで、服部が向かう。キック!いつものふわりとしたキックではなく、ニアへ鋭いボールが飛んだ。これに白(アウェイなので)のユニが競り合いながら飛び込みヘッド、ボールはゴール左に突き刺さった。逆転!スクリーンに映し出された得点者は背番号19、上村健一!やったぜキャプテン。「まともな」ゴールは久しぶりですね。
そのまま前半終了。最初はどうなることかと思ったが、いい感じだ。
この競技場もゴールと観客席の間の間隔が異常に広く、逆サイドが非常に見づらい。スタンドに急な傾斜があるので、見渡すぶんにはいいのだが。
ハーフタイムにdg.ltdさんと挨拶。関東からheyさんらも駆けつけている。メインスタンドにも広島サポーターは結構いるようだ。
ヴォルティス徳島こと大塚製薬関係の人も観に来ている。JFL・アローズ北陸との対戦を控えているからだろうか。
昼を食べていないので外で焼きそばとアクエリアスを買っていると、ガンバの選手交代、片野坂>橋本のアナウンス。げっ、後半始まっちまった。急いで戻り、焼きそばをほっといて応援。

後半もサンフが攻勢をかけるが、いまいち詰めが甘い。大木はもうちょっとスルーを控えるように。でないとアジアカップのときの柳沢のようになるよ。解説の原さんに怒られるよ。
しかし次第にガンバのペースになってきた。右から橋本、左から新井場が進出してゴール前に次々とクロスを放り込む。決定的な場面も作られるが、下田がスーパーセーブで防ぐ。押し込まれてきたサンフに、ニポ監督はすかさず手を打った。背番号3と7が出てきた。そして藤本、コリカと交代。中盤を桑原・森保・沢田・カズで固め、守備重視の4−4−2にチェンジした。
みんなの足が止まってきた。サイドのケアがゆるくなる。新井場がほとんど上がりっきりで左サイドからクロスを放り込む。これを総力を結集してはね返す。前線はほとんど久保頼みになった。久保もハイボールに思いっきり競り合ったり、激しくチェイシングをかけてタックルでボールをクリアしたりと、なんだか別人のような奮闘を見せる。
ガンバも焦っているようでいまいち精度を欠く。GK都築も彼にしては珍しいキックミスを連発していた。
大木に代えて高橋投入、残り時間はわずか。逃げ切れるか?
2分のロスタイムに突入。相手のスローインに食らい付いた久保が競り合ってボールを奪い、そのままゴールへ突進、シュート!しかし都築も意地のセーブでこれをキャッチ、すかさず前線へ蹴り出す。これがつながり、右サイドからクロス!ファーへボールが飛ぶ、そこには新井場、しかもフリー!
ヘッドの体勢に入る、
そんな!
誰もチェックに行けない!
ここまで守ってきたのに!
ヘッド!!
やられた!
背筋が凍りついた。しかし瞬間下田が身を翻して宙を舞い、この超決定的シュートを弾き出した!スタンドが凄まじい歓声を上げた。上村が下田をがっしりと抱きしめる。下田はしかし、喜ぶことなくすかさずCKの対応の指示を出し始めた。だが、決めることができなかった新井場ががっくりと膝を落としていたように、実質試合はここで決まった。CKはダフってニアに落ち、これをサンフがクリア、これをキープしてオープンスペースへドリブルしていったところでホイッスル!サンフが粘りの逆転勝利でJ1残留に価値ある勝点3をもぎ取った。
本当に皆頑張っていた。このようにハードなコンディションの中守りきった、というのは大きい。これからにつながる1勝だった、と思う。少なくとも、J1残り試合、もう無様な試合をすることはないだろう。ゴール裏の面々は試合後、最前列に並んでサンフレッチェ・コールを繰り返していた。
試合が終わって落ち着いてくると身体が震えてきた。雨具も何もつけずにずっと弱くはない雨にさらされていたんだし、それは当然のことだ。ほぼ確実に風邪はひくだろう。ほとんど冷めた焼きそばを食べ、選手のバスを見送って皆と別れ、近くの金沢テルメで風呂に入り、近くの食堂で晩飯を食べ、北陸道へ。帰りは名神経由で帰った。渋滞らしい渋滞もなく、途中賤ヶ岳SAで給油&休憩、道口PAでアイスを買って食べ、「チューボーですよ!」が終わるころに家に帰り着いた。
「スーパーサッカー」と「すぽると」でゴールシーンと下田のスーパーセーブの数々を確認し、寝る。
今これ書いてますが、頭痛いです。
往復の走行距離は1073km、高速料金は、行きが5,050+2,650=7,700円、帰りが8,400円。
ガソリン代は途中3,000円に2,500円払って現在ほぼ空っぽなので、合計で8,500円くらいか。


10月31日 広島スタジアム 晴
VSヴィッセル神戸
11月1日の万聖節の前夜、10月31日の夜はハロウィーン。子供たちが仮装して「トリック・オア・トリート?」と言いながら家々を練り回る日だ。この日に行われるJ1第2ステージ第11節、サンフを待ち受けるのははたしてTrickか、Treatか?
仕事を切り上げ、車に乗ると17時30分。福山西ICから乗ってもちと試合開始には間に合わないか・・・でもとにかく西へ。
車をぶっ飛ばして五日市ICで降りると18時30分過ぎ。草津有料道路を抜けて広スタへ。スタジアム周辺の駐車場はすでに一杯だったので、ほう、平日夜なのにそこそこ来てるじゃんとか思いつつ離れのさいはて駐車場へ。往復バスに乗り、降りると走ってスタジアムへ。
すでに試合は始まっている。チケットを買ってゴール裏へ走る。走っていると、出し抜けに歓声が大きくなり、
「ゴール!」
うえ、もう決まったのか。最近は点を取るのが早くなったな・・・大木の名前がアナウンスされる。
ゴール裏に入るとTomoさんの姿が見えたので、その隣で応援に入る。しばらくするとサンフレッチェジュニアの面々がわらわらと入ってきて見よう見まねで応援に加わった。
サンフのメンバーは、
GK加藤、DF駒野、上村、オレグ、服部、MF桑原、カズ、コリカ、FW藤本、久保、大木。
神戸のほうはカズゥと岡野の2トップ。電光掲示板を見る限りでは全体的にやや守備的な布陣を敷いていた。しかしサンフ相手に引いてしまってはいけない。サンフが怒涛の攻撃を展開する。
中盤のコリカ、そしてFWながらやや引き気味の藤本がとにかく動き回ってボールを引き出し、サイドバックと絡んでチャンスを次々と創り出していく。特に左サイドに流れた藤本と服部にカズの3人が繰り出すトライアングル攻撃に神戸の右サイドが蹂躙される。右サイドでもコリカ、大木が溌剌と動き、駒野も積極的に上がってシュートを放つ。久保も「無謀シュート」連発でいかにも頼もしい。ディフェンス陣も復帰のオレグを中心にきっちり守る。上村も守備に徹して神戸攻撃陣を的確にストップする。GK加藤も吉村のフリーのヘッドをファインセーブではじき出した。
しかし特筆すべきは桑原。最近はどうにも中途半端なプレイが多かったのだが、この日はかつてのようにとにかく走り回ってボールを追い、タックルを繰り出してボールを奪う。守備時はDFラインに入ってボールを落ち着かせる。ヘタに守備のバランスを考えるよりも、やっぱり彼はこうでなくては!さらに大胆なサイドチェンジを見せたりして、そのコントロールに時たまミスはあるものの、まあそれに文句を言うつもりはない。いつもの「やばいミス」は皆無。頼もしいぜ!
ということでサンフが一方的にボールを支配し攻め立てるのだが、シュートが入らない。神戸のGK、“セクシー”掛川が必死に守っていることもあるが、シュートが正面を衝いたり、精度を欠いたり・・・こういうときはいつもミスで失点して、バタバタとし始めて逆転されるパターンだ・・・しかし前半終了が近づいた41分、右サイドのパス交換から大木がサイドを突破、センタリング!ゴール正面でコリカが受ける。シュートだ!しかしすぐに神戸DFが中央に集まってコースをふさぐ。だめだ撃てない・・・と、コリカは素早くフリーの大木に戻した。大木は再びセンタリング、これに飛び込んだのは紫のユニ!ヘッドで向こう側のゴールに叩き込んだ。スタンドが再び爆発する。久保か?と思ったら、これがなんと藤本。藤本のヘッドのゴールなんて記憶にないぞ?しかしいい時間帯の追加点、2−0と突き放した。その流れのまま前半が終了。おお、見事に立ち直っているじゃないの。
今日のサブはスカ様、高橋、森保、沢田、そして初のトップお目見えのGK林くん。
他の会場の途中経過・・・げ、セレッソが1969にリードされてる。やばいよ。頑張れ。エジムンドにやられたんか?浦和もリードしてるし!
後半、神戸は3バックから4バックにし、ダニエルを投入して攻撃に出てきた。サンフが押し込まれる。さらに和多田登場。来た!ロングスロー。相変わらず飛ぶ飛ぶ!はっきり言ってカズゥのCKやFKより怖い!そして彼の速いロングスローにGKカト竜が目測を誤りキャッチミス!これを鈴木健仁に押し込まれて2−1と詰め寄られた。う、これはいつものパターンか・・・?沢田か森保を入れたほうが・・・
GK加藤がチャージを受けて倒れ、さらにいやな雰囲気に。林にはいくらなんでもヘビーな局面だぞ・・・しかし加藤は立ち上がった。
さていつもはここから崩れ出すのだが、この日のサンフは一味違った。徐々に押し返してくる。サイド攻撃もよみがえってきた。コリカと藤本にボールが集まり、彼らのドリブル・キープから攻撃が構築される。
大木に代わって高橋が入った。高橋も精力的に動き回って前線を活性化させる。
そしてその中、試合が動いた。サンフのゴールキック。加藤が大きく蹴り出した。オフサイドの位置にいた久保がすたすたと戻る。入れ違いに上がってきたカズがこのハイボールに競り合い・・・ボールは戻ってきた久保の前に落ちてきた。久保は加速装置を作動させて一気にトップスピードに上げ、DFラインを一瞬のうちに突き破り、あっという間に掛川と1対1!撃つか、と思いきや掛川の鼻先で切り返してこれをかわす。掛川がしりもちをつく。しかしこの間に背後からDF2人が追いすがった、まずい!しかし久保は切り返し後の万全でない体勢からその優れたボディバランスで右足にボールを引っ掛けると、がら空きのゴールど真ん中にふわりと放り込んだ。眼前でのエースのゴールにゴール裏の興奮は絶頂に!3−1!
さらに高橋のヘッド!GKはじいてこぼれをコリカ!決定的だったシュートは外れてしまった。それは決めて〜!
この日大活躍のコリカに代わってスカ様。このまま行くか、と思ったがロスタイムにCKから失点を許す。しかしそのまま3−2で逃げ切り、大きな勝点3を手に入れた。セットプレイからの2失点は集中力の問題だから、気をつければ済むこと。崩された場面はほとんどなかったし、この状態をガンバ戦につなげたい。
ガンバには和多田はいないから安心だ。
浦和と1969の勝利でまだまだ予断を許さない展開になったが、このサッカーなら大丈夫のはず。今度こそ過信することなくこれを継続してほしい!
帰りの空にはきれいなお月様が光っていた。
「おっ月さまがでっけえな」
という『蒼天航路』の劉備の台詞を思い出した。その台詞はこう続く。
「生き存らえようぜ、公徳(<劉備の子の字)」
そういきたいものだ!





10月13日 広島スタジアム 曇
VS柏レイソル
先日仕事の帰りに福山のDEODEOに行き、ソニーの14型フラットTVを買おうとして、購入カードを引き抜いてレジへ持っていったら何と品切れ。じゃ売り切れって貼っとけよ。入荷は22日になります、と言われたがもちろんそのようなことは承服できない。というわけでDEODEOの他の支店から在庫を探してもらい、尾道にあったので送ってもらうことにした。で、午前中に「着きました」との電話がきた。しかし家でちょいちょいと所用があったので自宅を出て福山に向かったのは14時過ぎ。福山でTVを受け取ってそのまま広島へ向かう。TVを後ろに積んで試合に向かうなど、なんとも面妖だがしょうがない。
広島に着いたが、ちょいと《アニメタル・マラソン4》を探していこう、と思ってDEODEOの駐車場へ。うーん、あるとすればあそこしかあるまいな、とアニメイトに行ったらうまいことあったので買う。隣に同人誌の店があったのでちょっと入ってみたら『魁!!クロマティ大戦3』というのがあったので思わず買ってしまった。
スタジアムに行く途上それをちらちら読みながらだひゃひゃひゃひゃ、ひゃ〜、と長谷川笑美子ちゃん(竹本泉『よみきり(はあと)もの』1巻参照)みたいに笑っているとほどなく着いた。さいはて駐車場に回されたのでそこまで行ってバスでスタジアムへ。
「七人の侍弁当」を買って喰う。うむ、うまい。量がちと多いが。
初めてゴール裏に来たが、視線が低い上にピッチまで遠いので、試合が始まると戦況はほとんどわからないみたいだ。
サンフのメンバーは先日の4−0快勝の福岡戦と同じ。
柏は、ホン・ミョンボの怪我が長引いているもののそれ以外はベストの布陣。
すなわち、GK南、DF根引、渡辺毅、薩川、MF明神、ユ・サンチョル、渡辺光、平山、大野、FW北嶋、ファン・ソンホン。
最近なかなかうまくいっていないが、代表遠征で誰も離脱しなかっただけに、この2週間でどう仕上げてきたか。
試合開始。
開始早々から、前線から活発に動いて攻め込む柏に押される展開。しかし、右サイドから素早く左サイドフリーの服部に展開、服部の余裕を持って上げたクロスを中央から久保がダイビングヘッドで叩き込んで早くもサンフが先制。うーん、この前はフロックじゃなかったんだな、と思っていたのだが・・・
柏は前半早い失点だっただけに気を取り直して前線から激しいプレスを仕掛けてボールを奪い、2トップに当ててサイドに展開する。これにサンフがものの見事に飲み込まれた。中盤でパスが寸断され、ボールが回るのはバックラインのみ。そこへも激しいプレスがかかるため、やむなくロングボールを放り込むもFWはキープできない。柏が次々好機を作り出す。目の前で柏が自由に走り、パスを回すのでこっちは気が気でない。その中、柏のCK。ファーに流れたボールをファン・ソンホンが体で押し込む。ハンド、とも見えたが主審はゴールを宣告、1−1のタイスコアとなった。
それからも柏が一方的にボールを支配。それでも奇跡的にゴールは奪われなかったが(PKぽかったのもあったが見逃してもらった)、ロスタイム直前のこと。
こちらの自陣からのFK。上村がボールに向かう。時間もないし、ゴール前に蹴るか、と思ったらグラウンダーで前へ。しかし近くにいた柏の選手がすっと足を出してカット、そして一気にカウンター!ユ・サンチョルのミドルシュート、しかし下田の正面!下田はゴール上へ弾き出すべく下から手を振り上げてパンチ・・・しかしこれをなんと弾きそこない、ボールはこともあろうに前へ転がった。体勢の整わない下田が慌てている間にこれに食いついたのは渡辺光。柏が2−1と逆転した。そして前半終了。
これが前節で素晴らしいパフォーマンスを発揮した同一メンバーとは・・・福岡が相当ひどかったとしか思えない。
ゴール裏での意見では、スカ様をトップに入れ、駒野を右に入れて沢田を中央に回す、ということで一致していた。
後半開始。スカ様が藤本と交代でトップに入り、駒野がなんと沢田に代わってイン。どうした沢田、怪我か?
しかしスカ様のボールキープからサンフが攻勢をかける。とにかくスカ様、鬼のようなボールキープ。3人、いや4人かかってきてもボールを失わない。確実にボールをつないでゆく。そして同点ゴールはそのスカ様から。
PA外中央でボールキープ。柏の選手がわらわらと集まってくる。2人、3人、4人・・・しかしボールを離さない、そしてゴール前に走る大木にドンピシャのパス!大木は飛び出す南の寸前で小さく右にはたいた、その先にはコリカ!無人のゴールに流し込んで2−2、同点に追いついた。
このまま逆転だ・・・しかし中盤での薄さは改善されない。柏の連携がサンフ守備陣を右に左に振り回し、シュートを次々に放つ。うーん、大木を高橋に代えるか、奥野に代わって桑原を入れて中盤に上げ、コリカをトップ下に上げるか・・・と思っていたら速攻を食らって2−3。おいおい、と思っていたらすぐにゴール食らって2−4。・・・何やってんの!
ここで奥野>高橋。4トップになった。しかしここでオレグが負傷、ピッチ外へ。そしてそのまま戻ってこなかった。
これではどうしようもない。3−2−4という頭でっかちフォーメーションが機能するはずもなく、そのまま試合終了。
試合後、heyさんとご挨拶しました。東京からご苦労様です。まったく、もっといい試合しろってーの。反省して来週の連戦は頼むぞ。
BSはないみたいだから、安心して戦え。
いつもいつも、間があいた次の試合で惨敗するのはもーやめれ。弛緩しすぎだ。もっと集中せんかね。
あーもー今日はサッカーの話はもういいや。
帰りは《アニメタル4》を聴きながらいっしょに歌ったり笑ったりしたりしながら帰った。
「亜空大作戦のテーマ」はいいなあ。「銀河旋風ブライガー」も良し!「光速電神アルベガス」も懐かしい。
ミッション・アウター・スペ〜ス♪サンフももっと“エクサイト!”してほしいもんだ。
以上。
・・・オレグ、靭帯損傷の疑いですか?




9月22日 広島ビッグアーチ 晴
VS横浜F・マリノス
お彼岸の中日を明日に控え、3連休の初日ともあって結構な人出が予想されるこの日、私も結構早く目が覚めた。モーツァルトの《クレド・ミサ》にリタニアを聴き、MDデッキに何か入っているか聴いてみたらJ.S.バッハのマルコ・マタイ・ヨハネ受難曲よりの抜粋だった。起き出して朝食をとり、PCでニュースを見る。
ふと横の机に聖書があるのに気づいた。そういえばアダム以下最初期の人間はえらい長命だが、アダムが死んだ時は一体誰の時代なのか?
どうでもいいことだが、思い立ったらやってみないと気が済まない性分なので、「創世記」を開いて白紙の裏に書き抜いてゆく。アダムの寿命は930歳。そのころには9代目のレメクが生まれており、それまでの息子や孫たちも全員存命している。アダムの没後57年後にレメクの祖父エノクが神に取られていなくなり、その55年後にアダムの子セトが没。14年後にレメクがノアをもうけ、それから歴代のアダム直系の子孫が次々に没していく。天地創造から1651年後にレメクが没、そして1656年、人類史上もっとも長命のメトシェラが969歳で没、ここでノアの祖先はすべて他界した。そしてこの年の2月17日、大洪水が起こった。
ノアは2006年没、2126年・アブラム(のちのアブラハム)誕生、2225年・ソドムとゴモラの滅亡、2226年・アブラハムがイサクをもうける、2286年・イサクがエサウとヤコブをもうけ、2378年・ヤコブがヨセフをもうけ、2395年・ヨセフがエジプトに売られ、2406年・イサク没、2408年・ヨセフがファラオの夢を解き明かしてエジプトの宰相となり、2416年・ヨセフが11人の兄弟と再会、次の年に父と再会、2433年・イスラエル(ヤコブ)没、2488年ヨセフ没、そしてモーセによる出エジプトは2847年・・・それにしても、ヨセフと兄弟の再会の場面はいいなあ。ヨセフの兄・ユダの嘆願の場面なんか、ヨセフでなくとも泣くぞ。

・・・と、気づいたら11時30分を回っていた。げ、こんなことしてる場合ではない!とりあえずヘンデル作曲のオラトリオ《ヨセフとその兄弟たち》を鞄に放り込み、背番号5の旧ユニ、つまり伊藤哲也のレプリカユニを持って出る。なんたって伊藤さんのサイン入りだ、崩壊気味のディフェンス陣へのお守りになればいいが・・・
書店に立ち寄ると、平野耕太の『ヘルシング』1・2巻を買う。オラトリオを聴きながら殺戮シーン満載のコミックを読む・・・日本て、本当にいい国ですネ・・・
ビッグアーチに着くころには2巻もあらかた読み終わっていた。試合開始1時間30分前だというのに正面駐車場は既に一杯だったので、ツインタワー奥の駐車場に。2巻を読み終わって、レプリカユニを着て出る。ちなみに3巻はすでに持っている。
さーて、今日の相手も「見敵必殺(サーチアンドデストロイ)」といこうか・・・
自由席を買う。これまで自由席(より正確に言えばもっとも安い席)観戦では0勝8敗と、圧倒的な勝率を誇っている。しかし旗手・Naclさんに「また来てください」と言われているし、ここは行くしかあるまい。ジンクスなどというものはきっちりと正面から破っておかなければな。
てくてくと歩いていってB6下へ。NaclさんやTomoさんに挨拶。
メンバーが発表される。スカチェンコはサブスタートのようだ。
「彼は25℃以上では溶けちゃうのでこの天気では15分が限度でしょうね」
とNaclさん。うむ、それは言えてるかも。ロシア育ち、それに今年前半はスイス暮らしだったからな。今日は秋晴れにしてはいささか暑い陽気だ。
サンフはGK下田、DF駒野、八田、オレグ、服部、MF沢田、カズ、コリカ、FW藤本、久保、大木。
えふまりはGK川口、DF小村、松田、ナザ、MF上野、遠藤、波戸、古賀、中村、FWブリット、坂田。
元気丸応援団主宰の吉田さん&藤村アナがやってくる。ひとしきり応援練習を繰り広げると、はや試合開始が近づいていた。
そして15時33分、ニューヨークへのテロの犠牲になった方々への黙祷を捧げた後、キックオフ!
一進一退の攻防が続く。ボールはサンフが概ね支配しているものの、なかなかシュートまで持ち込めない。横浜は2度ほどディフェンスの裏を取って決定機を迎えたが、いずれも下田がファインセーブで防いだ。やっぱり崖っぷち対決で双方とも硬くなってるのだろうか?
しかし!1万5千の声援に応えたいサンフがついに先制する。中盤での速いパス回しから中央フリーのカズにボールが渡った、カズはそのままドリブルでPAに迫る。
「撃て!」
と声が上がった。私も叫ぶ。しかしカズはパスを選択した。左から上がってくる藤本にスルーパス!藤本は角度のないところから左足を強振!強烈な一撃が川口の手をはじき飛ばし、ゴールに突き刺さる。藤本はそのまま阿波踊り。1−0先制!
これでサンフが落ち着いた。駒野も積極的なドリブル突破&クロスをホーム側のスタンドの方々に披露する。八田は時々ヤバいプレイをするものの、空中戦を制し、マーキングも強い。彼がブリちゃんにべたーっとへばりついたら、ホントに彼が身動きできなくなるほど。ストッパーに限定しての能力なら一流だ。上村の出場停止でゲームキャプテンをつとめる沢田は闘志あふれるプレイ。八田のフォローもバッチリ。カズも良く動き回ってボールに絡み、前への意識も強い。中村俊輔番もつとめていたが、ほぼ完勝し、ボールを奪いまくっていた。コリカは周りを生かすプレイが秀逸。藤本は左サイドやや引き気味の位置からドリブルで相手にプレッシャーをかける。服部は怪我を抱えているが攻めようとする意識は失っていない。久保と大木だけはちょーっとコンディション悪いかな、という感じだった。
横浜は遠藤が負傷、若い田中に交代したことで不安定な守備陣にさらに不安が増えた格好になった。
そして前半終了。
後半開始。横浜はこれも負傷の上野に代わってDF数馬が入り、ナザが中盤に上がった。横浜が押し込む。サンフは中盤でパスがつながらず、不利になっていった。松田がドリブルで一気にオーバーラップ、オレグをもかわしてヒール、波戸のセンタリングにブリちゃんオーバーヘッド!これには肝を冷やしたが、わずかに左へ外れた。
ここでニポ監督は大木を下げ、奥野先輩投入。今週の練習でやりこんだ3−5−2となり、先輩は3バックの中央に入った。これで守備が安定し、さらに久保と藤本の2トップとなったことで藤本が右から左から縦横無尽に飛び出すようになり、押し返してゆく。そして追加点。
右CK。服部ショートコーナー、藤本受けて返す、服部、駒野へ戻す、駒野クロス!これがゴール正面フリーのオレグへ!オレグ、ワントラップして落ちてきたボールをボレー、ゴール右隅に突き刺さって2−0!!これでいける!でもあと1点欲しいところだ・・・
ここで、この日はやや精彩を欠いた久保に代わってスカ様登場。日が傾き、フィールドが日陰になりかけている(つまり、涼しい)のでこれは期待できるか?
スカ様は長身ながらボールコントロールが抜群に巧く、3人にとり囲まれてもキープできる。彼のポストプレイで再びサンフが落ち着いた。さらに足をつらせたらしい藤本に代わって高橋。とどめの3点目はこの2人のコンビから。
中盤でスカ様がボールキープ、じわじわと上がっていく。横浜DF陣はうかつに飛び込めないのでじりじり下がる。そしてPAを背負ったところでプレッシャーをかけに行ったところ、スカ様はすかさず右に開いた高橋へパス。DF陣が高橋に向かう。高橋はそれをあざ笑うかのようにダイレクトで中央に折り返した。PA入ったところ、ゴール正面、スカ様はこれもダイレクトでゴール目がけ蹴りこんだ。川口の上を破り、ボールはバーに当たるとゴールラインを割ってゴール内に飛び込んだ。3−0!!!勝負あった。
彼はセレッソ戦でもセンタリングをダイレクトで蹴り込んでいる。試合前のアップではダイレクトボレーを試みてスタンドに蹴り込んでいたが、ここ一番は決める、さすがワールドクラスだ!
一方横浜にとって、上野・遠藤のドイスボランチがいなくなったことは大いに痛かったようだ。
最後に古賀のクロスを俊輔にヘッド(!)で決められ、あと駒野が距離不足で2枚目のイエローをもらって退場処分を受けてしまったが、3−1、快勝を飾った。
それにしても俊輔のヘッドでのゴールは、海馬ボーイも垂涎もののレア度を誇るゴールだろう。いい物を見た。ありがとう。
沢田さんが試合後にB6下まで歩いてきて挨拶してくれたのには感動したね。
次の相手はアウェイで福岡。ノーさん&ロペスの活躍でただいまノリにノッているオッサンチームだが、確実に勝ってJ2降格ラインから逃れるべし!
今日の集中力を忘れず、継続してほしい。




9月8日 広島ビッグアーチ 曇
VS名古屋グランパスエイト

ユースは快勝、トップもこうありたいものだ、とビッグアーチへ向かった。するとまだ17時だというのにかなりの人出。元気丸応援団の募集にも長蛇の列。広島TVの植村アナと解説者の吉田さんが声をあげている。私はさっさと中へ入ろうとしたがかなりの列ができており結構待った。
中へ入ると、B6下へ行って毒連メンバーの9連ビッグフラッグ旗手Naclさんやミニマムヨンチェ君所持のTomoさんらに挨拶。ちょっぴりビッグフラッグを振らせていただいた。さすがに大きいので骨が折れる。腰を使わないとまともに振れん。これを90分やっていたら死ぬ・・・
そのままそこにいると、吉田さんに植村アナがやってきた。B6下は、まだ18時前だというのにかなりの人口密度で、はや紫に染まっている。バックスタンドの自由席もほぼ一杯だ。元気丸応援団の募集もすでに500人を超えたらしい。やはり応援をしたい、という人は多いものだなあ、と少々驚く。Naclさんも、
「こんなに集まるとは正直思わんかった」
ええ、私も。広島の人ってば、本当にシャイな人が多いんだから・・・とにかく、これがきっかけとなれば。

まず練習、ということで、フォリアカップのあとみんなで応援の練習を行う。
困ったのは、コールだけならまだいいが、旋律がつくと、これがどれもこれもキーが高い!コーラスではバスパートの私としては非常に困る。しょうがないからオクターブ下で歌ってみたが、面白くない!というわけで基本的にシャウトのみとさせていただくことにした。
にしても、これだけの人数がいるとさすがに迫力がある。みんな結構飛ばしていたので、練習が終わったころには最前列の人たちは疲れてました。私も結構疲れた。雨上がりということで湿度が異常に高く、汗が滝のように流れ出る。ピッチ上の選手は大丈夫だろうか。とくにサンフ。後半バテやせんやろな・・・
この試合の主審は辺見。来た!私の予想は上川だったが。メンバーが発表される。
GK下田、DF駒野、トゥーリオ、上村、服部、MF桑原、カズ、コリカ、FW藤本、久保、大木。例によって藤本は引き気味。前節でオレグと沢田が退場、出場停止になっているが、2週間の空きがあったことだし、きっちりやってくれるだろう。
控えには加藤、奥野、八田、高橋、梅田。つい先日までレギュラー組で練習していた浩司とスカ様はなぜか外れている。中盤の選手がいなくて大丈夫か?
名古屋は、GK楢崎、DF石川、海本、西澤、中谷、MF山口、ウリダ、中村ナオシー、岡山、FWピチブー、森山。2トップが怖い。
さあ、試合開始!「応援団」の怒涛のコールが沸き起こる。一緒に声を出し、拍手するが、これでは試合を冷静に見るどころではないな。まあ勝てばなんでもいい!
すると、前半開始早々の7分、右サイドに出たロングボールに追いついた久保がDFと競り合いながら中へ折り返す。DFに当たって勢いの減殺されたボールを走り込んだ藤本がさらに中へ。これを受けた大木が後ろへ落とし、走りこんだのはコリカ!決して広くはなかったゴールへの道筋に的確に蹴りこみ、サンフレッチェ先制!B6上下が爆発!この前の市原戦と同じく幸先いい!
石川のセンタリングにファーサイド、ピチブーのオーバーヘッドキック!ゴール右ギリギリに外れる!あぶねー!やはりヤツは怖い!しかしサンフ、守備のリズムが悪い。DFがきっちり押し上げていないので中盤のフォローが遅い。それでも桑原が走り回ってカットしまくっていたのだが、ピチブーの脅威に押されたのか全体的にじりじり下がってきた。そして17分、中央でキープしたピチブーがパシッと右サイド走り込む森山に絶妙のスルーパス。抜け出した森山がやや角度のないところからダイレクトで豪快に蹴りこみ、1−1に追いついた。なんともあっけなく・・・
しかしサンフも負けていない。好調の攻撃陣がまたも見せてくれる。右サイドに出たボール、一旦桑原に戻し、桑原は中盤底のカズへ。カズはこれをダイレクトで前方へフィードした。落下点に入った藤本がヒールで落とし、そこに入ってきたのは再びコリカ!豪快に蹴りこんで2−1!
よしこれでいける、と思ったら、右サイドから中央に出てきたボールを岡山がトラップ。サンフの選手は3人ほどいたのだがこれが一瞬のうちにかわされ、あっさり決められてしまった。2−2。・・・ザルか!
名古屋がボールを回すようになってきた。サンフはバックラインでボールを回すものの、中盤でフォローがなく個人勝負に挑んでは跳ね返され、速攻食らう、の繰り返しとなってきた。DFラインがずるずると下がり、桑原もラインに吸収されてきた。中盤が空いてくる。悪いサイクルに入りかけたところで前半終了。
早いうちに八田を入れて3バックにしたほうがいいんじゃないかなあ・・・と思っていると後半開始。いかん、ムード相変わらず悪い・・・ここで選手交代。大木>高橋。がんばれ・・・と思ったが動きが悪い。次いで奥野が出てきた。交代はなんと服部。なぜだ!と思ったが、負傷のためだったらしい。3バックか、と思ったが、なんと上村が左サイドに出てきた。おいおい、大丈夫か・・・?さらに藤本>梅田。ええっ、確かにコンビネーションは悪いしシュートも外すけど、中盤から彼を削ったら余計スカスカに・・・
前線に久保・高橋・梅田の3人が張り付く。DFライン&ボランチは引いたままなので中盤がコリカのみの空っぽになってしまった。名古屋は広大なスペースをガンガン使い始める。自陣からでもあっという間にゴール前に持っていけるので、これほど楽ちんな攻撃もないだろう。そして均衡を破ったのは当然のごとく名古屋。サイドからのセットプレイ、ファーへ流れてさらに折り返し、また折り返し・・・サンフの選手はゴール前で右往左往、しまいに山口に蹴りこまれてしまった。2−3。そしてとどめは交代出場のマルセロ・ラモス。攻撃のフォーメーション練習のようにきれいかつあっさりと決められ2−4。これでサンフは完全に切れた。ルーズボールも全く追わなくなってしまい、みなのため息を誘う。そのまま試合終了。
後で聞いてみると、この日の応援は本当に凄かったらしい。これだけの応援があってそれしきのクズみたいな試合をやってしまうなんて、選手たちの神経を疑う。ここはホームなのに、観に来たみんなに醜態をさらし続けて・・・応援などほしくないって言うのか?
再来週はJ2降格争いの横浜戦。ここで、みんなが中村俊輔ウォッチャーになることのないように、サンフの熱いプレイに釘付けになるようにしてほしい。
それにしても、持続力のないチームだ・・・もっとも、あればとっくに上位争いをしているんだけど。
まあ、きょうはオレグと沢田がいなかったということでしょうがないか?その穴を埋める選手が存在しなかった。でも、特定の選手がいないと勝てないチームなんて、ねえ・・・つまりは個人能力頼みで組織というものがないってこと。東京ヴェルディと一緒。うまいだけあっちのほうがマシだけどね。名古屋はピクシーが本格的にいなくなったので、みんなが組織力というものに本格的に目覚め始めているというのに。サンフは、みんなの気分がたまたま乗るのを期待するしかないんかねえ・・・


8月18日 広島スタジアム 雨のち晴
VSジェフユナイテッド市原

昨日から体がだるい。どうも体調が良くない。今日も朝からぐったりして起き上がれない。高校野球を見ながらじーっと横になっていたが、気分が乗ってこない。だめだ、今日は行けないかも・・・それでも、第3試合の習志野−明豊のころにはだいぶ良くなってきた。何とかいけるか・・・
しかし試合終了と同時に激しい雨が降り始めた。行く気が萎える。今行ったら体調を更に崩すかもしれん・・・PCを起動してウェザー・アイのHPを見る。正午現在の降雨確率は10%・・・ならばこれは夕立ということか。向こうは晴れているかも。車に乗る。
いつものようにCDを何枚か聴きながら行く。まずはJ.S.バッハのカンタータ第147番&21番のカップリング(BIS、鈴木雅明盤)。
147番は「主よ、人の望みの喜びよ」で知られる旋律の元となったコラールを含む有名曲だが、私が好きなのは冒頭合唱「心と口と行いと生き方は」。トランペットの軽やかなオブリガートを伴う美しい合唱曲だ。
心と口と行いと生き方は、キリストを証立てるものでなくてはならない、
恐れも惑いもなく、彼こそ神にして救い主なりと!
わが行いもサンフを証立てるものでなくてはならないだろう。
雨は止まない。高速に乗ったが、雨はますます激しくなってくる。曲はカンタータ第21番に移った。冒頭合唱が聞こえてくる。
わが心に憂い多かりき・・・
やな感じだ。しかし、幾つめかのトンネルを抜けると、まばゆい陽光が辺りを満たした。晴れている!スピードを速め、一路五日市ICへ。カンタータも最後は輝かしく終結した。CDを代える。マショーのノートルダム・ミサ曲、HMFのマルセル・ペレス盤。メチャメチャこぶしを効かせてミサ曲を歌う強烈なもの。ICで下り、軽い渋滞に巻き込まれたが、18時30分ごろにスタジアムへとやってきた。そしたら大渋滞。
さっさと捌かんかい!
とか毒づきながら西飛行場のとこの最果て駐車場に行ったらそこも満車。
盆休み期間中なんやからビッグアーチでやれよ!
これ以上遠くへ行きたくない。駐車場の金網と道路の間のスペースにに車を次々に止めていっているのでそれに続く。そしてちょうど来ていたバスがたちまち一杯になって乗れなくなったので走ってスタジアムへ。このころになると強い風に加え雨も降り出してきた。こっちでもか!
しかしスタジアムに着くと小降りになっていた。止みそうだ。SBのチケットを買っていると試合開始のホイッスルが鳴った。ありゃ、始まっちまった。チケットを受け取ると、歓声が大きくなった。そしてドッと弾ける。げ、もう入ったんか?この歓声ならサンフのゴールだろうが・・・ゴールのコール、そして得点者は、コリカ!早くも1−0リードだ。走ってメインスタンドへ。
サンフのメンバーは、セレッソ戦と同じ。
市原は、GK櫛野、DFミリノビッチ、中西、茶野、MF坂本、阿部、長谷部、村井、ムイチン、FW大柴、チェ・ヨンス。
電光掲示板にはなぜか「チェ ヨン スン」と表記。
サンフが押している。上村とオレグが高い位置までDFラインを上げているので、中盤でタイトなプレスが利いている。二人はサイドにも積極的にカバーに行き、空いたスペースを沢田が的確に埋める。カズも運動量多くボールに頻繁に絡む。ビンビとポジションチェンジして前線に上がる姿も見られた。駒野も村井を完全に封じ、また前線で体を張ったプレイも見せる。服部も積極的に上がって攻撃を組み立てる。ときたまその裏を突かれてクロスを上げられるが、オレグがきっちり「そこにいて」的確にクリアしてゆく。スピードがあり、一瞬のうちに危険箇所に入って相手よりも先に触るので、特にチェ・ヨンスに有効なボールが全く入らない。よって市原はシュートにまでいけない。スタンドからも口々に「オレグ!」の名が出る。オレグはオーバーラップしてワンツーからシュートを放つ(GK正面)など、攻撃にも絡んだ。上村も左サイドからアーリークロスを放ったり(藤本合わせそこねる)・・・かなり攻撃的だ。

攻撃でもカズとビンビが絶妙なポジショニングのバランスを取りつつパスを散らしてゆく。カズは阿部と何度もマッチアップしていたが、概ね勝利していた。
久保はやや体が重そうだったが、大木とのコンビは脅威充分。藤本もガンガン動き回って中盤を埋め、飛び出してゆく。やや連携が悪いのは解消されていないが・・・
そして前半終了近く、左サイドに出たボールを細かくつなぎ、そこから一転服部が強引に中へドリブルで切り込んでいく。マーカーを引きずりつつドリブルし、パシッと前方のスペースへスルーパス!これに藤本が反応、市原の最終ラインを一気に突き破った。櫛野が飛び出す、しかし藤本はボールをちょーんと浮かせてゴールに放り込んだ。2−0!そして阿波踊り。先週はディック・ヨルに邪魔された分しっかり踊る。前半はそのまま終了。
いい。とても降格危機のチームとは思えない。あの市原が組織立った攻撃を組み立てることができない。中盤でしっかり主導権を握っている。そうそう、ユースの域に近づいてきたな、いい感じ・・・って、誉めてるんだかどうかわからん感想を抱きつつ後半へ。でもユースの中盤構成はホント秀逸ですよ?
雨はもうすっかり上がっていた。
後半もサンフがペースを握ってガンガン攻める!サイドを破り、大木が、久保が、立て続けにシュートを放つ。2トップの連携も抜群。針の穴ほどのスペースを通した二人のワンツーには悶絶しそうになった。あのピクシーでもああいうことは出来ないんじゃないか。しかし、もう一息のところでゴールにならない。藤本FK、バー直撃!
桑原登場、負傷ぎみの藤本に交代。さらにセレッソ戦で負傷している久保に代わりスカ様。スカ様は投入早々右サイドを破り絶妙のセンタリング、ビンビがファーで合わせたが惜しくも外れた。桑原もパスが回るためにフリーでボールを受ける事が多く、さすがにその状態では気の利いたパスを出してくれる。右サイドから中央飛び出すビンビに出したパスは絶妙だったが、ビンビがゴール前で切り返した隙にクリアされてしまった。
後半30分を過ぎるとサンフの選手の足が鈍くなってきた。さすがに動き疲れてきたか・・・ここで沢田に代わり奥野。大木は代えない。たぶんスカ様の1トップにしたら中西が上がってくるからだろう。市原が攻め込み、CKが多くなる。恐怖の阿部のプレイスキックだが、守備陣が集中高く弾き返す。こぼれ球のクロスからチェ・ヨンスのヘッドがネットを揺らしたが、オフサイドの判定、ノーゴール。それからも上村・オレグの二人が体を張ってボールをはね返しまくった。
市原は長谷部>寿人、坂本>三上、茶野>吉田恵と交代して食い下がったが、及ばず。GKくっしーも直接ラインを割るキックを放ってしまう。そのままホイッスル!2−0、久しぶりの完封勝利を飾った!しかも第1ステージ最多得点の市原からだ!これは大きい。
ヒーローインタビューは完封劇の立役者、オレグ。口数は少なめだが、久保よりはマシだ。それよりも、通訳のミハイロフさんの広島弁丸出し通訳のために、オレグの印象がお笑い系にならないかどうかが心配だ。
このような試合が毎回出来れば、はっきりいって優勝を狙える。それが出来るか、が課題。これまではいい状態の継続がなかなか出来なかっただけに・・・
それはさておいて、今日はブラボー!!今季ナンバー1のゲームだった!
帰りはJ.S.バッハの《フーガの技法》(アルヒーフ、ムジカ・アンティクヮ・ケルン盤)を聴きつつ帰った。先行逃げ切りだけに・・・


8月11日 長居スタジアム 晴
VSセレッソ大阪

さあやってきた、残るか落ちるかの運命の第2ステージ。名古屋戦を見る限りでは結構不安だが、この2日でどう立て直したか?相手は降格有力のセレッソ大阪。
午前中から行こうと思っていたが、為末大の400mハードル決勝を見ずばなるまいと思ってもう一眠りし、昼前に起きてTVを見る。
為末、もみ上げが長い。どことなく上村に似ている。こいつも広島出身。広島のもみあげアスリートを集めて「広島もみあげ伝説」というのができるかもしれん。そんな事を考えているとスタート。最初からガンガン飛ばして首位に立った為末、10本目のハードルのへんで2人に抜かれたが、失速せずに3位でゴールに飛び込んだ。準決勝で自身の出したナショナルレコードをさらに大幅に更新して(47秒台!)の堂々の銅メダル獲得、素晴らしい!
・・・ということは、都道府県エネルギー保存の法則にしたがって広島県のエネルギーは彼にもっていかれてサンフは・・・いや、為末は法政大所属、っつーことは、今日の東京勢が勝ちにくいということ。気にすまい。
さて家を出る。福塩線の中でグーと寝る。いかん疲れが抜けてない。時間的関係で新幹線に乗る。駅で買ったNumberを読んでいると新大阪へ着いた。降りると、前に紫色の12番のシャツを着た御仁が。うむ!だが私は梅田の旭屋書店に寄って、8階で『国民クイズ』復刻版を立ち読みして、坂田靖子の『イソップ扁桃腺』を買って、さらに下りて『上方風俗・大阪の名所図会を読む』を買い、長居へ向かった。
地下鉄の駅を出ると高校生たちの群れが。プラカードを持っているのでなんかの開会式があったのか。その流れに逆らいつつ競技場へ。
中へ入ると、トラックでW杯チケットサポーター枠抽選会をやっていた。6時20分ごろだがまだ両チームの選手は出てきていない。店へ行っておにぎりを買う。普段は車でスタジアムへ行っているが今日はそうではないので、ビールを買って飲む。

そのうち両チームの選手が出てきてアップを始める。そしてサンフのスターティングメンバー発表。
GK下田、DF駒野、上村、オレグ、服部、MF沢田、カズ、コリカ、FW藤本、久保、大木。藤本は実際は中盤に入るんだろう。上村はまだ右脚ヒザ周辺をがっちりとテーピングしている。
リザーブはGK加藤、DF奥野、MF桑原、FW高橋、そしてスカ様。スカ様は、後ろ髪が長いので遠目には「大柄なチェルニー」に見えた。
続いてセレッソのメンバー発表。
GK下川、DF久藤、斎藤、クラウジオ、鈴木、MF田坂、室井(この前浦和戦で見たばっかりだが)、森島、西谷、FW岡山、大柴。
ノーさんとユンがいないので、はっきり言って森島とクラウジオのFKに気をつけていればどうということのない面子だが、こういうのにコロリといってしまうのがサンフの癖だけに油断はならない。大久保がメンバーに入っていなかったのでひと安心したが、主審が変態ディック・ヨル。何ィ!?油断ならん試合展開になりそうだ・・・
ふと気づくと、流れている音楽はチャイコフスキーの序曲『1812年』。おや、これは「ナポレオンを撃退したぜ、ロシアばんざーい」って曲だぞ。サンフレッチェ露・広島なうちを祝福しているのか。これをかけた時点で「セレッソ、敗れたり!」てな感じだ。ここのスタッフは音楽の知識がまるでないな。
さて試合開始!まずはサンフがボールを支配。そして、PA付近中央の藤本からから右へボールが出る。これを上がってきた駒野がダイレクトのグラウンダーで中へ!GKが捕球体勢に入った、その鼻先でクラウジオを振り切った大木がボールを受けた。大木はそのまま下川を抜いてゴールにボールを流し込み、4分、早くも先制!それにしても大木、春先とは別人のような体のキレだ。
それからもサンフが中盤を支配、ペースを握ったが、セレッソはカウンターからサンフの左サイドを破る。いったんははじき返したが、右サイドに出たボールをすかさず岡山目がけアーリークロス。オレグがヘッドでクリアしたが、その落下点にフリーの西谷。ダイレクトで左足を振りぬくと、ボールは豪快にネットを揺らした。1−1。
サンフは、攻めているうちはいいのだが、守勢に入ったときには沢田がDFラインに入って中盤が薄くなるので、一気にゴール前まで迫られてしまう。そこからは対人能力の高い上村とオレグがいるのでなんとか持ちこたえられるが、これでユン・ジョンファンがいたらけっこうヤバかった。ノーさんがいたら、もっとサイドを破られていたかもしれない。藤本は攻撃時にはFWの位置にまで張り出すので、カウンターを受けたときがこわい。
それはともかく、ペースはサンフが握り続ける。そして再び中央のキープから沢田が左へ展開、服部がクロス!これに飛び込んだのは久保!凄まじいヘッドがゴール左に突き刺さり、2−1、勝ち越し!それにしても凄いヘッドだった。そのまま前半終了。
ディック・ヨルは、久保が引っ張られたのに笛を吹かないなどあいかわらずの変態ジャッジを連発していた。
後半開始。セレッソは岡山に代え真中「3分もたたずにか!」靖夫を投入してきた。そして48分、タイミングよく飛び出した森島をオレグが倒してしまいFK。さあ出てきた爆裂フリーキッカー・クラウジオ。位置はPA左スミあたり。がっちり壁を作らねばなるまい・・・と思ったらたったの4人。ちょっと、少なすぎるう・・・クラウジオ、ロベカルばりの細かいステップからキック!壁が一斉にジャンプ!アホ、ヤツが壁の上を曲げるキックなんかするか〜!地を這うボールはその下を一瞬にすり抜けゴール左隅へ。下田が飛びつくももちろんキャッチはできずはじくのが精一杯、そこを大柴に詰められゴール右隅に叩き込まれた。2−2、再び追いつかれる!クラウジオがどんなヤツかお前ら忘れたんか!それとも、しっかり覚えてて思わず体が逃げてしまったのか〜?
これで拮抗した展開になりかけたが、セレッソは西谷のパスミスで何度もチャンスを潰す。彼はこの前見たときからちっとも上手くなってないな。そしてセレッソの守備はサンフ以上にまずかった。左サイドから服部がゴール前にアーリー・クロス。GKと戻るDFのちょうど中央に飛んできた。しかしGKの守備範囲かな、と思ったとき、戻ってくるDF斎藤が無理やりヘッドでクリア。しかし体勢が整っていなかったこともあって全く飛ばず、走り込んできた大木にナイス・パス(はあと)。胸でトラップした大木はそのままボレーシュート!これがまた豪快に決まって3−2、再び突き放す!今のはGKとDFの連携ミスだった。うむ、でも3点ではまだ安心できないぞ。時間もまだたっぷりあるし・・・
しかしさらに左サイドから攻め込むサンフ、上がってきたカズがグラウンダーでマイナスのセンタリング。一人スルー、そしてゴール正面から藤本ダイレクトでシュート!見た感じ当たりそこねでヘコ〜(@パーマン)と飛んでいったが、いい具合にゴール右上スミに飛び込み、4−2。藤本阿波踊り、しかしディック・ヨル胸ポケットに手を入れて近づく。藤本早々に切り上げる。これで結構楽になった。でもまだ一抹の不安が・・・
そのとおりにセレッソ、オーバーラップしたクラウジオが強烈ミドル!下田がはじいたところを素早く詰めてシュート!しかしこの絶好機をなんとミス、ボールは左にそれてしまった。これでセレッソが意気消沈したような感じがした。
サンフはコリカに代え桑原を入れて中盤の守備強化、さらに右足を痛めたふうな久保に代え、初登場のスカ様!スカ様はさっそくポストプレイで魅せる。右サイド、彼のポストプレイから駒野・カズが崩し、桑原が入ったことでより前に出てきていたカズがコーナーポスト付近まで攻めあがった。スカ様はゴール前にダッシュ!と見せかけ、ぴたっと止まって下がり、完全にマーカーを外してボール要求。カズはその足元にピタリとパス、スカ様はこれをダイレクトでシュート、鮮やかにゴール左隅に蹴りこんで5−2、ほぼ試合を決定づけた。スカ様、ポストプレイからゴール前への動きが非常にクレバー。
2ゴール大活躍の大木に代えて奥野。藤本とスカ様の2トップとなった。中盤で回してスカ様と藤本を走らせる戦法に。そしてカウンターから左サイドをスカ様が破り、ドリブルシュート!下川が何とかセーブしたが、ボールの落下点にはきっちり詰めていた藤本。この日2点目、6−2!再び阿波踊りに入るも、またディック・ヨルが邪魔に入る。桑原が「まーまー」となだめに入り、カードは免れた。っていうかそれくらい大目に見ろや。
藤本は、中盤での動きはいいものの、前線に出ての動きや判断、連携ははっきり言って良くなかった。それでも2ゴールという結果は評価していい。
これで完全にプッツンしたセレッソ、もはや何もできずにそのまま試合終了。大ブーイングの嵐が巻き起こった。しかしアウェイ側は歓声が巻き起こる。守備の内容にはまだまだな面はあるが、結果には何も文句はない。とにかく良かった!
その日は京都の知人の家に泊めてもらい、モンティ・パイソンのDVD観てハイドンのピアノ協奏曲とかチェロ協奏曲とかウェーベルンとか聴いて、それから京都国立博物館行って特別陳列の坂本竜馬展観て、これが陸奥守吉行か〜とか、竜馬、手紙はもっと字の大きさそろえて真っ直ぐ書けよとか、これがおりょうさんかとか、これが(英国公使を護って)実際に人を斬った刀か、うわ欠けてるよ、とか思ってそれから三条の十字屋に行ったらトマス・ビーチャム指揮のベルリオーズ《トロイ人》(3枚組、抜粋版だが、第1,2幕「トロイの陥落」含む)があったのですぐさまゲットして、早く聴きたいのでそのまま京都駅に行って新幹線で帰った。