むらさきぐま日記2012


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VS浦和3.10 VS脚4.7 VS清水8.4 VS大宮8.11
VS仙台9.15 VS脚10.27 VS札幌11.7


11月7日 広島ビッグアーチ 晴
J1・第31節
VSコンサドーレ札幌

 前節、万博で貴重な勝点1を獲得して首位キープ、そして土日が忙しくてお菓子杯決勝とか結果しか知らんしどうでもいい中、いよいよホーム札幌戦。最近は△●△と10月は勝ちがなかったので、絶対に勝利が欲しい一戦。相手はすでに降格の決まっている札幌だが、それだけにやりにくい相手ともいえる。天皇杯では今治FCに90分で敗れるという超絶大失態を犯しているが、その轍を踏まずにプレッシャーのかかる中で格下にきっちり勝てるかどうか。
 仕事を終えて即、車を飛ばしてビッグアーチへ向かう。道中一発目に流した曲は《魔弾の射手》序曲と、続く第1幕第1場の合唱「勝利だ勝利だ、名手万歳!」。最近寿人がゴールを獲ってないので、今日こそは決めてほしい。
 山陽道に入るともうとっぷりと日は暮れ、大勢の車もややノロノロ気味、さらに工事のために渋滞と、ちょっとイライラ。そこを抜けていくと、「五日市IC 出口1km渋滞」の表示が。ならばと西風新都ICで下り、引き返していくとセブンイレブン前駐車場に車が入っているのが見えたので、先にセブンイレブンに入ってのど飴とか買い、それから駐車場へ。
 メンバーを見ると、札幌のベンチに一誠入っとるー!開幕前の大怪我で今季絶望とか聞いていたけど、間に合ったか。出番あるだろうか。俊介もベンチ入りしてるし、久しぶりに見たい。
 11月初旬の山中の夜なので、結構寒い。マクド前のシャトルバス乗り場へ急ぎ、ビッグアーチへ。バスを降りて手堅くお手洗いに行き、スタジアムにインすると前回と同じようにもみじ饅頭二個買ってからスタンドへ上がった。

サンフレッチェ:
GK1西川 DF24森脇 5千葉 4水本 MF14ミカ 6青山 8カズ 27航平 7浩司 15洋次郎 FW11寿人
リザーブ・・・GK13増田 DF33塩谷 MF35中島 20ノリ 16山岸 FW25大崎 9石原

札幌:
GK21高原 DF25櫛引 4河合 10宮澤 MF15古田 5山本 18芳賀 6岩沼 27荒野 17岡本 FW13内村
リザーブ・・・GK30杉山 DF34岡山 MF14一誠 FW23大島、23近藤、38テレ、11俊介

 まだスコアレス。サンフレッチェが落ち着いたボール回しを見せている。札幌も前線からプレスをかけているが、前節のガンバほどの厳しさはなく、それをかわしつつボールキープし、じっと機をうかがっているという感じ。札幌サポは、すでに降格が決まっており、平日の夜、さらに最遠アウェイである広島であるにも関わらず、かなりの数が来ていた。
 と、中盤からカズがビシッとボールをタテに入れ、受けた浩司が振り向いて前線中央、PA内に張る寿人へズバッとパス!寿人、マークを受けつつ見事なトラップで前に落とし自らも抜け出す、ところDFが後ろから引っかける、寿人倒れる、すかさず主審が笛を吹きペナルティスポットを指す、PK!!
 よっし!さすがは寿人らしい体のキレ、ファウルでしか止められなかった。寿人しばらく倒れている、大丈夫か。あとでリプレイを見ると、寿人は倒されながらもボールをシュートしようと無理に足を出していたので、それがしばし痛かったようだ。寿人が立ち上がるのと同時に、浩司がボールをセットした。おお、浩司がいくか!寿人は足を痛めているので、ここは納得。最近はカズが決めているので、浩司もゴールが欲しい今日この頃?
 浩司、助走距離をとる。どっちに蹴るか・・・浩司スタート―――左!GK高原反応する、がボールはその腕の下をかいくぐってゴール内に弾む!

ゲット―――!!前半17分、浩司のPKでサンフレッチェ先制!

平日の夜にビグアーチに集ったサポーターがスタジアムDJに導かれて「浩司!」の名を連呼する。
 これで一気にサンフレッチェペースに。札幌は降格が決まって以来精神的な重圧から解き放たれ、失うもののない者の強みで浦和を破り鹿島と引き分けるなど勝点を挙げたが、失うものがない一方で、得るものもない。天皇杯を勝ち進むというような「上向きのモチベーション」ならば持続もしようが、具体的な餌もないところにモチベーションは湧いてこない。よって、早めに叩いてやれば戦意を喪失する。瓦斯戦の0-5完敗はその典型。前半のうちにもう一点獲れば、完全に流れを引き込むことができるだろう。ミカが右サイドをドリブル突破してクロス、ファーこぼれたところを洋次郎がダイレクトシュート、GK捕れない、が右に外れる。
 先制の熱もやや落ち着いてしまったように思えた時、中盤で青山がボールを持ちざま、身をひねりながら一気に前線へスルーパス!その先には斜めに走りながらマーカーを完全に引きはがした寿人、ボールに追いつくとそのままダイレクトで左足一閃!

ゲット!!

 ボールは素晴らしい勢いでゴール右スミへ一直線に突き刺さった。GKはノーチャンス、撃った次の瞬間には「決まった!」と確信できる鮮やかなゴール。アオ→寿人のホットラインの切れ味をまざまざと見せつけた。あの斜めの動きとパスは、たとえるなら名刀の袈裟懸け一閃といったところか。前半31分、2-0。場内は「寿人!」のコール連呼。
 それからはサンフレッチェが危なげなく試合を運び(狙いすぎて失敗することがちょっとあったけど)、ミカの素晴らしい飛び出しからのゲットがオフサイドをとられるなど惜しい場面も作りつつ、後半へ。
 仙台0-0桜、川崎3-1浦和。仙台はホームで強いから取りこぼしはあまり期待できないか。浦和はミシャの厳しいトレーニングとメンバー固定のおかげでこの時期は選手ヘロヘロだろうから、もうひっくり返すことはできないだろう。
 新スタジアム建設の署名は現在16万人台。目標の20万人まであと4万。J1屈指の強豪が、アーティストのコンサートで会場締め出されるとかこんなバカな話はない。署名あるのみ。
後半もサンフレッチェのペース。右サイドでFKを得、浩司のキックに寿人が合わせたシーンは完璧だったが、ボールはバーを叩いてゴールならず。これ以降、チャンスを作りながらもちょっと直線的に行きすぎたり、崩しても最後のところで合わなかったり、決定的な場面も防がれたりと、なかなかとどめの1点が入らない。
 札幌ベンチで誰かがジャージを脱いでいる。あの態度でかそうな立ち姿はたぶん俊介だろう、と思ったらやっぱり俊介だった。荒野に代わってイン。スタンドからは拍手。多くのサンフレサポはまだ前俊をあきらめていない。俊介はワントップに入って走り回るが、やっぱり猛然とチェイスするタマではないし、彼のところまで有効なボールがなかなか入らないので、状況は変わらない。一度中盤上がり目でボールを持ち、彼らしいドリブルで中央突破を試みたが、千葉と水本の二人に止められていた。一誠入れろ一誠。しかし二人目は近藤。FWを入れてもそこまでボールが行かんっちゅうねん、ノブリン。三人目は一誠にせんかい。でも三人目は大島。一誠を試合で見ることはできなかった。
 こちらは青山に代わって石原、ミカに代えてノリと、脚戦と同じような交代。森崎兄弟と洋次郎が中盤で試合を操り、寿人と石原がボールに絡みつつ裏を狙う。DFも積極的に上がってきてほぼ一方的に押し込むが、なお点は入らない。周囲でもちょいとフラストレーション貯まってきたような感じになってきた後半42分、右サイドでCK獲得。浩司が向かい、ボールをセットする。
ここでチャント、

ラーララララララーララ 紫の勇者よ 俺らのハートを狂わせる ゴールを見せてくれ

に変わった。自分もちょいとスッキリしてなかったので、突っ込み気味に力入れて歌う。
浩司、キック!ニアに飛ぶ、そこへ水本が走り込んできてジャンプ一番完全に競り勝ってヘッド!

ゴール!!!

 強烈なヘッドから撃ち出されたボールはワンバウンドしてゴール左スミに突き刺さった。3-0、ちょっと札幌に淡い希望を持たせ過ぎた感もあるが、これで完全に勝負あり。先制・中押し・ダメ押しと、これでスッキリとした形になった。
 水本はゴール裏にアピールした後、千葉ちゃんと二人でなんかパフォーマンスして、メインスタンドの方へ走っていった。サポーターの声に即座に応えたサンフレッチェすばらしい。えーとモンちゃんの名前なんだったっけ、そうそう裕貴ー!
 その後も復帰二戦目の山岸を投入しつつサンフレッチェが自分達のサッカーを続け、アディショナルタイム3分もしっかりとやりきって試合終了の笛を聞いた。快勝でまずは勝点3を獲得、一歩前進。


 勝利したイレブンにコールを浴びせつつ携帯を操作。なかなかつながらないが、ようやくつながった。

 川崎4-2浦和(試合終了) 仙台1-1桜(後半45分→試合終了)

 敗れた浦和とこの日勝利した名古屋とが勝点で並び、サンフとは勝点9差。浦和と名古屋の直接対決があり、かつ得失点差がこちらの27に対しあちらは+3と0で、残り3試合で仮に勝点で並ばれたとしても得失点差で上回られることはまずありえないので、来季のACL出場は確定し、優勝争いは事実上サンフレッチェと仙台に絞られたということになる。中国地方と東北地方のクラブが優勝争いとか、心が豊かになる。
 寿人、そして水本のインタビュー。浮ついたところはなく、今後をしっかりと見据えたマジな受け答え。
 そして彼らが加わった全員でフィールド中央にて円陣、次いでバックスタンド、ゴール裏でサポーターたちの歓呼を受ける。
 その後、西川・増田・航平・ノリ・森脇の五名で劇場。ハロウィーンのカボチャ被り物で登場。おそいよ!柏戦で勝ってればわりとタイムリーだったのに。
 航平と西川は「オレの好きな歌を!」ということで、サポーターたちと一緒にチャントの大合唱。
 ノリは「嫌いな歌を歌います!」といって森脇チャント。
 増田は至極マジメだった。
 桜戦後には「大劇場」が見ることができるだろうか。「大歌劇。」ってなんだったっけ。ガルディーンか。

 来場者数は13,000人余。これまでの平日ナイトマッチは1万人いけばスゲーという感じだったけど、ここにきて盛り上がってきていることを感じる。
 とはいえ平日夜なので帰りは早く、試合終了後1時間ほどでシャトルバス乗り場に戻った時にはもう列はなかった。スタッフの方がバスを呼んで下さったのでしばらく待ってバスに乗り、駐車場に戻って車を出すとそのまま西風新都ICに向かい、小谷SAで晩飯を食べて帰った。

 仙台とは勝点2差、まだ一戦で追いつかれたり逆転される僅かな差。サンフレッチェのまずやるべきことは次節、アウェイで浦和を撃破すること。それからのことはそれからのことで、目の前の戦いをしっかりと、確かに戦いたい。

10月27日 万博記念競技場 晴
J1・第30節
VSガンバ大阪

 ホームで柏にまさかの敗戦で仙台に勝点で並ばれ、アウェイの脚戦。ガンバは残留争い真っただ中ではあるけれど得点はリーグ一、そしてサンフレッチェは万博ではなかなか勝てていない。この終盤で絶対に負けられない状況、代休を行使して行くことにした。
 7時過ぎに車で家を出て、大阪へ。10時半過ぎ、中之島の国立国際美術館到着。
 国立国際美術館では「エル・グレコ展」が開催されている。スペインを中心に世界中からエル・グレコの作品50点が集合。感動した。
 中之島を出て急いで北上、13時頃、万博記念公園到着。東駐車場はすでに満車のため、南駐車場へ。1200円とは高いな。
 しばらく歩いて万博競技場到着。来たのいつ以来だろうか・・・久しぶりにFゲートからアウェイゴール裏へ。
 アウェイゴール裏はすでに紫一色で、人でひしめき合っていた。前段のほうはもう入る余地がないので、後段の中央付近に入れてもらう。オーロラビジョンでは救世主レアンドロへのロングインタビュー。ホームゴール裏も青一色で、残留向けて一丸となっているようだ。メインもバクスタもかなり埋まっている。動員かけてるな。
 西川と増田が出てきて、拍手と歓呼を受けながらアップを始める。続いてフィールドプレイヤーが出てくる。メンバーを見ると、山岸がベンチ入り。ついに帰ってきた。

サンフレッチェ:
GK1西川 DF24森脇 5千葉 4水本 MF14ミカ 6青山 8カズ 27航平 7浩司 15洋次郎 FW11寿人
リザーブ・・・GK13増田 DF22横竹 33塩谷 MF20ノリ 16山岸 FW25大崎 9石原

ガンバ:
GK1藤ヶ谷 DF21加地 13岩下 15今野 4藤春 MF7遠藤 23武井 10二川 25阿部 41家長 9レアンドロ
リザーブ・・・GK22武田 DF5丹羽 MF8佐々木 17明神 19大森 FW11パウリーニョ 18川西

 スターティングイレブン紹介では、水本に脚サポからのブーイングが入っていた。彼は出場機会を求めてガンバから京都へ移籍しているので、これは仕方のないところ。復帰の山岸には何度もコールを入れる。かたや優勝、かたや残留に向けて負けられない一戦、秋晴れの空のもと、決戦の雰囲気が高まってきた。
 両チームの選手入場整列、そして代表キャップ記録を更新した遠藤が表彰され、写真撮影の後ピッチに散らばってゆく。選手たちのコールを入れる中、いよいよキックオフ。
序盤はせめぎ合いが続いていたが、徐々にガンバが押し込んできた。
 サンフレッチェのパスが連続しない。中央は寿人へのパスを抑えられてクサビが入れられず、サイドに出してもフォローが少なく、ミカの突破でしかボールが前に進まない。ミカが突破してクロスを入れても、中央をがっちり固められていてシュートできない。アウェイだから慎重に進めているともいえるが、ノリが大部分を占めている関西のチームに気持ちよくやらせたらとことん調子に乗ってつけ上がってくるので、最初にガツンとかまして「あきまへん」と思わせるか、長所をことごとく封殺して「やっとれんわ」な気持ちにさせるとかして、「今日はいけまっせー」と思わせないのが大事だけど、ちょっとそういう気持ちにさせてしまっている感じ。セカンドボールも支配され、パスを回されて攻められる。遠藤・二川に加え、ルーキー阿部が溌剌とした動きで中盤を支えている。阿部は自分の母校出身なんで個人的には応援しているが、今日はおとなしくしていてほしい。守備陣が最後のところで防いだり、決定的な場面も二川が外してくれたりでなんとか失点せずに済んでいるが、もし何かのはずみで先制されたらそのままもっていかれそう。あかんパターンのやつやー。
 そんなこんなで前半終了。ハーフタイムで流れを変えられればいいが・・・
後半立ち上がり、サンフレッチェはパスを回して攻勢に出、打ち合いの様相を呈してきた。その中、ガンバが中央にパスを通したところから遠藤がPA内見事な個人技でマークをかわしシュート、ゴールに流し込んで先制した。混戦の中から冷静なボールコントロールで抜け出されたところで勝負ありだった。今季先制されて勝ちのないサンフ、まずい状況に。
 それからはガンバがかさにかかって攻め立ててきて、サンフレッチェは再び守勢に立たされる。動きの思い切りに明らかに差があり、こちらの時折のチャンスもシュートが枠に行かない。どんどんあかんパターンに入っている。ポイチさん何とかせな・・・!
 選手交代、ミカに代わってノリ、続いて青山に代えて石原イン。ここは馬力のある石原の突破に期待するしかない。ガンバも、右サイドバックの加地が負傷で丹羽に交代。
 ここで負けたら、きょう自分は何のためにここに来たのかわからない。明日の事は考えずに必死に声を上げてサポートする。
 右サイドにボールが出て、ノリが浩司に折り返す。中央右でボールを受けた浩司、スパッとタテにスルーパス、そこへ石原が飛び出した。藤春はノリのマークにいってしまっており、そのスペースにはぽっかりと穴が開いている。フリー、いける!背後からDFがつこうとするが、石原はそれを振り切ってシュート!GK藤ヶ谷とどかない、ゴール前で今野がクリア、しかし小さい、先にカズがフリーで待っていた。
トラップ、足下に落とし、狙いすまして、シュート!!


ゴール!!!


 ボールはゴール左スミに強烈に突き刺さった。カズが人差し指を立てた右腕を突き上げる。ゴール裏も今までの鬱屈を晴らすように思い切りはじけた。ここまでがっちり中央を固めていたガンバを中央からスルーパス一本で崩したのは、相手への大きなダメージ。
 これで選手もサポーターも完全に勢いを回復した。追いつかれた動揺、そしてバテてきて運動量の落ちたガンバを、サンフレッチェのパスサッカーが攻め立てる。さらに三人目の選手交代、航平に代わって山岸智イン!血流障害の治療で今季は無理、と言われていた男がここでピッチに戻ってきた。こんな場面で復帰とは、ポイチさんの信頼の深さのあらわれだろう。山岸も奮起しているはず。その山岸、早速左サイドでボールを受けると切り込んでクロスを上げる。気後れしているような感じは微塵もない。さらに左サイドへの展開からボールを受けてシュート!決定的だったが、上に外れた。
 ガンバの反撃ももはや迫力はなく、サンフレッチェの網にかかってしまう。アディショナルタイム4分、何とか勝点3をと応援の声もさらに熱を帯びる。
 優勢に試合を進めて最後のチャンス、右サイドを突破してえぐりセンタリング!あ、大きい、と思ったところ、ファーから山岸が飛び込んできてジャンプ一番ヘッドで叩きつける!が勢いが足りず、藤ヶ谷キャッチ。センタリングがもうちょっと低ければドカンと当てられただろうが・・・惜しい。
そして試合終了の笛が吹かれ、激闘は両者譲らずの1−1ドローとなった。

 挨拶に来た選手にサンフレッチェコール。よく追いついた!
 携帯で他会場の結果確認。仙台、浦和ともドロー、上位陣に変化なし。柏は大宮に大敗。サンフレッチェ対策でいつもと違うことするから調子が狂ってしまったんだろう。一時しのぎの姑息な手段でいったんはいい目を見ても、そのうちしっぺ返しが来るという好例。わかっていただろうにのうワグネル。
 今日の万博来場者は1万7千余人だった。ほぼ一杯だったけど、それだけしか入ってないのか。専スタ要望の動きがあるようだったけど、むべなるかな。

 久しぶりにnaokiさんjunkoさんにお会いして、雑談しながら一緒に南駐車場へと戻る。
 南駐車場そばのEXPO FLASH FIELDではアメフトが行われているということで観に行ってみた。試合は高校アメフトで、立命館宇治VS関西大倉。
 第4クオーターで、白に臙脂の立命館宇治パンサーズが20-3と大きくリードを奪い、何とか一矢を報いようと相手が放ってくるパスをことごとくインターセプトしてずっと相手陣でプレイしていた。立命館大学パンサーズの弟分にあたるんだろうか、さすがの強さ。
最後は残り1分強のところで相手の4thダウンを防いで攻撃権を獲得すると、あとはランプレーで時間を消費して試合終了。立命館宇治が大勝し、次戦は関西学院高等部との対戦とアナウンスされた。関学VS立命か、胸が熱くなるな。

 駐車場に戻ったが、試合終了2時間を経過したというのに車が出口に殺到して全く進んでいない。ビッグアーチ以下やな。「忙しい人のための〜」シリーズを聴きながら待ち、タイミングを計って列に入る。特に列の整理をする人がいないことと、みな我先に狭い出口に突っ込んでいくため、出口付近で大渋滞。列にも入らずに単独で突っ込んでくる車もあって、難儀した。
 駐車場を出ても渋滞だったが、何とかそこを抜けて高速に乗る。しかし疲れのせいか手のひらの汗がすごく、手が滑りがちなので、三木SAにてロッテリアで食べたり車中で横になったりでゆっくり休む。その後、吉備SAでもうワンストップして無事帰宅、横になったら即寝てしまった。


9月15日 広島ビッグアーチ 雨のち曇
J1・第25節
VSベガルタ仙台

 ホームで連敗した挙句に天皇杯初戦でアマチュアの今治FCに1−2で敗れるという大失態を仕出かしたサンフレッチェなので、こういう時には絶対に行かにゃあいけん、ということで翌日仕事ぎっちりだけど引かぬ媚びぬ顧みぬの精神で、仕事が終わると急いでビッグアーチへ向かう。BGMは「究極戦隊ダダンダーン」、『大神』の「太陽は昇る」、あとはFM音源の景気のよい曲を流しまくる。立ち上がれ三つの力で。それにしても戦国ソーサリアン名曲揃いすぎ。
 しかし、途中から雲行きが怪しくなって、ついに大粒の雨が降り出した。おお!?雨???こっちの方いい天気だったし、予報でもそんなこと言ってたか?夕刻の雨で周囲の車のスピードが落ち始め、渋滞ムードになってくる。そして「広島IC渋滞2km」「五日市IC渋滞1km」の表示があり、広島IC手前のトンネルを出たところから渋滞になった。
 この日はビッグアーチ初の首位攻防戦であり、2万を超える人出が見込まれているとの情報があったので、最初から西風新都IC前の臨時駐車場に行くつもりだった。なので広島ICを過ぎてまた道が空くと一気にそちらへ向かったが、広島道に入ってしばらくすると路側帯に交通管理隊パトカーが停まっていて、「西風新都IC渋滞500m」の表示が。こっちもか!
 ICに入ったところで渋滞になる。ゆっくり進んでゲートを抜け、信号の先を見ると、車で埋まっていた。右の方を見ると、ビッグアーチに近い他の臨時駐車場に入れなかった大量の車がやってきており、右折車線に列をなしている。なので、こちらが青になっても、そこから右折していった車が臨時駐車場に入れない限り、動けない。シャトルバスが待機している方の空き地にも車を入れ始めたので、かなり飽和状態に達してきているようだ。入れるのかどうか心配になってきた。時間はすでに試合開始時刻の19時を回っている。
 ようやく信号を渡り、しばらく待って、右手の駐車場に入る。いったん最奥部まで進み、ぐるりと廻って道路に面したところに駐車。外に出てみると、こころ方面から来た車がまだまだ列をなしていた。入れるのだろうか。
 小雨の中、急いでシャトルバスの所に向かおうとしたら思い切り水たまりに足を突っ込んだ。用心していったん歩道に出て、シャトルバスへ。携帯でチェック。まだ得点は動いていなかった。浦和が先制されたのでやったーと思ったら、ほどなく同点になった。鞠使えねえ。完全にドロー体質になっとるな。
GK:1西川
DF:24森脇 5千葉 4水本
MF:20石川 6青山 8カズ 27清水 7浩司 15洋次郎
FW:11寿人
リザーブ:GK13増田 DF22横竹 33塩谷 MF26セナ 30辻尾 FW9石原 25大崎
GK:16林
DF:25菅井 2鎌田 29上本 27朴柱成
MF:15太田 17富田 6角田 10梁勇基
FW:24赤嶺 18ウイルソン
リザーブ:GK1桜井 DF20内山 MF23田村 8松下 11関口 FW9中原 13柳沢
 ソッコは韓国代表トレーニングキャンプ中に負傷、検査の結果全治三週間の診断が下された。ミカに続いて痛い離脱だが、この時期負傷者が出ることは当たり前、皆でカバーしていくしかない。
 バスがビッグアーチに着く。前半は30分を回っているが、まだスコアレス。仙台とのホーム戦はいつもシビれる展開になるから、ガッチガチのゲームになっているんだろう。
 入場して、茶を二本買い、あと何か食わなと思って辺りを見回す。ラーメンは面倒くさい、カレーは清水戦で食べて負けたし・・・
 結局、すぐに食えるもみじ饅頭を二個(リンゴ、チョコ)を買ってスタンドに上がる。前半は40分を回っていた。
 仙台が右サイドに展開し、ウイルソンが走る。しかし水本がカバーし、ボールを奪って西川へ戻した。と、ウイルソンが顔を押さえて倒れている。いやいやあからさまな事はやめようや。西川はボールをタッチラインへ蹴り出す。ウイルソンはしばらく倒れていたが、主審に促されて治療のためゴールライン外に出る。そしてアディショナルタイム2分の表示。
 仙台がボールを返し、サンフレッチェがボールをつないで前線に送るが、これは通らず、卓人が足でキープ。サンフの選手がさっと引いたが、卓人はボールを蹴らず、足元に置いたまま。どうやらウイルソンが中に入るまで待ちたいようだが、当人はまだゴールライン付近にいるため、もちろん主審は復帰を認めない。卓人はそのまま何もせずに立っているため、場内からは大ブーイングが沸き起こった。これもあからさまな時間稼ぎだが、インプレーであるため、もちろん警告などの対象にはならない。卓人も「いやしょうがないし」的に両腕を上げてみせている。仕方がないので寿人がゆっくりと駆け上がってプレスをかけ、ようやく卓人がキャッチして前線に蹴り出す。これを青山が奪って持ち上がろうとするところ、富田がタックルしてファウル。イエローカードが出て、ここで前半終了となった。
 試合開始前に雷雨があったとのことで、びしょ濡れになっている人が多かった。またそのために企画していたマスゲームのパネルも濡れてしまって用をなさず実現をみなかったが、それだけに勝ちたい。サンフレッチェは雨の日に強いし。。
 携帯で他会場の経過を見ようと思ったが、ほとんどの人がそうしているのだろう、まったくつながらない。あきらめて、後半のためにお手洗いに立つ。通路も人であふれていたが、カープのユニを着ている人もかなりいた。昼のマツダスタジアムからはしごしてきた方々だろう。
 並んでいるうちにハーフタイムも終わり、後半が始まった。急いでスタンドに戻ってきて振り向くと、中盤でボールをつなぎ、カズが中央をドリブルで持ち上がっていた。前線の三人を警戒したのか、チェックはこない。撃てる!
 カズが右足を振り抜いた。鋭いシュートは正面の上本に当たって方向が変わり、ゴール右スミへ飛ぶ。逆を衝かれた卓人は反応できず、その行方を見つめるのみ。
 ボールはそのままゴール右スミにおさまった。
キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
 後半3分、カズの蝶久々のゴールでサンフレッチェ先制!
 カズはジャンプ一番派手なガッツポーズを見せ、わっと集まってきたチームメイトにもみくちゃにされる。西川もやってきた。そして、一同がバックスタンド前に並び、西川を持ち上げてゆーりーかーごー。先日第一子が生まれた西川を、イラク戦の日本代表に続いて祝福した。そして、スタジアムDJの、

「ただいまの得点は!サンフレッチェ広島、背番号8!森崎ィィィ――――」

に続いて、

「カズユキ!!!」

の初コール。
 リプレイで見たら、けっこうなロングレンジからのシュートだった。絶対に点を取る、というカズの強い意思の表れだろう。
 先制したサンフレッチェ、今度はCK獲得。右CK、浩司のキックにファー合わせる、卓人セーブ、こぼれを森脇が拾ってシュート!決定的だったが、卓人が手に当ててセーブした。左CK、洋次郎が蹴るがこれはクリアされる。
 先制された仙台は前へ出てきた。両サイドにボールを散らしてクロスを入れてくるという、対サンフレッチェ基本戦術を忠実に実行してくる。自陣でのミスが散見されるようになり、セカンドボールを拾われてつながれ、仙台に中盤を支配されてくる。だが、サンフもぎりぎりのところで体を張って守る。とくに清水の働きが素晴らしく、左サイドで素晴らしいカバーを何度も見せていた。
 仙台が中央高い所でボールを回し、ファウルをもらってFK獲得。千葉にイエローが出た。中央やや右、距離手頃、リャンには絶好の位置。やばい。リャンがボールをセット。いちおうもう一人立っていたが、まあ100パーセントリャンが蹴るだろう。サンフレッチェコールが沸き起こる。
 リャン、ゆっくりと助走して、キック―――

バー!!
 曲がり落ちたボールはゴール右上スミのバーに当たり、ゴールラインを割った。危なかった!濡れたピッチが幸いしたか。押され気味だが、まだついている。
 仙台の攻撃をはね返してボールが右サイドタッチラインを割った。ここでもう一度集中・・・仙台左サイドスローインからボールをポンポンと右につなぎ、角田がボールを持った。菅井に出すか、と思った時、スパッとタテにスルーパス!これに太田が反応し、DFラインの間を完全に破って突破、水本追いつけない、センタリングにニア飛び込んだ赤嶺がヘッド!
 ゴール!!後半25分、赤嶺のゴールで仙台が1−1の同点に追いついた。
 ものの見事にやられた。一瞬の隙を突かれたか。しかしそれはお互い様、これからが勝負。
 仙台はたたみかけ、ウイルソンがミドルシュート、これはわずかに上に外れる。
 洋次郎がベンチに向かって誰かを交代させてほしいとのサインを出している。誰か怪我したか。
 サンフ、左サイドに展開し、清水の折り返しを洋次郎がスルーして浩司シュート!しかしタイミングが合わず枠を捉えられない。
 サンフレッチェ選手交代、青山に代わって石原イン。青山、どこか痛めたのか。浩司がボランチに下がり、石原がトップ下に入る。これを見て仙台も選手交代、前線でボールをさばいていたウイルソンに代わって関口を投入した。勝ちに来たな。
 サンフはリズムが悪い時間帯が続くが、その中、森脇がパス交換から中盤持ち上がる、右でノリがフリー、出せ!と、森脇中央へスルーパス!は通らず。そこは右でよかったぞ、と仙台カウンター、しかしこれを防いで浩司が中盤キープ、ノリはまだ右サイドでフリーで張っていたが、浩司は体の向きの関係で洋次郎に入れ、洋次郎は左サイドにはたく。そこへ航平が駆け上がってきた。トラップし、一対一、間合いを測る。洋次郎、寿人、石原が中央上がってくる、大外ではノリがフリーでいた。ノリ、真ん中詰めろ!と思わず声を出してしまったが、ノリは航平を見ながらゆっくりと内側へ入っていった。
 航平、縦へ勝負!と見せかけて切り返し一瞬フリーとなり、右足でクロス!中央合わない、右へ流れる、ところへノリ!PA内でトラップ、タテへ持ち込むと中を見てセンタリング、寿人飛び込むがその前で卓人がさわる、ファーへこぼれ球が弾む、ところに紫色の金髪ノッポが身を倒しながらダイレクトボレー!
 ボールは叩きつけられてワンバウンドする、その場にいたほぼすべての人間が「越えるな!」と念じたボールはゴールネットを突き上げ、ゴール内に落ちた。
洋次郎ォ―――――――――――――
 後半33分、サンフレッチェ勝ち越し!2万5千を越えるサポーターの凄まじい歓声が沸き起こる。紫の背番号15はそのまま凄い勢いでメインスタンド側に走ってゆき飛び上がってガッツポーズ、駆け寄ってきたベンチメンバーと抱き合う。右サイドでは、アシストした石川を寿人がハグして祝福していた。そして場内を挙げての洋次郎コール!!
 石川はここまで突破やクロスがうまくいかない場面が多く、清水ほどの活躍が出来ていなかったが、ただ、「逃げずに勝負する」という気概は見せていた。それがこの場面で最高の結果に結びついた。ダメでも気持ちを保って地道に続けていればそのうちいいことがあるというやつだ。それにしても、中盤パス交換からサイドに開いて、両ワイドの選手が次々にクロスを上げてFWが潰れてトップ下が決める、これぞ「チームで決めた」得点。実にサンフレッチェらしいゴールだった。
 仙台、選手交代。赤嶺に代えて柳沢投入。しかし、サンフレッチェの集中度は洋次郎のゴールで最高に強まっていた。失点場面よりも内側から同じようなスルーパスが出て太田が走り込んだが、千葉が完璧なカバーリングを見せてカット。千葉ちゃんすげえ。
 仙台、最後の選手交代、富田に代えて中原。
 仙台遠めからのFK、一気にゴール前へ鋭いボールを入れてきたが西川が飛び出してがっちりキャッチ。そこから展開して浩司が中盤高めでボールを持ち、ドリブルで持ち上がると洋次郎とワンツーでゴール前に飛び込む!が惜しくもカバーされた。でもこの時間帯でこのキレのある飛び込み、コンディションもかなり上がってきているようだ。そこから仙台の速攻、柳沢がPA前で受けドリブルで右に流れながらシュート!だが西川が身を倒してしっかりとキャッチした。DFがちゃんと内から寄せていたので、シュートをゴール右スミに限定できていた。
 そしてサンフレッチェ、選手交代。清水に代えて辻尾。航平、攻守に蝶頑張った。交代はもう一人残っている。クロスからの一発が怖いし、アディショナルタイムに入ったところで塩谷投入があるか。
 アディショナルタイム4分の表示。前半2分取っておいて、またえらく取るもんだな。
 サンフレッチェ、ここで最後の選手交代。石川に代わって塩谷。ビッグアーチ初登場だ。そのまま右サイドへ入る。
 早速右サイドにロングボールが出て、それを塩谷が追い、ジャンプ一番競り合い、こぼれを取り合う。ファウルを取られたが、長身だし当たり負けしていないし、いい感じ。
 右サイドへのロングボールに石原が競り合い、こぼれに体を張る。石原のファウルで仙台FKになるが、彼は小柄ながら体が強いので、この「競り合う時間」を取れるのがいい。競り合いのこぼれが転々としてラインを割ろうとするところ、通りすがりの洋次郎がぴたっとピッチ内で止め、自陣へと帰って行った。同時にボールボーイがFKの位置へボールを投げ入れたので、ピッチ内にボールが2つ存在するためにまた試合が止まり、洋次郎が止めたボールが取り除かれる。洋次郎、この期に及んで冷静すぎる時間稼ぎ。
 仙台、攻め入ってシュートを放つが、ゴール上に外れる。そろそろ時間のはず、ここはゆっくり。西川、ゆっくりとボールをセットし、しっかり狙いを定めてキック。主審が時計を見る。競り合いは仙台が収めて右サイドに展開するが、しっかりとクリアしてタッチラインへ逃げた、ところで主審が右腕を上げ、試合終了のホイッスルを吹いた。
勝った!!
 周囲の方々と次々にハイタッチ!そして“Grande Viola, Hiroshima!”コール。サンフレッチェ、首位攻防戦を制して再び勝点2差の首位に立った。もちろんまだまだ先は長いが、こういう重要な試合を勝つことがこれからにつながってゆく。今日はスタジアムの雰囲気も非常によく、サンフレッチェを勝たせようという気持ちで漲っていたように思う。これからも毎試合2万越えくらいで選手をサポートできれば。駐車場とかいろいろ問題はあるけれど。
 ヒーローインタビューはもちろん洋次郎。マック獲得で「何を食べますか?」と訊かれて「ハンバーガーを」と答えるなど、昂揚感の中でも冷静な受け答え。
 洋次郎がセンターサークルで待つ仲間たちのところへ戻り、一同で円陣組んでぐるぐるして気勢を上げ、それからバックスタンド前で喝采を上げると、ゴール裏へウイニングラン、ゴール裏からの歓呼を受ける。
 続いてサンフレッチェ劇場。まずは季節外れになったスイカ割り、ストッキングをかぶってノリが挑戦。ポイントは合っていたが、太刀筋が左に逸れてしまって惜しくも失敗。続いて森脇挑戦、見事に割るが、不正なのは確定的に明らか。
 それから、西川のおめでた報告、辻尾JAPAN、そして塩谷あいさつ。どんなことを言うのかと思ったら、すごい真面目だった。まだまだこれからだな。で、決勝アシストでテンションの高いノリ、そして森脇。
 森脇、西川のおめでた報告に触発されて、サポーターの前で重大報告宣言。プロポーズをすると言い放った!誰!?
「サポーターのみなさんです!!」

ごめんなさい

ゴール裏一斉にごめんなさい。森脇の世代はもう「ねるとん」とか知らないか
「どうしたらぼくの気持ちを受け取ってくれますかー!」
「優勝!」「優勝したらー!」
優勝の勢いでというのは万が一にもあるかもしれん。
そんなこんなで一緒に合唱し、劇場メンバーが帰っていった。ゴール裏からは森脇コールでしっかりフォロー。


 どうせシャトルバス乗り場は大行列になってるだろうからと、片付けを手伝う。突然の雨でずぶ濡れになり座席に張り付いているマスゲーム用のパネルを次々剥がしていく。実現はみなかったけど、これを準備したサポーターの心と行いはきっと勝利への見えない力となっただろう。
 22時を10分ほど回ったので、そろそろいいかと思ってお先に失礼させていただき、シャトルバス乗り場へと向かったが、西風新都行きの行列最後尾はまだ階段の上だった。まだか!しばらく待ってようやくバスに乗り、臨時駐車場へ。駐車場にはまだそこそこの車が残っており、出口に向けて車の列ができていた。市内にスタジアムがあればこの大部分の人は公共交通機関に乗るわけで、その分いろいろと潤っていいこと多いじゃないか。早いとこ専スタ造れ広島市。平和公園のそばに新しい公園造りますとかアホなこと言ってないで。平和都市っていうのなら、学芸・文化・スポーツが充実して人々が毎日心豊かに暮らせて、他県の人にも「広島はいいぞ、心が豊かになる」と思わせるようにならなければ。
 西風新都ICから高速に乗り、小谷SAで尾道ラーメンとチャーハンのセットを食べる。かなりふらふらになっていて、机にぶつかったり椅子を蹴ったり。これはいかんと、食べ終わった後もしばらくぼーっとしていると、ゴール裏サポの方々も追々食事に入って来られた。
 あまり遅くなってはいかんと(遅いけど)SAを出て、安全運転で帰宅。0時半を回っていたか。この日も仕事があったので、即寝た。
 
 次の日は喉が半分ほど死んでいて大変だった。

8月11日 NACK5スタジアム大宮 雨
J1・第21節
VS大宮アルディージャ

 ホームで10人の相手に逆転負けとかどんだけだよ。死狂いの相手にたった二つの好機を決められるとか、いつもゴリさんが言ってる「気持には引力がある」そのものだっつうの。必死の敵を前にして、勝ちを味わいたいがために命を惜しんだらこうなってしまう。口惜しいが、清水がよくやって、サンフレッチェが抜けていたので仕方がない。でもイライラする。こういう試合の後はなんとしても勝たなあかん。というわけで、
 湘南新宿ラインで17時ちょっと前に大宮駅着、東口付近のホテルにチェックイン。汗だくだくなのですかさずシャワーを浴びて着替え、涼んで、仙台が札幌に敗れたので首位奪回にいくかー、と外に出たら雨が降り始めていた。天気予報じゃ午前から降るとかいっといて全然そんなことはなかったが、今頃降ってくるのか。傘買ってスタジアムへ向かう。
 NACK5スタジアムはもと氷川神社の神領だった大宮公園の東南端にあって、氷川神社の東隣。氷川神社参道をサポーターたちが列をなしてスタジアムへ向かっていたので、それに混ざって歩いていくと、ほどなく到着。
 その週はいろいろ細かいことでわたわたしていたのでチケット買う暇がなかったので当日券買えばいいかー、と思っていたが、当日券売り場へ行ってみたところ、

 ビジター側自由席 売り切れ

なんですと!?
ビジター側のすべての席種売り切れで、ホーム側しかない。「ホーム側席買ってアウェイ側行っていいですね」と訊いても「だめです」。等価払ってるからいいじゃん。めんどくさい。浦和のせいだな。
 というわけで、バックスタンドホーム指定席を買う。自ら敵を内部に引き込むとは迂闊極まりなし。これこそ埋伏の毒、サンフレッチェの勝利は疑いなしでござる。
 ホームなので、周囲はオレンジ一色。ホーム側でアウェイ側の応援グッズの使用は禁じられているので、カバンの中のユニとかタオマフは見られないようにせねばならない。まあしょうがないので、ネオ屋台のハヤシライスを買って、飲み物買う。広島を迎えたということで、売店ではオタフクソース使用の焼きそばやお好み焼きが焼かれていた。
 指定席に着いて、ちょっと考えて、

 とくにどっちのサポーターというわけではないが、サッカーが好きで観に来た。まあ大宮のホームなので気持ち大宮寄り?

という人になることにした。大宮の応援などしないが、サンフレッチェの応援して周囲の人を引かせるわけにはいかないし、埋伏の毒としてはそれと気取られないことが肝要。そして勝つ。
 アウェイゴール裏のビジター席は紫一色に染まっている。さすが関東サポ。盆休み中なので、広島からも結構来ているだろう。だからなんでアウェイ側ゴール裏ぜんぶビジターじゃないねん。
 あ、でもハヤシライスおいしい、とか思っていると両チームのスターティングイレブン発表。

GK:1西川
DF:24森脇 5千葉 4水本
MF:20石川 6青山 8カズ 27清水 9石原 15洋次郎
FW:11寿人
リザーブ:GK13増田 DF22横竹 30辻尾 MF7浩司 14ミキッチ 35中島 FW25大崎

GK:21江角
DF:30渡部 34片岡 2菊地 22下平
MF:13渡邊 6青木 23金澤 9チョ・ヨンチョル
FW:32長谷川 11ズラタン
リザーブ:GK1北野 DF4深谷 24鈴木 MF7上田 16金久保 18橋本 FW19ノヴァコヴィッチ

 ミカがベンチ入り。後半からの出場があるか。それにしてもズラタン、名前負けしそうな登録名だけどどれほどのものか。
 石原の名がアナウンスされた時は、ブーイング半分拍手半分というところで、何だか「ブーイングしながら拍手してる」ような感じだった。
 雨が降ってきたので、予め買ってきていたポンチョを着る。蒸す。
 選手入場。整列し写真撮影の後、気合を入れてピッチに散らばる。NACK5は専スタなので、ちょっと目の前はもうタッチライン。ノリが右サイドに張る。今日もしっかり走ってくれよ。
 19:03、小雨の中キックオフ。
 大宮は長谷川をトップに一人残して引き、しっかり守ってから青木・金澤のドイスボランチを基点にボールを回してサイドに展開し、クロスを入れていく戦術。サイドに開いてのクロスは単純ながらサンフレッチェには有効な戦術なので、これを90分間徹底していくんだろう。ズラタンは(PSGのあの変態さんとは比べられないが)足下がうまく、競り合いにも強い。加入間もないのでワンツーとか一瞬の連携は全然ダメだが、シーズン終盤に間に合うかどうか。
 サンフレッチェは攻撃時に前線とバックラインが5−5の2ラインになってしまい、その間隔が間延びしてしまって有効なつなぎがなかなかできない。20分ごろ、千葉のタテパスを左につないで航平がミドルシュートを放ったのがようやくのまともなシュート。大宮の戦術がうまくはまった状態が続く。と、左サイドからパスがゴール前に出た。それに寿人が反応して走り込む。DF菊地がカバーする、GK江角も飛び出す、江角に任せるかな、と思ったその時、菊地が何を思ったか江角の鼻先でボールを蹴ってしまった。しかもゴール方向に。
 ゴールへコロコロと転がって行くボール、守備陣はだれも追いに行けない、ただ一人寿人が必死に食らいついてオウンゴールを自らの得点に変えようとする、そしてスライディングシュートでゴールネットを揺らす!が蹴ったのは惜しくもゴールに入ってからだった。

らっきー

 バックパスはゴールマウスを外す、これ基本ね。前半24分、サンフレッチェ広島、寿人のプレス一本で先制!周囲ではしばらく「またかー」「なにやってんだー」的な落胆が広がっていた。こちらも「今のはあかんよなあー」的に首をかしげていた。ただわがスタンド(幽波紋)は爆笑しながら手をバチバチ叩いていた。近くに大宮サポのスタンド使いがいたらオラオラ無駄無駄燃えるゴミは月水金されるところだったぜ。
 大宮は先制されたが、まだ前半ということもあり、それまでのやり方を崩さず真面目に踏襲する。そのため、基本的には大宮ペースで、サンフがその隙を何とか突いていこうという展開となった。すっと中央にボールが入ってしまい、混戦からズラタンが決定的なシュートを放ったが、右に外れる。崩されているわけではないが、単純なボールが競り合い一本でゴール前危険な地域に渡ってしまうことが多く、セカンドボールも青木や金澤がキープしてボールを回されてしまう、ハイボール、ズラタンが競ってタテにこぼれたボールを長谷川が拾ってドリブル、中央左からフェイントで左にかわそうとするところ、千葉がひっかけてしまい、主審は笛を吹いてペナルティスポットを指した。

 またやってもたー

サンフの選手たちが「今のは外だろう」と抗議するが、認められない。PKを獲った長谷川がボールを拾ってセットするが、そこへズラタンが行き、短く話し合ったあと、キッカーが交代した。先週に続いてPKとは・・・周作頼む!
 ズラタンがゆっくりと走り出す。周作、動かない。キックの態勢に入る、まだ動かない、これは止めるかも!
 右足キック、右スミ、周作もそこへ跳んでセーブ!したが、ボールはその手に当たってゴールに飛び込んだ。前半38分、大宮、同点に追いつく。
 「おおやったー」と口先では言いつつ魂は「くっ・・・」。まあ、先制点もタナボタだし、気を取り直していこう。
 それからはサンフもエンジンがかかり始め、右サイドへの展開からノリのクロスに中央石原が飛び込む決定機を作り、そのまま前半終了。
 攻撃陣と守備陣の距離が広く、パスをダイレクトでつないでの流麗な攻撃ができず、セカンドボールもかなり拾われている。高温多湿の中、動き過ぎるのは危険だが、さりとて前半のままでは攻撃を仕掛けられないので、動きにメリハリをつけたいところ。それにとりあえず放り込んどけ的なボールがPKとか決定機につながってしまうので、競り合いやセカンドボールに対する反応を鋭くしたい。
 ハーフタイム、アルディ君がセグウェイに乗って営業。この栗鼠がんばってるな。サンチェもなんか乗れよ。他会場では浦和がリードされている。今日勝てばちょっと抜けそうな感じだが、勝つのはなかなか難しそうな展開。ミカをいいタイミングで投入できれば・・・
 雨が上がったのでポンチョを脱いだらまた降ってきたのでまた着る。蒸すぅ!
 両チームとも選手交代なく、後半開始。
 立ち上がりにズラタンがシュートを放ったが、すぐさま反撃、パスをビシバシつないで左サイドに展開し、航平が中央に切り込んでパス交換するところ、相手のハンドでFK獲得。ゴール中央右、PAのやや外。左足で狙うには絶好の位置だが、浩司はいない。洋次郎がセットし、青山と寿人がその周囲に集まって話し合う。洋次郎で曲げて落とすか青山のパワーキックかそれとも寿人か。笛。洋次郎、じゃなく、青山、でもなく寿人の左足!

壁!

壁の左端に当たってボールが左にこぼれた、ところに航平がいた。フリー!

ゲット!!

しっかりボレーで叩きつけ、バウンドしたボールはゴール左スミに飛び込んだ。後半4分、サンフレッチェ勝ち越し2−1!航平はそのままピッチ外に飛び出して、森脇と一緒に弓射パフォーマンス!近くにいた石原はそれを後ろから見ていたが、恥ずかしがらずに一緒にやろうず。

いやっふううううううううううううう

と喜ぶのはスタンド(幽波紋)に任せて、本体は「あっちゃー」とか眉をひそめていた。気づいてない!誰も気づいてないわ!
 これで大宮もさすがに引っ込んでいるわけにはいかず、前へ出てきた。そのため、互いにチャンスを作り合う打ち合いの様相を呈してくる。大宮左クロスからファー走り込んだズラタンがヘッドで合わせるが、左に外れる。かなり決定的だった。ノリが右サイドを突破しクロス、DFに当たってラインを割りCK・・・と思いきや、なぜかゴールキックの判定。ノリが信じがたい判定に猛然と抗議するが、イエローをもらってしまう。前半のPKの判定といい、主審ちょっと湿度にやられてるか。そして間もなく、ノリに代わって負傷から復帰のミカがピッチに入ってきた。待ってました!そして大宮もズラタンに代わって金久保が入る。先ほどのヘッドも外していたし、高湿度にバテてしまったか。
 金久保は小回りの利く動きで前線をかき回しにかかってきた。が、主審が金久保に何か指示し、金久保はピッチの外へ出てスパイクの紐を解き始めた。なんかスパイクに不備があったのか。その間、サンフがボールを回しに回していたが、次第にスタンド(スタジアムの)からブーイングが沸き起こってきた。金久保はもうスタンバイできているが、主審がピッチに入るようにとの指示を出さず、ピッチに戻れない。ようやくボールがラインを割り、金久保が戻ってきた。ルールでは、用具の不備によってピッチを出た者はプレイが切れないと復帰できないとなっているので、この場面に関しては正しい判断。そーなのかー
 この時間帯、寿人が前線から凄まじいチェイスを見せて大宮に自由な組み立てを許さない。大宮サポからも、寿人の凄まじいスピードでのプレスに感嘆の声が上がっていた。そのため、大宮は落ち着いたボールキープができず、速い攻めを試みざるを得なかった。石原も前線で体を張って危険な動きを繰り返し、スタンドからも「石原はあれがあるからなあ」と言われていた。
 大宮、左サイドを突破してCKを取った・・・と思いきや、ゴールキックの判定。目の前の大宮サポがブーイング。さらにヨンチョルがドリブルでPAに侵入し、タックルを受けて転倒、やばっPK!?しかし笛はなくゴールキックに。スタンドが騒然となる。ひょっとすると、前半のPKが微妙だったからここでバランスとったかもしれない。大宮さらに右サイドに展開し渡部がアーリー気味にクロス、鮮やかな軌道のボールにファーからヨンチョルがフリーで飛び込んでヘッド!やられた、と思ったが、ボールはゴール左に外れた。助かった。
 ここでヨンチョルに代わってノヴァコヴィッチが入る。前半からよく仕掛けていたし、体力の限界で合わせきれなかったか。ノヴァコヴィッチはトップに入り、長谷川とツインタワーとなった。
 右サイドでFK獲得、ここで石原に代わって浩司イン、FKを蹴る。この試合、こういう場面を決めるのが勝利への道・・・浩司キック、ニア飛び込んだ寿人が頭を振ってヘッド!ジャストミートしたが、惜しくもGK江角正面。
 大宮、最後の選手交代、金澤に代わって上田。なんとしても追い付こうと、とにかくノヴァコヴィッチに合わせてこぼれを狙ってくるが、サンフも集中した守備で決定機を許さない。
 サンフレッチェ、航平に代わって辻尾。直後に森脇がノバコバとの競り合いで腰を強打して倒れる。主審は担架を要請。すでに三人交代しており、森脇がだめなら一気に大ピンチとなるが・・・と、森脇立ち上がった。大宮ゴール裏からは大ブーイング。外に出たが、すぐに戻ってきた。サイドに散らしてボールキープ気味にパスを回し、逃げ切りに入る。
 アディショナルタイム、左サイドで辻尾がキープし、戻して右サイドに振ってミカが受け、持ち前のテクニックとスピードで延々とボールキープ、再びドリブルで切り込んでパス交換からCKを取り、ショートコーナーからキープと見せかけて折り返し、寿人の落としを浩司ミドル!は上に外れたが、時間は表示された3分を経過。試合終了の笛が吹かれ、サンフレッチェがタフな試合を制して勝利、再び首位に浮上した。
 Yahoo!と飛び上がりたいのを堪え、周囲に合わせて「やれやれだぜ」な顔をする。もっとも、非常に疲れる試合だったので、嘘の表情ではない。
 NACK5に“Grande Viola, Hiroshima!”の凱歌が響く中、サンフレッチェの選手たちがゴール裏で歓呼を受け、引き上げていく。マクドをゲットした清水が清水コールを受ける。山岸の負傷、ソッコの五輪出場で巡ってきたチャンスを見事にものにした。髪を金色に染めたのが正解だった感じ。この試合も中盤のパス回しの中いいポジションを取ってフリーでボールを受ける場面が多く、かなりハマってきている。ソッコ、そして山岸が戻ってきてもおいそれとポジションを譲ることはなさそうで、実績のある辻尾との争いになりそうか。
 高温多湿のサウナ試合の中、なかなかサンフレッチェらしい連動したパスワークを見せることはできなかったが、ふと転がってきた好機を確実にものにして勝った。前節の清水戦の轍を踏まず、1点リードをきっちり守り切っての勝利は大きい。涼しくなるまでは、たとえうまくいかない試合でも泥臭く勝ち点を積み重ねていくことが必要。来週の新潟アウェイもしたたかに戦い抜いてほしいところ。
 「帰ろう 帰ろう 広島へ帰ろう」の大合唱を聴きながら、これ相手サポは「とっとと帰れ!」と思うよなあと思いつつポンチョを脱いだら下着からぐっしょり濡れていたので、しばらく涼んで、ここからアウェイ席行けるのかと思ったけどやはり無理だったので、ゴミを捨ててスタジアムを出、誘導に従って氷川神社楼門前から三の鳥居をくぐって、参道を引き返す。昼間歩きづめですごく疲れていたけど、なんだか力が湧いてきた感じで、ずんずん歩ける。
 試合開始前にハヤシライスを食べていたが、もうちょっと何か食べて帰ろうと思い、商店街アーケード内にあった洋食屋さんに入ってハンバーグ(シャリアピンソース)食べたらスゴク美味しかった。牛100パーのハンバーグ食べて美味しいと思ったのは初めて。少し崩れやすかったので、余計なつなぎとか使ってないんだろう。店名忘れたけど、あとで検索してみて、たぶん「ビストロ・ボナペティ」。充足感さらに倍で宿に帰った。
 部屋に戻ると即シャワー、着替えて涼んでTVをつける。そのうち眠れるかと思ったが、疲れのせいかまだ気が張ってるせいか、なかなか眠れない。さらに五輪サッカー男子の決勝戦が始まる。
 始まった
 あ、メヒコ決めた
 やっぱり前線からのプレスは大事。寿人ブラボーだった。
 明日も早いし何とか寝な・・・と、ipodでヘンデルの景気の良い合唱曲やクールな序曲の数々を聴いていると、前半のうちに寝た。ヘンデルさんマジ偉大。ベートーフェンさんも「彼には跪こう」と言ってるし。
 翌日は、氷川神社を一の鳥居から歩いて参拝。その後上野へ移動して、東京都美術館(マウリッツハイス美術館展)、国立西洋美術館(ベルリン国立美術館展)、国立科学博物館(元素のふしぎ)をはしごして帰った。上野の森美術館のツタンカーメン展は、入場券を買ったうえで現地で整理券をもらい、数時間後に集合・入場というアホみたいな人出。大阪でやってる時に観に行くべきだったか。しかし日本人、トゥト・アンク・アメン様大好きだな。チケット売り場にも女性すごく多かったし、モテモテじゃん。

8月4日 広島ビッグアーチ 晴
J1・第20節
VS清水エスパルス

 仕事が終わって、急いでビッグアーチに向かう。五日市ICから混んでいたらイヤなので西風新都ICで下りて、フレスポ横臨時駐車場に停めて、シャトルバスでビッグアーチ着。腹が減っていたのでカレー食べて、お茶を買おうとしたらすでに売り切れていたので、炭酸を買う。今日は試合前に20周年記念のセレモニーがあって、歴代の選手たちも登場し、桜移籍後に雑誌のインタビューでサンフレッチェを批判していた柳本も来ていた。まあ、もう引退したし昔の事は水に流すけど。スタンドに上がるともちろんそれらは終わっていて、試合開始直前だった。
 試合開始。まずは清水が攻めてくるがしっかり防ぎ、サンフレッチェの攻撃。中央を千葉が持ち上がり左にパス、DFに引っ掛かったが、こぼれがちょうど航平のところに転がった。フリーの航平、一気にトップスピードに上げて左サイドを突き破りグラウンダーのセンタリング、ファーで待ち構えていた寿人がきっちり合わせてゴールに叩き込み、前半2分、あっという間にサンフレッチェ通算100ゴールを達成した。ゴール裏では祝福のビッグフラッグを拡げる。
 これでサンフレッチェのペース・・・といきたいところだったが、清水のペースとなる。清水が丁寧にパスをつないで攻め、サンフレッチェはパスが中盤で引っかかりまくって全く前へ出て行かない。清水に決定機はそれほど与えてはいないが、とにかくハーフウェイラインをまともにボールが越えていかない状況で、ひたすら清水がボールを拾って攻めている印象。前半の終わりごろ、うまく航平にパスが渡って突破しクロス、寿人が合わせたがこれは防がれた。そのまま前半が終了、リードしているものの形がなかなかつくれない苦しい状況で折り返した。清水もけっこうプレスをかけており、後半最後まではもたないだろうから、どこかでうまく1点を取って戦意を喪失させたいところ。
 後半開始。清水は吉田に代わって高木俊幸イン。
 後半9分、カズから右サイドのノリに展開し、ノリがそのままドリブルで仕掛ける。DFの李につかれるが構わず内側へ切り込み、倒された。笛が鳴り、主審が走ってきてイエローカードを提示、そして前半にも一枚受けていたので、二枚目イエローでレッドカードが提示された。李、退場。残り30分以上を清水は10人で戦うことになった。ツキが回ってきた!
 清水は石毛をサイドバックに下げて対応する。さらに小林に代えて高原を投入し、彼に当てて展開するシンプルなサッカーにした。ただ、人数が減ったので必然的にサンフがボールキープする時間が増え、シュートシーンも増えてきた。このまま押し潰せれば。
 サンフ、寿人に代わって大崎イン。彼の飛び出しでゴールを狙いたいところだが、この時間帯、どうも安全策になってしまい、速攻で突破できそうなところでもボールを戻して人数をかけ手堅く、という場面が続いた。そしてその中、ボールを奪われてタテパスを出され、高木がドリブルで左サイドを突破、クイッと切れ込みざまミドルシュートを放ち、カバーに入った青山の足に当たって軌道が変わったボールはゴール右スミに突き刺さった。後半35分、一瞬の隙を突かれて1−1、追いつかれる。
 振出しに戻ったが、有利なのはこちら、しっかり・・・と思ったとたんにまた高木が素晴らしいスピードで左サイドを突破、PAに入るところで森脇が対応するが、キュッと左に持ち出してかわしたところを引っかけてしまい、ホイッスル。主審はペナルティスポットを指した。PK!
 大前がボールをセットする。周作頼む・・・・大前キック、周作横っ飛びでセーブ!やった、と思ったが、ボールはゴール正面に転がってしまった。大前が素早く反応してゴールに蹴り込み、後半37分1−2、あっという間に逆転される。
 逆転されたサンフ、縦パスを浩司が落として石原がボレーを放つが、浮かせてしまって上に外れる。ノリに代わって龍一を投入し、1点を取りに出るが、清水は1点を死守すべくがっちり守りを固めてしまい、なかなかシュートにもっていけない。アディショナルタイム、清水は右サイドにボールを出してキープに入る。サンフもこれを奪って必死の反撃を続け、右サイドに展開するとパス交換から浩司が右サイドを突破してマイナスの折返し、そこに大崎フリー、シュート!



万事休す。
そして試合終了。20周年セレモニーもあり負けられない試合だったが、10人の相手に逆転されるという、何とも無惨な結果となった。
 有利な状況になって余裕を持ったところを必死の敵に食い破られるというのは「背水の陣」の故事など古今東西枚挙にいとまがないので、「やっちまったな」というところ。夏場の苦しい状況でチャンス二発を決めて逆転した清水をほめるしかない。あそこの高木のドリブルや大前のPK、「ここで絶対に決める!」的オーラがあって素晴らしかった。サンフレッチェはその「気持ち」に抗えず、シュートはブロックにもかかわらずゴールに飛び込み、PKは止められてもまた眼の前に転がってきた。気持ちの強い方にボールは転がってくるんだよ。どっかのユースの監督が常々よく言ってることだよ。夏場のコンディション厳しい時、動けないのはしょうがない。そこで最後にモノを言うのは精神力だ!心だ!ってラーメンマンも言ってるよ。
 でも、ここでもう一回それをいやというほど肝に銘じることができたのは、大宮・新潟とアウェイが続くところでちょうどいいタイミングだったかもしれない。このアウェイ連戦で連勝できれば、この日の敗戦も決して無駄にはならないだろう。
 あーあまったくよう・・・とテンション下がり気味でフレスポ横駐車場に戻ってきたら、私の車の前の方で何か地上を探している方々がいらっしゃったので、訊いてみると「鍵を落としてしまった」とのことだった。そこで車の照明を着けてしばらく待っていると、やがて鍵が見つかった。よかった。ちょっとほっこりした気分になって、ジョリパで食べて帰った。でも疲れた。それに次の試合も厳しそうだし・・・大宮行ってみるか・・・とちょっと思った。

4月7日 広島ビッグアーチ 晴
J1・第5節
VSガンバ大阪

 仕事が終わればサカーだぜ!
 というわけで車を飛ばしてビッグアーチへ向かう。
 道中用に取り出しましたるCDは、シューベルトの交響曲第8番ハ長調《ザ・グレート》。今日は寿人のJ1通算100ゴール&リーグ通算150ゴールの偉大な節目の日になるはずなので、それを予祝。ホーム戦だし、寿人ならやってくれるはず。ちなみにヴァント指揮。
 小谷SAで広島風たこ焼き買ってさっと食べてエネルギー補給。今日は寒かったし、夜になるともっと寒くなるだろうから備えは万全にしておかないと。
 CDが終わったのでipodに切り替え、世界樹の迷宮II未使用曲の「眠らずの戦場」をヘビーローテーションかましながら西風新都ICで下りて711駐車場へ。マクドのとこまでてくてくと歩いてバスに乗り、ビッグアーチ到着。公園の所まで上がってくると、キックオフになった。
入場して、御手洗へ。スタンドの方は静かなので、まだ動きはないようだ。逸る気持ちをぐっとこらえて、しっかりと用を足して、ゴール裏へ。
GK1西川 
DF2ソッコ 5千葉 4水本 
MF14ミカ 6青山 8カズ 24森脇 
  25大崎 15洋次郎 
FW11寿人

リザーブ:GK13増田 MF35中島 28丸谷 20石川 27清水  FW9石原 18龍一


GK1藤ヶ谷 
DF21加地 2中澤 15今野 4藤春
MF23武井 7遠藤 14倉田 10二川 
FW20佐藤 9ラフィーニャ

リザーブ:29木村 DF3金 5丹羽 MF6横谷 8佐々木 13寺田 FW37イ・スンヨル


 今週の練習で山岸が怪我したため森脇が左サイドに入り、センターバックには水曜のナビスコ川崎戦に続きソッコが先発。そしてベンチには龍一が入った。交代出場なら寿人とだろうけど、出番はあるだろうか。
 脚が前線からかなりのハイプレスを仕掛けてきている。そのため、サンフレッチェはなかなかボールをつなげない。ここまでリーグ戦未勝利で監督交代間もないだけに、とりあえずはアグレッシブな守備からというところか。ていうか松波さんは襟立ててないのか。襟を立てない松波なんて。それはともかくプレスならサンフも負けていないので、プレス合戦に・・・と、中盤上がり目で青山がボールを奪った。前線の選手が一斉に動き出す。青山スルーパス、は前の選手に引っかかる、しかし戻ってきたボールをダイレクトで前線にパス、そこにはフリーの寿人、バックステップからボールを受けると反転しざまスイッと前に持ち出し、両側にいたDFを全く寄せ付けずシュート!

ゴール!!

GK藤ヶ谷も飛びつくが全く届かず、ボールはゴール左上スミに突き刺さった。前半9分、サンフレッチェ先制!そして寿人99ゴール!
寿人はコーナーポストに走るとフラッグを掴むお馴染みのパフォーマンス。さらにそこから選手たちが集まってきて「だるまさんがころんだ」に移行し、全員ダッシュで自陣に戻っていった。こりゃホンマに今日100あるで!
1点を先制されたが、ガンバはさすがに経験のある選手が揃っているので、大崩れはしない。前線からの強烈なプレスを続け、ボールを奪うとポゼッションからゴールに迫る。ただ、そこからの息がほとんど合わないので、決定機にまでは至らない。最終ラインもしっかり守っている。サンフもボール奪取からの速攻でシュートを放っていく。緊迫した時間が続く、その中、中盤から洋次郎が右へスルーパス、それに大崎が反応してPAに侵入し、深くえぐって倒れながらも折返し・・・たところで笛が吹かれた。主審はペナルティスポットを指している。

PKきたー

ここは寿人が蹴るしかない、寿人がボールをセットする。皆がゴールを期待して歓声の用意の静寂、寿人、助走から―――

ゲット!!

GKの逆を衝いて左スミに流し込み、2−0!そしてJ1100ゴール達成!
スタジアムDJの「佐藤〜〜」に続いての「寿人!!!」の大歓声の中、選手たちがタッチライン際で「100」の人文字を描き、寿人がその前でポーズ、そして西川がそれを撮影!ガンバのベンチ前で、脚の選手・スタッフはどいつもこいつもさぞかし不快な思いをしただろうが、これはもう一番警戒しなければいけない選手に前半で2ゴールを許しあっさりと記録を達成させてしまった己等の迂闊さを呪うしかない。後半だったらホーム側でやってたんだし。
 これでサンフレッチェのペースになった。パスを素早く回し、両サイドに開いてゴールに迫る。洋次郎がひょいっとゴール前に入れたループパスに左外から疾風のように飛び込んできた寿人が合わせたが、藤ヶ谷セーブでハットならず。しかし洋次郎もよく見てるな。
 そのままの勢いで前半終了。
 今日唯一のナイトマッチで他にやってる試合もないので、ハーフタイムにはとくにやることもない。久保の引退と廿日市SCのコーチ他就任が発表されたけど、久保は子供らにどんな風に教えるんかなあとか話したり。いくらトラップが面倒といっても、子供には基本としてトラップはきっちり教えてほしいでござる。もっとも、ダイレクトプレイが異常に上手かったりジャンプ力が超絶優れていたりするFWが多数輩出されるなら別でござる。
 後半開始。ガンバは立ち上がりから前半以上にハイプレスを仕掛けてきた。2点差ゆえ、1点取れれば形勢逆転ありうる場面。サンフはなかなかつなげず、後ろに戻すが、そこにもプレスをかけてくる。西川にバックパス、蹴り出すかと思ったが、右に開いた千葉にパス。しかしかなり窮屈な位置で、すぐさま二人のプレスを受けた。千葉は外に持ち出しながらキープしようとしたが、突如足を滑らせて転倒してしまった。藤春がボールを拾ってフリーでゴールライン際を中央へ走る、DF戻る、西川対応する―――が、センタリングは西川の股を抜けてゴール前に通り、走り込んだ佐藤晃大が押し込んでゴール!後半3分、立ち上がり間もなくのいい時間帯に反撃の狼煙を上げた。
 この日は朝方にかなり激しい雨が降っており、さらにこれまでの試合でもそうだが試合前にはスプリンクラーでこれもかなりの量の水を撒いているので、ピッチはかなりスリッピーな状況となっていた。多量の水を撒くのには、パススピードが上がる、あるいは芝の関係もあるのかもしれないが、何にせよ確信犯なのは間違いないので、諸刃の剣といったところか。
 これでガンバペースになった。前半からガンバのプレスの前にサンフはあまりボールをつなげていなかったところ、ガンバが勢いづいてさらに運動量を上げたことでほとんどセカンドも拾えなくなる。さらに、ガンバはACLが火曜日、サンフはナビスコが水曜にあって、一日分休息が多い。もっともACLの疲労度はナビスコ以上なので実際としてはトントンくらいだろうけど。ただ、それに比例してプレイが粗っぽくなり、背後からのファウルや手で相手を押さえるなどのいささか乱暴な挙動が目立った。主審もそこらへんのレイト気味のところを全然見てないので、こちらからするとかなりフラストレーションがたまる展開になった。
 後半17分、大崎が石原と交代。PK奪取は見事だったし、後半5分には今野の日本代表とは思えぬえげつないバックチャージを食らいながらもよく奮闘した。
 右サイドのミカの突破からチャンスを作り、ゴール前に詰めていた森脇が決定的なシュートを放つが、藤ヶ谷のセーブに阻まれる。ニアを狙ってれば・・・守備もこれまでの4試合で2失点3完封とキャンプから培ってきた守備で何とか弾き返していたが、後半25分、ガンバが右にリズムよく展開してからのクロスに中央、選手がもつれて――主審が笛を吹き、ペナルティスポットを指した。PK。やってもたー。流れが悪かったから、こういうことにもなろう。しかし、ここで決められては寿人の100ゴールがふいになる。絶対に決められるわけにはいかない。
 周作がPKキッカーに声をかけ、ゴール前に戻る。ガンバにはPKの名手がいるが、だからといって決めさせはしない。サポーターからは「周作!周作!」の連呼。自分もその名を呼びながら、『沈黙の艦隊』の、

 「大丈夫だ 深町はかわす!」

 という海江田四郎のセリフの場面を脳裏に浮かべていた。
 主審の笛、キッカー、短い助走からキック!


ストップ!!


 ゴール左を襲ったボールを、完璧な反応でゴールライン外に弾き出した。場内が大歓声に包まれる。これが日本代表GKの力だ! 
 後で見てみると、キッカーは遠藤でもなくラフィーニャでもなく後半13分から途中出場の寺田だった。前半にベンチで目の当たりにした100ゴールパフォに怒り心頭だったのかもしれないが、元ガンバユース10番という肩書だけで日本代表の西川周作を打ち破るにはまだまだ足りないということだろう。
 しかしまだCK、気は抜けない。ここでガンバ、ラフィーニャに代えて横谷。
 左CK、しかしこれも西川がしっかり防ぎ、危機を脱出。カープの話だが、先日のホーム巨人戦での「梵の横っ飛び好捕からの6-4-3ダブルプレイ」と同じ匂いがする。ここから流れが来るはずだ。
 ピッチサイドに交代選手が出てきた。ボードには「11」。あれ、寿人交代!?何かアクシデントか?試合後コメントによると接触プレイで頭が朦朧としていたとのことだったが、ここでエース交代となった。出てきたのは背番号18、平繁龍一!ヤング・ドラゴンが広島のピッチに帰ってきた。頼むぞ!と、直後に左サイドを森脇が突破してクロス、それに中央走り込んだ龍一がジャンプ一番ヘッド!ドンピシャだったが、藤ヶ谷正面。龍一悔しがるが、投入直後のファーストタッチがシュートとは幸先がいい。龍一は中盤ではシンプルなポストプレイで確実にボールをつなぎ、ゴール前へと飛び出してゆく。石原と共にフレッシュな力で前線を駆けまわり、ガンバの守備陣を徐々に圧迫していった。ガンバの攻撃も守備陣ががっちりはね返す。右のソッコもかなり慣れてきたようで、攻め上がる頻度が上がってきた。
 右サイドをミカが攻め上がり、止められたところでひっくり返った。足がつったかなにかしたようで立てない。すぐさまエクスプレス・ノリが呼ばれて投入された。時間的にはそろそろ交代でもおかしくなかったが、試合後コメントによればハーフタイム中に「足が張る」とすでに告げていたことで、ノリもすでに準備万端だったようだ。
 右サイドでの攻防をサンフが制し、ソッコが猛然とドリブルで上がってきた。どこまでいくどこまでいくこのままシュートなのか打っちゃえ打っちゃえ、と思ったらパス、そしてニア石原シュート!藤ヶ谷とどかない、しかしポスト!左にこぼれたところへ、龍一いた!シュート、DFが体でブロック、しかしこぼれがまた眼の前へ、拾ってぐいっと前に出てDFを強引に引き剥がし、眼の前には無人のゴール、思いっきり右足ボレーで蹴り込む!


ゴール


 龍一は猛然とベンチに走っていき、寿人に飛びつく!これまで天皇杯などのカップ戦や入れ替え戦でのゴールなど印象的なゴールをいくつも決めていたが、J1でのゴールはこれが初めて。途中投入で試合を決める大仕事をやってのけたッ!じりじりした気分を綺麗サッパリ一掃したカタルシス、「平繁〜〜」に続く歓喜の「龍一!!」コールが場内に轟く。 後半40分、3−1。勝利を確信した。
 これで押せ押せになったサンフ、またも右サイドの崩しからノリがドリブルで斬り込み折返し、龍一が落として石原、キープから右へスルーパス、そこへノリが快足を飛ばし完全に抉り切ってセンタリング、飛び込んだ龍一シュート!
 藤ヶ谷セーブ!
 しかしヤング・ドラゴン、完全に体勢を崩していながらも凄まじい反応でこぼれ球へその鎌首をもたげ、頭を一振りしてゴール右スミに叩き込んだ。

凄ええええええ

 ボールに食らいつく凄まじい執念が為し得るゴール!後半43分、ガンバの息の根を止める立て続けの2点目で4−1!
 龍一、ゴール裏で雄叫びを上げる。久保竜彦の引退が公表された日に龍一2ゴールとか何かの暗合か。
 これでガンバは戦意喪失。あとはまさに「ロスタイム」、浪費時間だった。かろうじて、この後龍一がハットしたら寿人のマクドを阻止できるかどうか、が見ものだったが、そのまま4−1で終了。寿人のJ1通算100ゴールに龍一のJ1初ゴールという「おめでとうおめでとう」な一日となった。
 ヒーローインタビューは寿人、そして龍一。これからもゴールを重ねていってほしい。
 マクドは決勝ゴールの寿人の手に。これでこれまでの4勝すべてで寿人がマクドを獲得。

もうマクド貸切で寿人主宰のサポーター招待マクドパーティー開けばいいんじゃないかな

 と思った。

 今日は記念の夜という事で劇場はなく、ゴール裏で寿人を五回胴上げしたのち、選手全員とサポーターとで高らかに歌を歌ってお開き。豪快に滑って失点の原因となった千葉ちゃんのワビ入るかと思っていたけど、なかった。あとで千葉ちゃんのついった見たらそっちで謝ってた。たとえギャグは滑っても、試合中には滑らぬよう。
 試合内容は、ガンバのプレスの前にパスサッカーを展開することができずにあたふたしていた時間帯が長く、褒められるようなものではなかった。それでも劇的な4つのゴールで、見る側からすれば満足度五つ星な試合になった。今年から取り組んでいることと昨年までの遺産の相乗効果で、今のところは「守れて、点も取れる」という状況だけど、夏場になって体力的に厳しくなってきた場合、その間がリンクできてない場合は不安定な試合運びになって失速しかねない。内容はいまだ発展途上ということで、油断なくトレーニングを重ねて攻守のバランスと質を高めていってほしい。

3月10日 広島ビッグアーチ 晴
J1・第1節

VS浦和レッドダイヤモンズ

 起きた。

 7:47

 寝坊したー!
 急いで身支度して車に乗ってipodの再生ボタンを押す。えーと、何の曲だったっけ、と思ったら、“Reckless fire”だった。続いて“Tank!”、これでテンション充填OK。今日はこの手で全て奪っちゃうぞー。高速ではバッハのファイルを開いて声の調整。「心と口と行いと生き方は」「見よ、神のわれらに賜いし愛のいかなるかを」「今やわれらが神の救いと力と」「響け、歌よ!」etc…気分も乗るし、一石二鳥でござる。しっかり歌ってコールしないと。
前日はちょっと天気が悪かったけど、今日の天気は問題なさそうだ。快調に運転して、五日市ICで下り・・・・

 大渋滞

 しまった、西風新都ICで下りればよかった、と思っても後の祭り。小谷SAにも浦和サポ多かったし、車多いことくらい予想せなあかんでワレ、と思いつつじわじわ進んで、あれ、こんなとこにマクドできてるやん、と曲がったら思いっきり外れの第III地区の下駐車場に停めることになった。すごい淋しい所だが、車が出るには楽そう。大宮ナンバーの車も停まっている。あなごとか牡蠣食べて帰りんさいよ。
シャトルバスに乗ってビグアーチへ。試合前に到着するのは久しぶり。
 裏側入口も長蛇の列。まあすぐに入らなくていいし、表へ廻る。赤い人々の長蛇の列。それを抜け、コロッケ買って、バックスタンドの入場列見たら、ずっと向こうの山のほうまで列が伸びていた。長っ!
 しばらくぶりの年パスで入る。今は週末が忙しい仕事なので元は取れないとは思うけど、浮いた分が国王の給料になると思えばまったく惜しくはない。
 B6上に行って、皆さんに御挨拶。2009年のアウェイ・名古屋戦のドロー以降、サポートに行って負けた試合は見たことがないけど、今年はどうなるだろうか。
 コロッケを食べてお茶飲んで一息。サンフレッチェの下部組織がピッチにお目見え。ユースに引き続いてトップの選手バスが入ってきた。スーツ姿の森保監督を先頭に次々に選手が降りてくる。岳人はいるのかな?
 森保監督の挨拶。大声ではきはきとした、気合の入った挨拶。若々しい!選手宣誓みたい。現役時代とまるで変わらない。カッコいいぜポイチさんっ・・・!サポーターからは「もーりやすはじめっ、オッオオオオー!」と懐かしい森保チャント。
12時を回った。携帯でメンバーを調べると、ユースの岳人がメンバー入りしていた。青山が怪我上がりだから、出場機会があるだろうか。

サンフレッチェ:
GK1西川
DF24森脇 5千葉 4水本
MF14ミカ 6青山 8カズ 16山岸 9石原 15洋次郎
FW11寿人
リザーブ・・・
GK13増田 DF2ソッコ MF20石川 27清水 29岳人 FW25大崎 18龍一

先発は大方の予想通り。控えGKはいきなり増田。FPはソッコを除いて攻撃的な選手がずらりと顔を並べる。

浦和:
GK18加藤
DF26濱田 22阿部 20槙野
MF14平川 8柏木 13鈴木 7梅崎 34山田直 24原口
FW11田中
リザーブ・・・
GK1山岸 DF2坪井 17永田 MF3宇賀神 27小島 FW16ポポ 21デスポトビッチ

山田直輝、怪我と聞いていたけど先発大丈夫なのか。ボランチかと思っていたが、試合が始まったら陽介がボランチだった。FWは田中達也。ポポかと思っていたけど。ポストとかキープとかできるんかね。


浦和のGK二人が出てきて、浦和サポが歓声を挙げる。続いて西川・増田が登場、紫のサポーターが歓声を上げる。メインもバックもかなり埋まっており、25000越えはしてそうだ。
札幌は前俊先発か。ゴールあるだろうか。一誠は残念すぎる。今年いっぱいで治して、来年、やれるだろうか。

浦和の選手が出てきた。大ブーイング。しかしなんか着てるものの色が明るい。それってグランパスカラーじゃね?名古屋のフリして相手を威圧しようてか。鯱の威を借ろうてか。
そしてサンフレッチェのフィールドプレイヤーが登場、大歓声。そしてすかさず今日のスターティングメンバー発表。今日は早いな!
浦和のスターティングメンバー、ほかの選手はほっといて槙野(と柏木)に大ブーイング。何も知らん人間は「厳しすぎる」とか言ってるけど、

ある女性に、
「お前を愛している」「お前の事しか考えてない」
と日頃から言ってた男が、
「欧州で仕事をすることに決めた。でもお前の事は一時たりとも忘れない」
と言い置いて海外へ行ったと思ったら、
すぐ日本に帰ってきて別の土地で女を作りました

これは別に法律に触れてはいないけど、男としてはいかがなものかと言わざるを得ないし、残された方が怒るのもごく当然の感情だろう。敵だからというよりも、広島を侮辱した、その心根も疑われるような行いを広島の人間として許すことができないからブーイングする。みんな好きだったし、信じていただけにその怒りも大きい。仲直りするにしても、そのしるしとして一発思い切り張っ倒してやらないと気が済まないというやつだ。
ミシャはスルー。恩はあっても恨みはない。足は労わってほしい。大輔さんも女房役がんばってくれたまい。
 試合開始前、晴天にざっと通り雨が降る。結構な勢いだった。このタイミング、なんか「神意」って感じで心が昂ぶる。
毛利の武者行列の中を選手入場。ゴール裏の人々が白と紫のボードを掲げ、美しいチェック模様を造り上げる。森保新体制での新生サンフレッチェ、絶対に勝つ!

 試合前には30秒間の黙祷。
数多くの人が亡くなられた。復興にもまだまだ長い時間がかかる。だからこそ、生きている者は生きているという事の威力を見せなければならない。今日はこの熱狂の力を手向けに。
 サンフレッチェのキックオフで試合開始。落ち着いてしっかり試合に入ろうという慎重な出だしで、アグレッシブに向かってくる浦和の勢いにやや押されてファーストシュートやCKを取られてしまうが、こちらも左サイドのパス交換から寿人が決定的なシュートを放ったあたりから盛り返してきた。まだ攻撃では息の合わない事が多く、特に石原はもうひとつ、というか1.5くらい合ってない感じだが、これは実戦を繰り返す中で合わせていきたいところ。最終ラインでカズと千葉が細かくパス交換しながらボールを落ち着かせ、相手の隙を見つけてタテに入れていく、という形でペースをつかんでいく。
 右に持ち出した千葉がハーフウェイライン付近からタテにロングスルーパス!ミカが完全に裏へ抜け出し、折り返したところへ寿人飛び込む!がわずかに合わず阿部ちゃんクリア。千葉すんごいパス通した!守備でもいいカバーリングを見せてるし、カズとのコンビも以前からやってるかのようで、おバカなようで環境適応能力の高いヤツだ。
 右サイドで森脇が持ち、中へ切れ込んでシュート!DFに当たってこぼれたところを叩き込むが、これはオフサイド。でも、加藤もゴールネットを揺らされていい気分はしないだろう。さらに森脇、右サイドでボールを受ける、外にミカが完全フリー、しかし森脇、また中へ切れ込んでシュート!は石原直撃でゴールラインを割り、ゴールキック。ゴールする気まんまん過ぎる森脇。契約更改の場でトップ下直訴しただけはある。
 その後は右サイドの攻撃が機能し始め、ミカが次々に右サイドを破ってCKを獲得、洋次郎のキックからシュートを放っていくが、いずれもGK正面。
 前半終了間際は浦和もボールを持って攻めたが、槙野のミドルは西川がセーブ。スコアレスで前半は終了した。
 攻撃ではもうひとつかみ合わない場面が多かったが、守備は集中を切らさずしっかり対応できていた。サイドの攻防では優位を築いてきたので、このまま押し込んでゴールを奪いたいところ。浩司がいれば2点は取れていただろうけど・・・早くトップコンディションになってピッチに立ってほしい。
 後半開始。早速両サイドから押し込んでいき、CKゲット。左CK、洋次郎がセット。ファーで森脇と千葉が固まって待ち受ける。千葉に決めてほしいところ・・・洋次郎キック、中央、加藤セーブ、高く浮いたボールをミカがトラップし、右へ持ち出しながらキープ、そしてマークに付く梅崎をものともせずタテにキュッと切り込んでセンタリング、これにニア飛び込んだ石原が足を伸ばして合わせる!枠を捉える、が加藤セーブ、しかし、その弾いた先に寿人―――

ゲット!!

 しっかりと左足で押し込み、ビッグアーチを震わせる大歓声の中、ゴール裏へ一目散に疾走!2012初ゴールは流石というかやはりというか、エースの佐藤寿人!そこへ西川も猛然と走ってきて、B6前で皆と揃って弓矢パフォーマンス!これでこっちのもんだ!!
 浦和、田中達也に代わってデスポトビッチin。やはり裏に抜ける動きだけではミシャスタイルのワントップをこなすことは不可能。かといってデスポトビッチに広範囲に動き回ってボールを引き出すような動きができるとも思えない(とはいえやるなら彼しかいないが)。あと、ポポも上手いけどさほど動けるとも思えない。浦和にはワントップできるのがおらんな。まあそのうち金積んで補強するんだろうけど。盛田とかどう?
 サンフレッチェは中盤で厳しいプレスを敢行する。サイドに追い込んで二人、三人とアタックしてボールを奪う。昨年までは見られなかったプレッシング。水本の一対一やカズの鮮やかなボールカットも随所にみられ、森脇も気迫の守備でデスポトビッチにシュートを撃たせない。洋次郎も粘り強いキープから的確につなぎ、チャンスと見れば急所を突くパスを繰り出し、ゴール前に飛び出して得点を狙う。頼もしくなったなあ。
 後半29分、ミカに代わってノリin。得点はミカのアシストといっていいもの。彼の突破は今年も大きな武器になりそうだ。
森脇が強引に中へ切れ込んでシュートに行く、跳ね返って浦和が拾いカウンター、にいこうとするところカズがスライディング一閃でカット!凄すぎじゃありませんこと?
 浦和、山田直輝に代えてポポ。なりふり構わずゴールを奪いに来た。ていうか怪我上がりの彼をよくここまで引っ張った。ミシャは、信頼する選手は少々無理してでも起用するから、彼の力を高く買っているんだろう。ただ、ミシャスタイルのトップ下はかなり複雑な仕事を要求されるので、この日は彼も原口もいるのかいないのかよくわからないレベルだった。陽介がトップ下に入るのが理想だろうけど、カズをDF起用していたように、まずは後方の安定を重視したということか。小島あたりが戦術に馴染んできたら(あと高橋峻希が復帰したら)また違ってくるだろう。
 浦和は前線の三人にどんどん合わせてチャンスをうかがうが、サンフレッチェの守備陣も奮闘してシュートを撃たせない。その中、大崎がビブスを脱いでスタンバイし、石原に代わってイン。走れ!
ボールカットし洋次郎へ、洋次郎自陣からロングシュート!左に外れるも、相当前へ出ている加藤をよく見ている洋次郎の余裕。そして  アディショナルタイム3分。
 浦和、右からのクロスに槙野がヘッドで合わせる!も西川が身を倒しながらしっかりとセーブ、こぼれを洋次郎がキープし、ファウルをもらう。押しつぶされるように倒され、しばらく痛んでいたが、大丈夫。
中盤でのルーズボールを大崎がキープし、陽介のファウルを受ける。陽介にイエロー。大崎ナイスキープ!ここからキープ大会。左コーナーでキープキープ。奪われてもすぐに取り返してファウルもらってFKはたいてキープキープ。で、試合終了。
勝った――――!!
 森保監督の初陣を1−0の勝利で飾る!選手たちが抱き合って勝利を喜ぶ。みんなよくやった!
 監督インタビュー。これも若々しくて熱い!「この人にならついていこう」「応援したい!」と思わせる誠実なカッコよさ。つかみはオッケーよポイチさん!
 続いてMOMの寿人。
 「嬉しいです!!!!!!」
 テンション高っ!
 インタビュアーも、
 「浦和に、勝ったぞ――――――――――――――!!!!!」
 テンション高っ!
 ゴールパフォーマンスは2点目も用意していたが、ゴールできずに披露できなかったとのこと。それは次回に「上乗せ」していただきたい。
 マクドもいただき。昨年はムーさんがよくもらっていた印象があるが、今年寿人はいくつもらえるか。
 インタビュー中、ほかの選手はピッチ上で待機していたが一様にかなり疲れている感じで、この一戦にかける集中力の大きさがうかがえた。
 寿人がピッチ上に居た選手たちと合流し、スタンドのサポーターたちと勝利を喜び合う。そして数人が劇場スタンバイに入った。開幕戦のため取材陣の数も多い。
 ほどなく、森脇、千葉、ノリ、西川、岳人、寿人が桜とかビールの被り物で登場、各自思い思いに拡声器パフォーマンス。出番のなかった岳人は初々しく、あとのみんなはお疲れモードでいまいちキレがなかったが、致し方ない。千葉は喋ろうと拡声器を口に近づけたらその度にハウリングを起こしていたので面白かった。あとやべっちや開幕前イベントでやったネタはもういいから新しいネタ たのむ
いつも通り森脇を適度に滑らせ、最後はみんなで歌って締め。
 槙野がやってきて、サンフレッチェのサポーターに対して深々と頭を下げて挨拶する。拍手もあったが、ブーイングのほうが圧倒的に多かった。本人も浦和に期限付き移籍を決めた時からこれくらいの反発を受けることは重々承知でやっているだろう。自分で決めたことだから、今年一年は浦和のために全力を尽くせばいい。ただ、サンフレッチェを出る時に涙を流しながら言った言葉はくれぐれも忘れないように。
得点が1点というのは正直言って物足りないが、やはり誰しも緊張する開幕戦だし、チームが出来上がるにはもうちょっとかかりそうという感じだったので、攻撃的にいきつつも慎重に運んでウノゼロ勝利というのは、まずは上々のスタート。キャンプから重点的に取り組んできた守備が完封という結果を出したのは自信になるだろう。ただ、相手はチームがろくに出来上がってない浦和だったということを勘案すれば、あまり調子に乗ってはいられない。今日はいわば勝って当然の試合、次の日本平・清水戦で今現在の真価が問われる。
もっと連携が高まり、サイドチェンジがうまいことできるようになれば両サイドの破壊力がさらに増しそうな気がする。守備戦術を採り入れたことで「角を矯めて牛を殺す」ことにならないよう、あくまでも攻撃サッカーを追及していってほしい。
ゴール裏の片付けを手伝い、シャトルバス乗り場に戻ったらまだ長蛇の列で、寒くなる中を他会場の経過も見つつじわじわ進み、やっとこ車に戻ってきた。駐車場の車はあらかた捌けていたので楽に出て行けたが、マクドの交差点に出てくると、パトカーが出てきていて、下の方に向かう道が大渋滞していた。事故か?自分は西風新都ICから帰るつもりだったので、逆に曲がってスイスイとICへ。広島道に乗り、下道を見てみるとそこも大渋滞。これは本格的に事故か・・・?と思いつつ、山陽道はやや混んでいたものの疲れた体とココロの許容範囲内で、小谷SAでちょっと休憩して、無事戻ってきた。
晩飯は地元のイタリア料理店でがっつり食べ、料理人の一人であるユースOBの某君と今日の試合の話をして、Jリーグタイムに間に合うよう帰った。