むらさきぐま日記2011.ユース編


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プレミアWEST・VS京都5/4 プレミアCS・VS札幌12/17


12月17日 埼玉スタジアム2002 晴
高円宮杯U−18サッカーリーグ2011
チャンピオンシップ
VSコンサドーレ札幌U−18

 今年はユースの試合と仕事その他の日程がだだ被りで、さらにトップチームのホーム最終戦まで行けないという体たらく。山形に行こうとも思ったけど、翌日朝に仕事が入ったのであっさりポシャった。ならば、この試合に行くしかない!と、名古屋戦の勝利、桜の敗北を知った直後、この日に休みをもらった。この試合に行かずして2011年を締められようか。

 うまいこと3時過ぎに目が覚めた。午前中に関東に着けそうだ。
 出る前に録画予約しとこうと番組表を探してみたが、見当たらない。
 やっと地デジで深夜に30分ほどの放送を見つけた。


 何この朝日なめてんの?


 調べてみたらCS朝日で生放送があるようだったが、どんどん退転しとんな。

 車で福山駅へ行き、4:48発の山陽本線で岡山へ。この時期このくらいの時間の電車に乗るのはJユースの準決勝とか決勝で大阪に行くときだったけど、これからは高円宮杯チャンピオンシップもか。
 岡山から当駅始発ののぞみに乗って東京へ。ホームには水戸のタオルマフラーを持った方が。これからケーズ行きか。6:08、岡山発。
 新大阪駅着前ごろ、空は綺麗に晴れ、窓の向こうには雲の壁が見えた。明日は甲子園ボウルがある。関学ファイターズ頑張れ。
 一眠りして岡県通過中に目が覚めると、冠雪した富士山が青空を背にして素晴らしい眺め。ここ数日で一気に冷え込んだが、昼間はそれほどでもないだろうし、最高のコンディションで試合が出来そう。
 品川で降り、帰りの指定席を取って、京浜東北に乗って、ほんのちょっとだけ時間潰しをしようと思って、

 そういえばPSヴィータの発売日か

 どこの店も頑張ってるな
 で、また京浜東北で王子へ、王子で南北線に乗り換えて浦和美園へ。向かいの席には襟に札幌のマフラーを巻いた男性の方とその奥様らしい方が。ひょっとして選手の御家族の方だろうか。札幌からもかなり来られるのか。北海道のチームが公式戦の全国大会で優勝したことはどのカテゴリーでもまだない。それだけに応援にもかなり気合を入れてきそう。
 12時過ぎに浦和美園着、そして昼飯にイオンモールという定番パターン。降りてきたほとんどの人が昼食及び買い込みで入ってゆく。見た感じ、かなり札幌色が強い。
 にんにくやで昼を食べる。ナスのトマトソースのパスタにて、赤と黒を喰らう。隣の席に座っていた方が、おそらくクリームパスタを頼んでいたと思うが、それに店員さんがペッパーをかける時、「ペッパー警部」を歌いながら挽いていた。そういうサービスらしい。でもやるならもうちょっとペッパー警部っぽい振り付けでやってほしい(邪魔です
 腹を満たして駅へ戻り、駅前の711で綾鷹二本とのど飴を買い、シャトルバスで埼玉スタジアムへ。なんかほとんどコンササポっぽい。超本気やん。

 スタジアム着。バスを降りると、まだ開門前らしく行列が出来ていたので、第2・第3グラウンドで行われているプレミアリーグ参入戦を観に行く。作陽(中国)VS済美(四国)、神戸(関西)VS大津(九州)のゲームが行われていた。前半途中。
 作陽VS済美は、1-0で作陽リード。FW16辻井の質の良い動きと突破で次々にチャンスを作っている。作陽もプレミアにいてしかるべきチームなので、このまま勝ちきってほしい。そして来年は皆実の番。
 神戸と大津は2-0で神戸早くも2点のリード。これはこのままいっちゃいそうな雰囲気。
 開門したようなので、スタンドに上がる。今年はアウェイ側。磐田戦の時を思い出す。あのころの俊介は・・・いや最近やっと開眼しつつあるようだしまだあきらめてないぞ。
 ゴール裏にビッグフラッグの設置中。前座の試合などは無いようで、静かな場内。ホーム側バックスタンドにはコンササポが多数かたまっている。まだ増えそうだ。
 しかし静か。なんか試合前の高揚感が出てこない。なんか盛り上げるようなことはやらないのか。10月とは違ってなにかと時期的に難しいのだろうけど・・・
 ビッグフラッグの設置が終わった頃、先に札幌のGK、そして選手がピッチに姿を現した。コンササポが大きなコールを上げる。バックスタンドの通路より前は赤黒に染まっており、相当気合い入れて集まってきているようだ。
 やや経って、サンフレッチェのGK、有賀くんと大野くんが出てきた。そしてフィールドプレイヤーたちが出てくる。サンフレッチェコール、そして、1番の大野くんから11番の亀島くんまで、三年生全員ひとりひとりのコール。監督、スタッフ、選手たちがバックスタンド前までやってきて挨拶。やったれ!
 プレミア参入戦のイースト結果・ウエスト途中経過が発表される。鹿島と旭川実が昇格、そして作陽と神戸がリード。磐田を破った旭川実にコンササポから大きな拍手が起こった。来年は北海道ダービー実現か。
 そしてスターティングイレブン発表。まずはホームサイドの札幌。

GK21阿波加
DF2小山内 4永井 3奈良 8前貴之
MF17中原 6堀米 10荒野 11榊
FW9近藤 18下田
リザーブ:GK1今岡、DF12山下、24内山、MF5深井、13津川、15中川、FW7鈴木

4-4-2のボックス中盤。本来のレギュラーのうち、ボランチの深井は負傷のためベンチスタート、そして攻撃的MFの神田が急な発熱で欠場し布陣が少し変わっているが、トップ昇格する小山内・奈良・前(貴之)・荒野・榊の五人が揃って出場し、ほかにも年代別代表の選手がずらりと顔をそろえる。先だってJユースカップ準々決勝で激突し、常に先行される苦しい戦いながら三たび追いついて延長の末4-3でサンフレッチェが勝利しているが、内容では札幌の方が上回っており、根性でひっくり返したという試合だった。その時の試合ではJ2の試合に出ていて不在だったDF奈良が今回はディフェンスラインに入っており、前回のように取られたら簡単には取り返せないだろう。なので、細心の試合運びが必要となる。まあ、どの試合でもそうだけど。

続いて、サンフレッチェ。
GK21有賀
DF5柳川 3脇本 10藤井
MF7森保 36川辺 4平田 28野口 13末廣 17野津田
FW34越智
リザーブ:1大野、DF12水田、MF8重行、27浅野間、30宮原、FW9石坂、23大谷真

 トップチームと同じ3-4-2-1。1年で小柄だがスピードとスタミナのあるセンターFW越智の後ろに、天才肌のレフティ・野津田とセカンドストライカー的な末廣の2年生二人がシャドー、守って展開するだけでなく得点能力も高いドイスボランチ、2年の平田と1年の川辺が中盤を支え、右には正確な右足をもつ3年・森保圭悟、左にはポリバレントな能力を持つ1年の野口。スリーバックは3年の柳川・脇本・藤井で、GKは2年の有賀。
 レギュラーCBだった亀島周が靭帯損傷の大怪我を負ったため、それ以降、その位置にはそれまで主にサイドアタッカーとして活躍していた藤井が入っている。最近では藤井の攻撃力を活かすために1年の宮原を使うこともあったが、相手が札幌ということで、フィジカルに優れ経験のある藤井をストッパーに入れてきた。もっとも、トップチームと同じくストッパーも積極的に攻撃に参加するので、得意のドリブル突破も見られるだろう。川辺・野口・越智という1年生がレギュラーとして活躍し、それに加えて夏の国体で広島県3位の原動力となったほかの1年生たちも大いに自信をつけ、宮原や、今日はベンチ入りしていないが昨年のジュニアユースのエースだった上村というところが出場機会を得、結果を出してきている。タレント的には札幌の方が上だが、サンフレッチェは1年から3年までが一丸となって戦うチーム。団結と根性で勝利をもぎ取りたい。
 ちなみに越智大和は昨年の高円宮杯決勝MVPで現在は立命館大学1年の越智翔太の弟で、森保圭悟はサンフレッチェのトップチーム新監督のポイチさんの次男で、これもユースOBで現在は法政大学2年の森保翔平の弟、宮原和也もユースOBで現在広島大学3年の宮原大輔の弟。
 もひとつ、1年生はみんな綺麗な坊主頭。大一番直前に「なんかやらかした」ようだ。

 スターティングイレブン発表の後、両チームの選手が入場、整列。札幌がホームの赤黒、サンフレッチェがアウェイの白のユニ。
 JFA名誉総裁の高円宮妃殿下より高円宮杯プレミアリーグイースト・ウエストそれぞれの優勝楯の贈呈が行われ、殿下が選手たちに激励の握手をされる。写真撮影が行われ、選手たちがピッチへと駆け込む。サンフレッチェの選手たちはしっかりと円陣を組み、気合を入れてピッチに散らばった。先発選手のコール。いよいよ試合開始、サンフレッチェのキックオフ。
 立ち上がりから両チームともポゼッションを志向してボールをつなぎ、それを防ぎ合う展開。札幌、左サイドからロングフィード、こぼれを榊が拾ってセンタリング、逆サイドに流れ、DFがクリアしたボールに右サイドバックの小山内が詰めてダイレクトでクサビのパスを入れ、FW近藤が落としたボールに走り込んでクロス!ニアで脇本が頭に当て、ファーにこぼれたボールを柳川がクリア。今度はサンフ、川辺から柳川に開いて柳川がアーリークロス、これは越智に合わずも、体を沈めてクリアにいったDFがこれをミス、ボールが小さく転がったところを越智がさらって左に落とし、走り込んだ野口がダイレクトでクロス、これに中央待ち構えていた野津田がダイビングヘッド!GK飛びつくが捕れない―――わずか右に外れ!オーロラビジョンにリプレイが映し出される。惜しい!

 札幌、左サイドバックの前から榊へ、榊のクロスはDFに当たってCKに。左CK、前のキック!ニア、野口がクリアし、このこぼれを拾ってカウンター、柳川から流れの中でそのまま右サイドを駆け上がっていた野口へパス、野口がゴール前に入れてそこへスライディングで飛び込むがDFがクリアし今度は札幌のカウンター、中央パスを通してFW近藤がドリブル突破からミドルシュート!はDFがしっかりと寄せており、GK有賀ががっちりキャッチ。

 10分経過。中盤左サイド、藤井のパスが弱く札幌にカットされカウンターになるが、脇本が冷静にカバーして事無きを得る。最終ラインのミスには注意。この辺りから札幌のパスが回り始める。札幌左サイドへの展開から榊がファウルを受けFK獲得、前が右足でゴール前に入れる、クリア、こぼれを野津田が前線へフィード、これに川辺が反応し一気にゴール前へ迫るが、GK阿波加が飛び出し、また前も戻ってきて挟み込むように両者もつれながらもボールを奪った。惜しい。続いて最終ラインからフィード、越智が走り込んでうまく足に引っかけトラップ、落としたところに末廣が走り込み、DF奈良がスライディングに来るところをちょんと浮かせてゴール正面方向へかわしてシュート!はDF永井ブロック!クリアしてスローイン。入れて落とし、平田がゴール前に上げて越智が飛び込む!がわずかに合わず、GKキャッチ。越智、大舞台ながら物怖じすることなくスプリントを繰り返してゴールに向かう姿勢を見せている。

 15分経過。野津田から右サイドの圭悟にパス、DFクリアでスローインに。まだ圭悟からのクロスという形が出てきていないので、うまく形を作りたいところ。17分、中央でサンフレッチェらしいダイレクトのパス回しからゴールに迫り、右に開いて圭悟がゴール前に入れるがカットされる。札幌、右サイドから前線の近藤めがけフィードを入れるが、DFがしっかりクリア。札幌はFW榊のスピードとテクニックを活かした速攻が持ち味ということだが、この試合では榊が本来の位置ではない左の攻撃的MFの位置にいるためかサンフレッチェのポゼッションサッカーの前にスタミナ切れになることを警戒したのか、えらくボールを回しており、そのためがっぷり四つの展開になっている。しかしサンフレッチェは中盤でいいプレッシャーがかかっており、ボールを奪うと平田・川辺のドイスボランチが落ち着いて的確にボールを回し、野津田がキープして攻撃につなげている。
 札幌、左サイドを前がドリブルで駆け上がって榊へ、榊はボランチの10番・荒野につなぎ堀米へ、堀米はドリブルで突っかけると榊へ、榊が戻したボールを前が堀米へ渡し、堀米キープから榊へ、榊は外に開く前へパス、前クロスに近藤が飛び込む!が有賀キャッチ。ここらへんのボール回しはうまい。サンフ、右から末廣がフィードし越智が走り込むがGKキャッチ。

 21分、サンフレッチェが中央で野津田中心にパスを回して右に展開、圭悟が受けてタテに出し、柳川走り込もうとする、も合わず。次いで左サイドから平田がフィード、越智が飛び出してダイレクトシュート!は上に外れる。今度は札幌の速攻、自陣からのクリアをダイレクトでつなぎ、センターサークルでボールを受けた右MF中原が一人かわしてドリブル突破から右にパス、そこへサイドバック小山内が走り込んでPA内から中央へ優しく折返し、待ち構えていたフリーの下田がシュート!

ブロック!

GK有賀も小山内につられていてゴール正面が完全にがら空きになっていたが、柳川が決死のスライディングでこれを弾き返した。こぼれを札幌が拾ってすかさずゴール前に入れるがこれは精度を欠き、有賀キャッチ。グレートだぜ柳川!
 しかしこの決定機創出で札幌が勢いづいた。札幌左サイドからロングフィード、これに榊が裏を取って抜け出す、そこへ有賀がPAを飛び出し、タッチライン際まで激走して榊より一瞬早くクリア!素晴らしい判断。だがこの後も札幌がパスを回して攻める。さすがにテクニックが高く、ボール回しがうまい。左サイド榊→近藤→前とつないでクロス、CKを取る。左CK、前のクロスは有賀キャッチ。サンフの反撃、野津田・平田・川辺のパス回しから右の圭悟が受けたところでファウルを受け、FK獲得。中央右、ペナルティアークのやや後方の絶好の位置。圭悟と岳人がボールの左右に立つ。どちらでも狙える位置。壁は五枚で、壁の左端にサンフの選手が二人ひざまづいて小さな壁になる。岳人が蹴るならその上を通してくるか。主審の笛が鳴る――圭悟キック!は壁!跳ね返りをループ気味に浮かせてシュートを放ったが、ゴールネットの上に落ちた。

 33分、右サイドから大きくサイドチェンジ、これを藤井が受けてドリブル開始、ハーフウェイライン付近から一気にPA前まで突破してシュート!GKキャッチも、気合の入ったプレイだ。35分、中盤のルーズボールを札幌がつなぎ、左サイドの榊がファーストタッチを大きく前に出してそれを追いかけ一気に加速、マークを完全に振り切って左サイドを突き破ると戻るDFラインの裏へ折り返し、中央下田がフリーで飛び込む、がヒットせずボールは有賀が弾く、こぼれに近藤が詰めるが藤井がこれに飛び込んで交錯、こぼれたボールを平田が持ち出して大きくクリア!危なかった!ここで近藤が藤井との交錯でしばらく倒れていたが、大丈夫。
 札幌、左サイドの前がドリブル突破からセンタリング、CKを取る。左CK、前のキックに中央競り合い、ゴールラインを割ってまたCKの判定、今度は右サイドから、堀米が左足でキック、中央奈良が跳ぶ、とどかない、がその向こうで荒野がヘッド!しかし上に外れた。荒野、微妙にネイマール頭だな。関係ないけどネイマールはにっこりした時の顔がなんとなく駒野に似ている。
 43分、平田から越智にボールが入り、越智はドリブルから末廣にクサビ、末廣はキープから左サイド上がってきた野口に落とし、野口クロスに越智が飛び込むがクリアされる、しかしこれを平田が拾って右へ、そこへ柳川が上がってきて受け、クロスのフェイクを入れてから右サイドの圭悟にパス、フリーで受けた圭悟がワントラップから狙いすましたクロスにニア走り込んでいた川辺がダイレクトボレー!!

バー!!

バーの下っ面に当たったボールがライン上で跳ね、高く浮く。末廣が押し込みに行ったがGK阿波加がキャッチした。惜しいいいいい!でも圭悟のクロス出た。これを量産すれば・・・
 川辺のシュートの時にブロックにいっていた永井が川辺の足が入ったために痛み、いったん外に出されたがすぐに復帰した。
 44分、中央でショートパスを細かくつなぎ右サイドへ、圭悟が受けて大外を駆け上がる柳川へパス、柳川クロスにファー末廣がヘッド!GKキャッチ。
 前半アディショナルタイム1分、中盤のルーズボールに野津田が果敢に頭から突っ込んでいって相手選手の脚と交錯しFK獲得。センターサークルからちょっと出たところ、ゴールまで40mくらいの地点。圭悟が長めの助走距離を取った。おお、直接いくのか!その右脚の精度を見せてやれ!
 圭悟、長い助走からキック!上方に撃ち出されたボールがグンとお辞儀して急降下、しかしGK正面、と思った瞬間、GKは捕球体勢からびくっとしてそれを両手ではじいた。ボールは左上に外れる。圭悟が左コーナースポットに走っていったが、主審は右コーナーを指示。そこで野津田が右スポットに向かい、キック!ファーに流れる、これを野口がダイレクトで折り返したがゴールラインを割る。
 ここで前半終了のホイッスルが吹かれた。

 ハーフタイム、まずオーロラビジョンに先ほどの圭悟のFKのリプレイが流れる。無回転で撃ち出されたボールが急激に沈み、さらにGKの目前で右へとブレ落ちていた。その軌道に場内がどよめく。蹴った圭悟もすごいが、とっさにゴール枠から弾き出した阿波加もさすが。もうちょっとボールが沈んでいたら阿波加の手をはじいてゴールに飛び込んでいただろう。
 これまでの高円宮杯ならまだまだ日も高く暖かいが、もうこの時期だと太陽はメインスタンドに隠れており、バックスタンドの上部しか照らしておらず、下のほうはすごく寒い。あんまり盛り上がるようなイベントもないし、この時期こんな人里離れた所でやるくらいなら国立かせめて味スタでやってほしいです。西が丘でも可。長居ならなおよし。
 ウエストの参入戦結果発表。作陽5-1済美、神戸4-1大津で、作陽と神戸が参入決定。さすが作陽。観音がプリンスに降格なので、来年はリベンジもしくは皆実の昇格がほしいところ。
 前半はピンチもあったが、札幌は全体的に「こいつら上手いー」とは感じるが「恐ろしい」という感じはしない。両チームともいいサッカーをやっていて、決勝特有のピリピリ度というよりは満足度が高い。決定機も何度か作っていたから、このまま集中を保っていけばそのうち点は取れそうだ。
 札幌の選手が出てきて、サンフの選手がやや遅れて出てきた。森山監督からみつちりと檄を飛ばされただろう。
 札幌のキックオフで後半開始。気温がだだ下がりなので飛び跳ねながらコールするでござる。
 札幌のパスをカットし、平田・川辺でキープして野津田につなぎ、右に展開して圭悟がダイレクトで前線にグラウンダーのパス、これに野津田が走り込む。あとで録画見たら、岳人は圭悟にパスを出した後リターンを要求して走っており、圭悟はそこへダイレクトでパスを出して札幌の選手四人を置き去りにしたという長大なワンツーパスだった。野津田走るが永井がクリア、しかし野津田に当たって左の野口に、野口戻して平田が受け野津田へ、受けたところでファウルを受けFK。左サイド遠目の位置、圭悟がセット。どんなボールを蹴るか。遠いが、いつかのノボリさん(沢登)みたいに直接狙っても面白い。キック!高く撃ち出されたボールがグンと曲がり落ちてゴール前ピンポイントに落下し末廣が競る!阿波加セーブ、右にこぼれたボールを野口が拾ってクロス、競り落とす、DFヘッドでクリア、越智が競る、こぼれに野津田が飛び込んで競る、落ちたボールに野津田が足をのばしてシュートにいく、当たりきらない、がこれが前にいた末廣への絶妙ラストパス、末廣振り向きざまシュート!

 セーブ!

素早く詰めた阿波加が弾き返した。惜しいいい!こぼれを札幌がクリア。
 後半立ち上がり、サンフレッチェが攻勢に立った。平田も積極的に前線へと飛び出していく。脇本から右サイドへフィード、野津田が受けてドリブルから右の圭悟に渡し、圭悟がちょーんと浮かせぎみに一人を飛び越すリターンパス。野津田受ける、PAに入る、ちょんと横パス、末廣受けてシュート!ブロック! 

 ピー!

え?何の笛?と主審を見ると、ペナルティスポットを指しながらPAに駆け込んできた。PK!?やった!でも何のファウル?
 あとで録画を見たら、岳人が横パス出した後に奈良が足をかけて倒しており、アドバンテージを見たうえで末廣のシュート不成功によりレイトタックルの反則を取ったようだった。確かにボールには行っていなかったから取られてもおかしくないが、パスを出した後の交錯とみて流すこともありうる場面なので、これは厳格な判定。ただ、岳人の軽やかなボールタッチがPKを呼び込んだのは間違いない。
 岳人がセットする。試合の行方を決めるかもしれない重要な場面、決めろ・・・
 助走を始める。
 左足一閃、

 ゲット!!

 鮮やかにゴールネットに突き刺し、後半4分サンフレッチェ先制!
 野津田と、PA周囲にいたフィールドプレイヤーが一目散にバックスタンドのこちらへと走ってくる。野津田は両手でハートマークを作りながらコーナースポットにスライディング、この日ベンチ外でスタンドで応援していた選手たちや関東の大学に在学中のOBたちが身を乗り出して祝福する。盛大に野津田コール、その中、フィールドプレイヤーたちがトップチームと同じく弓射パフォーマンス!ようやった!この勢いでいけ!
 しかし札幌すかさず反撃、左サイドを前がドリブル、中に切れ込んで外に開き、フリーの榊がクロス!は榊オフサイド。しかし前はドリブル上手いな。FK、有賀が前線に大きくフィード、野津田が競るが届かない、しかしボールはさらに進んで越智の上に、越智ヘッドで右に競り落とし、そこへ末廣が走り込んで抜け出す――ところでDFがゴールラインに逃げ、CK。野津田がセット、そして札幌守備陣が指示を出している途中で不意にキック!高く舞い上がったボール、GKの上を越える、そのウラで脇本が競る、届かない、しかしさらにその外側から飛び込んできた白の背番号10がジャンプ一番右足で合わせ――

ゴール!!

あっという間の追加点!決めたのは藤井!元来FWながら今年はサイド、そしてストッパーとどんどん後方を任され、それでも腐ることなくチームに尽くしてきた男がこの場面でゴールを奪ってみせた。藤井は胸のエンブレムを握りながらバックスタンド側コーナースポットにスライディング、立ち上がると両手の人差し指を並べて天に突き上げた。あるいは彼のポジションの本来のレギュラーだった亀島周の背番号「11」をあらわしたのだろうか。後を追ってきた選手も次々に人差し指を突き上げる。これはでかい。札幌へのダメージは尋常ではない。録画をみると、札幌の選手はまだ守備陣形の指示中で、GK阿波加ですらまったくボールに対応できずに頭上を越されてしまっていた。そこへ岳人の正確な左足、これは決まる。流れが一気にサンフレッチェに来た。
 もう攻めるしかなくなった札幌、中央突破から右にパス、有賀飛び出す、しかしこぼれを中原が拾って有賀をかわし中に持ち込んでシュート!は左に外れる。サンフ、右サイドでスローインをとり、そこからの流れでCKをとる。野津田が向かって、ショートコーナー、ファーにクロスを上げて末廣が折り返す、DFクリアしCKに。右CK、野津田のキック、逆サイドにこぼれるところを藤井が折り返す、札幌クリア。そこからの流れで野津田がミドルシュートを放つが上に外れる。
 ここで札幌、選手交代。右サイドバックの小山内に代わってMF深井イン。ボランチに入り、堀米が左SB、前が右SBに移る。
 後半14分、サンフのクリアが小さいところを札幌が拾って左に出し榊がPA内に持ち込みシュート!上に外れる。次いで札幌、クサビのパスから左に開いて深井クロス、しかし右に流れ、DFクリア。さらに右サイド前から荒野に折返し荒野がクサビのパス、これを川辺がカットしてつなぎ、末廣が左に展開。浮き球の難しいボールを野口がうまくダイレクトで野津田に渡し、野津田がそのままドリブルで中央に向かう。まだいく、シュートまでいくのか、引きつけて右にパス、そこへボランチの平田が中央を駆け上がって走り込む、トラップ、左サイドに野津田と越智がフリーで走り込む、リターンパス、しかしDFに当たって跳ね返った、ところへ末廣が走り込んでいた。末廣これをさらってPAに侵入、スライディングに来るDFをすっとかわすとGKとの間合いを計って、

ゲット!!!

ニアに叩き込み、そのままの勢いで両腕を突き上げつつベンチへと走っていき、控え選手たちと抱き合った。もう末廣冷静すぎ。ホーム京都戦の決勝ゴールを思い出した。非常時になればなるほど落ち着く性格なのだろうか。後半19分、サンフレッチェが3-0とさらにリードを広げた。欲を言えばあと1点取って完全に試合を決めたいところ。前回の対戦は90分で3-3だったし、まだ安心はできない。
 札幌のCK、これをはね返してサンフのカウンター、左へクロスを放つが通らず。
 札幌選手交代、FW近藤に代わってMF15中川イン。左MFに入り、榊をトップに上げた。もうどんどん榊に出してくるだろう。もはや攻めるしかない札幌は攻勢に出るが、サンフレッチェは高い集中力と運動量、そして冷静なつなぎで札幌の攻撃を寸断しカウンターを繰り出す。サンフレッチェのカウンター、ゴール前まで突き進むが末廣の所でクリア、交錯。倒れた末廣、どうやら足がつったようだ。ここまで全力プレイだったから仕方がない。すぐに宮原が出てきて交代する。後半27分。よくやった末廣。宮原はそのままシャドーの位置へ。
 札幌、左へ振り、榊がトラップからオーバーヘッドキック、しかしDFクリア。中盤で平田が拾って藤井へ、藤井ミドルシュートは上に外れる。サンフ、ボールをつないで野津田から右の宮原へ、宮原、勝負!しかしカットされる。さらに右に展開し圭悟が受けるが、ファウルを受けてFK。圭悟、いったん外へ出されるが、すぐに交代選手が出てきた。圭悟に代わって石坂元気イン。そのまま右アウトサイドに入る。圭悟はこの週に足を傷めており、ここが限界だったようだ。その状態でPKにつながるパスを出したり無回転FKを蹴っていたのか。右FK、野津田が入れてニア越智が飛び込むが合わず。
 札幌、もう攻める攻める。サンフレッチェも守る守る。
 札幌選手交代、エース榊に代わってFW7鈴木イン。
 サンフ、右サイドを石坂が突破してクロス、ファー、クリアで右スローイン。そこからのキープでファウルをもらい、素早くリスタート、はGKキャッチ。今度は中盤で奪ってハーフカウンター、右に出して宮原が受けシュート!は上に外れる。
 後半38分、サンフレッチェ選手交代。野津田に代わって浅野間イン。そのままシャドーに入る。
 札幌のカウンター、左に開いて折返し中央下田が受けるが、サンフレッチェがチェックをかけてクリアする。

 チームのキーマン・野津田が交代したことからもわかるように、この辺りからサンフレッチェの運動量が落ちてきてセカンドボールを拾われるようになってきた。札幌の攻撃を防ぐため、立ち上がりから前線の選手が猛烈にファーストプレスをかけていたから仕方がない。札幌がパスをつないで左から右から攻め立てるが、サンフレッチェもゴール前を固めてはね返す、右からの折り返しを荒野が受けて中央に持ち出しつつ左足シュート、は左に外れる。札幌の方も動きが落ちてきているが、気力で攻めている。札幌、カウンターから左サイドバック堀米がドリブルで中央目がけ持ち上がり、中央のDFをひきつけて右にパス、フリーで上がってきた中原が受けてニアに豪快に叩き込みゲット!!後半42分、追撃のゴールを挙げた。
 さらに追撃したい札幌、しかし札幌も足が止まってきた。あと少し、踏ん張れ!後半44分も30秒を回った。アディショナルタイム何分だ、ピッチサイドの第4審判を見る。あのボードの字は・・・4?4分って多くね?そして4分の表示。あと少し、踏ん張れ!!

 アディショナルタイム、越智もさすがに運動量が落ちたが最前線で必死にチェイスしている。この時間でもまだ走り回れるのが彼の強み。有賀のキックから右サイドを宮原が突破、センタリングに越智飛び込むがゴール前でDFクリア、こぼれに宮原が詰めるが戻りオフサイド。ここで越智に代わって、重行イン。さらにFW大谷真史が用意している。札幌もこの直前の中盤競り合いで一人足をつらせてしまっており、DF12番の山下が用意しているが、二人に出番はあるだろうか。サンフ前線へのフィード、重行が猛然と追うが、前がカバーしてゴールキックにする。携帯を見ると16時51分。47分にアディショナルタイム突入したからそろそろ終わりだろ!早く笛吹けー!札幌フィード、競り合い、クリア!札幌更に入れる、しかしこれもヘッドで迎撃、札幌こぼれを拾って左に展開するが、クロスを上げるところへ重行が気迫のスライディングタックルでブロック!!タッチラインに弾き出した。と、ここでサンフレッチェの選手たちが両腕を突き上げ、控え選手たちがピッチになだれ込んできた。コールしていて気付かなかったが、試合終了の笛が吹かれたようだ。もっと大きなゼスチャーしてくれよ主審。

や   っ    た    ー

3-1、終盤はきつかったが、攻守に相手を上回っての快勝でチャンピオンシップ制覇!新形式での開催では初代王者、高円宮杯というタイトルでいえば連覇。クラブチームの高円宮杯連覇は史上初と、初物ダブルの栄冠となった。立ち上がりから相手に激しいプレッシャーをかけつつもサンフレッチェの攻撃サッカーを展開、誰ひとりさぼらず、各々のやるべきことをやりきっての勝利。これこそ「各員一層奮励努力」というもの。素晴らしいとしか言いようがない。おめでとう!!
 優勝監督インタビュー。

 ゴリさん、いつも通りの熱い言葉。チーム一丸となっての勝利を強調されていた。
 この間、サンフレッチェサポからコンサドーレコール。

 続いて先制PKを決めた岳人のインタビュー。

 自分のことよりも三年生への思いから、涙ぐみながら語る。

 続いて2点目を決めた藤井のインタビュー。

 今年は無理だと言われていた悔しさをバネに頑張った。
 

 表彰式。フェアプレイ賞はプレミアリーグウエストの立正大淞南高校が受賞した。
 準優勝のコンサドーレ札幌U-18表彰。MIPは中原くん。拍手。さすがに個人能力の高い選手が多く、うまかった。ただ、「怖さ」がなかった。本来札幌の持ち味は縦に速いサッカーだったのを、ポゼッションを志向したためにチームの持ち味を減じてしまったか。直近のJユース杯での敗戦という結果がなければこういう作戦を採ることはなかっただろうが、これも勝負のアヤというものか。
 サンフレッチェの表彰。脇本、柳川、圭悟、藤井、重行、大野・・・と登って行き、表彰状と記念品、そしてメダルを授与される。MVP発表、岳人!
 そして高円宮杯授与。脇本主将が高円宮杯を高く掲げる。「Grande Viola, Hiroshima!」コール。そして、降りてくる選手たちに「カンピオーネ」コール。おまえら、男だ!
 ピッチサイドで記念撮影。ベンチ入り選手の撮影の後、ゴリさんやスタッフ、ベンチ外の選手たちが入ってきてにぎやかに撮影。そして紫色のチャンピオンシャツを着ての撮影。と、ここで大谷真史くん登場、春先のイタリア遠征で欧州の名だたるビッグクラブの若者たちを熱狂させた「奇妙な踊り」を披露する。ホントにわけわからんw来年はパフォーマンスもさることながらFWとしての本分も尽くしてもらいたいでござる。
 最後にビシッと決めて撮影し、コンササポのもとへ挨拶に行く。コンササポから拍手とサンフレッチェコールが贈られ、こちらもコンサドーレコールを贈る。そしてサンフレッチェの選手たちはこちらに走ってきて挨拶、脇本主将が高円宮杯を掲げた。「Grande Viola, Hiroshima!」コールで讃える。そしてゴリコールでゴリさんを呼びつけ、選手たちがゴリさんの頭をぺしぺし。そして胴上げ。次いで野津田コール、藤井コールで、それぞれが高円宮杯を掲げる。お次は3点目の末廣、そして大野、亀島・・・と3年生が杯を掲げていく。で、取材陣にせがまれたのか、ゴリさんが「やらせ!やらせ!」と言いつつ輪の中に押し出され、高円宮杯を渡されて、しゃがんでから伸び上って掲げようとするもその都度選手たちに押し付けられ、それを何度も繰り返してからようやく掲げられた。ゴリコール。
 そして、サポーターをバックに撮影が行われ、最後にもう一度整列して挨拶。「Grande Viola, Hiroshima!」コールの中、選手たちが戻ってゆく。その背にサンフレッチェ・コール。3年生たちはしばらくスタンドのOBたちに挨拶していた。
 この日、1年生はきれいな坊主頭だったように、彼らはサッカーの才能はあっても団体行動をとるにはまだまだ未熟な少年たち。つい先日もここをホームにしてるクラブのユース上がりの選手が練習後の諍いで相手に全治3週間の大怪我を負わせたように、才能と人間性は比例しない。そういった選手たちの手本となり引っ張るのが3年生。たとえ試合に出られなくても、普段の態度や姿勢でチームを一つにまとめ、そして下級生たちは彼らについていった。でなければ試合後のインタビューで岳人が「三年生のために」と涙を流すこともなかっただろうし、この栄冠もなかっただろう。まさにチーム一丸の勝利。こういうのは部活っぽいけど、こういう泥臭いたくましさも、プロになるにせよ大学・社会人になるにせよ、身につけておいて損はない、というかきっと役に立つだろう。
 

 帰りの新幹線の時間もあるので、埼玉スタジアムを出て、帰りのバスはないので歩いて浦和美園駅へ。すでにとっぷりと日は暮れている。脚がかなり疲れている中なんとか駅にたどり着いて乗り込み、王子駅前のモスで食べて、京浜東北で東京駅へ、地下でおみやげを買って、新幹線で帰った。

5月4日 吉田サッカー公園 晴
高円宮杯U−18サッカーリーグ2011
プレミアリーグWEST 第4節
VS京都サンガU−18

 朝方にひとつ用件があって、それを済ませてから急いで吉田へ向かう。やばいやばい間に合わないよう、と急ぎながらも警察署の前で充分減速して曲がって、また急いで、11時ちょっと過ぎにサッカー公園の下の駐車場に到着。GWまっただ中だから皆さん結構来られている。
 急いで坂を上がっていく。天然芝グラウンドは静か。人工芝のほうか。トップチームも昨日は日本平だったから今日はどこかでリカバリーだろうし、こちらには来ていないか。しかし人工芝のほうも余り緊迫感がない。あれ?グラウンド上を黄色い京都アウェイユニの選手がゆっくりアップしているのが見えた。
 そこへ知り合いの方が歩いてこられたので挨拶する。何でも試合開始が30分遅れるそうだ。なぜだ。でも助かった。

 サンフレッチェは現在、観音・愛媛・富山第一に勝利し、3連勝の勝点9で首位を走る。ただ、試合内容にはやや危うい面がみられるようで、観音と富山一にはそれぞれ2失点を喫している。先日まで高円宮杯優勝のご褒美のイタリア遠征に行っていて、ユーベに1-2、モデナに2-1、マンUに1-3という成績だった。この経験をこれからに活かせるかどうか。ちなみにイタリア遠征中、川辺くんはU-17日本代表でモンテギュー国際大会に出場し、たぶんサイドバックで頑張っていた。U-17日本代表は5位の成績。
 京都は初戦の愛媛戦で3-3とやや不覚を取ったものの、富山一に1-0、東福岡に2-0と高校勢を連破して勝点7の2位。エース久保裕也はもうトップチーム帯同ということで、この日もJ2、西京極の鳥栖戦にベンチ入り。だが、それでもGKの杉本くん、DF高橋くん、MF原川くん、FW三根くんはバリバリのU-18日本代表で、先日のUSA遠征、ダラスカップに出場している(ちなみに久保くんも選出されていたがトップチーム帯同のために辞退、代わりにサンフユースOBで東洋大へ進学した川森有真が選出され、たぶんサイドバックで試合出場していた)。各ポジションに年代別代表選手を擁し、選手層の厚さはユース年代随一。今日の戦いは前半戦の山場といっていい。
 ゴール裏に回ると、サンフの面々はシュート練習。鋭いシュートが次々にゴールを襲っている。コンディションはよさそうだ。
 選手たちが引き揚げ、ベンチでミーティング。11時半になるが、まだ始まらない。審判団どこいったの・・・と、やっとグラウンドに入ってきた(手配ミスがあったとかなんとか)。両チームの選手が円陣で気合を入れ、審判団に続いて入場、挨拶。京都のほうも、この日J2があるもののサポーターが若干来られていて、声援を送っている。


サンフレッチェ(ホーム、紫):
GK21有賀
DF5柳川 3脇本 11亀島
MF7森保 4平田 36川辺 28野口
FW13末廣 34越智 17野津田

これまでサイドアタッカーとして起用されていた石坂や藤井が不在(それぞれ怪我と出場停止)。ポイチさんの次男・森保圭悟、そして1年の野口翼(茨城県・FC古河ジュニアユース出身。地元に近い鹿島ではなくサンフレッチェを選んだ。なお同じく1年の宮内雄希は鹿島アントラーズつくば出身)が両サイドを担当し、ワントップには1年の越智大和が入る。彼は越智翔太の弟で、昨年より三矢寮に入寮して練習しており、年末のJユース杯のグループリーグで出場、早くもゴールも奪っている。初戦は平田・川辺(ジュニアユースから昇格)のドイスボランチに野津田のセンターFW起用が当たっていたが、そこからまた少し変えてきている。脇本の両側を固めるのが柳川・亀島というのもトップチームっぽい。

サンガ(アウェイ、黄):
GK1杉本
DF23松川 3高橋 8国領 2上原
MF7久永 4佐藤 6原川
FW30田村 10三根 11知念

黄色流行ってるな。U-18日本代表の原川と7番久永は山口の強豪・レオーネ出身で、彼らが3年の時には高円宮杯U-15に初出場でベスト4進出という快挙を成し遂げている。久保も山口県の鴻南中学校出身。なんでサンフレッチェが隣県の逸材三名を逃したかというと、まあその時トップチームはJ2にいたからなんですけどね。


 というわけで大幅に遅れましたが11時35分、サンフレッチェのキックオフで試合開始!まず大きく左にフィードし、野口を走らせる。
 中央川辺から右に開き、圭悟が受けてクロス!ファーに流れる所を野口が拾ってキープ、クロスはDFがブロックしCKに。左CK、圭悟のキック、GK杉本飛び出しクリア、したところでサンフの選手と交錯して笛が鳴る。サンフレッチェのファウル。続いて中盤からフィード、越智を走らせるがGKキャッチ。今度は京都、フィードから右サイドで30田村がキープ、戻して7久永、また田村に出してクロス、はゴールラインを割る。サンフ、中盤で川辺がボールカットし右へ、圭悟が受けてアーリークロス、はGKキャッチ。さらにボールカットから中央を野津田がドリブルで持ち上がり右に展開、圭悟が受けてクロス、こぼれがファーへ、これを野口が拾ってクロス、DFクリア。続いてダイレクトパスを右へつなぎ、圭悟がクロス、は低く、DFがカット。まだまだ、ダイレクトパスを左から右につないでクロス、中央競り合いからこぼれたところを後方に落とし、そこへサンフの選手が走り込むも京都がクリア!惜しい。
 前半10分、川辺から左に展開し、野口が受けてヒールパス、そこへ野津田が飛び出して折り返し、中央パスを繋いで左へ、そこへ野口走り込んでダイレクトシュート!は狙いすぎたか上に外れた。立ち上がりはサンフレッチェがボールを回して押し込んでいる。京都に攻撃の糸口をつかませず、いい感じで試合を進めている。京都はバックラインでボールを回すばかりで、FWの三根に有効なボールが入らない。と、三根が中盤で巧みなボールキープからマークを外して右に展開し、走り込んだ田村が受けてクロス、しかし中央で跳ね返し、こぼれを京都が拾うもそこへプレッシャーをかけてバックラインへ戻させる。みんなよく守備に動けてる。いいぞ。
 京都、中盤のカットからスルーパス、三根が走り込むもGK有賀が素早く飛び出してキャッチ。よし。
 野津田はトップ下だが基本的にフリーマンで、いろんなところに顔を出してボールを捌き、持ち上がる。テクニックは流石で、持ったら奪われることはなく、的確にチャンスにつなげていく。
 京都、中央でボールをつないで後方に落とし、ミドルシュート!は枠を外れたが、有賀が反応してさわり、CKになった。京都は三根、佐藤、高橋など長身の選手が多いから気を付けないと・・・右CK、キッカーは原川。キック!中央に飛ぶ、有賀パンチ、こぼれる、DFクリア!京都が拾う、そこへ寄せる、と、京都は無理をせず後ろへ戻し、またバックラインのパス回しを始めた。えらい慎重だな。
 京都、左へフィードして11知念がキープ、しかし圭悟がチェックしてCKに。左CK、原川のキックは大きくファーに切れ、ゴールキックに。
 両チームともコンパクトなゾーンを敷き、センターサークルの直径よりやや広いくらいの間隔に両チームのフィールドプレイヤーがひしめき合ってボールをつなごうとしている。容易に状況は動きそうにないが、ミスが一つでもあれば一気に決定的な場面になるだろう。

 京都の速攻、右に開いて田村が切り込みクロス、しかし柳川がクリアしてCKに。田村は1年だが(奈良YMCA出身)、溌剌と動いている。右CK、原川キック、ニア低いボール、しかし平田が中央からニアへ飛び出して胸トラップして落とし、そのままクリア。ここからカウンターになりかけたが、京都DFがクリア。今度はサンフ、左サイド野口から亀島→脇本→亀島→野口とつなぐが、京都DFがカットしてGKに返す。次いで脇本からロングボール、越智が走るがGK杉本キャッチ。越智のスピードで京都のラインを下げさせようということか。
 京都、三根から田村に展開、マイナスに折り返してそこへ走り込んだ久永翼がミドルシュート!は上に外れたが、いいシュートだった。サンフ、左から野口→末廣→野津田→柳川と右へつないで柳川スルーパス、は越智に合わず。京都、三根めがけフィード、しかし柳川がクリアしてスローインに。柳川もセンターでのディフェンスうまくなったな。そして野津田がドリブル突破、鋭く切り返しざまにスルーパス、末廣が左に飛び出して落とし、そこへ走り込んだ野口が切り込んでシュート!は右に外れた。さらに中盤からスルーパス、右から越智が飛出してシュート、はGKが素早く飛び出してコースを切り、がっちり押さえる。
 前半30分を回った。



 京都が後方のボール回しから三根へ入れる、脇本がチェックにいったが切り返すところをひっかけてしまい、ファウルで京都のFK。中央右の遠い位置。8番の国領がセット、左足でゴール前に入れるが、誰にも合わずにラインを割った。
 サンフのカウンター、中央を野津田がドリブルで持ち上がり、右へ開いて圭悟がクロス、ニアでクリア、川辺が拾ってまた圭悟へ、クロス、しかし京都がカットしてカウンターに・・・いくところでパスミス、助かった。そしてまた野津田が中央キープし切り返すところを引っかけられてFK獲得。中央右遠いところ、野津田と圭悟が立つが、野津田は離れた。圭悟が直接いくようだ。距離はあるが、彼はプレイスキックの名手、直接狙うのか――キック!鋭いボールが宙に舞い、急激にゴール左スミに曲がり落ちる、GK杉本動けず見送る――左に外れる!高さはあっていたが、ちょっと曲がりすぎた。惜しい。


 前半40分を回る。と、京都がやや前へ出てきた。ここまで印象に残るプレイといえば「4バックのパス回し」くらいだったのが、残り時間が少なくなってきたので圧力を強めてきた。事前のプランか。京都、左に展開して折り返し、中央三根が受ける、そこは潰したが、そこへボランチの佐藤が飛び出してきてボールをカット、そのまま持ち出すところでファウルを受け、FK獲得。中央左、PAに近い位置。やばい所だ。原川と三根がボールの左右に立つ。サンフは壁を作るが、京都の選手二人がその中に入り、祈るようなかっこでひざまづいた。妙ちきりんなことするなあ。もしミスキックで低いの飛んできたらよけようがないと思・・・原川キック!しかし上に外れた。壁の人助かったな。
 左サイドで野津田がボールカット、ドリブルで持ち上がるとそのままロングシュート!GKの上、届かない、が上に外れた。野津田悔しがる。自信があったのか。
 野津田、ドリブルで持ち上がって右へ展開、上がってきた圭悟がダイレクトのクロス、ニア競り合い、ファーにこぼれるところに川辺、フリー、トラップ、大きい、DFクリア!足元に収まっていれば決定的な場面だった。惜しい。
 アディショナルタイム1分の表示。サンフの選手は気を抜くことなくしっかりとプレッシャーをかけ、京都のフィードも拾ってつなぎ、ここで前半終了の笛。
 タレント集団の京都を相手に、全員が集中してしっかりとプレイできた45分だった。このまま続けられればいいが、さすがに90分間このままいくことは無理だろう。後半途中、体力的に苦しくなってきてからが勝負になるか。昨年から主力として活躍する脇本・平田・野津田が柱となり、1年生もそれにしっかりとついてきている。さすがに藤井・石坂に比べるとまだまだだろうが、彼らが伸びてきたら強いチームになりそうだ。
 ミーティング終了後、野津田が急いでお手洗いに向かった。この大一番にリラックスしとるなあ。


 京都のキックオフで後半開始。両チームとも選手交代はなし。
 京都、右から折り返し、三根が受けてドリブルで左へ回り込みつつシュート、ブロックこぼれに久永が飛び込むがオフサイド。サンフ、野口からパスをつないで右に展開し圭悟クロス、ファー末廣飛び込むがDFクリア。今度は左へサイドチェンジ、野口が飛び出して折り返し野津田がキープ、こぼれたところに末廣が詰めるが左に外れた。次いで右サイドに展開し圭悟がアーリークロス、越智が飛び出す、GK飛び出してさわる、そのこぼれに川辺が詰めてシュート!は上に外れた。決定的場面。惜しい!さらに左サイドで野津田がキープして野口へ、野口突破してクロスを上げるがミスキックでラインを割る。うまく突破しただけにもったいなかった。ただ、1年生ながら気後れすることなくガンガン飛び出していて、いい。本来のポジションではないはずだが、よくやっている。
 サンフ、中央パス回しから左の野口に展開し野口クロス、DFクリア、こぼれに野口が詰めてゴールライン際からもう一度センタリング!はGKキャッチ。ファーまで飛ばせれば越智がフリーで飛び込んできていた。惜しい。
 京都、三根が中央右でDFに当たられながらもキープして右に展開、DFがさわってラインを割り、京都のスローイン。スロー、混戦からこぼれたところをボランチの佐藤が拾ってミドルシュート!左に外れる。危ない。京都は長身の選手が多いが、サンフの選手はよく競っており、相手の自由にさせていない。
 京都、左中盤から原川が猛然とドリブルで持ち上がる。中央に切り込んでワンツー、ゴール前突破・・・するところ、脇本が足を伸ばしてクリア、ファウルをもらう。よく守った!しかし、前半は見られなかった原川の上がり。前半は石橋を叩くどころか見向きもしないほど自重した京都、そろそろエンジンをかけてくるのか。
 
 
 京都、右からパスをつないで中央に回った田村が右に出し、そこへ飛び出した三根が受けてクロス、ファー、クリア。今度はサンフ、野津田から左の野口へ、クロスに越智飛び込む、GKキャッチ。京都、田村がドリブルで切り込み、止めるもそのこぼれを持ち込まれる、がぎりぎりでクリア。危ない。さらに京都、右でボールを受けた三根から左に振り、知念が受けてドリブルで切り込むが、柳川が寄せGK有賀が飛び出してカットし、キャッチ。京都が本格的に前へ出てきた。原川・田村がガンガン個人技で仕掛けてくるようになり、中盤のプレッシャーも激しくなる。
 中盤の競り合い、平田がカットしたところへ佐藤がファウル。イエローが出る。FK、脇本が左へはたいて野津田がゴール前に上げ越智が突っ込む、がDF国領がブロックしてGK杉本キャッチ。京都、左から原川がドリブル突破しミドルシュート、有賀セーブでCK。左CK、原川のキックにファー、キャプテンマークを巻くDF高橋がヘッド!上に外れる。


 後半20分経過。京都が中盤でボールを支配するようになった。京都の圧力の前にサンフはボールがつなげなくなり、ボールをカットされてパスを回され、防戦一方となる。原川・久永のレオーネコンビが押し上げてくるだけでなくボランチの佐藤も飛び出してくるので、手が付けられない。2004年のサンフユースと対戦したチームもだいたいこんな気持ち(前俊に平繁に木原に纉cに陽介に一誠に森脇に大屋に槙野に藤井が襲ってくるうううう!な感じ)になったのか。Jユース決勝では鹿島が露骨な守備戦術を採ってきたのでその時は憤慨したが、化け物チームが相手だとそういう気分にもなるかなあ、と思った。
 京都、中盤競り合いからこぼれたボールを右に出し、三根が受けてキープから強引にタテに持ち込みシュート、外れる。と、先ほどの競り合いの中で至近距離からボールを胸に受けた知念が倒れたまま立てない。担架が要請され、ピッチから運び出される。みぞおちにでも入ったか。担架の上で手を挙げ、上体を起こそうとしていたので大事ではないようだ。しかし、ベンチではすぐに選手を呼び、交代の準備となる。ほどなく、知念に代わって29番、1年の樋口が入った。そのままFWに入る。
 サンフ中盤の軽いプレイを京都がカットしカウンター、右サイドへ振り、久永が受けてタテに切り込みシュート!わずかに左へ外れる。危なー!サンフ、右へ展開して久しぶりに圭悟が受けクロス、ニアに越智飛び込むがGKキャッチ。
 京都、三根から田村に渡して田村キープ、そこから原川→左SB上原→原川→CB高橋→右SB松川→高橋→原川→国領→原川とパスをつないで原川が猛然とドリブル突破、PAに近づくと三根とスイッチして三根がDFの裏に放り込むが脇本がカバーしファウルをもらう。よく守った!また京都、右サイドでパスをつないでゴールに迫るが、これも脇本がカバーしてGKに捕らせる。さらに京都、原川から田村へ、折り返しをクリアするも京都拾って右へ、久永から佐藤、三根とつないでシュート!左に外れる。さらに右サイドのキープからCKを取り、右CK、原川のキック、有賀いっぱいに伸びてパンチ!逆サイドのタッチラインを割る。スローイン、混戦になったところ、京都の上原がファウル、イエローが出る。一息。
 しかしまだ京都、ボールをつなぎにつないで三根シュート、は上に外れる。さらに京都キープ、回す、しかしサンフがカットし、中央から左に開く野津田へ、野津田からオーバーラップしてきた亀島へ、亀島中央に折り返す、ゴール正面PA前で川辺が受ける、右から圭悟がフリーで上がってきた、出すか、いや見てない、見ろーと思った瞬間、川辺はパシッと左の裏へスルーパスを放った。そこへ末廣がトップスピードで飛び込み最終ラインを完全に突き破る、GK飛び出す、その瞬間末廣シュート!GKの脇を抜けた、瞬間には、ゴール裏で見ていた自分にはその軌道がゴール右スミに向かっているのがはっきりと見えた。

ゴール!!

後半38分、末廣のゴールでサンフレッチェ先制!末廣はそのままゴールの裏へ飛び出すと、サポーターたちの歓声を受けながらチームメイトたちの手荒い祝福を受ける。苦しい時間帯を全員で耐えて耐えて耐え忍んで、一瞬の閃きでゴールを奪ってみせた。末廣も冷静だったけど、アシストの川辺のパスが絶品だった。前半から運動量豊富に走り回り、ボランチながらこの場所に顔を出すセンスといい、これで1年か。そしてその川辺にパスを出したのは、センターバックの亀島。PA付近でセンターバックとボランチが絡んでゴールを奪う、いかにも「サンフレッチェ」というゴールだった。スバラシイッ!!(鴻上会長風


 まさかの先制を許した京都、時間はもう残り10分を切っている。三根がミドルレンジからシュート、ゴロゴロと大きく右に外れたので誰かに当たってCKか、と思ったらゴールキックだった。焦りが出たか。サンフの選手は先制ゴールで息を吹き返し、走り回る。特に前線では越智が凄まじいスピードで猟犬のようにボールホルダーを追い回す。1年なのにこの時間帯でまだこれだけ走れるってどんだけだよ。京都、中央から久永にボールが出るが、亀島が気迫のタックルでカット!やるぜカメシュー。野津田がドリブルで持ち上がり右へ、圭悟クロス、逆サイド川辺が折り返して越智が突っ込む、がDFクリア。川辺がこんなところにいるのが凄い。ここから京都が反撃、右サイドを突破するが、有賀がタイミングよく飛び出してボールを押さえた。いいぞ有賀。京都、今度は左から原川がドリブル、右に振って三根が受け、ドリブル突破を図るが守備陣がきっちりカバーして通せんぼする。
 京都、二人交代。左サイドバックの上原と誰かに代わって、18番のDF池松、20番のFW森口イン。池松はセンターバックに入り、森口は左MFに入る。たぶん原川、久永、佐藤を前線に上げたんだろう。
 サンフ、末廣から左サイド野口に開いて野口クロス、越智突っ込むがGKキャッチ。野口もまだ走れてる。サンフレッチェは選手交代がない。このままいくのか。GW中は県内の高校に他県の高校も参加する恒例の強化試合(ミサワカップ)が組まれていて、この日も千代田で2試合がある。だからというわけでもないだろうが。

 アディショナルタイム2分の表示が出た。もう少し!京都カウンター、右へ展開し、久永が受けてドリブルで切り込みセンタリング、しかし左へ抜けてゴールキックに。中盤の競り合い、主審が笛を吹き平田にイエロー。FK、国領がゴール前に上げる、京都の選手が殺到する、が有賀パンチ!しかし小さく、しかもゴール正面に飛んでしまい、京都の選手がジャンプ一番ヘッド!有賀は右ゴールポスト付近にいて届かない、やられた!と思った瞬間、紫の選手がゴール前で跳び、そのボールをヘッドで跳ねかえした。誰だ!誰だが知らんがとにかくよし!!(脇本だったらしい)こぼれ球、競り合いになるが末廣が大きくクリアし、京都陣内でタッチラインを割る。急いでスローイン、しかしそこへ越智が猛然とチェイスをかけた。主審が時計を見る。GKにボールが戻る、大きく前線にフィード、しかしはね返す、ここで主審が手を掲げ、試合終了の笛を吹いた。よし勝ったッ!!



 戦力では明らかに上の京都に会心の勝利。挨拶の後ベンチに戻ってきた選手たちは控えや雑用の選手たちと笑顔でハイタッチを交わし、そののちサポーターたちに挨拶。今年これまで一番の試合内容、で間違いないだろう。全員が集中力を切らさず90分間戦い抜いた、素晴らしい勝利だった。この試合を一言でいうなら、「より頑張った方が勝った」ということになるか。現時点でWEST最強のチームに勝てたのは、きっとこれからの自信になるはず。このまま精度を高めていってほしい。ていうか1年生すごいぞ。去年からサンフに帰ってきた高橋真一郎さんの辣腕の賜物なのか。去年は3年生がほとんど主力を張っていて、彼らが抜けて大丈夫か・・・と思っていたのがこの快進撃。この日は3年生4人、2年生3人、1年生3人、交代なしという編成で京都に勝ってしまった。下級生の頑張りがこの快進撃を支えているのは間違いないけど、上級生もこれにおんぶにだっこではいけないので、切磋琢磨してポジションを獲得していってほしいところ。
 京都の選手は、円陣を組んでるのを見ても、遠くにいるのに近くのサンフの円陣より明らかに大きい、という大柄な選手揃いで、代表選手も多くいるようにテクニックもあったが、サンフレッチェの頑張りの前に1点が奪えなかった。まだ5月でチームが固まっていないし、能力の高い選手が多いとかえってチームにまとまるのが難しい、ということもあるだろうから、今後はますます強くなっていくだろうか。ただ、前半はひたすらバックラインで回す安全策で、後半途中から前に出ていく、という手堅い戦術は、良く言えば「プロフェッショナル、老獪」だが、悪く言えば、他の方も言っておられたが「おっさんくさい」。能力の高い選手が揃ってるんだから、2004年のサンフユースのように、もっと個性を前面に押し出した勢いのあるサッカーをやっても面白いんじゃないかと思う。ただ、京都の他の試合を見てないので、この試合は長距離移動での体力の問題やなんやでそうできなかったのかもしれないけど。とりあえずは目指せ大木サッカー・・・当然ユースでもトップと同じ戦術やってくれるんですよね?ね?

 夕方までに帰らないといけなかったので、帰りにちょっと三次ワイナリーの三次ワイン祭りを覗いて、ワインとか買って帰った。