聖杯祭編・その1


戻る


6月14日

6月14日 グループリーグD組
ポルトガル代表0−1韓国代表
得点者:
韓国=パク・チソン(イ・ヨンピョ)

 現在韓国はグループリーグ2位、しかし現在1勝1分けで勝点4のアメリカが勝点0でドツボのポーランドと対戦することもあり、韓国としてはなんとしても負けられない試合となっていた。まー相手が相手だけにしっかり守ってくるかな、と思ったが、開始早々から中盤でのタイトなマークでポルトガルにスペースを与えず、ボールを奪うと今大会初スタメンのナンバー10・イ・ヨンピョを中心に鋭い攻撃を仕掛ける。ポルトガルは韓国のアグレッシブ極まりない守備の前に全くパスがつながらず、イライラがつのる。そして前半27分、背後からヤバすぎるチャージをかましたジョアン・ピントが一発レッド!一人少なくなってしまった。直後にCKからチェ・ジンチョルがGKビトール・バイアと競り、こぼれ球をソル・ギヒョンがゴールに押し込んで韓国先制・・・!しかしチェ・ジンチョルのバイアに対するファウルをとられ認められず。しかし雰囲気は完全に韓国のものに。ポルトガルは、ポーランドがアメリカに2点リードの報を聞いたか、しゃにむにゴールを狙わずチームを落ち着かせようとパスを回し、そのまま前半は0−0。事態がこのまま進めば韓国とポルトガルの勝ちぬけが決まる、のだが・・・
 あいにく韓国はそういう「お約束」を気にする国ではなかった。後半開始早々から猛攻を仕掛ける。ポルトガルはペティトがロングレンジから狙った程度で攻撃の形が作れない。こういうときのセットプレイでフィーゴのCK!ニアでパウレタが合わせてゴール・・・寸前でGKイ・ウンジェがパンチ!DFがコーナーに逃れて事なきを得る。またも攻撃できないイライラが募ったか、ベトが2枚目のイエローで退場!9人になってしまった。いくら個人能力が高いポルトガルとはいえこれではどうしようもない。ポーランドが依然リードしている以上はもう引き分け狙いで行くしかなく、ベンチのルイ・コスタの出る余地もなくなった。中盤でのルーズボールは韓国が拾いまくり、広大なスペースを自由に使い始める。そして左CKをゲット。イ・ヨンピョのキック!いったんは弾かれるも再びヨンピョにつなぎ、クロス!ファーに飛んだその先には京都のパク・チソン。胸でワントラップ、そして落ちてくるボールを右足でリフトして飛び込んでくるセルジオ・コンセイソンを軽やかにかわすと、ボールのバウンド際で左足一閃!ボールはバイアの股下を抜けてゴールネットを揺らした。韓国先制!ポルトガル顔面蒼白!このままではグループリーグ敗退だ!ポルトガルはしかしルイ・ジョルジ>シャビエル、ペティト>ヌーノ・ゴメス。ルイ・コスタの出番はなかった。フィーゴのFK!ポストをかすめてゴール左に外れた。ヌーノ・ゴメス飛び出す!しかしずっこけてしまい撃てず!セルジオ・コンセイソンの強烈ボレー!ポスト直撃!直後アン・ジョンファンのカウンター、GKと一対一!しかしバイアがスーパーセーブで防ぐ!またもカウンターで今度はソル・ギヒョン!またもバイアが一人で防ぐ!ポルトガル必死の攻撃、セルジオ・コンセイソン粘ってシュート!GKセーブ。ロスタイムは2分を回り最後のCK、フィーゴが向かう。GKバイアもゴール前へ!韓国はここでアン・ジョンファンに代わりイ・チョンスという時間稼ぎ。ヒディンクらしいしたたかさ。フィーゴ、キック!しかし韓国クリア!こぼれをポルトガル拾ってゴール前へ送る・・・ここでホイッスル!ラインの裏でボールを受けたセルジオ・コンセイソンがうなだれる。かくして韓国がグループリーグ1位抜け、2位はこの日敗れたものの勝点4のステイツとなった。


6月14日 グループリーグD組
ポーランド代表3−1アメリカ代表
得点者:
ポーランド=オリサデベ(−)、クリシャウォヴィッチ(クシヌウェク)、ジェヴワコフ()
アメリカ=ドノヴァン(マシス)

 今まで2敗、欧州予選のグループリーグをトップで勝ち抜けたとは思えない体たらくのポーランドに、ポルトガルを下し、さらにホームの韓国と分けたアメリカがぶつかる。下馬評では圧倒的アメリカ有利と見られていたのだが、ポーランドは開始早々CKからファーのオリサデベがヘッド!いったんは弾かれたがそのこぼれを自ら叩き込み、なんと先制してしまった。さらに5分、左サイドのクシヌウェクからのクロスをクリシャウォヴィッチがきれいに合わせて追加点!5分で2点を奪ったポーランドがようやく勢いに乗り攻め立てる。押されるアメリカもGKブリーデルの再三の好守(PKすらストップ!)で防ぎとめるも、ポルトガルと韓国が0−0のまま推移していくという状況はアメリカにはバッドニュース。このまま負けると、アメリカは脱落してしまう・・・突破を確実にするには最低でも引き分けないとならないアメリカは攻めに転じるも、逆にポーランドがショートコーナーから途中出場のジェヴワコフが鮮やかヘッド!3−0として試合を決めてしまった。アメリカはマシスのパスをドノヴァンが決めて1点を返すが焼け石に水。そのままポーランドが3−1で押し切り、古豪の面目を保った。そしてアメリカにもグッドニュース!韓国がポルトガルを破ったため、グループリーグ2位での突破が決定したのだ。負けて喜ぶ、というのは複雑だろうが、まあ今のうち喜んどけ。


6月14日 グループリーグH組
ベルギー代表3−2ロシア代表
得点者:
ベルギー=ワレム(FK)、ソンク(ワレムCK)、ウィルモッツ(−)
ロシア=ベスチャツニフ(−)、シチョフ()

 とりあえず目の前の敵を叩き潰さなきゃあ生き残れない両チーム、開始から激しい攻撃の応酬となった。先手はベルギー。ワレムがゴール正面からのFKを直接叩き込んで先制!ロシアは左サイドのアレニチェフを中心に攻めるが、ベルギーの高い壁が弾き返す。ロシアは前半から2人を入れ替えて攻撃を強化。ロマンツェフ監督も気が短いなあ。しかし後半8分、その交代選手の一人、FWシチョフのシュートのこぼれをベスチャツニフが押し込んでロシア同点!それから再び激しい攻めあいとなり、迎えた後半33分、左CKからベルギーのFWソンクのヘッド炸裂!勝ち越すとさらにウィルモッツが巧みな個人技から豪快にゴールに突き刺し3−1!ロシアもスピードで裏に抜け出したシチョフのゴールで追いすがるが、がっちり守りを固めたベルギー守備陣をそれ以上崩すことはできなかった。豊富な国際経験を持つ赤い悪魔・ベルギーは今回もしたたかに2位でグループリーグを勝ち抜け、決勝トーナメント1回戦の相手は、ブラジル。



 


6月13日

6月14日 グループリーグC組
トルコ代表3−0中国代表
得点者:
トルコ=ハサン(−)、ビュレント(ハサン)、ユミト・ダバラ(ハサン)

 逆転での決勝トーナメント進出を狙うトルコは開始から攻めまくる。まずはエムレ・ベロゾールのミドル、そして6分、ハサン・シャシュがボールをキープするとPA内に切り込み蹴り込んで先制!さらに9分、ハサンの左からのクロスをビュレントがファーからジャンプ一番ヘッドで合わせて追加点。中国も反撃を試みるが、楊晨のシュートがポストに嫌われるなど相変わらずツキがない。トルコはGKルスチュが負傷交代。後半も、トルコは攻撃の手を緩めない。そして後半40分、ハサンからのクロスを今度は世界五大モヒカンの一人ユミト・ダバラがボレーで合わせてトドメの一撃。コスタリカがブラジルに敗れたため、トルコが勝点で並び得失点差で上回って決勝トーナメント進出を決めた。中国は未勝利無得点で初のW杯を終えた。サウジといい、今度のアジア枠は大丈夫だろうか。


6月14日 グループリーグC組
コスタリカ代表2−5ブラジル代表
得点者:
コスタリカ=ワンチョペ(ライト)、ゴメス(プライス)
ブラジル=ロナウド(エジウソン)、ロナウド(−)、エジミウソン(−)、リバウド(ジュニオール)、ジュニオール(−)

 アメリカ対決のこのカード。ブラジルはすでに決勝トーナメント進出を決めているが、コスタリカは、トルコが中国に2点差以上で勝った場合、勝ち上がるにはブラジルに引き分けなければならない。つまり非常に厳しい戦いというわけだ。この日ブラジルはエジウソンら控えメンバーを多く起用しており、そこにつけ入るスキがあるか、と思われたが、やっと出番を与えられたカナリア軍団の伏兵たちは大ハッスル!立ち上がりからコスタリカに猛攻を加えた。そして10分、左サイドからエジウソンが右アウトサイドのパスをゴール前に送り、DFを引き連れて飛び込んだロナウドが合わせて先制!(注:このゴールは当初OGと判定されたが、その後訂正されたもの)さらに13分、リバウドの左CK。ニアで軽やかにジャンプして受けたロナウド、反転すると足の裏でボールをコントロールしつつ不意に目の前のDFの股下を抜きにかかる。これは失敗したもののすぐさまボールを拾い、体勢を入れ替えてコースを空けシュート、ニアを破ってゴール!この一連の動きをほんの一瞬でやってのけたロナウド、スローで見なきゃ常人は何が起こったか理解できない!まさに怪物、今大会絶好調だ!!
 コスタリカも中南米のチームらしくあきらめることなく攻めるが、屈強なセレソンDF陣を崩せない。ブラジルはロナウドを中心にコスタリカを攻め立てる。ジュニーニョ・パウリスタのFKはGKロニスがキャッチ。コスタリカ、ショートコーナーからセンタリング、ロナルド・ゴメスが頭で合わせるが上へ外れる。ブラジルはリバウドのFKからジウベルト・シウバのボレー!外れる。そして38分、ブラジルは左からのクロス、DFに当たって方向が変わったところをエジミウソンが身を翻してオーバーヘッド!これが見事にゴールに突き刺さって3−0!しかしコスタリカも直後にライトとのワンツーから最後はエース・ワンチョペが決めて1点を返す。ブラジルもすぐさま反撃、ロスタイムにはリバウドのFKがポスト直撃!ここで前半終了。
 
 後半は立ち上がりからコスタリカが猛反撃。ワンチョペがDF2人を振り切り、ブラジルGKマルコスをかわしてシュート!しかし戻ってきたDFポウガがクリア。またも攻め、右サイド、後半より出場のプライスからのクロスをファーでロナルド・ゴメスが豪快ダイビング・ヘッドでゲットォォォ!2−3、1点差に詰め寄る!ブラジルはエジウソン>クレベルソン、ジュニーニョ・パウリスタ>リカルジーニョ、反撃に出る。そしてジュニオールのクロスからリバウド!さらにロングボールに抜け出したジュニオールが自ら決め5−2!コスタリカはカストロが、ライトが、パークスが、ワンチョペが、フォンセカが、ロペスが、次々にブラジルゴール前に殺到して果敢にゴールを狙うものの、ポストを叩くなどどうしてもゴールを割れず、そのままホイッスル。ブラジル相手に臆することなく真っ向勝負を挑んだコスタリカだったが、力及ばず敗れトルコにも逆転されてしまったが、その戦いぶりは天晴れだった。


6月14日 グループリーグG組
エクアドル代表1−0クロアチア代表
得点者:
エクアドル=メンデス(デルガド)

 4チーム全てに決勝トーナメント進出の可能性があるという大接戦となったG組。連敗で勝点0のエクアドルも、この試合大差でクロアチアに勝ってイタリアがメキシコに負けた場合、勝点でこの二国に並んで得失点差で逆転、というプリンセス・テンコーのイリュージョンも色を失うどんでん返しがありうるのだ。
 試合は、ボールをキープして攻めるエクアドルにそれを受け止めて鋭いカウンターを繰り出すクロアチアという、いかにも南米VS欧州という趣の戦いに。ボクシッチにボールを集めるクロアチアが彼から決定機を作り出すものの、相棒のオリッチが決めきれない。それでもカウンターが冴えるクロアチアが好機を量産。ラパイッチからPA内ボクシッチに渡り、反転してシュート!左に外れる。さらにロスタイム、左に開いたラパイッチのクロスに飛び込んだボクシッチ、ループシュート!GKセバージョスの頭を越え、ゴール・・・直前でDFがクリア!エクアドルは何とか守りきり、0−0で折り返した。メヒコ−イタリアは1−0でメヒコ、リード!クロアチア有利に。エクアドルにも可能性が広がった。この状況が両者にどのような変化をもたらすのか。

 後半開始。エクアドルが攻勢に出る。いきなりの後半3分、右サイド、デラクルスがタテに突破、クロス!ファーのデルガドがヘッドで落とし、飛び込んだメンデスが豪快にブチ込んでゴール!エクアドル先制!クロアチア、やばい!このまま負けると、イタリアがこのまま0−1敗戦でも得失点差で落ちてしまう(この時点でイタリア+1、クロアチア±0)。クロアチア、カウンター戦法から一転、攻勢に出る。ラパイッチのFK!壁に当たる。ヤルニのミドル!選手交代も次々に行う。前線に人数を増やし点を取りに行くが、それ以上に人数をかけて守るエクアドルの前にどうしてもゴールを奪えない。後半はほぼ一方的にボールを支配し攻め立てたクロアチアだったが、そのまま無念のホイッスルを聞いた。エクアドルは大逆転はならなかったものの、初出場ながら初勝利、それも前回フランス大会3位の強豪クロアチアを破るという殊勲の星を挙げ、堂々の帰国となった。


6月14日 グループリーグF組
メキシコ代表1−1イタリア代表
得点者:
メキシコ=ボルヘッティ(モラレス)
イタリア=デルピエーロ(モンテッラ)

 G組大混戦の元凶・イタリアは、連勝で波に乗るメヒコとの対戦。戦前はイタリアの楽勝トップ抜けとか言われていたが、相変わらずの守備偏重姿勢が災いしてクロアチアに逆転負けを食らい結構ヤバイ状況。現在イタリアとクロアチアが勝点3で並んでいるのだが、クロアチアの相手は連敗の初出場国・エクアドル。引き分けではマズイ。勝たなければならないイタリアは、今大会初のスリーバック、3−4−1−2。ヴィエリとピッポ・インザーギの2トップにトッティがその後ろ、という(見かけは)攻撃的布陣。で、今日は攻めてくれるのか?イタリア国歌の演奏を今大会初めて聞いたけど(今までは仕事の関係で間に合わなかった)、かなりのアップテンポアレンジで非常に勇壮。
“ドーヴェ・ラ・ヴィットーリア(勝利はいずこぞ)?”

 試合開始。いきなりメヒコのアレジャーノがパヌッチ(この日は左サイド)へのファウルで警告を受ける。イタリアもカンナヴァーロがファウルで警告を受ける。何だ、荒れるのか!?まずはロングボールからヴィエリが落としてピッポが狙う!が外れた。
 左からドリブルで切れ込みPAに侵入したパヌッチがDFに倒される。ホイッスル!PKか、いやパヌッチにイエロー!シミュレーションの判定。スローで見ると、確かに自分から引っかかりに行っていた。まだ立ち上がりからここまでするとは、イタリアもやる気になっているようだ。トッティからスルーパス!ピッポが受けて反転、シュート、ゴール!!・・・ホイッスル、オフサイド!またか!ピッポ頭を抱える。メヒコはショートパスをポンポンリズミカルにつないでゴール前につないでいくが、名にし負うイタリアのディフェンス陣ががっちりと弾き返す。中盤からのボール、ヴィエリがスルーしてピッポが受けそのままドリブル突破、DFが集まってきたところでフリーのトッティへ、目の前はGKのみ、トッティ、シュート!しかし右へ外してしまった!こんちくしょう、と思ったかトッティ、ポストプレイでヴィエリに落とし、ヴィエリ、シュート!GK正面。やや遠目のFK、自ら狙う!も左にはずれ。CKを直接狙う!も上へ外れた。そうこうしているうちにメヒコの久しぶりの反撃。左サイド深く攻め込み、いったん戻してクロス!ニアに走り込んだボルヘッティがカンナヴァーロと競りつつジャンプ、頭をひねってヘッド!軌道が変わってふわりと上がったボールがブッフォンの上を越えていく。ブッフォン一歩も動けない。ボールはゆっくりと落ちていき・・・ゴールに飛び込んだ。メヒコ先制!!
 ちょっとマズくなったイタリア、攻める。ヴィエリのポストからザンブロッタ!左へ外れる。トッティのFKもゴールに結びつかない。先取点で意気あがるメヒコはカルモナのミドルも飛び出し、互角の展開に持ち込んで前半終了。エクアドル0−0クロアチア。このままだとイタリアが落ちる。

 後半立ち上がりイタリアが攻め入るが、メヒコはドリブル突破からブランコとのワンツーで抜け出したアレジャーノがブッフォンと一対一、シュート!ボールはゴール方向へ、決まる・・・直前でカンナヴァーロがクリア!メヒコの小技出しまくりのサカーは楽しい。ブランコも「例の技」を披露!イタリアを翻弄する。イタリアはピッポに代えモンテッラを投入。しかし気負いすぎのモンテッラ、いきなりイエローをもらってしまう。プレイも気負いまくりで、リズムを創れない。メヒコ、ボルヘッティからロドリゲス、走り込んでシュート!わずかに左!イタリア、パヌッチに代え左のスペシャリスト、ココを投入。トッティ、メヒコの裏へ浮き球のフィード!モンテッラ飛び出しループシュート!GKの上を越え、ゴール!・・・・・・・じゃなくってまたまたオフサイド!!反撃のメヒコ、左から切り込むモラレスが中央ブランコへパス!シュート!唸りを上げるボールはわずかに上へ外れた。トッティからヴィエリにスルーパス、GKと一対一!しかし公称171pのリトルGKオスカル・ペレスが素早い飛び出しでキャッチ!メヒコは2人選手を入れ替え、無理に攻めずにキープするようになった。こうなるとイタリアは苦しい。手詰まりになってきた。情報では、クロアチアがリードを許している状況なので、無理をせず最悪このままでもいい、しかし確実な戦法ではない・・・ここは、もうあの男を出すしかない・・・アレッサンドロ・デル・ピエーロ。そしてザンブロッタのクロスが誰にも合わず空しくゴールラインを割ったとき、ピッチサイドに背番号7がスタンバイした。大分ビッグアイが大歓声に包まれる中、デルピエーロがトッティに代わりピッチに飛び出した。
 デルピエーロは早々にCKを蹴り、またクロスも入れるが得点にはつながらず。でも確実にゲームに絡んで行く。右サイドFKのチャンス。モンテッラが直接狙うが大きく外す。右サイドスローイン、入ったボールをモンテッラが反転しざまゴール前へクロス!ゴール前を見たかどうかも怪しいクロスだったが、白いユニのイタリア選手が一人、これを予測していたかのようにヴィエリのうしろから音もなくスッとDFの裏に抜け出した。そして思いっきり体を伸ばしてダイビングヘッド!ゴールネットが揺れる。起き上がったのは背番号7!デル・ピエーロだ!まるで映画のような劇的ゴールに再び大分激震。後半40分、イタリアが蘇った。
 メヒコ、途中出場バレンシアのミドル!しかし外れる。ロスタイムは4分。ここでエクアドル勝利の報が届いた。かくてメヒコもイタリアも、これ以上干戈を交える必要がなくなってしまった。そこでメヒコがボールキープしてDF間でボールを回す。イタリアは取りにすら行かない。ギリギリの戦いの最後は、ブーイングの中至極弛緩した雰囲気に支配され、まさに「ロス」タイムの4分を経過したあと、タイムアップの笛が鳴った。
 この結果G組は1位メヒコ、2位イタリアとなった。「グループリーグで苦戦したイタリアは強い」という法則に従い、イタリアはこれから力を発揮するのか、この試合がデルピエーロ伝説の幕開けとなるのか、目が離せない。軽業師軍団・メヒコもまだまだみんなを楽しませてほしいぞ。




6月12日

6月14日 グループリーグB組
南アフリカ代表2−3スペイン代表
得点者:
南ア=マッカーシー(ノンベテ)、ラデベ(−)
スペイン=ラウール(−)、メンディエタ(FK)、ラウール()

 連勝でさっさと勝ち抜けを決めてしまったスペインは、メンバーをほぼ総とっかえで臨んだ。これでも強そうに見えるから人材の豊富なところはうらやましい。前半早々、南アGKのボール処理ミスを素早くかっさらったラウールが無人のゴールに流し込んでスペインあっさり先制。んー・・・スペインはやはり控え中心ということもあり、それからはまったりモード。南アももたもたしているので、ひどく退屈なゲームとなった。南ア頑張れ!それでもベニー・マッカーシーが身を投げ出して合わせたシュートで同点に追いつきおおっ、と思わせたが、前半終了間際にメンディエタのGK動けぬ鮮やかなFKが決まってやっぱり天秤はスペインに。しかし後半開始早々にCKこぼれをラデベがヘッドで合わせてまたも同点!このままいけばグループリーグ突破だが、しかし直後にラウールがヘッドを決めてしまいまたまたスペインが3−2と勝ち越した。南アは攻めに転ずるもスペインの守備を崩せずそのまま試合終了。でもパラグアイは前半一人退場で0−1ビハインドだったでしょ、勝ち抜け・・・と思っていた南アの選手たちにバッドニュースが伝えられたのはその直後のことだった。


6月14日 グループリーグB組
スロヴェニア代表1−3パラグアイ代表
得点者:
スロヴェニア=アチモヴィッチ(−)
パラグアイ=クエバス(−)、カンポス(−)、クエバス(−)

 決勝トーナメントに勝ち上がるには、まず勝利し、さらに南アフリカが負け、その上でさらに得失点差の勝負となるこの試合(つまりたくさん点を取らないといけないのだ)、はっきり言ってパラグアイにとっては厳しい戦い以外の何ものでもない。開始早々から捨て身の猛攻を仕掛けるもスロヴェニアの守備を崩せず、逆にパレデスが2枚のイエローを受けて退場してしまった。それでも攻めるしかないパラグアイはアルセやアルバレンガを中心に攻め立てるが、逆に前半ロスタイム、アチモヴィッチが角度のないところからシュート!これをチラベル大統領閣下は捕れず、後ろに反らして・・・ボールはゴールネットを揺らしてしまった。スロヴェニア先制・・・
 後半、パラグアイは開始早々にアルバレンガ>カンポス。次いでカルドーソ>クエバス。パパ・マルディーニ監督はサンタクルスを中心にするスリートップにし勝負をかけた。そして・・・

 後半21分:ドリブルで切り込んだクエバスがシュート、ニアを破って1−1同点
 後半28分:右サイドからきたボールをカンポスが左からミドルシュート、グラウンダーのシュートは「ここしかない」という軌道を走ってGKの指先をかわし、右サイドネットの内側を揺らした。2−1逆転
 後半34分:PA外正面よりのFK、GKチラベル大統領が直接狙う!鋭く曲がり落ちたボールをGKかろうじてパンチ、CKに
 後半39分:クエバスがまたも右からドリブル突破、強烈な左の一撃。ボールはバーに当たるもゴール内側にバウンドし、ゴール!3−1

 ・・・そしてホイッスル。南アはスペインに2−3で敗れて勝点4のまま。パラグアイはこの勝利で南アと勝点4で並び、得失点差も±0で並んだ。その場合、次は総得点の問題となる。パラグアイは6、そして南アは・・・5!かくてパラグアイが奇跡としか言いようのない大逆転でグループリーグ突破を決めた。
 必ず勝たなくてはいけない(しかも大差で)試合、一人少ない状況でさらに先制されるという最悪の状況に直面しつつも見せた大逆転劇。素晴らしいとしか言いようがない!大統領バンザイ!

6月14日 グループリーグF組
スウェーデン代表1−1アルゼンチン代表
得点者:
スウェーデン=アンデシュ・スヴェンソン(FK)
アルゼンチン=クレスポ(−)

 死のグループも最終節。ここ宮城で死の淵に立っているのはアルゼンチン。勝たなくてはならない(引き分けでも、イングランドがナイジェリアに敗れれば可能性はあるがあまり期待できない)。対するスウェーデンは勝点1のリード。つまり、引き分けでOK。かくて、猛攻を仕掛けるアルゼンチン、ガッチリゴール前を固めるスウェーデンの組みあいとなった。アイマール、アルメイダを先発に立て圧倒的攻勢に立つアルゼンチンは、攻める、攻める、もう一方的に攻める。圧倒的守勢に立つスウェーデンは守る、守る、もう一方的に守る。だがいくら攻めてもスウェーデンは全く揺るがない。これがスウェーデンの罠か。イライラしたのか、ベンチのカニーヒアが何か暴言を言ったらしく一発レッド!試合は無得点のまま後半を迎えた。そして後半14分、スウェーデンはFKのチャンス。蹴るのはアンデシュ・スヴェンソン。キック!美しい弾道を描いたボールは測ったようにゴール左スミに曲がり落ち、スウェーデンが先制!こうなったらスウェーデンは今一層亀状態に。アルゼンチンはベロン、キリ・ゴンサレスを投入して総攻撃を仕掛けるも、スウェーデンの堅陣は揺るがない。やっとの思いでPKを奪取したのは、後半43分だった。オルテガのPKはスウェーデンGKヘドマンがストップしたものの、こぼれをクレスポが押し込んで1−1に追いつく。しかしこれではだめ、もう1点を取らなければ・・・しかしホイッスル。もう一試合がスコアレスドローということを聞いたアルゼンチンの選手たちは崩れ落ちた。途中交代でベンチにいたバティは頭を抱えた。一方1位でグループリーグ突破を決めたスウェーデンの面々は涼しい顔で引き揚げていった。決勝トーナメント初戦の相手は高い身体能力に組織力を加味したセネガル。北欧の巨人たちの堅陣は彼らをも封殺するのか。


6月14日 グループリーグF組
ナイジェリア代表0−0イングランド代表
得点者:おらへん

 死のグループ最終節、ここ長居ではすでにナイジェリアが死んでおり、イングランドは死人と対戦することに。英国国教騎士団でも呼べ。それはともかく引き分け以上でいいイングランドは、既に敗退の決まって若手を試してきたナイジェリアに無理をせず自慢の守備で相手を封じ、決まらなかったものの決定機をも作り出してガッチリ引き分け、グループ2位で決勝トーナメント進出を決めた。初戦の相手はデンマーク。セネガルに比べればやりやすいといえるかもしれない。





6月11日

6月11日 グループリーグA組
セネガル代表3−3ウルグアイ代表
得点者:
セネガル=ファディガ(PK)、ブバ・ディオップ(アンリ・カマラ)、ブバ・ディオップ(アンリ・カマラ)
ウルグアイ=モラレス(−)、フォルラン(−)、レコバ(PK)

 リーグ突破をかけた一戦、双方前の試合(ウルグアイは2試合ともだが)は荒れたこともあって、この試合も激しいものとなった。まずディウフがGKカリーニに倒されPKをゲット。しかしカリーニは手を引っ込めていたように見えたが・・・ミスジャッジ!しかし判定は変わらず。このPKをファディガが決めてセネガル先制。さらにアンリ・カマラとブバ・ディオップのコンビで2点を加え、前半で3−0、ほぼ勝負を決めてしまった・・・かに見えた。
 しかし、後半選手交代により前線に選手を殺到させるウルグアイが大反撃に転じた。開始直後にダリオ・シルバのシュート、GK弾いたところに詰めたモラレスが決めてまず1点、レコバのFKのクリアを拾ったフォルランが技ありのシュートを決め2点、そして後半終了間際にモラレスがPKゲット!レコバが決めてついに同点!さらに攻めるウルグアイ、ゴール正面PA外から強烈なミドル!GKは飛び出していて戻れない、決まる・・・!?寸前でDFがヘッドでクリア!!セネガルは全員で守りきり3−3ドロー、初出場でグループリーグ突破という快挙を成し遂げた。


6月11日 グループリーグA組
デンマーク代表2−0フランス代表
得点者:
デンマーク=ロンメダール(テフティング)、トマソン(グロンケア)

 1分け1敗、グループリーグ突破には2点差以上で勝たねばならないフランスはついに負傷のジダンが先発!対する新生ダニッシュ・ダイナマイトは中盤を厚くしてジダンに対抗する。今大会ツイてない仏はまたしても先制される。右からのテフティングのクロスにロンメダール!鮮やかに合わせた。仏はジダンを中心に攻めるもののどうしても最後のところがうまくいかない。ジダンの絶妙ループも枠を外れる。アンリ不在が効いているか?後半、デュガリーに代え新星シセを投入し勝負に出るが、デンマークは途中出場のグロンケアのクロスをエースのヨン・ダール・トマソンが叩き込んで2−0とする。いままで1点すら取れていない仏に4点は重荷過ぎた。決定的なシュートもすべてバーやポストに嫌われ、そのままホイッスル。前回王者の仏は1勝はおろか1点すら取れず敗退した。


6月11日 グループリーグE組
サウジアラビア代表0−3アイルランド代表
得点者:
アイルランド=ロビー・キーン(ガリー・ケリー)、ブリーン(ストーントンFK)、ダフ(ホランド)

 逆転グループリーグ突破に燃えるアイルランドは、ストーントンのロングフィードをガリー・ケリーが折り返し、中央でロビー・キーンがダイレクトボレーでゴールを射抜く!幸先よく先制し、このまま優位に試合を進めるかと思ったが、逆に守りを固めてカウンターを繰り出すサウジに手を焼く。後半スタートからナイアル・クインを投入して攻めに出るアイルランド。2点差以上の勝利なら無条件で勝ちぬけが決まるためだ。それでもなかなか得点が生まれなかったが、ついに左FK、ストーントンのキックにブリーンがゴール前に身を割り込ませて合わせついに2点目!そしてホランドのパスからダフが強烈なシュート、名手デアイエの手を弾いてゴール。文句なしのグループリーグ突破を決めた。スタンドの大サポーター軍団も大喜びだ!!



6月11日 グループリーグE組
カメルーン代表0−2ドイツ代表
得点者:
ドイツ=ボーデ(クローゼ)、クローゼ(バラック)

 さあ警告の嵐。特に激しい、というもんでもないのだが、主審がイエローを出す出す。それにつられて試合が熱くなってきた。最初に決定機を迎えたのはカメルーン。エトーのスルーパスからオレンベが抜け出しGKと一対一!しかしドイツのゴール前に立ちふさがるのはカーン様。彼の畏るべき御姿に恐れをなしたオレンベは、彼の正面に蹴ってしまった。さらにウォメの強烈なFK!これもカーンさま防ぐ。ドイツもツィーゲのFKで対抗、これはGKアリウムがはじき出した。中盤からエトーがスピードに乗る!一気に中盤を切り裂きPAへ迫る。これをラメロウが引っ掛けてしまいファウル!そしてこの日2枚目のカード!退場・・・!一人少ない状態で後半を迎えることとなったが、これでゲルマン魂のスイッチが入った。
 ドイツは守りを固めず、ヤンカーに代えボーデ投入。これがいきなり奏功した。クローゼが中盤からDF3人をひきつけドリブル、そして左を駆け上がるボーデにスルーパス!フリーのボーデはGKと一対一、冷静に逆を取ってゴールに流し込み、一人少ないドイツが先制!カメルーンはFKからローレンが合わせるもポスト直撃!得点を奪えないまま時間が過ぎ、ついにカメルーンも後半より途中出場のスフォが2枚食らってしまい退場。条件が同じになってしまってはもはやどうしようもなく、バラックのクロスをクローゼ(通算5点目!)が頭で合わせて万事休す。不屈のライオン(あと、呪術)もゲルマン魂の前についに屈した。中津江村も残念。




6月10日

6月10日 グループリーグD組
ポルトガル代表4−0ポーランド代表
得点者:
ポルトガル=パウレタ(ジョアン・ピント)、パウレタ(フィーゴ)、パウレタ(−)、ルイ・コスタ(カプーショ)

 USAの前にまさかの敗戦を喫したポルトガルは、コンディション不良のルイ・コスタを外すなどメンバーを少々いじってきた。韓国の前に完膚なきまでに叩きのめされたポーランドは巻き返しを図りたい、のだが・・・最初は互角だったものの、ポルトガルは前半14分、カウンターからセルジオ・コンセイソン>ジョアン・ピントとつないで左サイドに抜け出したパウレタにクロス。パウレタはワントラップでDFを外して強烈なシュートをニアに突き刺した。ここで試合前から降っていた雨が突然激しくなり、膠着状態に。FKを蹴るときパンツの裾をぐいと上に引き上げ海パン状態にしたフィーゴがセクシー。そのまま前半は終わった。
 後半、ポルトガルはルイ・コスタ投入。スタメン落ちで燃える彼の変幻自在のパスワークでポルトガルが生き返った。投入5分後、ルイのパスからフィーゴがタテに抜け出しスライディングで折り返し、中央DFと競りながら飛び込んだパウレタがこれもスライディングで押し込んで2−0、そしてまたルイからのパスを受けたパウレタがPA内鋭い切り返しからゴールに叩き込んでハットトリック達成!そしてまたまたルイから右のカプーショへパス、開いたカプーショからのクロスを、パスを出した後そのままゴール前に走り込んでいたルイが合わせてトドメ。かくて西欧の強豪は目を覚ました。ポーランドは欧州予選グループ1位の面目を失墜させつつ3試合目へ。


6月10日 グループリーグH組
チュニジア代表2−1ベルギー代表
得点者:
チュニジア=ブーザイエン(FK)
ベルギー=ウィルモッツ(ファンデルハーヘ)

 ベルギーが先手。左サイドのバルト・ゴールのクロスをファンデルハーヘが折り返し、ウィルモッツがスライディングでキメた。しかしチュニジアはすぐさまブーザイエンの鮮やかなFKで追いつく。そして、ベルギーを圧倒し始めた。ジアード・ジャジリ、ベン・アシュール、トラベルシがゴールに襲い掛かり、続々と決定機を作り出す。ベルギーも反撃し決定機を生み出すが、双方最後を崩せず1−1のまま試合終了。ベルギーは2分けで窮地に、チュニジアは勝点1を得てかすかな望みをつないだ。しかしチュニジアは状態が上向き、日本戦では厄介な敵になりそうだ。


6月10日 グループリーグD組
韓国代表1−1アメリカ代表
得点者:
韓国=アン・ジョンファン(イ・ウルヨンFK)
アメリカ=マシス()

 ソルトレーク五輪ではショートトラックで何かと因縁の両国。厳戒態勢の中始まったゲームは、やはりホームの韓国のペースで進む。しかし、額を切って流血したファン・ソンホンが治療でピッチ外に出ている間にゴールを食らって追う立場に。さらにファンが倒され獲たPK、イ・ウルヨンのキックはものの見事にGKフリーデルがストップ。こぼれ球に飛び込んだもののゴールならず。ここでクロスプレイになったため両者もみ合い、ヒートアップ。後半、アン・ジョンファンとチェ・ヨンスを相次いで投入、さらなる攻撃に出た韓国は、ついに先ほどPKを外したイ・ウルヨンのFKからアン・ジョンファンが頭で合わせてついに同点!アンはそのままコーナーへ行ってショートトラックパフォーマンス。芝の上じゃあちょっとカッコ悪いな。ていうか太極旗戦士らしくないぞ!韓国はさらにチェ・ヨンスが決定機を掴むがゴールならず、ドローに終わった。




6月9日

6月9日 グループリーグC組
コスタリカ代表1−1トルコ代表
得点者:
コスタリカ=パークス(ロナルド・ゴメス)
トルコ=エムレ(ハッサン)

 おそらく当事者以外にはグループリーグ屈指の地味カード。まずトルコがエムレのゴールで先制するも、試合終了間際にコスタリカはパークスのゴール!コスタリカは勝点を4に伸ばし、グループリーグ突破に向けてまた一歩前進した。一方1のトルコは、この試合の結果でグループリーグ敗退が決定した中国との戦いを必ず勝たなければならない。


6月9日 グループリーグG組
メキシコ代表2−1エクアドル代表
得点者:
メキシコ=ボルヘッティ(モラレス)、トラド(ロドリゲス)
エクアドル=デルガド(デラクルス)

アメリカ対決となったこのゲーム、立ち上がりはエクアドル。右サイドウリセス・デラクルスのクロスをデルガドが合わせてエクアドル先制!GKオスカル・ペレスは触ったものの、やはり身長のなさが響いたか(171p)、掻き出せなかった。しかし地力に勝るメキシコが徐々に盛り返し、左からモラレスのクロスをニアでボルヘッティが合わせ同点に追いつくと、後半にはトラドの豪快なミドルシュートで逆転しそのまま押し切った。メキシコは勝点を6としG組をリード。エクアドルは連敗で勝点0のままだが、イタリアとクロアチアの勝点が3のため、まだ望みはある。




6月8日

6月8日 グループリーグC組
ブラジル代表4−0中国代表
得点者:
ブラジル=ロベルト・カルロス(FK)、リバウド(ロナウジーニョ)、ロナウジーニョ(PK)、ロナウド(カフー)

 W杯初出場の中国は、大挙押し寄せた中国球迷たちのサポートを背に前半から李鉄・馬明宇を中心に果敢に攻める。流れるようなパス回しからゴール前に攻めるがしかし、そこでの精度に欠けることとブラジルDF陣のフィジカルに圧されてなかなかシュートまでいけない。それでもファーストシュートは中国の祁宏(この日はFW)だったが、先制したのはブラジル。右サイドからのFK、リバウドやロベカルらがボールの周りに集まる。ロベカルが助走距離を取った。そこそこ距離はあるが、彼なら充分射程距離内。おなじみの細かいステップからだっと走り出し、左足一閃!!

━━━(゜∀゜)━( ゜∀)━( ゜)━( )━(゜ )━(∀゜ )━(゜∀゜)━━━!!!!

全く回転せず撃ち出されたボールが文字通り一直線にゴール左スミに突き刺さった!!GK江津もおそらくそこへ蹴ってくることは予想しており反応も正確だったが、シュートの威力は彼の予想のはるか上を行っていた。まさに弾丸、いやキャノン砲以上か。
 それからも中国はいい攻めを見せる。でも最後の精度を欠いてそのたび「おっしいー!」と声を上げざるを得ない。そして右サイドでカフーがボールカット、そのまま持ち込んでシュート!GKかろうじてセーブ。さらにカフー、クロス!中央ロナウドに合わずファーに流れたが、フォローにきたロナウジーニョが狙いすましてクロス!ボールはロナウドを飛び越し、DFのウラ、ファーに走り込んだリバウドの元へ。ぴったり左足で合わせて2−0!中国も右からのグラウンダーのクロス、中央で一人スルー、ファーには馬明宇、シュートォォォ!しかし前に飛び込んだDFの頭に当たり、空を仰ぐ。そして前半終了間際、ロナウドとロナウジーニョがワンツー、PA内侵入したロナウドがユニをつかまれ引き倒されてPK!ロナウジーニョが確実に決めて3−0、勝負を決めてしまった。
 後半も同じような展開。中国が攻め、ブラジルがそれを受け流して反撃するという横綱相撲を展開。後半10分、右サイドを強引に破ったカフーがゴールライン際からDFを抜きもしていないのに強引にセンタリング!これがゴール前に鋭く飛び、疾風のように走り込んだロナウドがパーフェクトにミートしてゴールに突き刺し4−0、止めを刺した。しかし中国もあきらめずに攻撃を仕掛け、肇俊哲のシュート!ポスト直撃ィィィ!!厳しい!W杯はまさに「一見さんはお断りどすえ」の世界ッ!ところでCBの杜威はいい男っぷりですね。
 ブラジルは次々に選手を入れ替え流しモードに。エジウソン出場。中国は前線を邵佳一、曲波に代えてなおも攻める。しかしどうしてもブラジルの最終ラインを崩せず、ホイッスル。ブラジルは勝ち抜け決定。


6月8日 グループリーグG組
イタリア代表1−2クロアチア代表
得点者:
イタリア=ヴィエリ(ドニ)
クロアチア=オリッチ(ヤルニ)、ラパイッチ(ニコ・コバチ)

イタリア優勢、の予想で始まったこのゲームは、予想に反してクロアチアペースに。シュケルを外してボクシッチのワントップとし、中盤を厚くしたクロアチアがチャンスを作り出す。イタリアは守備の要・ネスタが負傷退場、代わりにマテラッツィが入るが守備に不安が。それでも後半、右サイドからのセンタリングをヴィエリが強引に競り勝ちヘッドで先制!あとは守りに入るだけ、と思われたがさにあらず。右から左に振られたボールをクロアチアの左スペシャリスト・ヤルニがクロス、これを途中出場のイビツァ・オリッチがマテラッツィのうしろから足を伸ばし鮮やかに合わせて追いついた。さらに右サイドから切り込んだミラン・ラパイッチのクロスをイタリアがクリア、これをニコ・コバチがヘッドで前に送り、これに反応したラパイッチがイタリア守備ラインの中でトラップ、反転しざまに左足の一振り!ジャストミートはしなかったが、ループ気味に飛んでいったボールはGKブッフォンの絶対に届かない中空をふわーっと山なりに飛び、そのままゴール左スミに飛び込んだ。クロアチア逆転!ラパイッチ、髪切ってサッパリしてますね。ペルージャ時代は長かったのに。それはともかくイタリア、攻めに出るしかなくなった。FKゲット、蹴るのはトッティ。キック、GK反応できず!ゴー・・・しかしボールは左ポストに当たって右へ飛び、そのままフィールドへ戻っていった。落胆するトッティ。しかしイタリアはあきらめない。ヴィエリめがけマテラッツィがロングボール!相手と競ってボールが背後にこぼれる。これに反応したのが途中出場のピッポ・インザーギ!抜け出してGKともつれながらもシュート、ボールはコロコロとゴールに飛び込み、イタリア起死回生の同点!!!・・・しかし副審がファウルのジャッジ!身振りからするとピッポがクロアチアDFを倒したという判定らしい。愕然とするピッポ。後半早々にも、ヴィエリのシュートがオフサイドで取り消されていたこともあったこともあり、イタリアにとってはなんとも後味の悪い試合となった・・・ワカルぞその気持ち。イタリアは楽勝ムード一転予断を許さない状況に。次は「攻めるイタリア」が見られるのか、否か。


6月8日 グループリーグB組
南アフリカ代表1−0スロヴェニア代表
得点者:
南ア=ノンベテ(フォーチュンFK)

開始早々セットプレイからスロヴェニア、ミリノヴィッチのヘッドでゴールを狙うが枠外。対する南アは直後に左サイドからのFKを獲る。フォーチュンの蹴ったボールは正確にファーのノンベテの元へ。ノンベテはヘッドで合わせようとしたが、目測を誤ったかヘッドは空振り、ボールは彼の腿に当たってしまった。しかしゴール方向に飛び込んでいた勢いでボールはゴールへと飛び、GK反応できずバファナ・バファナ先制!それからも南アがペースを握り、エースのベニー・マッカーシーがたびたびゴールを狙うも追加点は奪えない。対するスロヴェニアも、前の試合で途中交代させられたエース・ザホヴィッチが監督と衝突してチームを追放されており不在、さらに後半早々そのカタネツ監督まで執拗な抗議で退席を命じられいなくなり、自ら崩壊。そのまま試合終了、スロヴェニアのグループリーグ敗退が決まった。




6月7日

6月7日 グループリーグF組
アルゼンチン代表0−1イングランド代表
得点者:
イングランド=ベッカム(PK)

 今回もやってきた因縁の対決。試合開始から激しい攻防で、バティがイエローをもらう。とはいえ荒れてはおらず、試合前にベッカムとシメオネが握手したことでもわかるように、双方フェアだ。この日スタメンに起用されたキリ・ゴンサレスが目覚しい動きでイングランド陣内に攻め込み、シュートを放つ。負傷した守備的MFのハーグリーヴスに代わりシンクレアが交代で入る。彼は左サイドに入ったが、この交代が当たった。たびたび左サイドを破って切り込み、チャンスを演出する。守備的MFはニッキー・バット一人になったが、経験豊かな彼は全く問題なく守ってゆく。そしてそのバットの中央からのスルーパスにオーウェンが抜け出し、3人を引き連れながらもその中からシュート!ボールはファーへ鋭く転がりポスト直撃!アルゼンチンもすぐに反撃、キリ・ゴンサレスのクロスにバティのヘッド!GKシーマンが正面でキャッチ。相変わらず縦横無尽の動きを見せるサネッティが右サイドを突破、クロス。中央で競ってこぼれをキリ・ゴンサレス!強烈シュートも外れる。そして前半終了間際、PA内左でボールを持ったオーウェンが素早い切り返しで中央へ、これをポチェッティーノが引っ掛けてしまいPK!蹴るのはベッカム。キック!地を這う物凄いシュートがGKの足元を抜けゴールに突き刺さり、イングランド先制!ベッカムは雄叫びを上げつつコーナーポストへ走り、自らのナンバー7をみんなに誇示する。飛びつくイングランドの僚友たち。4年前の屈辱を見事に晴らした一撃だった。
 しかしゲームはまだ終わってはいない。後半からアルゼンチンはベロン>アイマール。そのアイマールが立て続けにシュートを放つ。イングランドもヘスキー>シェリンガムとFWを入れ替える。そのシェリンガムがオーウェンにスルーパス!オーウェン抜け出すも追いついたサムエルがブロック。さらにシェリンガムも左サイドからのスコールズのクロスをダイレクトボレー!!GKカバジェロ弾く!!凄い!
 アルゼンチンはバティ>クレスポ、キリ>クラウディオ・ロペスでさらに攻める。徐々にイングランドが防戦一方となる。リオ・ファーディナンドとソル・キャンベルのコンビがひたすら弾き返しまくる。スタンドからは《ゴッド・セイブ・ザ・クイーン》や《ルール・ブリタニア》の大合唱。
「汝はより勢威もて立ち上がらん、脅威増す異国よりの攻撃のつど。
空を引き裂く爆音も、汝が地に生うるオーク樹を根付かすのみ!
統治せよ、ブリタニアよ、ブリタニアよ海原を統治せよ!
ブリトン人は奴隷となること絶えてあるまじ!(第2節)」

イングランドは守る、守る、ひたすら守る!いくらシュートを撃たれようが全くひるむことなくはね返す。その気迫にアルゼンチンもどうしてもゴールを割れない。そしてついにホイッスル!イングランド勝利!ベッカムは真っ先にシメオネのところに駆け寄り、改めて握手。かくして全グループリーグ中最大の戦いは終わり、少なくとも4年前の因縁は解消された。しかしグループリーグはまだ終わらない。勝点4としたイングランドは、脱落決定のナイジェリアに勝つか引き分けで突破が決まるが、勝点3のままのアルゼンチンは、イングランドの敗戦を期待できない以上、勝点4の北欧の巨人・スウェーデンに勝って逆転するしかない。優勝候補筆頭のアルゼンチン、はたしてどうなる?

6月7日 グループリーグB組
スペイン代表3−1パラグアイ代表
得点者:
スペイン=モリエンテス(デ・ペドロCK)、モリエンテス(デ・ペドロ)、イエロ(PK)
パラグアイ=OG

 チラベル大統領閣下が出場停止が解けいよいよお出まし。パラグアイの面々は意気軒昂、開始早々から押し込み、10分、大統領からのロングボールを受けたアルセが強烈シュート!GKカシージャスが弾いたがその先にはプジョル。彼に当たったボールがゴールに突き刺さってしまいパラグアイがOGにて先制。大統領効果おそるべし。スペインはラウール、ルイス・エンリケらがシュートを放つも得点ならず、そのまま前半を終了した。
 後半、ルイス・エンリケ>イバン・エルゲラ、トリスタン>モリエンテスとレアル勢を投入したスペインが息を吹き返す。デ・ペドロのFK!大統領キャッチ。スローインからモリエンテスがつないでラウール、はオフサイド。そして左CK、デ・ペドロのキックに猛然と飛び込んだモリエンテスが高い打点の豪快ヘッド!大統領もどうしようもなくスペイン同点に追いついた。さらに攻めるスペインは、ロングフィードからデ・ペドロがセンタリング、ニアに飛び込むラウール、セーブに行く大統領、しかしボールは二人をすり抜けファーへ!そこにいたのは再びモリエンテス。確実に決めて逆転!大統領、痛いセーブミスだ。
 このまま終わるわけには行かない大統領、FKのチャンスに自ら出馬!強烈なキックを放つもカシージャスがきっちりキャッチした。反対にスペインはラウールが倒されPKゲット。蹴るのはもちろんイエロ。大統領の逆を衝いて右隅に叩き込み3−1、突き放してそのままホイッスルを聞いた。スペインは連勝でグループリーグ突破を決定。今回は順風満帆、無敵艦隊の前途は明るい、か?

6月7日 グループリーグF組
スウェーデン代表2−1ナイジェリア代表
得点者:
スウェーデン=ラーション(リュングベリ)、ラーション(PK)
ナイジェリア=アガホワ(ヨボ)


 オコチャを中心に攻めるナイジェリアと、それを受け止めロングボールで対抗するスウェーデン。均衡が破れたのは前半27分、右サイドを破ったヨボのセンタリングをニアでアガホワがジャンプ一番ヘッドで叩き込みナイジェリア先制!アガホワはそのままおなじみの側転>バク転5回>バク宙。あいかわらずよく回ってるなあ・・・体操やればいいのに・・・でもサカーのほうが儲かるよね。しかしスウェーデンもすぐに反撃、左サイドから出てきたリュングベリのスルーパスにラーションが抜け出し、DFをフェイントでかわしてゴールに叩き込んだ。そして後半、ラーションがPA内で倒されPK、ラーションが自ら決めて2−1逆転!あとは守りを固めてカウンターに徹し、そのまま逃げ切り。ナイジェリアは2敗となり、グループリーグ敗退が決定した。




6月6日

6月6日 グループリーグA組
フランス代表0−0ウルグアイ代表

 ジダンはこの日も出場せず。勝ちたいフランスはアンリ、トレゼゲ、ヴィルトールのトリオにこの日先発のミクーで攻めるが、このミクーがイマイチフィットしない。ウルグアイも自慢の堅守でフランスに決定機を与えない。反対に、御存知アルバロ・レコバの左足がフランスを脅かす。そしてアクシデント!フランス、自陣ゴール前の混戦からファウル、そしてアンリに一発レッド提示!!確かに危険なプレイだったが・・・これで試合が荒れ始めた。プティがFK!GKカリーニが指先に当ててセーブ!
 さて双方危険なタックルを連発、主審が今度は流しまくったためさらに荒れる。ダリオ・シルバが、プティが次々に倒れる。そしてダリオ・シルバが報復行為としか思えないデンジャー・タックル!しかしこれも取らない!場内大ブーイング!!それからはダリオ・シルバがボールを持つたびブーイングが。そしてロスタイムにはアブレウとプティが小競り合い、双方にイエロー提示。どうなるんだ後半?
 後半開始早々、ダリオ・シルバのファウルについにイエロー提示、場内から大歓声とブーイング。カンデラのシュート、レコバのシュート、いずれもGKが弾く。ダリオ・シルバに代わってマガジャネスIN。ショートコーナーからレコバが狙うがわずかに外れる!ミクーのFKはカリーニがセーブ!ウルグアイはレコバが一人持ち込んでクロスもDFクリア!さらにFKのチャンス、レコバが直接狙うも大外し!ここでフランスはシセ投入。快速を生かしてチャンスを創るが得点にはいたらず。10人ながら圧倒的に押し込むフランス、レコバを中心にしたカウンターを仕掛けるウルグアイのぶつかり合い。ウルグアイ、FKのチャンス、今度狙うのはマガジャネス!バルテスキャッチ!そしてロスタイム、ウルグアイのカウンター!マガジャネスが完全抜け出してシュート、しかしバルテスがまたもセーブ!!バルテスとカリーニの凄まじいセーブ合戦・・・そしてフランス最後の攻撃はCK、ここでデュガリーを入れて最後の賭けに出るが実らずホイッスル、今大会初のスコアレスドローとなった。
 これで勝点1のフランスは、勝点4で並ぶカメルーンとデンマークを追い、最終節でデンマークと戦うことになる。同じくウルグアイもカメルーンと。双方、次は絶対に勝つしかない戦いとなった。


6月6日 グループリーグE組
カメルーン代表1−0サウジアラビア代表
得点者:
カメルーン=エトー(−)

前がかりのカメルーン、引いて守ってカウンター、のサウジの対決。やっといつものサウジに戻ったようで、カメルーンの攻撃を次々にかわしていく。ドイツに0−8で敗れたとは思えないサウジの健闘に焦るカメルーン、オフサイドを連発。後半、ゴール前に飛び込んだサウジのアル・ヤーミ、倒されてホイッスル!PK!?いやシミュレーションでアル・ヤーミにイエロー!そしてついに試合が動く。DFからのロングボールに抜け出したカメルーンのエトーが冷静に決めて先制!サウジは戦意衰えず攻め、カメルーンを脅かしたがついに得点を奪えず。グループリーグ敗退が決定した。


6月6日 グループリーグA組
デンマーク代表1−1セネガル代表
得点者:
デンマーク=トマソン(PK)
セネガル=ディアオ(ディウフ)

激しい試合、というより荒れた試合になった。前半、トマソンがラフプレイを受けPK、これをトマソンが自ら決めてデンマーク先制。その後は膠着状態に陥るも、後半開始から2人選手を入れ替えたセネガルが攻勢、そして自陣からのカウンター、見事としか言いようのないダイレクトプレイの連発(ハーフウェイラインでのダイレクトヒールパスは絶品!)から最後は長駆駆け上がったディアオが決めて1−1に追いつく。それからも荒れた展開は変わらず、得点を決めたディアオが一発レッドで退場。それでも双方決定機を掴むがゴールを奪えず。そのままドローとなった。




6月5日

6月5日 グループリーグE組
ドイツ代表1−1アイルランド代表
得点者:
ドイツ=クローゼ(バラック)
アイルランド=ロビー・キーン(クイン)

無骨なチーム同士の対戦、予想通りガツガツした戦いになったが、前半にバラックのアーリークロスをクローゼがヘッドで叩きつけてゴール、通算4得点目を挙げた。アイルランドの反撃もGKカーンが凄まじい反応でことごとく弾き出し、後半にはヤンカーやクローゼが外しまくるもこのまま行くか、と思われたロスタイム、途中出場のナイアル・クインへのロングボールをクインが落とし、そこに走り込んだロビー・キーンが抜け出しシュート、ゴールに突き刺してアイルランド劇的同点!


6月5日 グループリーグD組
アメリカ代表 3−2 ポルトガル代表
得点者:
アメリカ=オブライエン(−)、OG、マクブライド(スチュワート)
ポルトガル=ベト(−)、OG

開始3分、スチュワートのCKをマクブライドがヘッド、ビトール・バイアが弾いたところをオブライエンが蹴り込んでアメリカまさかの先制!さらにパスカットからドノヴァンがクロス、前に立ちふさがったジョルジュ・コスタが頭でブロックしたがこれがなんとゴールに飛び込んでしまい2−0、さらにスチュワートのクロスをマクブライドが豪快にダイビングヘッド、3−0!!ポルトガルは直後に1点を返し、後半は攻め立てアメリカのOGも誘って追い上げたが、あと1点が出なかった。


6月5日 グループリーグH組
ロシア代表 2−0 チュニジア代表
得点者:
ロシア=ティトフ(−)、カルピン(PK)

細かくボールをつなぐロシアは圧倒的にボールを支配するものの決め手を欠き前半は0−0。健闘していたチュニジアはしかし、後半14分GKのスローミスから一気にピンチを迎え、最後はティトフに押し込まれてゴールを許す。さらにロングボールに抜け出したシチェフの切り返しを倒してしまいPK。これをカルピンが決めて2−0、ロシアが勝負を決めた。
ロシアは暑さにバテたもののそのまま逃げ切って勝点3を手にした。




6月4日

6月4日 グループリーグD組
韓国代表 2−0 ポーランド代表
得点者:
韓国=ファン・ソンホン(イ・ウルヨン)、ユ・サンチョル(−)

立ち上がりは危険な場面もあった韓国も、次第に押し込んでくる。Jリーグでおなじみの面々も大活躍。パク・チソンはよく動くし、ユ・サンチョルは強いなあ。そして左サイドから上がったクロスを、うまくポジションを入れ替えて中に入ってきたファン・ソンホンがダイレクトボレーで叩き込み先制!これで波に乗った韓国は波状攻撃を仕掛けポーランドを圧倒、後半も勢いは衰えず、ユ・サンチョルの強烈なシュートで追加点。そのまま押し切って、韓国、W杯初勝利!!
歴史に新たなる1ページを記した。


6月4日  グループリーグC組
中国代表 0−2 コスタリカ代表
得点者:
コスタリカ=ゴメス(−)、ライト(ゴメス)

前半は互角の試合展開も後半、コスタリカはゴール前のワンツーからワンチョペ抜け出しシュート、中国ブロックするもこぼれたボールをゴメスが叩き込んで先制、中国は反撃を試みるもショートコーナーからゴメスの上げたボールをニアでライトに合わされ万事休す。




6月3日

6月3日 グループリーグG組
イタリア代表 2−0 エクアドル代表
得点者:
イタリア=ヴィエリ(トッティ)、ヴィエリ(−)

4−4−2で臨んだイタリアは、8人で守って2人で攻める阿漕なまでにいつもどおりのイタリア。前半、いずれもロングボールからヴィエリが決め、あとはしっかり守って余裕の勝利。


6月3日 グループリーグC組
ブラジル代表 2−1 トルコ代表
得点者:
ブラジル=ロナウド(リバウド)、リバウド(PK)
トルコ=ハッサン(バストゥルク)

押しながらも先制を許してしまったブラジル。しかし左からのリバウドのクロスを、飛び込んだロナウドが足を伸ばしてダイレクトボレー!同点に追いつくと終了間際にルイゾンが倒されPK。でもリプレイではどう見てもPA外だったが・・・これをリバウドが決め逆転。


6月3日 グループリーグG組
クロアチア代表 0−1 メキシコ代表
得点者:
メキシコ=ブランコ(PK)

今年の日本はもう暑い。しかも蒸す。4年前もフランスの暑さにメロメロだったクロアチアは今回もメロリンQ。あげくにメヒコにPKを献上して負けちゃいました・・・っ。メキシコのブランコ、今回も「あれ」をやってくれました。




6月2日 グループリーグB組
スペイン代表 3−1 スロヴェニア代表
得点者:
スペイン=ラウール(−)、バレロン(デ・ペドロ)、イエロ(PK)
スロヴェニア=ツィミロティッチ(アチモヴィッチ)

 長い間初戦勝利に見放されているスペイン、今大会はどうか。
 溌剌としたスロヴェニアが左サイドから攻める。スペインはデ・ペドロの強烈なFKで魅せる。セットプレイならスロヴェニアも負けておらず、ザホヴィッチの左足からゴールを狙う。市原所属のミリノヴィッチ、CKからヘッド!わずかに上へ外れた。スロヴェニアは鉄壁の守りでスペインの構成を凌ぎ、カウンターを仕掛けていたが、ついにその牙城が崩れる。ルイス・エンリケの強引な切り込み、シュート寸前でDFに弾き返されるもその先にはラウール。走り込んでシュート!と見せてフェイクを入れスライディングしてくる一人を外し、すかざす飛び込んでくるミリノヴィッチの股間を抜くシュートォォォ!!GKは反応しきれず、ボールはゴール右隅へ突き刺さるゥゥゥ!1−0!なんというシュートだァァァァ!
 後半、スロヴェニアはFWオステルツとエース・ザホヴィッチを交代させ必死に攻める。しかしスペインは左に開いたデ・ペドロの、DFラインとGKの間のスペースを衝いた見事なクロスからファーでバレロンが合わせて2−0突き放す。だがだがスロヴェニアは交代出場のコンビ、アチモヴィッチとツィミロティッチの鮮やかなワンツー連続で稲妻のようにスペイン守備陣を切り裂きゴール!ゲームの行方はわからなくなった。
 しかし、主審のあまりにも無情な判定でスペインにPK!イエロが冷静に右隅に蹴り込んで3−1・・・スタンドを味方につけたスロヴェニアの必死の反撃実らずスペインが勝利した。


6月2日 グループリーグB組
パラグアイ代表 2−2 南アフリカ代表
得点者:
パラグアイ=サンタクルス(アルセFK)、アルセ(FK)
南アフリカ=モコエナ(−)、フォーチュン(PK)

 前半から押し込むパラグアイ。サンタクルスにボールが渡るたびギャルからは黄色い悲鳴さ。試合開始早々にPA内で倒されるも笛はなし。それでもアルセのFKをファーでサンタクルスが合わせて先制すると、後半早々にアルセのビューティフルなFKが決まって突き放す。勝った!と思ったがさにあらず。南アフリカの反撃を許し、モコエナのゴールで1点差に詰め寄られる。そしてロスタイム、PA内で南アフリカがパラグアイGKタバレジに倒されてPK!!さっきの取らなかったくせにー!!と愚痴っても始まらず、クイントン・フォーチュンがPKを強烈に右隅に突き刺してまさかのドロー。出場停止でスタンド観戦のチラベル大統領閣下も落胆だ。


6月2日 グループリーグF組
イングランド代表 1−1 スウェーデン代表
得点者:
イングランド=キャンベル(ベッカムCK)
スウェーデン=アレクサンデション(−)

 ドラゴン退治の騎士・聖ジョージ(ゲオルギウス)の赤い十字か、スウェーデンの天空に輝いたといわれる黄金の十字架か。どちらのクロスが勝利を収めるか、死のグループ第2戦。
 ベッカム先発!イングランドはキープ力のあるヴァッセルを走らせ基点を作る。スウェーデンは中盤での素早いプレスから速攻を仕掛ける。ややボールを支配して攻めるイングランド、左CK。蹴るのはもちろんベッカム。エレガントなフォームからポン、と撃ち出す。大きく旋回してゴール前に曲がり落ちるボールに、後方から猛ダッシュで飛び込んできたキャンベルがジャンプ一番ヘッドでジャストミート!豪快にゴールに突き刺しイングランド先制!
 しかしスウェーデンは揺るがなかった。オーウェンを完璧に抑えきってイングランドに決定機を与えない。前半を凌ぎきり後半へ。
 後半、スウェーデンはトップ下をアンデシュ・スヴェンソンに代えて攻勢に出る。運動量が上がり、中盤を制圧、次々に前線へ飛び出していく。そして中盤からゴール前へロングボール、イングランドDFミルズが背走しながら胸でトラップしたが大きく、スウェーデンがすかさず詰める。慌ててクリアしたがボールはアレクサンデションの前へ。彼はドリブルで持ち込むと前をあけてシュート!鮮やかに突き刺して1−1同点!
 イングランドは選手交代で打開を図るがうまくいかない。守るだけとなり、しまいには引き分けでOKとなり、そのまま試合終了。クロス対決は痛み分けとなった。これでスウェーデンはイングランドに対する不敗神話をまた更新。


6月2日 グループリーグF組
アルゼンチン代表 1−0 ナイジェリア代表
得点者:
アルゼンチン=バティストゥータ(ベロンCK)

 ついに開戦した「死のグループ」。ともに左サイドを起点にして攻める立ち上がり、しだいにアルゼンチンが押し込んでくる。カヌー負傷。ベロン>C・ロペス>バティとつないでバティがトラップでDFをかわしPA侵入、シュート寸前でGKクリア。その後膠着状態になり、お互いに強烈なミドルシュートを撃ち合うも得点ならず。そのうちナイジェリアがペースを掴み始めた。アルゼンチンはベロンのCKにファーでバティが合わせるが枠を外して看板を蹴っ飛ばす。
 後半、左サイドのスペシャリスト・キリ・ゴンサレスを投入したアルゼンチンが盛り返す。カヌーは負傷のため途中交代。アルゼンチン、セットプレイを次々奪い、ベロンの鋭いプレイスキックからゴールを狙う。そしてついにバティがCKをファーからヘッドでゴールに叩き込み先制!!アイマール、クレスポも投入してそのまま押し切った。アルゼンチンにとって鬼門の初戦を見事に勝利で飾った。



6月1日 グループリーグE組
ドイツ代表 8−0 サウジアラビア代表
得点者:
ドイツ=クローゼ(バラック)、クローゼ(ツィーゲ)、バラック(ツィーゲ)、ヤンカー(クローゼ)、
クローゼ(シュナイダー)、リンケ(ツィーゲCK)、ビアホフ(シュナイダー)、シュナイダー(FK)

 夜は札幌ドームでのゲーム。夜にドームってあんまり意味なさそうだが。今大会のドイツは、予選では散々苦戦。「ドイツよりウクライナが来たほうが良かったのに」「シェフチェンコ見たかった・・・」とまで言われてしまうチームなのだが、いざというときに発動する必殺武器「ゲルマン魂」は侮れない。サウジも苦戦しまくった末何とか出場。相変わらずコロコロ監督を変えまくっているが、はたしてどうよ。

ドイツ: 9ヤンカー
>20ビアホフ
11クローゼ
>7ノイヴィル
サウジ: 20アルヤーミ
>15アブドゥラ
・アルドサリ
9アルジャバー
13バラック 22フリングス 18アルテミヤート
>14アルカトラン
6ツィーゲ 8ハマン 19シュナイ
ダー
17ワケド・
アルシャハラニ
16ハミス
>7イブラヒム・
アルシャハラニ
8ヌール
21メツェル
ダー
5ラメロウ
>16イェレミース
2リンケ 13スライ
マニ
4ズブロ
マウィ
3トゥカル 12ドーキ
1カーン 1デアイエ

 立ち上がりからフィジカルに優れるドイツが一方的に押し込む。トップの肉体派長身FWヤンカーに早めにロングボールを入れて攻めを構築。コンビネーションには思いっきり甘さがあり、そこらへんに欧州予選で苦戦した跡が窺える。とはいえサウジはボールへの寄せが絶望的なまでに遅く、反撃できない。アル・ジャバーが一人奮闘しているが・・・ロングボールから抜け出したヤンカーがDF、GKともつれ、ゴール方向へ転がっていったボールに追いつきゴールに叩き込むもその前のファウルを取られ認められず。フリングスのクロスにクローゼのヘッド、上へ外れる。さらにロングボールからクローゼのシュート、デアイエ止める。ツィーゲのキープからバラックのミドルは左に外れる。凡戦風味のこの試合だったが、ついに運命の天秤が傾いた。

 フリングスとポジションチェンジで中央に入っていたシュナイダーが左へはたく。左に開いたバラックが中を見てクロス!ニアでヤンカーが巨体を翻してオーバーヘッド!これは空振りしたが、この大技にサウジDF陣は一瞬目を奪われたか、ファーで待ち構えるクローゼを全くのフリーにしてしまった。ヘッドで叩きつけ、ドイツ先制!
 これでドイツが波に乗ってきた。中盤の底からゲームを構築するハマンのミドル!デアイエキャッチ。ツィーゲのクロス、ヤンカーがヘッドで捉えるもオフサイド。そしてまたもツィーゲのクロス、ニアでヤンカーがつぶれてファーで豪快に合わせたのは再びクローゼ!2−0と突き放した。歓喜のクローゼは前方宙返り!これでサウジの戦意は著しく削がれたようで、ボール回しが一層鈍重になった。今までの鬱憤を晴らすように攻め立てるドイツはさらに40分、シュナイダーのサイドチェンジからフリーのツィーゲがクロス、ファーのバラック(これもフリー)が楽々頭で押し込んで3−0。そしてロスタイム、右サイドに開いたフリングスからの早めのクロスに、ニアに飛び込んだクローゼがヒールで中央に送り、走り込んだヤンカーがデアイエの股を破る豪快シュートで4−0!前半で完全に勝負を決めてしまった。ヤンカーは上半身裸になって咆えるゥゥゥ!肉体美を見せつけた。

 後半、ドイツはラメロウに代わりイェレミース、サウジはハミスに代わりイブラヒム・アル・シャハラニ、アル・テミヤートに代わりアル・カトラン。ドイツはさすがに大量点でマターリ。眠くなってきたが、左CKからリンケのボレー、イェレミースのミドルで攻める。そしてヤンカー>ビアホフ。ベテラン登場だ。そしてシュナイダーが右サイド突破、センタリング!正面でクローゼがジャンプ一番思いっきりヘッドで叩きつけ、ワンバウンドしたボールはゴールに飛び込んだ。新鋭FWクローゼ、この大舞台でハットトリック達成!5−0、これでドイツに再びエンジンがかかった。
 クローゼがスピードで右サイドを突破、センタリングをビアホフがヘッド!外れる。そしてなおも攻め右CK。ツィーゲのキックをニアでリンケがきれいに合わせて6−0!NHKゲストのテツジ、サウジに同情の言葉を。うん、他人事ではないよね。ドイツはクローゼに代わりノイヴィル。そのスピードでサウジを翻弄。
 中盤底からシュナイダーが前線に走り込もうとするビアホフへパス。ビアホフはこれを受けると、そのままキック。振りの小さいトーキックで蹴られた鋭いライナーがゴールを襲う。あまりにも唐突なタイミングでのシュートに名手・デアイエも反応が遅れた。ロングシュートがゴールに突き刺さり7−0。そしてロスタイム、ノイヴィルが鋭い突破からFK奪取。ゴール正面、絶好の位置。蹴るのは・・・シュナイダー!見事なキックがゴール右上隅に吸い込まれ、8−0。そして試合終了・・・

 クローゼ、ニュースターの予感?そしてサウジ、アジアの名を汚すようなことはやめてもらいたい。マジメにやれ。できないなら帰れ。


6月1日 グループリーグA組
ウルグアイ代表 1−2 デンマーク代表
得点者:
ウルグアイ=ロドリゲス
デンマーク=トマソン(グロンケア)、トマソン(ヨルゲンセン)

レコバのFK、サンドのダイビング・ヘッドと見せ場を作りまくる。左サイドでボールをつなぎ、グロンケアが中のトマソンへ、トマソンはDFの裏に走り込むグロンケアへ戻す。裏に飛び出したグロンケアのダイレクトの折り返しを、これまたニアに走り込んだトマソンがダイレクトで流し込み、新生ダニッシュ・ダイナマイトが幸先よく先制!

後半開始早々レコバの左CK、デンマークのクリアをパブロ・ガルシアがポンポンポンとリフティングから左のロドリゲスへ浮き球で渡し、これをロドリゲスがダイレクトシュート!見事なドライブがかかったボールがゴール左上に突き刺さり同点!

追いつかれたデンマークは、中盤でのボールカットからヨルゲンセン(グロンケアに代わり投入)が左サイドをドリブル突破、切り込んで中を見ると狙いすましたセンタリング。これがCB二人の間にいたトマソンにピンポイント!トマソンはヘッドできれいにゴールに叩き込んで勝ち越し、そのまま逃げ切った。


6月1日 グループリーグE組
アイルランド代表 1−1 カメルーン代表
得点者:
アイルランド=ホランド(−)
カメルーン=エムボマ(エトー)

 散髪に行って帰ってきてしばらく横になっていたらそのままグーと寝てしまい、起きたらすでに始まっていた。

アイルランド: 9ダフ   カメルーン: 10エムボマ
>18スフォ
9エトー
10キーン  
  20オレンベ 12ローレン
11キルベイン 8ホランド 12キンセラ 7マカティア
>2フィナン
  3ウォメ 8ジェレミ
        17フォエ
3ハート
>21リード
   5ストーン
トン
14ブリーン    18ケリー   2チャト 5カラ 4ソング
1ギヴン   1アリウム

 エトーとエムボマのコンビが冴えるカメルーンが攻勢。エムボマの足は大丈夫なのか。そのエムボマ、トリッキーなヒールでエトーとワンツー!通らずも、予測不可能のビッグプレイ。アイルランドは出雲でのテストマッチでのスタメンからはCBがダンがブリーンに代わっているほかは同じ。押されながらもきっちりと守っている。CKからロビー・キーンのヘッド、外れる。カメルーンはエトーが抜け出してシュートを放つが、GKギヴンが鋭い飛び出しでセーブ!
 30分過ぎからカメルーンがアイルランドを崩し始めた。右を崩してエトーのループ、エトーとエムボマのコンビからCK奪取、ショートコーナーからトリッキーなヒール、クロスからへッド!外れるもカメルーンペース。そして左サイドから戻してフォエが右サイドへと展開、ジェレミのタテパスにエトーが反応、強引にドリブルで突破、ゴールライン際から股抜きでストーントンをかわして折り返し、そこにエムボマ!左足でトラップ、ゴールを向いて冷静に蹴り込む!ゴール左スミにボールが飛び込み、エムボマとエトーはコーナーポストに突進、エトーが脱いでユニを敷き、みんなと踊る。セネガルと同じだ。あれはアフリカの民に共通の血がなせる業なのだろうか。スタンドでも踊ってるよう。
 さらに右からのクロスをエムボマ、PA外からダイレクトボレー!上へ外れる。アイルランド反撃、イアン・ハートのFK。強烈なキックはニアでカメルーンDFに当たってボールはゴールへ!寸前でGKアリウムが押さえた。アイルランドはあわてずしっかり守って耐え忍び、前半を0−1で折り返した。カメルーンはアフリカ選手権で呪術騒動があったが、これも呪術の成果?

 聖パトリックの伝道以来カトリックの信仰を守り続けるアイルランド、このまま異教の呪術に屈するわけにはいかない。後半はマカティアをフィナンに代え、攻勢に出てきた。フィナンがSB、ケリーが中盤右に上がり、二人のコンビとFWダフでサイドを崩す。フィナンがドリブル突破、ロビー・キーンへ!シュートならず。左サイド、ケリーがクロス!左に流れるもオーバーラップしてきたイアン・ハートが拾ってクロス、キルベインがヘッド!右に外れる。
 押されてきたカメルーンもジェレミがハートから奪ってそのままミドル!わずかに左へ外れる。アイルランド反撃、左サイド持ち上がったキルベインがクロス、中央でDFヘッドでクリアするも、そこに走り込んで来た緑の疾風がダイレクトでゴール向け蹴り返した。
 強烈な一撃は文字通り地を這ってゴールを襲い、飛びつくGKの手を一顧だにせずゴール左スミに突き刺さった。アイルランド追いつく!ゴールゲットはマット・ホランド!!物凄い数のアイルランド・サポーターたちが沸騰!

 アイルランド、またも左からクロス!ファーでヘッドで折り返し、ロビー・キーンへ、しかしソングがカバーに、しかししかし彼の胸に当たったボールがゴールへ!またもアリウムが寸前でキャッチ。危ない危ない。
 エムボマがスフォに交代。やはりまだ足は万全ではなかったようだ。それはともかくこの交代により、アイルランドが完全に攻勢に立った。ボールが回らなくなったカメルーンを尻目に、小気味いいパス回しからFWダフの無尽蔵の運動量でカメルーンを翻弄する。カメルーン、GKのキックを中盤で競り落ちたボールをエトーがスピードで一気にゴール前へ持っていきミドルシュート!しかし大きく左へ外してしまった。単発・・・アイルランドはハートが足をつらせてしまい、リードに交代。ケリーが左SBに回り、リードが右の中盤へ入る。
 左サイド、ダフがキープしてセンタリング、DFクリアを拾ったロビー・キーン、ミドルシュート!鋭くスライスしたボールはポスト直撃!惜しい!さらにダフの突破からFK奪取、ケリーがチョンと出してリードが強烈な右!GKセーブ!時計は45分を回りロスタイム4分、カメルーンは時間稼ぎでなんとかドローに持ち込もうとする、アイルランドはなんとかゲットしようと攻め立てる、そしてそのままホイッスルで試合終了。

 激戦。ラフになりがちなカメルーンもアイルランドも、この日はクリーンで素晴らしいゲームだった。上川さんもまともにやってたじゃないですか。彼のおかげか?となると彼も株を上げたな。



5月31日 グループリーグA組
フランス代表 0−1 セネガル代表
得点者:
セネガル=ブバ・ディオップ(−)

いよいよ始まった聖杯祭。ソウルでの開幕戦は、前回王者フランスと、初出場のセネガル。

フランス: 20トレゼゲ   セネガル: 11ディウフ
 
12アンリ 6ジョルカエフ
>21デュガリー
11ヴィル
トール
>9シセ
  10ファディガ 14ムサ・
ンジャイ
  19ブバ・
ディオップ
15ディアオ 6シセ
17プティ 4ヴィエラ  
3リザラズ 8デサイー 18ルブーフ 15テュラム   2タフ 4マリク・
ディオップ
13ディアッタ 17コリ
16バルテス   1シルヴァ

 セネガルは初出場ながら、ブリュノ・メツ監督のもとで組織力に磨きをかけたアフリカ勢としては異質なチーム。それだけに旋風を巻き起こす可能性充分。フランスは元宗主国(つまりセネガルはフランスの植民地だったわけだ)だけに、登録選手はフランスリーグで活躍する面々で固められており、気後れすることはないだろう。ホテルでは呪術師がセネガルの勝利を祈っているらしいし、仏の力と呪術の力とどちらが勝っているかの勝負でもある。今日はアフリカ最優秀選手・ディウフをワントップに据え、本来CBの主将・シセを中盤に上げてトレースボランチにする、守備重視の陣形だ。
 仏は負傷のジダンの代わりにジョルカエフが入っている。ピレスがいないのは残念だが、ほぼベストメンバーだ。四年前からの。

 セネガルはまずセットプレイからチャンスを掴む。フランスは右サイドからの崩しからテュラムがクロス、トレゼゲがダイレクトでシュートに行くもジャストミートせず。セネガルも反撃、スピード豊かなディウフが突破、持ち込んで持ち込んで右サイドゴールライン際からセンタリング、長駆駆け上がったブバ・ディオップ、シュート!バルテスキャッチ!ディウフはオフサイドに引っかかりまくるが、それだけラインの裏を狙っているということでもあり、年齢のせいもありスピードに欠ける仏のCB二人には脅威だろう。
 しかし徐々にフランスが押し込んできた。プティからアンリへ、アンリがDFのマークを外してゴール前へ走るトレゼゲへパス!トレゼゲはトラップでDFを外し、そのまま右足を大きく撓らせてシュート!鋭く曲がるボールがゴール右を襲う、GK動けない・・・ポスト直撃!トレゼゲ天を仰いで苦笑い。しかしその笑顔がまもなく凍りついた。

 中盤でジョルカエフがボールを奪われ、左に開いたディウフへ!ディウフがドリブルに入る。ルブーフがすかさず間合いを詰め、タックル!その瞬間ディウフが加速した。ルブーフはむなしく芝の上を滑り、ディウフは独走でラインを抉る。そして中を見る、ボランチのブバ・ディオップがゴール正面へ走り込んでいる、センタリング!
 ボールはカバーに来たデサイーの股を抜け、その際足に当たって軌道が変わり、全力で戻ってきたプティの前へ、クリアしようとしたプティのキックはバルテス正面へ。バルテスは必死に弾くが、そのボールはゴール前に走り込んでスライディングしていたブバ・ディオップのところへ。彼は長い足にボールを引っ掛けるとゴールに放り込んだ。ネットが揺れる。セネガル先制!!
 ブバ・ディオップはコーナーポストへ全力ダッシュ、ユニを脱ぐ。何をやるんだ?彼はポストのところにユニを敷き、集まってきたみんなと一緒にその周りを回って踊りだした。これぞアフリカン・スピリット!すごいなあ。
 セネガルはこれで波に乗り、高い個人能力に組織力を加味したわくわく度の高いサッカーを展開。基本的にはカウンターなのだが、カウンターだって磨けば光るのだ。恐ろしい切れ味を伴って・・・そのまま前半終了。

 後半、仏は立ち上がりから攻勢に立った。高めのラインを保ち、前線の選手が次々にゴールへ殺到する。前半失点の基点となったジョルカエフが強烈なシュート!シルヴァ、左手一本でスーパーセーブ!仏はジョルカエフに代えデュガリー投入、左サイドに張らせてアンリがトップに入る。アンリのシュート!バー直撃!またもアンリのヘッド!ゴール目の前フリー、決定的チャンスもなぜか枠を外す!呪術か!?
 仏はヴィルトールに代えて20歳の新鋭FWシセを投入。セネガルの主将と同じ姓ということからもわかるとおりセネガル出身らしい。セネガルは防戦一方。ゴール前に壁を作ってとにかくはね返しまくる。耐える、耐える、耐えて・・・ホイッスル!新世紀初の大会の開幕を大アップセットで飾った。面白い大会になりそうな予感・・・!


戻る