この日の丸の輝きを恐れぬのなら、かかってこい!


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11月7日 国際親善試合
日本代表1−1イタリア代表
得点者:
日本=柳沢(稲本)
イタリア=ドニ(−)

みんなあんまり期待していなかった、イタリア代表レギュラー・メンバーの来日。デル・ピッポ&王子さまのトライアングルが一足先に日本で拝めるとは。試合前から埼玉スタジアム2002は早くもヒートアップ。
カンタービレを効かせまくったイタリア国歌「マメリ讃歌(イタリアの兄弟たちよ)」のあと、工藤静香の「君が代」独唱が終わると選手たちがフィールドに散る。モヒカンをやめてつるつるのボーズにした戸田は一人だけ別の方向を向いて国歌を歌っていたがなぜか。ていうか『魁!男塾』の月光みたいです。

日本代表: イタリア代表:
  9高原
>9鈴木
>11中山
13柳沢
>22西澤
     11デルピエロ
>20デルヴェッキオ
9インザーギ
>18フィオーレ
  8森島
>7中田英
     10トッティ
>19ドニ
>16ディリーヴィオ
12小野
>6服部
    2波戸
>23明神
3ココ
>15パンカーロ
7ザンブロッタ
  5稲本
>14伊東
21戸田      4ディビアージョ
>17ザネッティ
8ガットゥーゾ
      
  16中田浩 17宮本 4森岡      2ユリアーノ 6ネスタ 5カンナヴァーロ
  20曽ヶ端      1ブッフォン

まあしかしすごいメンバーですこと>イタリア代表。フィオーレは先発じゃないのか・・・と思っていたら日本代表の先発GKは曽ヶ端。川口と楢崎が負傷ということで、追加招集されていた彼がラッキーかどうかは知らないがいきなりの先発抜擢。ちなみに控えはこれも追加招集の南。GKはまるで五輪代表。でもまあ、二人ともトルシエのもとで場数は踏んでるから大丈夫でしょ。波戸はクラブががけっぷちの上、ナビスコ決勝も含めて延長連戦の末に代表戦と、もー大変ですね。今週末はまたJ1だし。今日はトレース・ボランチではなく、森島がトップ下に入っている。ちぇっ、伊東も出てりゃ週末のサンフVS清水は楽になったのに、と思っていると試合開始。
日本代表、ガツガツ当たっていく。前日移動で睡眠不足のイタリア代表は、「親善試合になんだそりゃ!」と憤懣やる方ないご様子。さらに大分ビッグアイのごとくバリバリめくれていく芝にイライラ。しかし見事な剥れっぷりだ。これは策か?
まずは森島が抜け出して倒されFKゲット。小野のFKは飛び出したイタリアDFがクリア。イタリアも左サイドのココが突破してクロス、曽ヶ端パンチング、小野クリアでCKへ。デルピエロのCKのこぼれをディビアージョがシュート!しかし曽ヶ端正面でキャッチ。
そして前半10分、左サイドで激しい競り合い。小野がまず競り、そこへ稲本が強引に身体を入れてボールを奪い、すかさずゴール前へクロス。そこへ走り込んだのは柳沢!ステップを合わせて完璧に右足アウトサイドでミートされたシュートは、名手ブッフォンの上を破ってゴールに突き刺さった。まさに一瞬の鮮やかなゴール!まさかまさかの日本先制!!そんなのアリですか!?

アリのようです。イタリア代表はコンディション悪そう。日本もディフェンスラインからのフィードボールがてんでなっていなくてイタリアにポンポン渡してしまうのだが、この絶好のカウンターチャンスを生かせない。体のキレがいかにも重く、素早いチェックをかける日本に次々潰されてしまう。時折鮮やかなコンビネーションからシュートを撃つものの、宮本らDF陣のブロックや、前へ飛んでもことごとくGK曽ヶ端の正面を衝いたりでゴールが遠い。曽ヶ端は強力な磁場かなんか発生させてんですか?
日本は左の小野を起点に森島の飛び出しと柳沢のクレバーなプレイ(切り返しでガットゥーゾを一発でかわしたとこなんてどうよ!)で次々と好機を作り出す。中盤の稲本も激しく動いて攻守の起点となる。だが本気モードに入ったイタリアDF陣ががっちりと鍵をかけ直してゴールを許さない。ネスタが、カンナヴァーロが、長髪をなびかせながら華麗にボールを奪い取る。柳沢の左からのクロスにあわやオウンゴール、という場面もあったが、ブッフォンがはじき出して事なきを得た。小野のクロスに飛び出した森島が身体を精一杯伸ばしてヘッド!ブッフォン、キャッチ。
とはいえ攻撃はデルピエロ、トッティの動きがやや冴えないこともあって手詰まり状態。一方日本は小野のクロス、ニアで森島がヘッドで反らし、ゴール正面で高原がトラップ、シュー・・・しかしここはイタリアが素早く身体を入れてボールを奪った。
ベンチが映る。西澤は欠伸をしていた。
イタリア、CKのこぼれをガットゥーゾがミドルシュート!しかしまたも曽ヶ端正面!いいね。名前はなのに。
そのまま前半終了、日本が1−0で折り返した。なんだか勝てそうだ。

後半、トラップ監督は手を打ってきた。精彩を欠いていたディビアージョに代わりザネッティ、トッティに代わりアズーリ初登場のアタランタのドニ。
日本も高原に代え鈴木、森島に代え中田英。
後半早々、柳沢がチームメイトの鈴木とのワンツーから抜け出しシュート!しかしブッフォンがセーブ!
CK、流れたボールを鈴木が追い、先に追いついたイタリアの選手をドーンを突き飛ばす。いきなりこれです、この男。
イタリアは、初めて選ばれてハッスルしているドニの溌剌とした動きからチャンスを作る。右サイドを破ってクロス!ピッポのヘッド!曽ヶ端正面!しかしめげずに再びドニからチャンスを作りCKを得る。デルピエロが左コーナースポットへ。キック!ファーへ飛んだボール、落下点にはユリアーノ。そこに鈴木がつく。競り合い、ボールがこぼれる。その先には白いユニの背番号19、思い切り右足を振りぬく!
ゴールネットが激しく揺れた。初アズーリのドニが同点ゴール!

イタリアにペースが移った。ゴールでさらに意気上がるドニが中盤を活性化させ、ザネッティ、ガットゥーゾとともに中盤を支配し始める。それに伴い両サイドのココ、ザンブロッタも高い位置をキープ、波状攻撃を仕掛ける。デルピエロに代えデルヴェッキオを投入、さらに攻勢に。左サイドを持ち上がったデルヴェッキオがクロス、ニアに飛び込むピッポをオトリにしてファーから中央に走り込んだドニがダイビングヘッド!やられた、と思ったが、ドニは力んだかこれをコントロールミス、ボールはゴール左に外れた。
日本、柳沢に代わって西澤。前線3人がそっくり入れ替わったが、これが機能しない。中田英の調子がいまいちなことに加えて2トップがあんまり動かないので(TV画面にほとんど出てこない)、パスの出しどころなし。そのうちにもともと疲れているアズーリだけでなく日本のほうも前半からの飛ばしすぎのツケが回ってきた。よって、まったりしてくる。ここらへんから両チームともホイホイ選手交代をしてきたので膠着状態に入ってきた。
これじゃあつまらんと中山隊長登場。鈴木に代わって入ってくる。イタリアもピッポに代わってフィオーレ。
日本、左サイドからクロスボール!長すぎる。ブッフォンがジャンプしてキャッチに入る、そこへ隊長が突っ込んできた。衝突。ブッフォン、ビックリの表情。
試合はそれから特に動くこともなく、ホイッスル。

柳沢、最近どうした。昨年の今ごろは、アジアカップ決勝のあの名高い「スルー」で散々だったが、ようやく復調か。
あのゴールはサカつくの光りプレイに入れてほしいです。
あと、W杯グループリーグで日本代表の使うスタジアムの芝はゆるくしておけ!ホームの利を最大限に生かすのだ!


10月7日 国際親善試合
日本代表2−2ナイジェリア代表
得点者:
日本=柳沢(伊東)、鈴木(服部FK)
ナイジェリア=エジョフォー(−)、アガホワ(−)

随って貴人たちよ、舞台面は今やサザムプトン市に移されたり。
今や劇場は彼処となりぬ。方々も亦た其処に着席せらるべきなり・・・
(W.シェイクスピア『ヘンリー五世』第2幕説明役台詞より、坪内逍遥訳)

というわけで、舞台はドーバーを渡って西へ約200km、港町サウサンプトンへ。スタンドにはアーセナル監督ベンゲル、そして今度川口が移籍するイングランド1部のポーツマスのお偉方も列席している。ポーツマスはここから東へ40km。車で1時間、といったところか。
相手は、戦績においてはセネガル以上の強豪、“スーパー・イーグルス”ナイジェリア。
サウサンプトンは強い風雨にさらされ、ピッチ上には水がたまっている。3月のフランス戦を思い出させる状況だ。気温は16℃、肌寒い。

9西澤
>11鈴木
13 柳沢
   
8 小野
>24廣山
5 稲本
>15奥
14 伊東
>23福西

21 波戸
>6服部
17 戸田
16 中田浩 12 宮本 3 松田
1 川口

日本はナイジェリアに敬意を表して、対強豪の基本戦術、トレースボランチを敷いてきた。フラット3の中央には宮本が入っている。
ナイジェリアには、MF15サンディ・オリセー、MF7フィニディ・ジョージ、MF10“J.J”・オコチャ、FW13ババンギダなどが顔を連ねる。
アーセナルのカヌーがいないのは残念だ(いや助かるけど)。

試合開始。さっそく波戸が誰もいない前線にクロスを放り込む。ちゃんと中見んかい!
ファーストシュートは日本。左サイド小野のパスからオーバーラップした稲本がループシュート、これはGKがキャッチした。
ナイジェリアはさすがに身体能力が高い。松田、宮本が立て続けにイエローをもらう。とはいえ、日本は時差に慣れたかセネガル戦とは見違えるコンディションの良さで、ナイジェリアの寄せにも素早いパス回しで対応する。また1対1でも簡単には負けない。伯仲のゲームになってきた。
そして先制はまさかの日本。素早いリスタートから左サイド伊東がクロス、これにゴール正面の柳沢がヘッド!頭で擦らせた、といった感じだったが、微妙にコースの変わったボールは柳沢のマークについたDFの手に当たり、さらにコースを変えてゴール左隅に飛び込んだ。1−0!
おいおい、幸先いいじゃん、と思っていたらナイジェリアは右サイドからババンギダが突破、CKゲット。蹴るのはオコチャ。ファーサイドに飛んでいったボールを西澤がトラップ、しかし背後にいたDF16エジョフォーが足を伸ばしてこれを奪取、すかさずシュートを放った。これはゴールへの軌道を外れていたのだが、中央で日本選手に当たってこれもコースが変わり、ゴール右隅に転がりこんだ。たった2分でイーブンに追いつかれてしまう。

ナイジェリア右サイドのババンギダが度々小野の裏を衝いて突破する。そこで中田浩が彼のフォローに行く。しかしこちらのサイドは水がたまり、まともにボールが転がらない。
ナイジェリア中央から左へ展開、これをFW8アイェグベニがダイレクトで中央に折り返し、フィニディ・ジョージが強烈ミドル!これを川口がファインセーブで防ぐ!
小野と波戸がサイドを代わった。波戸がババンギダを抑え、小野が比較的ピッチ状態のいい右サイドで攻撃を創る。
ナイジェリアFK、オリセーが素早くリスタート、クロスを入れて中央抜け出したFW9アガリがヘッド!右に外れた。
日本も左サイドから中田浩がロングクロス、逆サイドに走り込んだ柳沢がダイレクトシュート!右へ外れる。柳沢の動きが素晴らしい。西澤はそれに比べるとあまりインパクトがない。
ナイジェリア、左サイドからアイェグベニが突破、中央アガリへパス、これをアガリがトリッキーにダイレクトでリターン、抜け出したアイェグベニがシュート!しかし再び川口がセーブ!
日本やり返す、攻撃に入った左サイド波戸からふわりとしたクロス、これを柳沢がヘッド!上へ外れる。
攻め合いだ。しかも親善試合と思えぬ激しいゲームとなってきた。前半終了、1−1。

後半、日本は両サイドを右・廣山、左・服部に入れ替え、FWを西澤から鈴木に。
右の廣山から柳沢>戸田と横にボールが渡り、戸田のパスに鈴木がシュート!GK正面。おお攻めている。
左サイドでFKのチャンス。服部が鋭く左を振り抜く。低いボールがゴール前に落ちてきた。これに鈴木が左足を出す、そしてこれがものの見事にジャストミート、GKの手を弾いてボールはゴール右上隅へ。2−1、日本が勝ち越した。
さらに服部が再びFK。ファーの柳沢が折り返して鈴木がボレー、DFに当たって跳ね返ったボールを拾った廣山がミドルシュート!GK正面。
ナイジェリアもオコチャがミドルシュート!川口が右手一本でセーブ!さらに右から崩してクロス、アガリが強烈ヘッド!ジャストミートだったが右へ外れた。
物凄いあからさまなバックチャージかましたモヒカン戸田がイエローをもらう。
ここで攻守に利いていた稲本に代え奥。
ナイジェリアもDF2ウデゼをDF3ババヤロに、FWババンギダに代えてFW17アガホワに、FWアガリをFW11ラワルに次々代えてくる。
後半29分、柳沢単身持ち込んで強引にシュート!GKセーブ。よっぽど体のキレがいいようだ。直後、オコチャのミドルシュートに廣山が飛び込んでCKに逃げる。オコチャのキックをフィニディ・ジョージがヘッド、上に外れる。日本、伊東に代え福西。

いける!と思った後半36分、中盤で奥がボールを奪われる。オコチャはすかさず前線を走るアガホワに向けてロングボール!フラット3がすかさずラインブレイクしてボールを追う。そして松田が先に落下点に入った。クリア、と見えたが、なんとこれをミス!ボールをアガホワに奪われ、川口と1対1。万事休すで2−2、再び追いつかれた。アガホワは横転からバク転4回、さらに豪快に宙返り。こんなヒトとはまともに戦ってはいけないよ。

このまま逆転だ、のナイジェリアはしかし、DFエジョフォーが柳沢へのバックチャージによる2枚目のイエローで退場。拮抗した展開は崩れない。そして試合終了、ナイジェリアに2−2という戦果をあげた。
ナイジェリアに宮本はどうよ、と思ったが、見事に守った。2失点は不可抗力に松田のイージーミス。森岡のバックアップとして評価できるだろう。戸田もこの2試合フル出場、監督の篤い信頼を受けているようだ。それに応えてファウル減らせよ。
それにしてもナイジェリア、格下と見た相手に対して組織を忘れ個人技に走る悪い癖は健在だった。確かにテクニックは素晴らしいが、日本守備陣の網に次々引っかかり好機に結びつかず。これならセネガルのほうが恐ろしいチームといえる。実際、攻撃時のスピードとパワーの渾然一体的圧倒的迫力はセネガルのほうが上。ナイジェリアのは個人演舞といったところだ。
いい経験をしてイタリア戦に臨むことが出来そうだ。

この2戦のMIP、最も印象に残ったプレイヤーにはDF3松田を選出したい。すこぶる目を引く活躍だったよね。


10月4日 国際親善試合
日本代表 0−2 セネガル代表
得点者:
セネガル=ディウフ(FK)、チャウ(−)

またフランスに来ました。この前は仏様に仏罰食らわされました。今回の相手はセネガル。かつてフランスの植民地だったこともあり、フランス・リーグで活躍している選手が多い。今回のメンバーもフランス組が主体のようだ。したがってセネガルのほうは準ホームといった感じか。日本代表はナカータと名波が負傷で出場は無理ということで、パス出す奴が小野しかいねえじゃんかよ状態。その小野も負傷あがりということで無理はできない。じゃ誰がゲームを作るんだ?Nobody!みんなでがんばれ。

19 高原
>13 柳沢
11 鈴木
15 奥
>24 廣山
25 藤本
>14 伊東
21 波戸
5 稲本
>23 福西
17 戸田
16 中田浩
>6 服部
4 森岡 3 松田
18 都築

奥が左サイド、トップ下には代表初スタメンの藤本。フランスで日本のトラディショナル・ダンス、阿波踊りを披露できるか?
ていうかセネガルの監督のブルーノ・メツ氏、渋いがな、かっこええがな。同じフランス人でも違うもんでんな。
さて試合開始。直後、左サイドでFKゲット。蹴るのは藤本。ほう。キック!なかなかいいボールが入ったが、セネガルDFがクリア。
セネガルは軽快なパス回しでゲームを作る。フィジカルで上回る相手に組織的プレイやられたらたまらん。徐々に日本は押し込まれてくる。フラット3の一角、中田浩がどうも不安定。不用意なバックパスを出してかっさらわれ、FW11ディウフに決定的なシュートを撃たれる。これは都築が右手一本でセーブし事なきを得たが、それからも彼はたびたびやばいプレイを披露した。これで得たセネガルのCK、ファーのDF16ンドゥール、じゃなかったエンドゥールが競り勝ちヘッド、右に外れた。やはり高さはある。

日本の攻撃はまったく脅威が無い。2トップにうまくボールが入らず、入っても即座にセネガルのDFに潰される。左サイドの奥がミドルパスを前線に供給してチャンスを作るが、シュートにまでいけない。
セネガルのボランチ、MF3サールのミドルシュート!ドライブしてバー直撃!セネガルは中盤でダイレクトパスをつないで一気に前線に迫り、あとはサイドに開いてクロスを入れるか、そのまま2トップのFW11ディウフ、FW7アンリ・カマラの個人技で中央突破するか、そこは変幻自在。おかげで日本DFはずるずる下がる、サイドも下がる。1対1では相手にならないのでうかつに飛び込めない、その隙を突かれて狭い場所をパスで通される、中盤が空いてきた、いよいよセネガルが中盤を支配して・・・日本、時差ボケか?それとも歯が立たないか。

藤本がスルーパス!オーバーラップした稲本が抜け出し、倒されてFK。蹴るのは藤本。やや遠い。左サイドにフリーで中田が開く。藤本、その中田にパス!オフサイド!アホ、そんなとこでどフリーなのにオフサイドにかかるな!間接FK。GK蹴っ飛ばし、日本がトラップしたところをかっさらってMF10ファディガがドリブルで持ち上がり、そのビューリホーな左足を小さく振り抜く。ボールはフラット3のど真ん中をブチ破り、抜け出したアンリ・カマラ、シュート!都築セーブ!

初スタメンの藤本は全開で走り回る。前線から果敢にタックルを繰り出すわ、中盤でボールカットしてすぐさまサイドに開いてボールを受けて勝負するわ・・・さすがに1対1では身体能力の差を思い知らされたが、溌剌と動き回っている。これで小野か名波がピッチにいればもっと面白かっただろうが。
セネガルが高い位置からプレスをかけてきた。これで日本が完全に押し込まれた。どんどんPAに迫り、確実にフィニッシュに持ち込んでゆく。思い切ってラインが押しあがったらすかさずラインの裏にロングパス。そして反対に押し上げる。そしてシュート、シュート、シュート・・・マタ抜きにトリッキーな切り返しと、個人技の高さも存分に見せつけ、0−0ながら完全に圧倒してセネガルは前半を終えた。

日本は後半、不安定だった中田浩に代え服部、そして藤本を下げて伊東を入れてトレースボランチとし、高原に代えて中盤でも仕事のできる柳沢を投入した。つまりは5−3−2の守備的布陣となったわけだ。後半早々にいい形から伊東がシュート、GKセーブ。これが日本の初めてのシュートだった。
日本は3人のボランチのうち、中央の戸田は守備に重点を置き、機を見て右から伊東、左から稲本が上がる、というスタイルになった。とくに左の稲本は積極的に上がっていく。が、この位置から上がっていくのはなにぶん時間がかかるので、基本的に2トップを抑えていればそれでOK、ということで次第にチャンスはなくなっていった。
セネガル、攻撃的中盤のMF22マグタル・エンディアイに代わってMF14ムサ・エンディアイ。こっちのほうが元来レギュラーだそうだ。

服部、バックパス。これをアンリ・カマラにかっさらわれ、カマラはGK都築をもかわしてシュート!必死こいて戻った森岡が寸前でクリア。
存分に活躍したカマラがFW18チャウに交代。日本も稲本に代わって福西が入る。
戸田、もたもたキープしているところをプレスを受け、あっさり奪われてシュートを撃たれる。これは上へ外れた。
ここで奥に代わってついに廣山登場。右サイドに入り、波戸が左に回る。
さあどうなる、と思っていたとき。右サイドからDF2ダフのスローイン。ディウフがヒールで落としてMF15サニフ・ディアオが受け、中央へパス。これをゴールを背にして受けたファディガがワントラップしてボールを浮かせ、オーバーヘッドで前へ、これを受けたチャウに松田が抱きついてファウル、FKを与えた。またかよ松田!フランス戦でもピレスに抱きついてPK与えてたろ!
PAすぐ外正面やや左より。蹴るのはディウフ!ボールはニア側の壁を一顧だにせず、ファーサイドのゴール右上隅に真っ直ぐ突き刺さった。セネガル先制!タッチライン際に走っていったディウフにみんなが加わり、一緒にダンス。アフリカ的な素朴でアルカイックな踊りを披露した。

廣山は右サイドだけでなく中央に進出し、ほとんどFWといった動きも見せる。右に流れてセンタリング、GKの後ろに飛ぶ、詰めれば1点・・・しかし誰もいない。ノー。
このあたりからセネガルお遊びモード突入。ファディガは3人を切り返しで翻弄してクロスを入れる。
さらに自陣からダイレクトパスをつないで一気に前線へ。途中、ダイレクトヒールパスを織り交ぜるオモシロすぎるパスワークで一気にシュートまで持っていったりした(その前にオフサイドを取られたが)。もーステキ。フィジカルと個人技に優れる集団が組織で動いたらこんな素晴らしいパフォーマンスをすることができるのか!セネガル大好き!
さらにプレスを受けても足の甲にボールをのっけてひょいっとリフトしてそれをかわし、楽々バックパス。
もうそれ以上日本をもてあそぶのは堪忍してえな。

ロスタイム。日本はCKからの流れから福西のミドルシュート、しかしGKが確実にパンチ。
そして試合終了直前、中盤でのボールカットからセネガルのカウンター、右サイドに開いたファディガにボールが渡り、ドリブルで持ち込んだ彼は逆サイドのFWチャウにグラウンダーのパス。チャウはこれを受けるとシュート体勢に。森岡が飛び込むが、これはキックフェイントだった。タテへ切り返してあっさりと森岡をかわし、ズドム。2−0となったところで試合終了のホイッスルが鳴った。

ま、最近ヌルい試合ばっかりやってきたから、これでまた目が覚めるでしょう。
それにしてもセネガル、W杯では応援させてもらいますわ。監督もイイ味出してるし。といっても日本と同組に入る可能性も大きいわけだが。
さて次はスーパー・イーグルス、ナイジェリアとの対戦だ。


8月15日 AFC/OFCチャレンジカップジャパン2001
日本代表 3−0 オーストラリア代表
得点者:
日本=柳沢(森島)、服部(柳沢)、中山(PK)

ん?んんん?あ、今日は日本と豪州がやる日だった。すっかり忘れてた。TVをつけると中山隊長がド真ん中にズドムとPKを叩き込んだところだった。3−0。あれまあ。
豪はもうメロメロ。まあ豪はシーズン始まっていないし、日本以上に主力がいないからしょうがない。背番号10を背負うビンビも時折目立つものの、一方的な日本ペース。ぼーと見ているうちに、トルトルくんはやっぱり中村俊輔を使わず試合終了。日本完勝。アジアとオセアニアのチャンピオンとなった。それにしても、いっぺんヴィドゥカ&キューウェルのリーズ・コンビを見てみたい。

9 柳沢
>11中山
22 鈴木
6 服部 8 森島
>15 奥
21 波戸
>12 明神
17 戸田 14 伊東
16 中田浩 4 森岡 3 松田
1 川口

1点目は中盤からのフィードボールを右サイドで受けた森島がゴールライン際でレイバット(元ベルマーレ)をちょーんとかわしてセンタリング、中央にフリーの柳沢が押し込んだもの。
2点目は戸田から左に展開されたボールを受けた服部がドリブル、中に切れ込んで柳沢にクサビのパス、柳沢リターン、これをダイレクトで右足(!)でシュート、右隅に上手くコントロールされたボールがGKのセーブ及ばずゴールに突き刺さった。
3点目は、そこにいたる経緯は見ていないがとにかく隊長がPKの時に柳沢と交代、トルトルくんの指示でいきなりPKを蹴ることになり、助走を思い切りとってゴールど真ん中に叩き込んだもの。

以上。


7月4日 キリンカップ
日本代表 1−0 ユーゴスラビア代表
得点者:
日本=稲本(柳沢)

札幌から日本大縦断、やってきました豊後大分ビッグアイ。ビッグアイというとその芝によってとみに有名だが、この日は「やや良」といった感じだ。
スタメンはこの前といっしょ。ということですぐさま録画予約解除。

9 柳沢
>11中山
22 鈴木
>19 久保
21 小野
>6 服部
8 森島
>14 伊東
20 波戸
5 稲本 18 戸田
16 中田浩 4 森岡 3 松田
>17宮本
1 川口

ユーゴは代表引退試合のピクシー、磐田のジヴコヴィッチ、もとマリノスのペトコヴィッチ以外は誰が誰だか。とりあえずはユーゴ国内リーグの若手精鋭らしい。ジェニオ監督が出てくれればいいのに。
試合開始。暑いだけあってどことなくスローモーな立ち上がりとなる。ちょっと競り合いが起ると芝がバリバリめくれていく。うむ、見た目だけだったか。
まずはピクシーのスルーパスにジヴコヴィッチが抜け出す!CKゲット。ピクシーのキックは鮮やかな弾道でゴール前に飛んだが、クリアされた。それにしても、白と青のユニを着たピクシーはなんだか若返って見える。これは、とりもなおさず名古屋のユニを着るとおっさんくさくなるということを意味する。実例としては、酒井友之を参照されるとよいだろう。もっとも、彼の場合は(後略)。

閑話休題。そのうちユーゴのDF5番がボールをクリアした後、転倒した際芝に膝をとられて股が異様に開き、そのままダウン。股関節を痛めたか。外に出される。その間隙を突き、左サイドから小野が中央フリーの稲本へ。稲本は前が空いているのを見るとドリブル開始。柳沢がすっと外に開いてコースを開ける。稲本はそのスペースへ。DFが行く手をふさぐ。と、稲本は柳沢へ。柳沢はDFを背負いながらも、右アウトサイドのダイレクトでワンツー・リターン。これを稲本がダイレクトでシュート!彼に似合わず抑えのきいたボールが飛ぶ。しかしGK正面・・・セーブミス!ボールはそのままゴールに突き刺さった。日本先制!

直後、日本ゴール正面からユーゴがFKを奪取。蹴るのはもちろんピクシー。しかし壁に当たってしまう。
それからは中盤でパスをつなぐがシュートまでいけない日本と、スピーディーな攻撃を仕掛けるが最後のところで詰めが甘いユーゴのがっぷり四つ。ユーゴ16番ゾリッチは26歳なのに頭薄いなあとか思っていると、時折ミドルシュートが飛んだり森島と鈴木がワンツーしてオフサイドに引っかかったりピクシーからゴール正面ボグダノヴィッチ(ラデじゃないぞ)に渡り、ゴールスミへのシュートを川口がセーブしたりと見せ場ができる。鈴木は相手DF3番ともつれた際、そいつの頭をぎゅうと踏んづける。

スローで見たら、鈴木は自分の足が相手の頭に当たった瞬間、ぐいっと踏み込んでいるのが明瞭に確認された。
鬼や。あんたは鬼や。

前半終了。やっぱり鈴木は恐いねえ・・・結局日本のシュートは稲本の1本のみ。

後半頭から小野に代わって服部。芝は相変わらずザクザクとめくれていく。
ピクシーが右サイドから絶妙クロス!中央に走りこんだ選手には惜しくも合わず、ファーサイドにいた選手にフリーで渡ったが、これはオフサイドになった。
中盤で戸田が粘ってボールを奪い森島へ。彼から柳沢へスルーパス!DFがクリア。左サイドからのサイドチェンジに抜け出した波戸がクロス、中央飛び込んだ森島のヘッドがかすり、DFに当たって鈴木の前へ。鈴木シュートも、GKにセーブされる。この日の鈴木はゴールよりも相手をどつくことに喜びを見出しているようで、彼の後には倒れるユーゴ選手多数。
そのうち膠着した展開になっていった。その中で目立つのは中盤の稲本と戸田。よく守っている。主審や副審のへっぽこぶりもここまで徹底していると楽しい。とくに副審のオフサイドの判定には、動体視力の検査してもらったら?という感じだ。つまんないので廣山コールが沸き起こる。

鈴木、GKとの1対1を外す!ここで松田>宮本。宮本が3バックの中央に入り森岡が右へ回る。久しぶりの登場だ。さらに森島>伊東。戸田を中央に、右伊東、左稲本という3ボランチを採ってきた。つまりはスペイン戦仕様だが、ヒデがいないのでトップ下なし。
鈴木がパスに反応して左サイドを抜け、センタリング。稲本が走りこんだが、シュートは右へ外れる。
久保がピッチサイドに出てきた。しかしそのとき波戸がジヴコヴィッチに引っ掛けられ、いったん外に出る。そのため、久保は戻された。またか。
さてこの鈴木に前半頭を踏まれていた3番、鈴木へお返しの強烈チャージ!鈴木もんどりうって倒れてしばらく悶絶。因果応報。
ここでようやく久保登場。でも、彼が出てきたときにはいつもパッサー不在。しかも柳沢はすでにお疲れのご様子。

ボールはこない。助けもない。それならわしがひとりでやったらにゃあいけんのう、と、川口のフィードに相手選手と競り、上手く体を入れ替えて右サイドを突破!クロスはDFに当たったが、戻ってきたボールを受けるや、凄まじくダイナミックな切り返しで一発でDFを振り切った。ビッグアイどよめく。久保は切り込むと伊東にパス!伊東のトラップは大きく、再び久保に返す。久保は伊東が自分の後ろをウェーブで上がっていくのを確認するとすぐさまトリッキーに左足でタテへパス!だが伊東がこれを感じることができず、DFに体を入れられゴールキックに。ぼーっとするのは顔だけにしてもらいたい。

試合終了も近づき、5枚目のカードはヤナギに代わって隊長。早速サイドに開いて、センタリングに伊東!でも上へ大きく外してしまう。
稲本がドリブルで上がる。これを止めに向かったDFを久保が上手くスクリーンに入って阻止(これはバスケではなくサッカーなので当然オブストラクションの反則だが、主審は知らんかったらしい)、おかげで稲本がどフリーでPAに侵入した。GKと完全1対1。でもGKに当ててしまう。
久保は左サイドでいいクロスをもらったが、トラップが流れてクリアされた。
そんなこんなでながーいロスタイム6分が終わり、日本勝ち。キリンカップ優勝。

ピクシー、最後はさすがにスタミナが切れていたみたいだった。通路ではトルトルくんとなにやら談笑。
日本も、相手の顔を立てて勝つ芸当ができるようになったか。えらくなったなあ。


7月1日 キリンカップ
日本代表 2−0 パラグアイ代表
得点者:
日本=柳沢(小野)、柳沢(小野)

世界の強豪のドサ回り興行ことキリンカップ、今年も開幕。今年はFIFA世界ランク10位と11位のパラグアイとユーゴを迎える。
今年はW杯予選の真っ只中ということで、両国のメンバーは若手とかよく知らんやつとかばかり。パラグアイは大統領チラ様、ユーゴはピクシー様でかろうじて体面を保っている状態だ。
はっきりいって、これで優勝しなきゃアホだ。仮にもコンフェデレーションズ杯準優勝国ならば(まあ、あれも大概だが)。
日本代表の初戦は札幌ドーム。プロ野球、セ・リーグの札幌華生堂メッツの本拠地でもある。札幌も野球とサッカーのプロ・チームを持つようになったんですな・・・って、こっちはマンガの話だが。

9 柳沢
>13 山下
22 鈴木
>11中山
21 小野
>6 服部
8 森島
>7 藤本

20 波戸
5 稲本 18 戸田
>14 伊東
16 中田浩 4 森岡 3 松田
1 川口

スタメンは、初戦ということで奇をてらわないもの。注目のイロジャマこと広山公文式はベンチスタート。
パラグアイのスタメンにはサナブリアという名前が。去年湘南にいた奴か?彼についての言及は全くないので、どうかわからん。20番の奴(ガビラン)がプレミアリーグで活躍ということで注目!とか実況の奴が言っていたが、一人だけじゃん。それならオーストラリア代表のほうが凄いチームだ。
試合開始。まずは大統領ことチラ様が正確なロングキックで魅せる。が、パラグアイは中盤のプレス全くなし。日本が中盤でポンポンパスを回してゆく。そして15分、自陣から小野がロングフィード、これに上手く抜け出した柳沢が左の一撃、ゴール右に突き刺してあっさり先制した。札幌ドームのサッカーでのファースト・スコアラーは柳沢となった。
それからは実にまったりとした試合展開。日本が快調・小野や森島の活躍でボールを支配するが、得点は生まれず。そのまま前半が終了した。それにしても、パラグアイ、弱い。今年日本代表が対戦した中で圧倒的に一番の弱さだ。

後半開始。チラ様FK。しかしあっさりオフサイドに取られる。こっちも右サイドから小野FK。左に振って中田浩が狙うが、右足で蹴ったため大きくバウンド、失敗。しかし5分、左サイドから中に入ってきた小野が中央の森島へパス。森島がボールを受ける間に、小野は大きく回りこんで右へ。森島はその小野へ戻す。小野は帰ってきたボールをダイレクトでスルーパス!パラグアイDFラインを一瞬にして切り裂き、パスの先には柳沢!2−0、突き放す。
パラグアイは疲れてきたようだ。日本が押し込む。パラグアイは17番クエバスの個人伎で見せ場を作るが、しょせんは持ち過ぎ、チャンスを広げることはできない。チラのFKもまたオフサイド。日本はやりたい放題になってきたが、こういう時に点が取れない。そのうち、足を痛めた小野に代わって服部。これでパスを出す人間がいなくなった。試合は混戦へ。チラFK、川口キャッチ。ここで鈴木>中山。中山前線から激しいチェイス。うむ。中山こそ柳沢をはるかに上回る「超守備的FW」だ。切り返しも相変わらずデカくて、切り返した次の瞬間にはボールを失っている。まあ、それはともかく、中山のバックチャージにパラグアイ選手が倒れ、そのボールを取りに行った森島がパラグアイの7番ともつれて倒れ、不可抗力で踏んでしまう。起き上がった7番は森島を突き倒し、一発退場。さあ荒れてきたぞ。戸田にバックチャージ!負傷して伊東と交代。一人多くなったものの点は取れない。中山は桑原なみのチェイスを中盤で敢行中で実質柳沢の1トップだし、パッサーがいない。もうすぐロスタイムというところで森島に代わって偽中田英・藤本。代表初登場だ。ロスタイムにはヤナギ>ヤマの新旧13番チェンジ。藤本はこの時間帯では見せ場を作れまい、と思ったが、持ち味である「持ち過ぎ」を遺憾なく発揮して存在をアピール、ロスタイム4分を使い切って試合終了。勝った。

とはいっても、この程度の相手ならもっとギタギタにぶちのめせたはずだが、やはり大統領・チラ様に遠慮したのだろうか。
ダバちゃんは今日はおさげだった。


6月10日 コンフェデレーションズ杯・決勝
日本代表 0−1 フランス代表
得点者:
フランス=ヴィエラ(ルブーフ)

いよいよ決勝まで来ちゃった日本代表。ここまで来るとマジメに予想した者は、まあまともな人間ではないだろう。
普段なら燃えるところだが、でも、スタメンには上村も久保も名を連ねていない。特に久保だ。なんかいまいちノリきれん。
みなもと太郎の『風雲児たち』を寝っ転がって読んでいるうちに、試合開始。
やっと備後福山藩主・阿部正弘が老中になったねえ・・・お、ダバちゃん、今日もちょんまげっすか。

前半: 後半: 9 西澤
>11 中山
9 西澤 8 森島
21 小野
>19久保
8 森島
21 小野 18 戸田 14 伊東 20 波戸 >10三浦 18 戸田 14 伊東 20 波戸
5 稲本
>10三浦
16 中田浩 4 森岡 3 松田 16 中田浩 4 森岡 3 松田
1 川口 1 川口

フランスのスタメンは、
GKラメ、DFカランブー、ルブーフ、デサイー、リザラズ、MFヴィエラ、ピレス、ジョルカエフ、マルレ、ヴィルトール、FWアネルカ。
試合開始早々、右サイドを突破、波戸がボールを持つ。まだ中に誰もいないのにクロスを上げようとする。見えてねえ、こいつ!結局DFの足に当たって恥をさらさずにすんだが。
フランスの攻撃・・・フィジカルが強い。日本は1対1ではことごとく敗退、強引にちぎられてサイドを突破される。右サイドからカランブー、マルレ、左からはリザラズ、ヴィルトール、ピレスがガンガン上がってくる。日本も左サイドの小野からチャンスを作るものの、いかんせん単発で、中央の西澤はデサイー、ルブーフに完全に抑え込まれて沈黙、森島の飛び出ししか攻め手がない。そのうち、右サイドのハーフウェイライン付近からルブーフがゴール前にアーリークロス、これに中盤の底から爆発的ダッシュで疾風のように飛び出したヴィエラがラインを突破し、追いすがる松田をあざ笑うようにヘッド、ボールは飛び出した川口の頭上を越え、ぽんとバウンドしてゆっくりとゴールに吸い込まれた。いともあっけなくフランス先制。
それからもフランスが一方的に押し込み、そのまま前半終了。

こちらの攻撃に全く脅威がないのでは、一方的な攻勢にさらされるだけ。0−3くらいになるかなー、とか思っていたら、後半開始から稲本を下げ三浦投入、小野が一段上がる。
伊東を下げろよ、と思ったが。
しかし事態は好転せず。前線に一人では、どうしようもない。その中、選手交代の用意。久保だ!
ここから観戦モード。『風雲児たち』をほっぽり出し、画面に集中。でも小野交代は・・・西澤と代えてほしかった。

久保は投入早々インターセプトでプレイに絡む。基本的にフランスの最終ラインに張り付き、裏を狙う役を担うようだ。そして、右サイドに流れると、来たパスをセンターへリターン!これを西澤がスルー、その裏から森島が飛び出し、ゴール前へ迫る。久保はそのままゴール前へ走りつつ手を上げてボールを要求するが、森島は判断に一瞬躊躇してボールを奪われてしまった。
フランスもマルレ>ロベール、ジョルカエフ>カリエールと選手交代、前線を活性化させる。右にヴィルトール、左にロベールが張り付き日本の両サイドを圧迫したので、波戸と三浦が最終ラインに吸収されてしまった。トルシエは三浦に下がるなと再三指示を出すが、ヴィルトールに引きずられすぐに下がってしまう。中盤が薄くなり、フランスがゴール前に迫るも、川口の2連続セーブなどで防ぐ。日本もロングボールに久保がうまく最終ラインを破って突進するが、ボールが長くGKにキャッチされた。日本は最後のカード、中山を切る。フランスは右のヴィルトールから狙い済ましたグラウンダーのクロス!カリエールが飛び込むが、森岡と松田がうまく挟み込んでシュートは川口の懐に。

右サイドでボールキープした森島から裏へ飛び出した久保へタテパス!しかしオフサイドの判定。そーかあ!?
PA付近の久保へボールが入る。DFが足を出して高く舞い上がったボールに中山が食いつきヘッドで折り返し、ニアの森島がキープ、倒されるがノーホイッスル!
森島から右サイドの久保へ、久保がゴール前へダイレクトでリターンするも通らず!
しかし、やはりサイドが思いっきり引いた状態で、パッサーがいない状態ではフランスを崩せない。バテてきたフランスDFも、これには助けられた。
そしてホイッスル。日本、悔しいながらも堂々の準優勝。

しかし、もっとなんとかなった試合だった。ここをなんとかできるようになれば、もっと上のランクへと行けるだろう。
個人的には、三浦ではなく服部を入れてほしかった。


6月7日 コンフェデレーションズ杯・準決勝
日本代表 1−0 オーストラリア代表
得点者:
日本=中田英(FK)

FIFAめ、日本の試合を先に持ってくるとは、いまいましい奴らだぜ。仕事を終え、速攻で帰るとすでに前半終了。あ、1−0。誰?え、ヒデっすか。
壁の間をほとんどグラウンダーで抜くイーグルショット。うーむ、今日が終わったら帰るつもりだけあって、気合が入っている。
なんや、このFK与えたの、ポパのファウル(しかもイエロー)っすか?あれれ・・・

9 西澤
>8 森島
22 鈴木
21 小野
>6 服部
7 中田英
20 波戸
5 稲本 18 戸田
16 中田浩 4 森岡
>2 上村
3 松田
1 川口

スタメンの3バックは右から松田・森岡・中田浩だったが、前半21分に早くも森岡が負傷退場、上村が入って右CBに就き、松田が中央に回ってブラジル戦と同じ布陣となっている。
豪のスタメンは、GK1シュワーザー、DF2マスカット、3ムーア、6ポポヴィッチ、5T.ヴィドマー、MF4オコン、13ブレシアーノ、8ラザリディス、17コリカ、FW11ズドリリッチ、18チッパーフィールド。
それにしても、豪州代表来日のせいか雨も豪。雷も轟いてる。
日本サポの手作りの垂れ幕に、
「見せろ根情大和魂」
と書いてあった。アホか。もういっぺん小学校行ってこい。

後半スタート。オーストラリアはカウンターのチームと思っていたが、この雨の中でもパスを軽快につないで日本ゴールに迫る。1点ビハインドも、前半に撃ったシュートは日本の倍。これで前線にヴィドゥカとキューウェルが加わったら・・・かなり強力だ。コリカもよく動き回ってボールに絡む。その中、トルシエは早くも左サイドを服部に代え、守りを固める。ブラジル戦と同じ3バック・両サイドになり、中央には稲本と戸田が構える。これは堅いな・・・と思ったとたん、右サイドで波戸がスローインしようとしたときポパが倒れた。鈴木がどついてしまったようで、彼に向かってレッドカードが掲げられた。一発退場。ここでダーティFWの本性を表してしまったか・・・
一人多くなったオーストラリアはチッパーフィールド>9アロイーシ、ブレシアーノ>22ステリョフスキ、さらにズドリリッチ>21トンプソン@世界記録保持者と、前線を立て続けに3人交代、さらに攻勢に出る。

波戸のクロスはあらぬ方向へ。オーストラリアはとにかくこぼれ球をひろいまくってつないで上げて、を繰り返す。3バックが対応に奔走する。上村、今日も露出度高いぞ。いい感じだ。動きもブラジル戦よりさらに良くなっている。2回ほど顔面を蹴り上げられてぶっ倒れたが、このくらいで参るほどヤワではない。ダバディ、またツルテカちょんまげにしているぞ。どっちかに統一しろ。
トルシエは3枚目のカードをどうするか悩む。中山と明神がアップしていたが、森島もそれに加わった。前線で動き回らせるか、守りをさらに固めるか、中盤での支配率を上げるか・・・森島が出てきた、その瞬間戸田が倒されて負傷、フィールド外に出される。交代ストップ!だが間もなく復帰し、大事無いことを確認すると、森島が西澤に代わってピッチに入った。ヒデが1トップになり、森島が中盤から飛び出す役割を担う。それにしても西澤、ダメだなあ。

この交代で日本は息を吹き返した。キープ力のあるヒデがボールを持ち、森島の飛び出しを促す。さらに稲本が思い切って前線にオーバーラップするようになり、前掛かりになったオーストラリア守備陣にプレッシャーをかける。ヒデのドリブルからのループシュート(わずかに左)、ヒデ>稲本>中央フリー森島シュート(ふかし)、右サイドヒデからの絶妙クロスに裏に抜け出した森島のヘッド(叩きすぎてGKセーブ)と決定的チャンスを作れるようになった。それに耐えられずオーストラリアDFムーアが立て続けにイエローをもらって退場となる。
後半終了間際に10対10になり、日本はボールキープ、セーフティファーストを心がけ、ロスタイム3分を使い切る。日本ベンチが映るが、久保はヒマそうにみんなとは別のほうを見ていた。オーストラリア陣最後尾のポパでも見てたのか。そしてホイッスル。決勝進出!

上村はポパ、コリカと言葉をかわし、コリカとユニを交換していた。
さて次は・・・


6月4日 コンフェデレーションズ杯・グループリーグ
日本代表 0−0 ブラジル代表

A組ではフランスが1位、オーストラリアが2位ということで、この試合に勝つか引き分けると日本はB組1位となり準決勝でオーストラリアと、負けると2位でフランスと対戦することになる。今回のブラジルはまあ強かないし、大丈夫でないの?と思いつつ19時半。
VIP席にはベッケンバウアーやボビー・チャールトンにクラマーさん、スタンドにはピクシーご夫妻の姿も見える。フジの実況、「ストイチコフの姿も・・・」失敬な奴だ。

13 山下
>11 中山
22 鈴木
>8 森島
21 小野
>16 中田浩
7 中田英
20 波戸
17 明神 14 伊東
6 服部 3 松田 2 上村
23 都築

GKは思い切って都築。森岡・稲本・戸田を休ませ、センターバックには松田、上村、服部が並ぶ。上村と服部は怪我持ちゆえ、松田の責任は重大だ。FWには山下が初登場。
試合開始直後、フラット3が立て続けにブラジルのFW21ワシントンをオフサイドトラップにかける。彼の対面の上村は満足そうに笑っている。足の状態はカナダ戦よりはいいようだ・・・と思っていたら都築がキックミス、こぼれ球をFW7レアンドロにシュートされるが、これは外れた。こちらも反撃、右サイド波戸のグラウンダー>鈴木が落とし>山下走り込む(届かず)、明神>左サイドフリーの小野>ミドルシュート(サイドネット)と攻め立てる。その中、日本ゴール前の混戦から波戸が都築の手を蹴っ飛ばしてしまった。痛がる都築。波戸はスペイン戦でも上村の足を蹴って負傷退場させ、上村は今もその傷に苦しんでいるのだが、この日もやった。お前は味方クラッシャーか。

それはともかく、フラット3はブラジル攻撃陣をオフサイドの網にかけまくる。カナリアたちはがんじがらめ、ラインの裏へ飛び出せなくなってしまった。時々個人技からMF20ラモンの足トラップ>胸でリフト>オーバーヘッドキック(都築セーブ)などで攻めるが、ゴールを割れない。初の組み合わせとなるこのフラット3は、ラインコントロールに重きを置くせいかやや1対1の局面で不安定な面もあったが、個人勝負になるとけが人の関係でちょっとまずいのでこれでOKだ。日本も左サイドから中田英>山下とつないでシュートを放つなど、ほぼ互角の展開で前半を終了した。

後半、日本は先の2戦に出場している小野に代えて中田浩を投入し、彼をセンターバックに入れて服部を左サイドへ出す。前半、小野の裏のスペースを再三突いたゼ・マリア対策だ。さらに鈴木に代えて森島投入。後半になると守備陣もだんだん連携が取れてきた。山下に代えて中山を投入して前線をさらに活性化し、見事なコンビネーションから伊東のミドルシュートなども見せるが、ブラジルも選手を次々に入れ替え、前がかりに攻め込んでくる。疲れの出てきた日本は引き気味になり、時にはフラット5の見事なラインが出来上がることもあったが、5バックはスペイン戦で経験済み、何とか守りきっていく。ブラジルもオフサイドの幻影がちらつくのかラインの裏に飛び出すのを恐れ、飛び出してもシュートはあらぬ方向へ飛んでいく。
かくて、日本は控えメンバー主体でブラジルと引き分け。なんかこう書くと凄いことだなあ。
ともかく、ブラジルを抑えてグループリーグを堂々の1位で突破した。次の相手はフランスを破った堅守・オーストラリア。どう破る?
・・・後半がぞんざいなのは、3人目の交代選手が久保じゃなかった瞬間流しモードに入ったせい。
ダバディ、今日はちょんまげやめたんか、とかそんなことばっかり気にしてました。

後は久保と藤田を出してやれ、トルトルくん。でないと次は広島関係者の多いほうを応援するぞ。
今日はなんか上村がひんぱんにアップで映っていたのでよかった。次もやれ。


6月2日 コンフェデレーションズ杯・グループリーグ
日本代表 2−0 カメルーン代表
得点者:
日本=鈴木(中田浩)、鈴木(森島)

カメルーン代表、巷では「不屈のライオン」と呼ばれているが、今回は韓国での親善試合の際に盗みをはたらいて送還された野郎がいる、モラル低い集団だ。しかも中盤の重要プレイヤー、ラウレン・エタメ・マイヤーもなぜか来れないという、わけのわからんことになっている。初戦では1969相手にやっとこさ2−0のブラジルに同スコアで敗れ去り、個人技に気をつけりゃ何とかいけるんちゃう?エムボマとエトーに注意しときゃいいでしょ、って感じで19時半を迎える。

9 西澤
>11 中山
22 鈴木
21 小野
>6 服部
7 中田英
>8 森島
17 明神
5 稲本 18 戸田
16 中田浩 4 森岡 3 松田
1 川口

何と鈴木がスタメン。ブラジル戦を見据えて森島温存か?右サイドにはカメの左WBウォメ番として明神が入り、上村の代わりにフランス戦のPKプレゼンテーター松田が入る。
試合開始。日本代表は立ち上がりから早いチェックをかけ、そこから速攻を仕掛ける。稲本のカットから鈴木が左サイドを破り、狙いすましてセンタリング。西澤が合わせるが、この決定的チャンスを上へと外してしまった。やっぱり足はダメだなあ。
カメルーンもロングボールからエトーがヘッドで落とし、中田浩を振り切ってエムボマがダイビングヘッド!川口がセーブする。
攻め合いになりそうか、と思った5分、ボールを受けた中田浩がハーフウェイライン付近まで上がっていった。そして左足を一振り。ボールは逆サイドへ飛んでいく。カメルーンDFはみんな中央の西澤に集まってしまい、ボールの先の鈴木にはだれも付いていない。PA内でトラップした鈴木はそのまま右足を一閃!ニアに寄りすぎていたGKはファーに蹴り出されたシュートにさわれず、ボールは左サイドネットに突き刺さった。なんと早くも日本先制、しかもスコアラーは鈴木!鹿島では、いつも面白いように外すのに!青いユニのほうが相性いいのか!?

これで日本が波に乗る。左サイド小野から西澤ポスト、中田英シュート!小野のロングパス、グラウンダーのミドルがカメルーン守備陣を切り裂く。小野・中田浩・ヒデのパス交換から中央鈴木へパス、しかしGKキャッチ。カメルーンも反撃、日本のウィークポイント・右サイドを衝くが、森岡が的確なカバーを見せて危機を未然に防ぐ。松田がエムボマを倒して与えたFKも、壁で跳ね返す。だが体力にものを言わせるカメ達は前線に人数を集めると怒涛の攻撃を見せた。エトー、エムボマ、アルヌジらが立て続けにシュートを放つが、ことごとく川口がストップ。これに対抗して、日本も世界でちょっと名の通ったエリ西澤を完全にオトリにし、鈴木が1トップぎみに縦横無尽に動いてチャンスをつくる。確かに今のエリ君はそれくらいしか使い道がない。考えたなトルシエ。この「西澤オトリ作戦」が面白いように決まるが、カメたちも前半終了ごろにはかなり押し返してきた。

後半開始からカメたちが攻勢に出るが、日本も高い位置からのプレスでチャンスを作らせない。
ダバディのツルテカちょんまげは珍妙だなあと思いつつ、なんかこのまま行けそうだなあ、と思っていると、ヒデに代わって森島イン。おや。トップ下ですか?
さて中央で西澤がキープ。右サイドに森島が開く。どうやら3トップ気味になっているようだ。エリ、モリシにパス。弱い。カメDFカット。アホか。森島が追っかけるが、振り切られる。全く、役に立たん奴だ・・・と思ったとき、西澤がそれに猛然と襲いかかった。そしてもつれるように二人が倒れこむ。ノーホイッスル。森島がボールを拾った。そして中を見る。センタリング、これが飛び込んだDFの足に当たって高く跳ね上がる、ボールはニアに詰めていたDFの背後に飛び、落下点には鈴木、ヘッド!シュート自体は合わせただけのものだったが、GKは慌てたのかこれをキャッチミス、ボールは両手の間を抜けてゴールに飛び込んだ。普通パンチだろう。今日のGKは判断悪すぎ。ソンゴーならこうはいかなかったろうが・・・とにかく貴重な追加点、2−0!

西澤に代え中山隊長投入。前線に運動量のあるプレイヤーが3枚並んだ。これが間延びしたカメルーン陣を自由自在に蹂躙する。完全に個々が切り離されてしまったカメたちは、運動量とスピード、組織力の日本のまえになすすべがなくなってゆく。鈴木が稲本のインターセプトからのパスから、また森島のシュートのこぼれに詰めてハットトリックを狙うが、惜しくもボールに触れない。
最後は「まだ足が万全ではない」と強調された服部を入れて逃げ切り。それを言うなら上村もそうだが、そう言ってもらえないのが地方チーム出身の悲しさよ。
とにかく、2−0。今季イチバンの内容で完勝。相手がカメルーンということで、早い球離れ、ダイレクトプレイを心がけたのが大いに奏効したってところか。

ブラジルはカナダと引き分け、これによって日本のグループリーグ突破が決定。
さて、次のブラジル戦は全力で当たるのか、主力を温存して控え組を使うのか、トルちゃんの判断はいかに。
まあ、今回のブラジル弱いし〜、勝ってもあんまり自慢にならんから、久保と山下使ったりや。


5月31日 コンフェデレーションズ杯・グループリーグ
日本代表 3−0 カナダ代表
得点者:
日本=小野(FK)、西澤(森島)、森島(小野)

かつてインターコンチネンタル杯で(スウェーデン戦)ゴールを決めたことのある黒崎ヒサシが柿落としゴールを決めたここビッグスワンにご招待は、(強かったころの)浦和レッズを率いたホルガー・オジェックのカナダ代表。前日はピリピリしてオモシロ会見を行ったトルトルくん、今日のご機嫌はいかがだろうか。前にエメ・ジャッケと会談した際、
「アホなマスコミは怒らしとけ」
とでも言われたのだろうか。あの人も国内マスコミとはそーとー険悪だったらしいし。
それにしても、「タコです」なんて言ってる場合か、加茂(<CMより)。
スタメン発表。小野は左サイド。戸田がボランチに入る。スペイン戦に続き上村がCB。

後半: 11 中山 9 西澤
9 西澤 8 森島
7 中田英
>10三浦
8 森島
21 小野 7 中田英 14 伊東 21 小野 5 稲本 14 伊東
>17明神
5 稲本 18 戸田
16 中田浩 4 森岡 2 上村
>11 中山
16 中田浩 4 森岡 18 戸田
1 川口 1 川口

カナダはフォレストしかわからん。
試合開始。カナダはデカく、さらに速い。ダイナミックなロングパスを多用し、サイドから崩してセンタリング、ヘッドで狙う。日本はヒデを基点として速いパス回しで対抗、序盤は日本が押し込み、小野、西澤が立て続けにシュートを放って沸かせる。しかし徐々にカナダが盛り返し、日本の空いた両サイドを衝いて攻撃を仕掛ける。特に左サイド11番のスピードは脅威で、二人ぐらいは軽くちぎってクロスを上げてくる。対する上村はどうみてもコンディションが悪い。まるきり動けていない。スペイン戦以来の捻挫が影を落としているのだろう。Jレベルでは何とかなっても、この圧倒的フィジカルが相手ではさすがにつらい。トルシエも早速メンバーチェンジ、こちらも動けず前線でオタオタしているエリ西澤に増援を兼ねて中山隊長投入だ。
中山と西澤の2トップとなり、上村の位置には戸田が下がる。

しかし、これで事態は好転しなかった。サイドの薄さがそのままのところへ中盤が薄くなった・・・中盤からカナダのロングパスがサイドのフリー選手にバシバシと渡りはじめる。クロスがどんどん入り始める。カナダが完全に押し返し、日本は防戦一方に追い込まれるが、ここで前半が終了した。

後半、日本は下がることなく押し上げてきた。フラット3は高い位置を保ち、両サイドも引きすぎることなく攻撃でプレッシャーをかける。そして、中盤での素早いプレスからの速攻!稲本のパスに前線が反応、PA外の混戦から中山が倒され(というか、上手く倒れて)、FK奪取。ボールをセットしたのは背番号21、小野。最近良く動くようになった彼は、前半もいい動きを見せていたが、ここでどういうキックを見せるか。
右足一閃!鋭く蹴り出されたボールはジャンプした高い壁の上を越えると、急激に曲がってその勢いのままゴール左隅に突き刺さった。GKフォレストは一歩も動けず、日本先制!あまりにも芸術的なFKにビッグスワン激震。
さらに直後、中盤から長いパスが左サイドに出る。大きすぎる、そう思ったとき後方から中山隊長が猛然とそれに食らいつき、タッチライン際で追いついてキープ!そしてクロス!大きい、しかしファーに飛び込んだのは森島、ダイレクトで中央に折り返す、そこに待ち構えるのは西澤!動けないが、来たボールは逃さないとばかりに身を投げ出しながら頭を一振り、ボールをゴールに叩き込んだ。2−0!

これでカナダは明らかに動揺した。攻撃と守備が完全にちぐはぐになり、中盤ががら空きになった。前半に見せた鋭い攻撃も完全になりを潜め、日本が中盤を支配した。こうなると日本は強い。ヒデと小野がポジションチェンジを始める。森島はスペースへのランニングでカナダ守備陣を恐慌に陥れ、さらに何といってもゴン隊長!森島をも上回る運動量で至る所に顔を出し、キープにポストにスペースへのランニングに縦横無尽。カナダがそれに忙殺される最中、とどめの一撃が。
左サイドで小野がキープ。これを見て、西澤が中央にポジションを取る。すると隊長は一気にニアへとダッシュを開始した。これに気づいたカナダDFが対応に行くが、近くにいた二人がそろって向かってしまった。これを見た小野の魔法の足が一閃、ボールはファーに走りこんだ森島の足にピタリ。DFはみな隊長につられ、森島は完全フリー。GKとの1対1を落ち着いて制し、いつものように両手を広げて雄叫び。
これで完全に勝負あり。

フィジカルに勝る相手がサイド攻撃に徹してきた場合、どう勝つのか?昨年からの課題にひとまずの答えが出た。しかも名波、中村、高原を欠いての快勝。
しかも零封!フランス戦とスペイン戦は無駄ではなかった、ということか。


4月25日 国際親善試合
日本代表 0−1 スペイン代表
得点者:
スペイン=バラハ(ムニティス)

かつてウマイヤ朝の滅亡の際、アッバース朝の殺戮の手を逃れ、アラビアの地からはるかアル・アンダルス(イベリア半島)に単身辿り着いた公子アブドアッラフマーンが半島を切り従えて後ウマイヤ朝を打ち立てた際、都を定めたのがここコルドバ。われらが日本代表もはるばる空を飛んで欧州の西の果てまでやってきたが、ご当地スペイン代表をあっと言わせることができるか?試合の行われるアルカンヘル(アークエンジェル、つまり大天使)・スタジアムはやや水を含んでいるが、この前よりは状態はいい。
「この試合は守備重視で行く」
と、試合前から臆面もなく言ったトルシエは、それでも2人のニューフェイスをスタメンに組み込んできた。波戸と、上村だ。対人能力の高さを買われて選出された二人がそろって右サイドに起用される。スタメンが確実視されていた戸田が急性腸炎というアクシデントで、中盤の底・センターには稲本が急遽起用された。

19 高原
>9西澤
7 中田英
>13奥
10 名波
>12明神
5 稲本 15 伊東
>14鈴木
6 服部 20 波戸
16 中田浩 4 森岡 2 上村
>22中澤
1 川口

対するスペイン代表のメンバーは、
GK:1カニサレス
DF:2マヌエル・パブロ、5ナダル、8パコ、3セルジ
MF:4グアルディオラ、10イバン・エルゲラ、6メンディエタ、11ムニティス
FW:7ラウール、9サルバ
守備の要イエロは負傷のため欠場。他にも数人が欠け、メンバー交代要員ぎりぎり(GK1人、フィールドプレイヤー6人まで交代可能)しかいないが、カマーチョ監督は、「みんな使うだけのことだ」と余裕のコメント。

さて、試合開始。上村、いきなり水を含んだピッチで滑り、勢い余ってサルバをぶっ倒してファウル。まずは目立っとこうという算段か。やや遠目からグアルディオラが狙ったFKは外れる。
守備的に行くといっても、攻めるときは攻める。高原のボールキープから名波に戻し、名波から左サイドを駆け上がる服部へ絶妙のパスが出る。服部のセンタリングは大きすぎたが、逆サイドから上がってきた波戸がこれを拾い中央へ。走り込んだ稲本がミドルで狙うが、豪快に宇宙開発した。スペインも負けていない。ムニティスのパスからラウールの左足ボレー!これは川口が正面で止めた。上村は今度は深いとこから相手にパス。ヤバいプレイが続くが、何とか事なきを得る。今日はついているようだ。日本反撃。ヒデが倒されて得た左サイドFK、名波がクロスを入れる。高原が競り勝つ!中央に走り込んでいた上村は届かない、だがファーの波戸がこれに食らいついてシュート、カニサレスが防ぐ!今度はムニティスが左サイドを突破、しかし波戸が冷静に対応、CKへ。メンディエタのCKをイバン・エルゲラがヘッド、川口セーブ!日本、ヒデから稲本につなぎ、稲本が波戸にナイスパス、そのまま抜け出した波戸がサイドを破り、セルジに倒されFK!しかしヒデのFKは壁に当たる。カニサレスのキックをサルバがつなぎ、ラウールがミドルシュート、外れる。

このあたりからスペインにエンジンがかかってきた。前線の選手が縦横無尽に動き回り始める。特にラウールはサルバの後方で自在に動き、次々にシュートを放ってゆく。
メンディエタが名波に倒されFK。ラウールのFKは右に外れる。マヌエル・パブロのクロスをイバン・エルゲラがヘッド、川口セーブ!またもスペイン右からのセンタリングをファーのサルバが折り返し、ラウールシュート!川口セーブ!さらにラウール、ループシュート!川口またしても防ぐ!川口、サウジ戦を思わすファインセーブの嵐だ。と思ったら、サウジ戦以来の出場じゃないか。
カマーチョ監督、早くも選手交代。エルゲラに代わってバラハ。
ペースはスペイン。再びスペイン右からのクロスにファーのサルバがゴールラインぎりぎりで足を出して折り返し、日本DFがバウンドを合わせそこないルーズボールになるところをラウール!これは上へ外れた。日本は稲本がロングシュートを放つが、これが前半最後のシュートになった。前半終了間際には交代出場のバラハがミドルシュートを放ったが、これも川口が防ぎ、前半は0−0で折り返した。守備的布陣のおかげもあるが、みんな集中力高く守っている。
ロッカールームへ引き揚げる途中、ヒデが上村、森岡といろいろ話し合っていた。

後半、スペインは大幅に入れ替えてきた。ラウールをもう下げてホセ・マリを投入。メンディエタに代えてビセンテ、ナダルに代えてテジェス。0−0のイーブンにもかかわらず、主力をあっさり外してしまった。
「おいおい、早くも言い訳作りか、カマーチョさんよう」
と思っていたら、スペイン右からのクロスに競った二人がブラインドになり、落ちてきたボールが上村の頭に。とっさに頭を振ってゴールライン外に出したが、あわやオウンゴール。上村、いつもながらスリリングな男だ。
バラハのクロスにホセ・マリがあわせるが、川口はキャッチ。このあたりからスペインにパスミスが多くなる。主力が外れたこともあるのだろうが、イライラが募ってきたか?
上村がロングパス。これが上手い具合にオーバーラップした波戸に渡った。波戸はそのまま一気に切り込むとミドルシュート!GKが防ぐ。今度はスペインの速攻、ロングボールにホセ・マリが抜け出す、すると出ました川口無謀な飛び出し!PAから頭を投げ出す!ホセ・マリ、ループ!しかしボールはゴール上へ。助かった。それにしても今日は川口オン・ステージ。
またも上村がサイドを変えるロングパスを成功させる。これを受けた高原がミドルシュートもゴールならず。次いでヒデから上がる波戸へ絶妙なパス。波戸のクロスに伊東がボレーシュート!しかしDFに当たる。
ここでスペイン、マヌエル・パブロに代えてプジョル。ここまでのボール支配率、日本は31パーセント。トルシエの言ったとおりの展開だ。

ホセ・マリがオフサイド。ボールは日本ゴールへ転がってゆく。これをセーブしようとした川口が飛び出してキャッチ・・・ファンブル。そしてお手玉、PAの外で触ってしまった。ビックリして手を引っ込める川口。でもプレイが切れた後なのでもちろんお咎めなし。トルシエこれを見て苦笑い。日本の守備は磐石で、ゴールの予感をあまり感じさせない。34分、足のつった名波に代え明神。スペインはGKをカシージャスに交代、さらにグアルディオラに代えて西澤のチームメイト・セルヒオ投入、これでベンチ入りのすべての選手を使い切った。日本も高原に代えて西澤を、ヒデに代えて奥を投入、中盤をリフレッシュさせる。個人的には久保を入れて2トップにしてほしかったが・・・40分過ぎ、足を痛めた上村に代わって中澤が入る。そしてロスタイム、表示は5分だ。そして2分が経とうとしたころ・・・
中田浩のパスがカットされる。そして後半から右サイドに回ったムニティスへ。ムニティスはラインの裏に鋭いパスを送った。中盤の底から駆け上がったバラハがスペースに走り込むが、ラインを押し上げた森岡がばっと手を上げる。オフサイド・・・?いや、中澤が上がり損ねた。バラハが強烈なシュート!川口のセーブも及ばず、ボールはゴール左隅に突き刺さった。ついにスペインが先制!日本守りきれず!
ロスタイム終了間際に鈴木が投入されるも、まあ特にすることはなく、ほどなくホイッスル。0−1で敗れた。

いくら守備的にやっても0−3くらいだろうな、と思っていたので、思ったよりやるじゃん、という感想。
上村は結構ぎこちなかったが、結果を残したといえるだろう。波戸は攻守に計算できるプレイヤーとして今後も使えるめどが立ち、大きな収穫となった。
世界のトップに攻撃的に当たって0−5、守備的に臨んで0−1。次からは攻守のバランスをとることを主眼に置くと思う。守りつつも、いかに点をとってゆくか。守備だけならトルシエにした意味がないゆえ・・・この日は実質2人(しかも一人ずつ。鈴木はいくらなんでも評価対象外)しか使われなかったFWはどうするのか、果たして・・・?


3月24日 国際親善試合
日本代表 0−5 フランス代表
得点者:
フランス=ジダン(PK)、アンリ(ピレス)、ヴィルトール(シルヴェストル)、トレゼゲ(ヴィルトール)、トレゼゲ(ミクー)


やってきました、パリ郊外のサンドニはスタッド・ドゥ・フランス。フランスW杯の決勝戦会場だ。PSGの岬くんも見てるか?

前半: 9西澤 後半: 9西澤
>17城
19高原
7中田英 7中田英
14中村
>11三浦
12明神
>19高原
11三浦 15伊東
10名波 6稲本 15伊東 10名波 6稲本
>8望月
6服部 3松田 4森岡 6服部
>16中田浩
3松田 4森岡
>2中澤
18楢崎 18楢崎

対するフランスのメンバーは、
GKラメ、
DFリザラズ、ルブーフ、デサイー、カンデラ
MFプティ、ラムジ、ジダン、ピレス、デュガリー
FWアンリ
テュラムらはいないが、万全の布陣。
日本は1トップだが、ヒデが実質FWの位置まで上がってくる。

ピッチは直前までの大雨の影響で非常にスリッピー。
立ち上がりから仏ペース。仏はご挨拶代わりにロングパス一発からのアンリのシュート。次いで9分、ピレスがPA内でのボールキープから切り返してタテへ。これを松田が抱きついて引き止めPK、これをジダンが確実に決めて仏がごくあっさりと先制した。さらに14分、右サイドを駆け上がるピレスから前を走るアンリへ絶妙のパス。アンリのシュートは楢崎がストップ・・・と思ったが、濡れたピッチのせいかボールはそのわきの下をスルリ。仏、2−0と突き放す。

立ち上がりにカウンターパンチを食らってぶっ倒れたボクサーよろしく、日本は押し込まれる。左に開いたプティのクロスにデュガリーがニアに飛び込んでダイビングヘッド!楢崎股間セーブ!アンリがジダンとのワンツーから抜け出しクロス、ピレスシュート!もわずかに届かず空振り。ジダンの右FKをファーのデュガリーが折り返してアンリ!右へ外れる。うはあ、こりゃ大変だあ!しかしここ一番では中田ヒデ。ロングボールに抜け出した西澤がルブーフと交錯、そのこぼれダマをPA外から強烈なミドル!シュートは惜しくもバー右上スミを叩いた。とはいえ仏ペースは変わらず、ジダンの変幻自在のパス、ドリブルが日本を翻弄。ワンツーをから自らシュートを見せる場面も。日本も前半終了間際に、左サイド服部の縦パスに反応した名波が一人かわしてサイド突破、マイナスの強いグラウンダーの折り返し、そこへヒデ!しかしタイミングがわずかにずれシュートならず。後ろにもう一人いれば・・・前半はそのまま0−2。

後半、日本は全く機能していなかった俊輔に代え三浦、明神に代え高原、純正2トップにして攻撃に転じる。
仏も前半35分のルブーフ>シルヴェストルに続き、プティ>ヴィエラ。
9分にはデュガリー>ヴィルトール、アンリ>トレゼゲと余裕の交代。でも交代で出てくる選手も凄いや。
仏の攻撃は止まらない。ジダンのクロスからアンリ!中央アンリのパスから左を突破したデュガリーのシュート!こっちもヒデがドリブルシュートを撃つ(GKセーブ!)が、いかんせん孤軍奮闘。後半11分、ジダンの右CKをファーのシルベストルが折り返し、ニアのヴィルトールが頭で押し込んで3点目を入れた。
こうなるともうどうにもならない。ピレス>ミクーの交代があったあとの18分、右サイドヴィルトールからのスルーパスに中央抜け出したトレゼゲが追いすがる松田をかわしてゴール。24分は圧巻。三浦の右CKのクリアを拾った服部が再び三浦へロングパスしたところ、これを寸前でジダンがカット、すぐさま左ライン際にいたヴィルトールへロングパス。無人の左サイドを駆け抜けたヴィルトールは中央から上がるミクーへクロス。ボールを受けたミクーはチェックに来る2人のディフェンスをあざ笑うようにさらに右へ。そこにはトレゼゲがフリーで駆け上がっていた。もういっちょゴール、これ以上ないくらいの完璧カウンターで0−5。
もう日本でまともに戦っているのはヒデだけという状況だ。

このゴールをうけてトルシエ動く。西澤>城、稲本>望月。さらに、もう前線はみんな代えちゃったからDF代えちゃえ〜と、左右のセンターバックを中田浩、中澤に代えるというオモシロ交代でなんとかそれ以上の失点を防ぎ、0−5でゲーム終了。
ちなみにフランス最後の交代はリザラズ>カランブー、彼が右に入ってカンデラが左に回った。
とにかく、この日のフランスに勝てる要素は何一つなかった。まあヒデのシュートがすべて決まっていればわからなかったが・・・
今までのやり方で世界トップクラスと戦ったらこうなるということがわかったことでOKでしょ。

「仏の顔もサンドニまで」(@めおとフーリガン工房)たあ、よく言ったもんだぜ、熊さんよ。
そうだな八つぁん。


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