この日の丸の輝きを恐れぬのなら、かかってこい!


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12月20日 キリンビバレッジサッカー

日本代表 1−1 韓国代表
得点:
日本=服部(柳沢)
韓国=アン・ジョンファン(−)

スタメン〜 最終形:
13 柳沢 21 北嶋
>9 中山
13 柳沢 9 中山
18 小野
>15 奥
7 本山 15 奥
14 中村
>16 中田
10 名波 5 伊東 8 明神
>17 酒井
10 名波 5 伊東
6 服部 3 松田 4 森岡
>7 本山
16 中田 6 服部 3 松田 17 酒井
20 楢崎 20 楢崎


アジアカップでの前線のトライアングル・プレイヤーズは今回は不在、どういう選手起用をしてくるかと思ったが、ヤナギ・北嶋・小野の若いトリオで組んできた。負傷辞退の稲本に代わって召集された伊東テルが入っている他は、おなじみの面々だ。韓国は、FWにはペルージャからアン・ジョンファンを呼び戻してチェ・ヨンスと組ませ、トップ下に天才イ・チョンス、ボランチはイ・ウルヨンとここにホン・ミョンボ、右に機関車チェ・ソンヨン、左にイ・ヨンピョ、3バックはカン・チョル、キム・サンシク、イ・ミンソン、そしてGKはキム・ビョンジ。長髪でおなじみのアン・ジョンファンとキム・ビョンジはばっさりとカットしていた。

試合開始から日本のペース。名波・俊輔・小野のパス回しで中盤を制圧、ゴールに迫る。名波の絶妙のクロスに上がってきた松田がヘッドであわせようとするが、おしくもヒットせず。柳沢も妙に積極的だが、おかげで北嶋が浮いてしまう展開。はやいパス回しにもついていけず、ゴール前でもボールがこない。ボールを受けに行って後ろへ返す、しかすることがなくなった。

それでも日本のペースだったのだが、先制はまさかの韓国。ロングボールを胸でトラップしたアン・ジョンファン、森岡を背負ってボールキープ、と見るやいきなりターンしてゴールに向かった。ついていこうとした森岡を振り払い、向かってくる服部を巧みな身のこなしで一瞬足止めさせ、空いたシュートコースに強烈なミドルを叩き込んだ。楢崎が跳ぶが及ばず、ゴールネットが揺れる。

しかしペースは依然日本、反撃に入る。柳沢が積極的に飛び出し、中盤からドリブルで一気に突破、PA内で倒されPKを得る。今までと違うぞ。PKも蹴るみたいだ。助走を取って、キック!その時にはGKキム・ビョンジはすでに右へ跳んでいた。柳沢のキックは、枠へは転がったもののどう見てもインサイドかかりすぎのダフリ、あっさりとはじかれてしまった。やはりシュートでびびってしまったのか?やっぱり人はそう簡単には変われないね!

ヤナギくんはまたしても小野のパスから突破、ファウルを受けてキム・サンシクを退場に追い込む。俊輔のFKは壁に当たりゴールならず。10人になった韓国はホン・ミョンボをリベロに下げ、チェ・ヨンスをパク・チソンに交代し、アン・ジョンファンの1トップに。守りに入った韓国は堅い。フィジカルに強いイ・ミンソンとカン・チョルが2トップを抑え、ホン・ミョンボが絶妙のカバーリングを見せて日本の攻撃を封じ、互角の展開に持ち込んだ。日本は左サイド俊輔のセンタリングのこぼれ球を、逆サイド明神が豪快なミドルで狙ったが、惜しくもゴールポストをかすめるように外れてしまった。そして、前半終了間際にはチェ・ソンヨンの突破を防ごうとした俊輔が、カバーに来た服部と三人でもつれた際に二人の足で左足を挟まれ、そのままの状態で体を捻るように倒されてしまった。フィールドに倒れ、尋常でない苦しみ方を見せる俊輔。傍目に見てもかなりまずそうだ。即刻バツが出され、そのまま病院へと運ばれた。前半はそのまま終了。

後半、日本は北嶋に代え中山、小野に代え奥、俊輔に代え中田浩二。中田は3バックの左に入り、服部が俊輔の位置に入った。キタジはあまり目立てなかった。小野はパスは出したが、あの位置ではシュートも撃たないとダメ。さてどうなるかと思ったが、奥はやはりモリシに比べれば数段劣る。モリシは分身してんのかと思うくらいボールに絡むが、奥はどこにいるのかわからない。トップ下が流れに出てこないと、攻撃の形が作れない。後半2分にはまたもアンにミドルを撃たれるなど、互角のまま試合が続いていく。
しかし11分、右サイドのパス交換から抜け出したヤナギがセンタリング、これを逆サイドにいた服部がヘッドで合わせた。GKの上を狙ったボールは、あやまたずキムの手の上を通過し、ゴールに飛び込んだ。1−1、同点!
これで、少なくとも負けは考えられない状況になった。韓国はよく守ってはいるが、攻撃はまったく脅威がない。あとは日本が逆転するか、韓国が守り切るか、という勝負になる。韓国はイ・チョンスを下げパク・ソンベを、アン・ジョンファンに代えユン・ジョンファンを投入。日本は大活躍の明神に代えて代表デビューの酒井を投入、さらに森岡を下げて本山を入れ、4−4−2とする。とりあえず負けはなさそうなこの状況、テストに使うつもりらしい。

左サイドのCK、蹴るのは本山。大きく外れたボールは逆サイドへ、おなじみのパターンで狙うのは酒井!強烈なダイレクトボレーがゴールを襲う。しかし、眼前でワンバウンドしたこの至難の球を、キム・ビョンジはしっかりとキャッチしてしまった。スーパーセーブ!

その後は日本がボールを支配して攻め込むが、ホン・ミョンボを中心とした韓国ディフェンス陣はこれをがっちりと受け止める。危険な匂いを漂わす中山にはホンがきっちりとマーク。後半40分を前にしてチェ・ソンヨンに代えてユ・サンチョルを入れ、最後のひと頑張り。そしてついに韓国が1−1のドローで逃げ切った。

ちょっとアクシデントが重なって予想外の展開となったが、アジアカップ控え組にはもう少しアピールが欲しかった気もする。とくにトップ下。もっとガンガンシュート撃てっちゅうねん。ヒデが帰ってきたらあんさんらお払い箱や。


アジアカップ表彰選手:

ベストDF:森岡隆三(日本)
MVP:名波浩(日本)
得点王:イ・ドングク(韓国)=6ゴール

ベストイレブン:

中村
(日本)
ムバラク
(クウェート)
名波
(日本)
イ・ドングク
(韓国)
江 津
(中国)
ホン・ミョンボ
(韓国)
アッバース・ジャシム
(イラク)
ハラウィ
(サウジアラビア)
バゲリ
(イラン)
高原
(日本)
テミヤート
(サウジアラビア)

10月29日 アジアカップ・決勝

日本代表 1−0 サウジアラビア代表
得点:
日本=望月(中村FK)

目が覚めたら1時50分すぎだった。いかん、寝過ごした。
急いでTVをつけたら、いきなり森岡・望月が相手ともつれてPK。うひゃー。
と思ったら、キッカーのファラータは左へ外してしまった。

稲本の負傷で明神が中央に回り、右に望月が入っているが、バランス的に
問題はない。大一番の起用に望月のモチベーションは上々で、先ほどの
PKイエローはご愛敬として、攻撃にも積極的に絡んで行く。
俊輔−高原ダイレクトクロス−森島ヘッド、西澤スルーパス−高原シュート、と
立て続けにチャンスをむかえる日本が主導権を握って行く。サウジは、守備の要の
3ハラウィが足を痛めて動きが悪く、日本がこれに乗じて押し込んでいった。
そして29分、左サイドのFK。蹴るのはもちろん俊輔。鋭いボールが曲がりながら
ゴール前へ飛んで行く。まず高原が跳ぶ、次いで西澤、しかし、ボールはその上を
越えていった。曲がり落ちるボールはゴール正面へ、そこにファーから背番号8、
望月がフリーで走り込んでくる。そして、見事にダイレクトで合わせた。さしもの
デアイエも反応しきれず、ボールがネットを揺らす。外しつづけて幾星霜、やっとこさの
代表初ゴールは貴重な貴重な先制点となった。
9 西澤 29 高原
>13柳沢
>15奥
12 森島
>30 小野
24 中村 10 名波 8 望月
24 明神
6 服部 3 松田 4 森岡
1 川口


それからも日本の攻めは続き、森島の折り返しから俊輔が左足で強烈な一撃を放ったりした。しかしサウジも黙ってはいない。40分を過ぎてからジャバーのFK、そしてドリブル突破で日本をひやりとさせる。そして、前半終了。

後半、サウジは怪我のDFハラウィを外してDF4ズブロマウィを投入、さらにPK失敗のFW19ファラータに代えて、秘密兵器の19歳、20シャルフーブを入れてきた。彼は左の攻撃的MFに入り、その位置にいた29メシャルがジャバーと共にトップに入る。そして、後半開始から怒涛の攻めを展開する。
シャルフーブの左足シュートは右へ外れる。テミヤートが続く。ジャバーのFKを中央でシェヘリがシュート。森岡のイエローで得たFKをメシャルが左で狙う。そしてシャルフーブが左サイドからクロス・・・川口は飛び出しかける。しかしその弾道はアウトフロントにかけたシュートだった。逆を取られた川口、必死に後ろへ跳んで手を伸ばす。その手がボールをゴールへの軌道からはじき出した。
右サイドバック12アハメド・ドーキから中央フリーのシャルフーブへドンピシャのクロス、これを鮮やかにヘッド!だが川口が横っ飛びでものの見事にキャッチする。
日本も西澤のミドルシュート、ショートコーナーからの俊輔のシュートで反撃するが、サウジの攻めは止まらない。アハメド・ドーキのクロスをジャバーがヘッド、上に外れる。PA外正面から18テミヤートのミドルシュート!ワンバウンドしてゴールを襲ったボールを、またしても川口が押さえた。

サウジの攻勢に名波も守備に回ったことで、ちょうどカタール戦前半のような展開になった。高原も疲れたようで、前線でのキープができなくなる。パスがこないので森島も消えてしまう。そこで80分、柳沢投入。前線でキープしてほしい・・・そして、セットプレーから彼の前にボールが転がってきた。目の前はゴール。シュート・・・・!と思ったとたん、彼はなんとスルーしてしまった。後ろには誰もいない。それどころかサウジの選手の足元に転がり、一気に川口のところまでカウンターで持っていかれてしまった。前線でのポストもうまくいかない・・・奥と小野がアップする。89分、森島に代わって小野。そして、何と柳沢に代わって奥。わずか8分で交代させられてしまった。奥がトップ下に入り、小野が前線に入った。ロスタイムは5分。
さすがに、このあたりになるとさしものサウジも攻め疲れてしまい、プレッシャーがかからなくなってきた。日本はボールを回してサイドに逃げ、キープで時間稼ぎに入る。川口もキックをサイドに大きく入れる。そして、ロスタイムは日本がボールを支配して、5分が経過した。
ホイッスルが鳴り、日本が2大会ぶり2度目の優勝を決めた。

いやー、後半のああいう時には中田英がいれば、敵もああは攻められないでしょうに。でも、勝てばよし!


10月26日 アジアカップ・準決勝

日本代表 3−2 中国代表
得点:
日本=OG(范志毅)、西澤(−)、明神(西澤)
中国=祁宏(宿茂臻)、楊晨(−)

10月26日は、日本代表にとってはあんまり縁起の良くない日だ。
BS解説の原さんにも苦い思い出があるそうだから、けっこう根が深い。
今回は、中一日という高校サッカーみたいな条件でゲームに臨むことになった。
相手は、智将、というか歳をとって狸風にクセ者然としたボラさんの中国。

試合開始から中国が中盤で激しいプレスを仕掛けてくる。中国の中盤は
ディフェンスラインと同じくフラット4で、FWとも連携して組織的な追い込みをかけて
ワイドな展開を防ぎ、ボールを奪うや右サイドの李明・陳剛に開いて突破をはかる。
一進一退の緊迫した展開が続く中、DFラインから飛び出した松田がボールカット、
左フリーの俊輔に開く。俊輔はファーサイドに流れる高原めがけ、鋭いクロスを放った。
9 西澤
>13 柳沢
29 高原
12 森島
>15 奥
14 中村 10 名波 24 明神
17稲本
6 服部 3 松田 4 森岡
1 川口

高原は右に流れながらクロスボールをダイレクトで中央に折り返す。それに合わせようとする森島と、これを防ごうとする范志毅が並んで中央へ駆け込んできた。范志毅は足を上げて森島のヘッド寸前でボールを足に当てる。が、これがジャストミートしてしまった。ボールは鋭くゴールネットに突き刺さり、21分日本先制。ボラさん渋面。

勢いづく日本が追加点をめざして押し込む。しかし中国も次第に落ち着きを取り戻し、中盤のプレスから速攻を仕掛ける。そして30分、左サイド申思−李鉄とつないでクロス、ファーサイドで待ち構える長身の宿茂臻がヘッドで折り返し、中央走り込んだ祁宏が川口の股間を破るスライディングシュート。同じような展開で中国が同点に追いついた。ボラ大喜び。
ここから中国ペース。サイドチェンジが出来なくなった日本を網にかけるように囲い込んでボールを奪い、素早く展開してどんどん日本ゴールに迫る。パスカットから宿茂臻が稲本を引きずってドリブル、楊晨にパス。楊晨がこれを受けて強烈なシュート!ボールはバーをかすめて飛んでいった。また祁宏がスペースにボールをもらってドリブル開始、稲本がこれを後ろから倒してイエロー、累積2枚目で次の試合には出場停止となってしまった。稲本はその後インターセプトからのドリブルで李鉄のイエローを誘ったが、雰囲気は芳しくなく前半を終えた。最後の西澤のシュートはやや期待を持たせたが。

後半立ち上がり、日本に痛いミス。右サイドの明神がバックパス。しかしこれがハーフウェイラインまで戻ってきていた楊晨の足元へ入ってしまった。楊晨はすぐさま反転してゴールへ向かう。目の前はGKと追いすがる3バックのみ。松田が楊晨につくが、彼は委細かまわず突き進む。そしてPAに侵入するや強烈なシュートを放った。松田はここでブロックを意図していたかもしれないが、ボールはその足をかすめて軌道を変え、川口の逆を突いてゴールに飛び込んだ。後半4分、1−2。日本がこの大会初めて追いつかれ、逆転された。
日本ベンチでは望月のアップを始める。ミスした明神交代か?

しかし日本は挫けなかった。前半とはうってかわって早目早目にFWにボールを入れていく。特に高原が動き回って積極的に仕掛けていった。そして彼へのファウルでFKのチャンスが次々に生まれる。
後半8分、西澤が倒され中央でFKを得る。キッカーはもちろん俊輔。直接狙える距離だ。ゆっくりとした独特のフォームから強烈なシュートが放たれた。枠を捉えたボールを、196cmを誇るGK江津がいっぱいに手を伸ばして指先で触り、軌道を変える。ボールはバーのやや下面に当たってはね返った。ボールは再びゴール前へ落ちる。そこに背番号9が弾丸のごとく頭から突っ込んできた。弾き返されたボールはゴール左隅に叩き込まれる。同点!この早い時間の同点劇に日本の意気は上がる。ベンチは望月を引っ込めた。

このゴールが効いたか、プレス疲れか、後半10分過ぎから中国の出足が鈍ってきた。こうなってくると日本のボールが俄然回り出す。俊輔は再びFKからポストをかすめる低いライナーのシュートを放って中国の心胆を寒からしめた。高原はDFからのロングボールをシュートまでつなげた。そして後半16分。
FKを直接キャッチした川口が服部へ渡す。服部は左サイドフリーの俊輔へ。俊輔は名波に渡し、名波は縦にボールを出した。これを受けた森島は反転して中央へ向かいながらボールキープ、3人を引き付けて西澤に入れた。西澤はトラップしてやや戻り、振り向くや、右に開いて前に走り出していた高原にパス。高原はこれを後ろへ落とし、そこには右サイドから猛然と斜めに駆け上がってきた明神がいた。彼のキックが左サイドネットを揺らす。3−2、逆転!!川口から明神まで(八人)の間、一度も中国にボールを触れさせることはなかった。

中国は申思に代えて馬明宇を投入、さらに右のMF李明に代えてFW曲聖卿を入れて前線の枚数を増やす。最後に宿茂臻に代えてFW謝暉を送り出したが、得点は取れない。逆に日本が惜しいチャンスを作り出す。ここは高原と森島がお見合いをしてしまったのだが。日本は傷んだ西澤に代えて柳沢を、疲れた森島に代えて奥を送り込んだ。
試合終了間際、中国が立て続けに好機を作り、最後には祁宏が飛び出した川口と競り勝ってヘッドを放ったが、ボールは枠を外れ、みずからは川口の頭が入ってKO。このインジュアリータイムが入ったにしてはやや短いロスタイムが終わり、日本が決勝進出を決めた。

感想:俊輔がもらったSANYO製品は、あの大きさからするとラジカセか?



10月24日 アジアカップ・準々決勝

日本代表 4−1 イラク代表
得点:
日本=名波(中村FK)、高原(森島)、名波(−)、明神(西澤)
イラク=アッバース・ジャシム(−)

スタメン: 最終形:
9 西澤 29 高原 9 西澤 29 高原
12 森島
>15奥
30 小野 15 奥
14 中村
>30 小野
10 名波 24 明神 10 名波 8 望月
17 稲本
>8 望月
24 明神
6 服部 4 森岡 22 中澤 6 服部 4 森岡 22 中澤
1 川口 1 川口


「アジアカップが終わったら日本を離れる」のトルシエ発言が物議をかもす中、準々決勝スタート。ベストメンバーをそろえた日本に対し、イラクはカタール戦を参考にしたか、試合開始から激しいチェックをしかけ、素早く日本の左サイドを突いてくる。そしていきなり、日本のミスから左サイドを破りセンタリング。森岡がヘッドでクリアしたが、それが小さく、ボールはPA内に詰めてきたイラクの10番、アッバース・ジャシムの前へ。これを豪快に蹴り込んで、5分足らずでイラクが先制した。

まずい・・・と思ったが、日本イレブンは冷静そのもの。何事もなかったようにゲームを構築する。そして7分、高原が右サイドで倒されてFKを得た。蹴るのは俊輔。ゴール前に両軍の選手が密集する。
「名波がフリーですよ」
と、BS解説の原さん。瞬間、俊輔が左足を軽く振った。ボールはゴール前でなく真横にふわりと飛んでいく。ファーサイド、名波が後ろから走り込む。そして左足を一閃!ボールはゴールへ一直線、GKの手をはじいて鮮やかに突き刺さった。同点!
次いで11分、森島が中央からドリブル突破。右へ抜けながらシュートを撃ち、いったんはDFに当たってはねかえったもののそれを拾い、すかさず目の前のDFの股下を通して中央にグラウンダーパス、そこへ背番号29が疾風のように飛び込んできた。ボールはGKの脇を破ってゴール左に転がり込み、あっという間に試合は引っくり返った。
こうなると完全に日本ペース。フィールドを縦横無尽に駆け巡る森島、ゲームを指揮する名波、彼とポジションチェンジしながらドリブル・パスを繰り出す俊輔、右サイドを制圧し、なおかつ鋭い攻め上がりを見せる明神、ベストではないものの確実な守備を見せる稲本。イラクの攻め手は摘み取られ、ボールが出ればオフサイド。守備陣は日本の攻撃を捕まえきれず(とくに森島を止めることができない)、防戦一方。監督が代わったばかりで戦術が徹底されていないことがこれに拍車を掛けた。スイーパーを代えて前線の選手を投入するも、全く効果がない。

そして28分、ゴール前の混戦からのこぼれ球が名波の前へ。DFの寄せが遅れた。GKも前へ飛び出している。名波は小さい振りからループを放った。ボールは、シュートを防ごうとしたDFの背中に当たり、さらに高く跳ね上がる。そして、GKのはるか上を越え、おりしも雨上がりの空に懸かる虹のごとき美しいアーチを描いてゴールに飛び込んだ。3−1。

後半、イラクは全力で攻めに入った。そしてうまく抜け出したアッバース・ジャシムがゴール正面右から決定的なシュートを放ったが、ここで川口が横っ飛び右手一本でスーパーセーブ。相変わらずちょっと不安定ながら、こういう所は強い。そしてイラクの攻勢をしのぐと、再び日本が押し込んでいった。
62分、左サイドを名波がドリブルで突破する。そして中央へ折り返した。西澤がそれを後方から上がってきた明神へ落とす。なんで右サイドの彼が中央後方にいたのかわからないが、とにかく彼は見事なフォームで右足を振りぬいた。弾丸のようなボールがゴールを射抜き、4−1。3点差、勝負は決した。

これで楽になった日本はすぐに風邪上がり(およびイエロー1枚持ち)の稲本を下げて望月を投入、明神を中央に移す。さらに森島に代え奥。最後にこの試合イエローをもらっていた俊輔を下げて小野を入れ、名波を左サイドへ。これでややバランスが崩れたせいか、プレッシングの疲れのためか、イラクが押し返してくる。しかし、守備陣はきっちりとはじき返して危なげなし。そのまま試合終了の笛を聞いた。
終わってみれば完勝。

途中出場の3人は、前回の失敗を取り返すところまではいかなかったようだ。奥にはもっと森島のように勝負して欲しいところ。
名波はまたSANYOの紙袋入り賞品ゲット。何が入っているのか。
トルシエ・ジャパンが日本をドーハの悪夢から見事にレリーズ。さて次は、この日の日本をビデオに納めることに全力を傾けていたボラさんの中国。いい試合になりそうだ。


10月20日 アジアカップ・グループリーグ

日本代表 1−1 カタール代表
得点:
日本=西澤(小野)
カタール=アル・オバイドリ(FK)

スタメン: 後半:
19 久保 27 北嶋
30 小野 9 西澤
11 三浦 15奥 8 望月 30 小野 10 名波 15 奥
10 名波 24 明神
26 海本
(退場)
4 森岡 22 中澤 11 三浦
> 6服部
4 森岡 22 中澤 8 望月
20 高桑 20 高桑

すでにグループリーグ突破決定の日本は8人を入れ替えて試合に臨む。これに対し、引き分け以上で突破が決まるカタールは試合開始からアグレッシブにプレスをかけてきた。試合開始早々、ミスパスを取り戻そうとした海本が向かってくる相手の足を払い、イエローを受ける。
この日前半の中盤は壊死状態。サイドに出してもフォローがなく、本人も突破が出来ず返すだけ、名波と奥は守備に手いっぱい、おかげで小野まで下がってくるし、つられて北嶋と久保まで戻ってくる。この2人もボールキープが出来ない。もっともキープしようとしても、周りに誰もいないので、戻すしかないのだが。急造2トップの連携もまるでない。久保には、もっと彼を走らせるようなパスがいいのだが、小野が下がる展開では、それも望めない。
有効な展開がなく、ボールを後ろ向きで受けては、2人3人に囲まれてボールを奪われる。寄せが遅くセカンドボールを奪えないので、常に後手後手に回り、小野のファールがかさむ。なんで小野がファールしなきゃいけないのか。それでも、カタールの攻撃自体には脅威はなく、無難にはね返していたのだが・・・・FKで失点。低い弾道の素晴らしいキックがゴール右に突き刺さった。ナイスなシュートだったが、ロングレンジゆえ対応できないものではなかった。高桑がクロスを予想して一瞬中央に動いてしまったのが軽率だった。
次いでこの日一番のアクシデント。PA外あたりに上がった浮き球を海本が追う。カタールの選手が一人詰めてきた。海本はクリアしようと足を上げて突き出したが、そのスパイクが相手の腿にもろに入ってしまった。主審(こいつは判定がいささか不安定だったが、ここはしょうがない)は迷わずイエローを提示、無念にも海本は2枚目のイエローで早くも退場となってしまった。そしてまたもFK。しかし今度は高桑が確実にはじき出す。
フラット3の一角が欠けたことで、どう守るのか?トルシエの指示は「4バック」。望月と三浦がディフェンスラインに入る。練習したことがあるのか?しかし無難に守り切り、前半終了。

後半、トルシエもしょうがなく2トップを下げ、明神と西澤を投入。4バックは継続。
何といっても明神が入った事で中盤が一気に息を吹き返した。的確なカバーを見せる明神がきっちり守備をすることで、名波と奥の負担が激減、二人がどんどん前に進出する。これにより小野も前線に飛び出す。ボールが回るようになったので、西澤にもいい球が入る。開始早々にはアクロバティックなボレーも見せた。
名波のシュート(上にはずれる)、小野のボレー(DFに当たる)と、日本に立て続けにチャンスが訪れる。そしてその直後。
名波が左サイドでボールをキープ。いったん戻ると見せかけ、一気に中へ切り込み、縦へスルーパス。小野が抜け出し、ゴール左のライン際から右アウトサイドでセンタリング。ボールはGKの脇を抜け、ゴール前でマーカーを制した西澤がこれを押し込んだ。同点!
これでカタールが貝になった。勝ちに行くより、引き分けでよしとの判断だ。日本もゴール前ではどうしても1枚足りない。風邪あがりのせいか調子の上がらない三浦に代えて服部を投入するも逆転はならず、1−1で試合終了。日本が1位、この日勝利したサウジが2位、引き分けで勝ち点1を加えたカタールが3位ながら決勝トーナメント進出を決めた。

この日の教訓:稲本と明神は外せない。


10月17日 アジアカップ・グループリーグ

日本代表 8−1 ウズベキスタン代表
得点:
日本=森島(−)、西澤(高原)、高原(中澤)、高原(服部)、西澤(森島)、西澤(名波)、高原(名波)、北嶋(小野)
ウズベク=ルーシャン(CK>ヘッド)

17 高原
>27 北嶋
9 西澤
10 名波 12 森島
>30 小野
14 中村 24 明神
17 稲本
>8 望月
6 服部 4 森岡 22 中澤
1 川口

アジアのみなさん、アジアカップに本腰入れてないな、ひょっとして。
まず西澤がPK失敗。韓国−中国が頭を過ぎるが、俊輔のFKにその西澤が鉄砲玉のごとく飛び込み、GKブガロの鼻面でアタマプッシュ。GKが弾いたところに「いい人装っておいしい所だけもっていく男」森島。ボレーで1−0。
そしてショータイム。左サイドで高原が2度のターンでDFを振り切りグラウンダーの折り返し、西澤が左で合わせて2−0。俊輔の右CKをニア中澤がそらして中央の高原の頭、3−0。左サイドから服部、裏のスペースへミドルパス、抜け出した高原が左スミに決めて4−0。森島がボール奪取からワンツーで右へ抜け出し、ふわりとした小クロスに宙を舞った西澤が頭を叩きつけて5−0。ウズベクもCKからフリーで駆け込んだ5番がヘッドで1点返す。さらにスイーパー投入で守りを固め、前半5−1。
後半、ウズベクはシュクイリンを投入するが、日本ペースは変わらず。中央俊輔から左を上がる名波へパス、抜けた名波がセンタリング、中央飛び込んだ西澤がヘッドでズドンとハットトリック達成6−1。交代直前の高原が名波の絶妙の浮き球を受け、右スミに叩き込んでこっちもハット7−1。代わって入った北嶋も、他の面々とのコンビはからきしながら、同じく交代出場の小野のスルーパスに抜け出し、GKを抜いてゲット、8−1。国際Aマッチ初出場で初ゴールのラッキー。
最後に風邪気味の稲本を下げて望月を入れ、明神とポジションを入れ替えてみたりして試合終了。望月も、あのシュートは決めとかんと。相変わらずシュートへた。

感想:大学との練習試合かこれは。ひょっとしてアジアぐるみで日本をひっかける「どっきり」だったりして。


10月14日 アジアカップ・グループリーグ

日本代表 4−1 サウジアラビア代表
得点:
日本=柳沢(森島)、高原(名波)、名波(柳沢)、小野(−ドリブル)
サウジ=OG(森岡)

先発: 最終形:
9 西澤
13 柳沢
>11 三浦
29 高原
>9西澤
30 小野 14 中村
14 中村 10 名波 12 森島
>30 小野
24 明神 11 三浦 10 名波 24 明神
17 稲本 17 稲本
6 服部 3 松田 4 森岡 6 服部 3 松田 4 森岡
1 川口 1 川口


日本代表、やりたい放題。1.中央から左に開いて俊輔のクロスを森島頭で折り返してヤナギ押し込む。2.ゴール前の混戦で名波キープして中へ切れ込みざま左足スルーパス一閃これを高原ダイレクトでデアイエの壁を打ち破る。3.左サイドへのボール、ヤナギが切れ込んでマイナスのグラウンダーを一人スルーで後ろから猛然と名波が飛び込みきっちりと左で狙いすまして射抜く。4.自陣深くでボール奪取名波が右サイドから左足一閃サイドチェンジパスに2列目から飛び出した小野が完全抜け出してデアイエと1対1これを落ち着いて決める。5.サウジロングボールを森岡バックヘッドでGKへしかし川口前に出ていたさあ大変飛びつくも及ばずオウンゴール。

ひとこと、「サウジ弱すぎ」。いつのまにそんなに落ちたのか。翻弄されっぱなし。
「名波スゲー」。イタリア1年は無駄ではなかった。ゲームを自在に指揮。守備も迫力十分。「ヤナギやる」。中田英がいない時は、彼の前線での動きは重要なポイントだ。今日は高原より良かった。

西澤、ポスト当て。さすが久保と同じ星の下に生まれた男だ。彼も、代表デビュー時は、ゴール前3、4mのシュートを豪快に天空向け打ち上げたことがおました。
川口も時たま出た時はああいうことするね。


10月8日 練習試合

日本代表 1−1 パリ・サンジェルマン
得点:
日本=森島(名波クロス)
パリSG=デュクロ

前半:

後半:

6 服部 14 中村
3 松田 29 高原 6 服部 29 高原
>19久保
10名波 10 名波
>11 三浦
1 川口 4 森岡 17 稲本 12森島 21 下田 3 松田 17 稲本 12 森島
>30 小野
9 西澤 9 西澤
>13 柳沢
22中澤 4 森岡
24 明神 24 明神
>8 望月


練習試合ということで交代無制限のこの試合、JOMO CUPとはやや異なるメンバーが先発。パリSGは1軍半というメンバーながら、立ち上がりから日本代表を押し込む。しかし日本守備陣がしっかりと守ってゴールを許さない。日本代表は名波のFKからゴールを狙うが、これも決まらない。パリの攻勢でゲームが進む中、先制点は日本に訪れた。西澤の落としたボールを名波が受けて左サイドをドリブルで上がる。高原がニア、西澤が中央へ切れ込む中、名波はファーサイドからフリーで走り込む森島めがけてクロスを放った。森島がこれをダイレクトボレー、ワンバウンドしたボールがゴール上部を突き上げる。1−0。いやー、オールスターで何か開眼したか?モリシ。相変わらず、いい人のふりしておいしいとこだけ持っていく。
それからもパリが攻めて日本が守るという図式は基本的に変わらず、前半終了。

後半、パスミスが目立った中澤に代えて中村が入る。彼は左アウトサイドへ行き、服部が左ストッパー、松田と森岡が右へスライド。GKは、この日は下田へと交代。
後半開始からパリがガンガン攻撃をかけ、日本は守勢一方。それでもDF陣の奮闘と下田の無難な守備でピンチを回避。そして後半20分、セレッソコンビに代えて柳沢、そして小野が登場、さらに29分、待ってましたの久保が高原に代わって出てきた。久保はいきなりオフサイドに引っかかったが、柳沢とのワンツーで見せる。そして程なくビッグチャンスが訪れた。小野伸二からのパスを俊輔がダイレクトで裏へ!右サイド抜け出した久保がGKと1対1。しかし右足でふわりと浮かせたボールはGKを破ったものの、ゴール左ポストに当たって跳ね返ってしまった。
日本はこの日獅子奮迅の名波に代えて三浦を入れ、中村とポジションチェンジ。さらに右サイドを制圧していた明神に代えて望月。しかしこの頃からパリの攻撃にディフェンスが引いていってしまう。トップに久保が一人ぼっち状態(今年どこかでよく見る気が)になった。それでも何とかしのいでいたが、西澤や名波の負傷からくるロスタイムが長い。PA付近でファウルを連発、ピンチを招く。そして、ついにセットプレイからのルーズボールをヘッドで押し込まれ、同点に。そして試合終了。

まあ、頻繁に選手交代しながら良くやったというところか。トルシエは本番ではいじらないタイプだし、選手交代の混乱はないでしょう。しかし、最後のような場面では、やはり高さのあるDFが欲しい。そう、プロゴルファー上村が。
下田は、最後はしょうがない状態だったそうだ。しかし、パントキックを相手GKのとこまで蹴ってしまい、ちょっとヒンシュク買っていた。ほかは飛び出し、セーブに問題はなし。久保は、あれを決めてさえいれば。でも、パスが出てくるようになっただけでも進歩だ。決めるのは次。

RCCの人は、もしかしてサッカー嫌いですか?放送しろー!ここに書いた内容はネットでの速報に準拠しています。


10月4日 JOMO CUP

日本代表 2−0 ワールドドリームス
得点:松田(名波FK) 高原(PK)

前半:攻撃的な布陣。2列目から森島、奥が飛び込む。名波は時に右アウトサイドに進出し、トルシエそれを見て怒る(笑)。

10 名波
6 服部
17 稲本 29 高原
1 川口 4 森岡 12 森島
15 奥 9 西澤
3 松田
8 望月

後半:高原・奥・松田OUT、中村・三浦・中澤IN。
2点のリードを受けて、中盤を厚くしたバランス布陣にチェンジ。安定した守備。
久保と下田の出番はなし。俊輔と小野の併用はないのか。

試合後のトルシエは不機嫌。選手の全般的な動きの悪さに不満爆発だった。

広島のTV局よ、せめて深夜に録画放送してくれ〜。大阪放送のラジオで聴いたが、ちっとも面白くなかった。日本代表がペースを握って危なげなく勝った、ということしかわからない。パリSG戦は、ちゃんと深夜に録画放送してくれるんでしょうな。毎日系ということで、たしかRCCになるんでしたかね。


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