都道府県エネルギー保存の法則


私が常日頃思っていた疑問として、

「なんでサンフレッチェとカープは同じ日にそろって勝たないのか?」
「何で一方が調子いいと一方は調子悪いのか?」

というものがある。おそらく同じことを思っている広島の方も多いと思う。

2000年、サンフは前期の好調、天皇杯準優勝を受けて優勝も狙えるチームに成長した、と誰もが思っていた。しかし、蓋を開けてみれば、スタートダッシュに見事に失敗、時々いい試合は見せるものの消化不良で酷い試合のほうが多く、第1ステージは10位という誰もが納得しない順位に沈んでしまった。

ひるがえってカープ。大物ルーキー河内を獲得したものの、戦力の上積みはなく、何とかAクラスに入れればいいなあ、とか思っていたら、開幕早々前田が爆発。ジャイアンツを叩いて一気に波に乗り、一時は首位に立つ事もあるなど、予想外の進撃を見せていった。

さらにこの間、サンフとカープが同時に勝ったと言う記憶はない。あるかもしれないが、そういうイメージがとんとない。これはいったいどうしたわけか?


そこで、他のJクラブを見てみる事にした。すると、

*タイガースが珍しく連勝し始めたのに伴い、ヴィッセルが沈没を始めている。(兵庫県)

*バファローズは中村やローズが打ってるだけで勝てていないが、セレッソは快進撃だ。(大阪府)

*マリーンズドツボの陰で、ジェフ健闘。(千葉県)

*横浜マシンガン不発も、Fマリ快調。(神奈川県)

・・・他のとこもあるなあ。これはまるで、
「外部からの影響を全く遮断された物体や輻射の集まりにおいては、その内部で、どのような物理的或いは化学的変化が起っても、全体としてのエネルギーは不変である」(広辞苑より)
と謳っている、「エネルギー保存の法則」みたいではないか?
前出の文を「各都道府県においては・・・」と置き換えてみると、妙にこれらの事実に符合するではないか。

「都道府県エネルギー保存の法則」

この存在がサンフとカープの謎を解く。
「広島県のもつエネルギーはある一定量に決まっており、どちらか一方が勝利のためにそれを消費すると、もう一方はわずかしか得られない。これは一日という極めて短いスパンでも、数ヶ月という長いスパンでも同様である」

だが、
「しかし、静岡県は、J1クラブをふたつも抱えているが、どっちも強いではないか?それに、京都にはサンガしかないのに、あの体たらくは?」
という疑問が出てきた。
では、それについて考えてみたい。


都道府県のエネルギーとはどのようなものか?
これには、以下のものが影響すると考えられる。

*人口

*存在するチーム数

*住民の熱気、性格

*景気

まず人口、これが一番大きな要因だろう。
その自治体に住む人口が多いほど、そのエネルギーは大きくなる。
FC東京とジャイアンツとが揃って好調なのも、そのためと思われる。東京は他にも多くのプロチームを抱えるが、基本的に「容量が多い」ために、エネルギーが分割されても、そのすべてが高いレベルにある事が可能なのだ。
逆に、人口の少ない自治体は「容量が少ない」ため、どうしても得られるエネルギーが大都市圏に比べて少ない。複数のチームが存在した場合、さらに拍車がかかってしまう。これで大容量に勝つには、どれかひとつのチームにエネルギーが集中するよりない。かくて、サンフとカープが共に強敵を薙ぎ倒していく、というわけにはいかないのである。

静岡県は、同じサッカーで清水、磐田という共に強豪を抱える。99年はチャンピオンシップで日本一を争ったほどだ。大都市圏というわけでもなく、複数チームが存在するというのに、どうしてこの2チームが頂点を争うほどの力を誇るのか?

これは、静岡が非常にサッカー熱の高い地域であることに起因する。静岡でスポーツといえばサッカー(・・・か、どうかは現地に住んだ事がないので断定しかねるが、傍目にはそう見える。ほかにめぼしいプロチームもないし)。県民一人一人のサッカーに対する情熱が非常に強い事がうかがえる。さて、ここに水を張った鍋がある。ここに暖かい石を10個入れてもなかなか水温は上がってこないが、真っ赤に焼けた石を数個入れれば、たちまちにして水は沸騰するだろう。これが静岡の強さの秘密である。住民一人一人の情熱(しかもサッカーに特化されている)の強さが、大都市圏の「容量」によるエネルギーを上回っているためだ。ほかには、野球などのビッグチームを持っていないことも一因と考えられる。

これが京都にも適用される。京都には「パープルサンガ」しかないのになぜ弱いか?そう、京都は伝統ある古都、それゆえ住民は「激しく燃える」という事が少ない。常に冷静なのだ。京都の人も、サンガ、もしくはスポーツ全般の成績に一喜一憂する、という人は多くないのではないか。よって、人口が多く、チーム数もひとつながら、京都は振るわないのだ。(まあ、フロントが行き当たりばったりていうのが一番のガンだけど)

広島で言えば、「熱しやすく冷めやすい」と一般にいわれる県民の性格が、チームにも影響を与えているような気がしないでもない。スタートダッシュが決まればそのまま走り出し、つまずかなければそのまま優勝、しかしつまずいたりしたら、なかなか立ち直れず、ズルズルいってしまう。県民も、勝ってるうちは応援するが、負けが込んでくるとそっぽを向いてしまう。いかん!負けてる時こそ応援しろ!人が景気がいい時はその尻馬に乗って、景気が悪くなると「がんばれよ」と言い捨てて去ってしまうのは友達がいがないぞ!・・・・・おっと失礼。

あと、景気も関係しているかもしれないが、経済は苦手なので、割愛<おい。


さてこれでわからんのは、関西勢。特に阪神タイガース。本拠は兵庫県だが、大阪府にも多大な影響をもたらしているかもしれない。2000年7月時点では、兵庫ではブルーウェーブ↑、ヴィッセル↓が確立されている。大阪では、ガンバ@吹田がなんか調子いいが、タイガース下降により、ガンバのほうにエネルギーが流入し始めたのだろうか?さすが、阪神タイガースは奥が深い。大阪の人々のエネルギーの質も独特のものがあるのかもしれないが。

次いで浦和。埼玉県にはチームも少ない、サッカー熱は見ればわかる、しかしJ2転落。これは、いったい。ひょっとして、住民のエネルギーが熱すぎて、「浦和レッドダイヤモンズ」という入れ物がパンクしちゃったのかもしれない。どうでもいいけど、「さいたまレッズ」とか、「さいたまアルディージャ」とかにはならないかな。かわいくっていい感じだと思うけど。


上記の「都道府県エネルギー」は、もちろんスポーツだけに割り振られるものではないが、多くの人々を熱狂させるスタジアムという場において、より激しく消費されるものと考えられる。また、スタジアムに赴いた人々の応援エネルギーも、補助的にチームに影響を与えるかもしれない。「ドラゴンボール」(@鳥山明)にでてきた「元気玉」をお考えいただければいいだろう。

この都道府県エネルギーが、野球、サッカーなどのゲームの結果に多大な影響をもたらす。これは逆に、それらの結果が、とりもなおさずその自治体の力を体現している、ということである。そのエネルギーを生み出すのは私たちなのだ。我々の生み出すエネルギーが大きければ、サンフ、カープは強くなり、それだけでなく広島県そのもの、さらに中国地方までも今以上の飛躍が望めよう。


で、これらの仮説から、カープとサンフがどっちも強い!となるためには、どうするのか。

* サッカーのシーズンを冬期に移行!
これでエネルギーの分散がなくなる。冬はサンフに、夏はカープに。

*「生めよ、増えよ、地に満ちよ!」
広島の人口を増やす!広島県のエネルギー容量を増やすのだ。広島市はパーフェクトタウンを目指せ!

*県民の意識改革!
もっと熱く、もっと粘り強くなるべし!一人一人の「出力」をアップせよ!

*スタジアムに行け!
選手たちに「元気」を分け与えよ!

これで、広島は再びスポーツ王国になれる(かも)!


あとがき!

長々と駄文にお付き合いくださいましてありがとうございます。
これは2000年第1ステージ、サンフレッチェ広島のあまりにもひどい状態に苦悩している中、ふと考え付いたものでした。よって、なんか読んでてもわけ解らないところが多いです。第2ステージに入ってサンフが快調なのがさらに輪をかけていて、最後は適当。

あくまで冗談ですので、批判や反論などはなにとぞご容赦を・・・・


戻る