1.待降節
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クリスマスに先立つ4週間。 | ||
ヴェニ・ヴェニ・エマヌエル
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広く親しまれている待降節用の賛歌。13世紀頃の作といわれる。 「来れ、来れ、インマヌエルよ、汝が囚われのイスラエルを贖いたまえ。 そは哀しき流浪の身に落ち、神の御子を見失えり。 喜べ、喜べ、インマヌエルは汝がために生まれん、イスラエルよ・・・」 元曲の詩は5節からなる。 |
Veni Emanuel.MID |
J.S.バッハ
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待降節(アドベント)第一主日のためのカンタータより。 曲としては61番の同名カンタータのほうが有名だが、この冒頭合唱の鮮やかさとみずみずしさは出色のもの。 ガーディナー盤はもう奇跡的な出来なので、買うのが吉かと。 「いざ来ませ、異邦人の救い主よ、 乙女の子として知られ、 全地の驚きとなられる御方よ、 神はかくなる生まれを定めたもうた」 ソプラノがコラール旋律を担当し、下三声は互いに呼び交わすように歌う。 |
BWV62-01.MID |
フェリクス・メンデルスゾーン・バルトルディ
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「いざ歓びの声を上げよ、主の約したまいし救い主は近づきたもう。 主の御名はとこしえにほむべきかな。 ハレルヤ、ハレルヤ!」 |
Sechs05.MID |
2.降誕祭 |
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12月25日はイエスの生まれた日とされる。もとより聖書に日付の記述はなく、これは、当時広く普及していた冬至の祭りに合わせたものだとも、受胎告知の日・3月25日に9ヶ月を足して算出されたものだともいう。実際12月25日の厳寒の中、羊飼いが野宿できるわけはないのだ。 12月24日夜〜12月25日未明がイエスの生まれた時間帯。ゆえに12月24日の夜をクリスマス・イヴと呼ぶ。 ナザレに住む、ダビデの血筋にあたるヨセフとその妻マリアが、ローマ皇帝アウグストゥスの発した人口調査令にしたがい、住民登録をするためダビデの町ベツレヘムへ上っていったが、そこでマリアの月が満ち、彼女は嬰児を生んだ。ベツレヘムは住民登録のためにごった返しており、すでに宿屋には二人の泊まる部屋がなく、彼らはその馬屋に休んでいたため、その嬰児は飼葉桶に寝かされた。 さてその夜、野で羊の番をしていた羊飼いたちの前に、突然主の栄光と共に御使いが現われ、ダビデの町ベツレヘムで主なるメシア(キリスト)が生まれたと告げた。 そして、御使いに天の軍勢が加わり、「いと高きところには栄光神にあれ、地には善意の人に平和あれ」と歌う。 羊飼いたちはベツレヘムの馬屋の飼葉桶に眠る幼子のもとをたずね、礼拝した。 「メシア」とは、ヘブル語で「油を注がれた者」の意味。神によって選ばれたものは、祭司や預言者によって香油を頭に注がれ、聖別される習わしがあった。サウル、ダビデ、ソロモンなどイスラエル王国の諸王も、これを受けて即位した。イスラエル人以外にも、バビロン捕囚よりイスラエル人を解放したペルシアのキュロス2世が「主が油を注がれた人」と形容されている(イザヤ45:1)。転じて、主の命を受けてイスラエル人を率い、解放するもの、さらに救い主を現わす言葉となった。 「キリスト」とは、ギリシア語で(新訳聖書ははじめギリシア語で記された)「油を注がれた者」を意味する「クリストスKristos」を、日本語に訳す際に長いとややこしいと思ったのか知らないが、語尾の音節を省略して縮めた形。 ベツレヘムが「ダビデの町」と呼ばれるのは、ここが彼の出身地であり、またここで彼が預言者サムエルから油を注がれたことによる。 またベツレヘムは、メシアの出現する土地といわれていた。旧約聖書・ミカ書にこうある。 エフラタのベツレヘムよ おまえはユダの氏族の中でいと小さき者。 おまえの中から、わたしのために イスラエルを治める者が出る。 彼の出生は古く、永遠の昔にさかのぼる。 (ミカ書5:1) |
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アンティフォナ《Hodie Christus
natus est》
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中世のイングランドで歌われた単旋律聖歌。 「今日、キリストは生まれた、 今日、救い主は現れた。 今日、御使いたちは地上で歌い、 大天使らは喜ぶ。 今日、善き人たちは喜び、賛美する、 “いと高きところには栄光神にあれ、アレルヤ”」 |
hodie.MID |
“In the bleak mid−winter”
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「冴え返るような真冬の日、凍てつく風は唸りをあげ・・・」 真冬の情景を歌ったキャロル。 ハロルド・ダーク編曲の第1節のみ。 私はギュスターヴ・ホルスト編曲のほうが好き。 |
bleak.MID |
羊はねむれり |
子守歌風の穏やかな曲。 繰り返しでのフルートのオブリガートは適当ですみません。 ここでルカ福音書2:8〜12が朗読されていると思ってください。 最後にJ.S.バッハのクリスマス・オラトリオのレチタティーヴォ「すると突然この御使いにおびただしい天の軍勢が加わり」を挿入。早く次の曲をクリック! |
hitsuji.MID |
J.S.バッハ
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御使いと天の軍勢たちによって歌われる、愉悦に満ちた軽快な合唱。 弾むようなリズムが特徴的で、御使いたちも踊りだしそう。 |
Ehre.MID |
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
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こちらは鳴り物入りの派手で華麗なグローリア。 | Mozgloria.MID |
“Les anges dan nos campagnes”
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リフレインの「グローリア」のフレーズを知らない人はまずいないでしょう。 フランスのトラディショナルなキャロル。 |
Les-anges.MID |
“Hark! The Herald Angels
Sing”
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メンデルスゾーンの「祝典歌」の編曲によって生まれた曲。 1739年にチャールズ・ウェズレイが作った詩に、ウィリアム・ヘイマン・カミングスが「祝典歌」のメロディを借りて1855年に作曲したもの。 クリスマス・キャロルで最もポピュラーなもののひとつ。 |
Hark.MID |
ジョン・ラター
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「君は聞いたことがあるか、天使の声を・・・」 ハープの音に合わせて歌われる、美しいキャロル。 |
angelscarol.MID |
キャロル「神の御子は今宵しも」
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前半のソロは日本語詞、後半の合奏はラテン語詞のイメージで。 | Adeste.MID |
フェリクス・メンデルスゾーン・バルトルディ
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「歓呼せよ、汝ら地の民よ、そして神を讃美せよ! 主の約したまいし救い主は顕われたもうた。 主はその義を全地に示したもうた。 ハレルヤ!」 クリスマスにふさわしい、輝かしい賛歌。 アレグロ・モデラートで4分音符=132というテンポ指定。 メンデルスゾーンは本当に速いの好き。 ワーグナーの《タンホイザー》序曲も快速テンポで演奏したそうだ。 (そんなことするから彼に嫌われたと思う) |
Sechs01.MID |
“O Little Town of Bethlehem”
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「ああベツレヘムよ などかひとり 星のみ匂いて ふかく眠る 知らずや、今宵 くらき空に とこよのひかりの 照りわたるを」(讃美歌115番) イエスがユダヤの地ベツレヘムで生まれたころ、空に明るく輝く星が現れた。 東方でその星を見つけた三人の占星術師(博士、マギ)たちは、イスラエルを治める王が出現したことを知り、それぞれ黄金・乳香・没薬をたずさえてエルサレムへと向かった。 |
O Little Town of Bethlehem.MID |
* 割礼の祝日 |
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1月1日。新年のこの日は、イスラエルの習慣に従いイエスが割礼を受けた日とされる。 この日と公現の祝日(1月6日)の間の日曜日は、イエスの御名の祝日(イエスがその名をつけられた日)と呼ばれる。 彼の名は、ヘブル語形では「イェホシュア(日本ではヨシュア)」。モーセの後継者で、イスラエルの民を率いてカナアンの地を征服した、旧約聖書・ヨシュア記の主人公と同じ名前。その名の意味は、「神は救い」。 「イエス」という名は「イェホシュア」のアラム語なまり「イェシュア」をギリシア語形にした「イエスス」の語尾を、日本語訳の際、省略したもの。 |
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3.公現の祝日 |
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1月6日。ある日突然天空に現れた明るい星を見て、東方より博士(マギ)たちがエルサレムを訪れる。 「新しくお生まれになったユダヤ人の王はどこにおられますか。わたしたちは東方でその方の星を見たので、拝みに来たのです」 聖書の記述(旧約聖書・ミカ書5:1)をもとにベツレヘムへ赴いた三人はこの日幼子イエスを探し当て、黄金・乳香・没薬を捧げて礼拝した。 「博士」は、通常三人とされるが、彼らに唯一言及しているマタイ福音書では、実はその人数は記されていない。 黄金・乳香・没薬を捧げた、という記述から、もしくはキリスト教における神聖な数字「3」からの派生かと思われる。 中世には、彼らは「三賢王」と呼ばれることもあった。三人の名は、誰が考えたのか知らないが、 「カスパール」「メルキオール(メルヒオール)」「バルタザール」 とつけられている。もちろん聖書に記述はない。ドイツ風の名なので、そこらへんの人が考え出したらしい。 ケルン大聖堂には、その三賢王の骨が安置されているが、そのものの信憑性については、他の聖遺物とかわらないだろう。 12月はじめの待降節から始まるクリスマス・シーズンは、クリスマス後12日目のこの日で終わりを告げる。 シェイクスピアの戯曲の題で知られる『十二夜』はクリスマスの12月25日夜から1月5日夜(つまり6日未明)までの12夜のこと。6日の昼でシーズンが終了のため、6日夜は入らない。 あと、この日はシャーロック・ホームズの誕生日でもある。 |
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王のマーチ |
ビゼーが「アルルの女」に使用したことで知られる、アルルやその周辺で公現の祝日前夜に歌われていたキャロル。 ヒネリありません。まんまです。 |
Marche-des- rois.MID |
われらは来たりぬ |
「われらは来たりぬ はるけき国より 星にみちびかれ 野山こえて・・・」 東の方より三人の博士が黄金、乳香、没薬をたずさえてやってくる。 「博士」の原語は「Magiマギ」。「Magic」などの語源になる言葉。占星術師などを指す。 中世では、彼らは三人の「王」とみなされることもあった。 3人の男声ソロと混声4部合唱。 伴奏は適当ですみません。 間奏は『ソーサリアン』は「呪われたオアシス:砂漠」の 低声部をちょっとお借りしました。 |
We-Three kings.MID |
J.S.バッハ
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新年後日曜日用のクリスマス・オラトリオ第5部より、東方三博士来訪の場面。 博士達の言葉が混声四部合唱で処理されるのが特殊な点。 またアルトのレチタティーヴォが割り込むなど、オラトリオというよりカンタータ的な面が強い。 |
Wo.MID |
フェリクス・メンデルスゾーン
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フェリクス・メンデルスゾーン未完のオラトリオより。 ここでは福音史家をソプラノが担当し、三博士はテノール・バリトン・バスのソリストたちの三重唱。 その後、民数記の一節に基づく合唱が続き、最後は、 コラール「輝く暁の星のいと美わしきかな」で締められる。 |
Da Jesus geboren war.MID Es wird ein Stern.MID |
キャロル “Away in a Manger”
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心にしみる美しいキャロル。 「アフトン川の流れに」の旋律を用いるバージョンもある。 |
Away in a manger.MID |
4.オムニバス |
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“Joy to the World!”
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定番ですね。混声四部版を、ローウェル・メイスン編曲の男声四部版で挟んでます。 ヘンデルのメサイアからの編曲といわれますが、やはり「門よ、こうべを上げよ」の合唱がもとでしょうか・・・? |
Joy.MID |
“Deck the Hall”
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「ファララ・・・」のフレーズが印象的な、楽しいキャロル。 | Deck.MID |
カノン 《グローリア、グローリア》 |
某KGクリスマス音楽礼拝でおなじみのカノン。歌うほうは疲れるのだ、これが。 |
Gloria2v.MID |
J.S.バッハ
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最後は派手に締めましょう、ということで《メサイア》の終曲にしよう、と思ったら歌詞がドイツ語で作曲家も大バッハになってしまった。 歌詞が似てるし、「アーメン、アレルヤ」で終わるし、 元々クリスマスには関係ない曲ですけど、いいでしょう。輝かしい曲だし。 「ほふられた小羊は、力と富と知恵と威力と誉れと栄光と賛美とを 受けるにふさわしい。 (ヨハネ黙示録5:12) 賛美と栄光、誉れと力が、世々限りなくわれらの神にあらんことを、アーメン。 (ヨハネ黙示録7:12より) アレルヤ!」 |
BWV21-11.MID |