私は、とりあえずはメンデルスゾーンの声楽曲を見つけたら一も二もなく買うことにしているのだが、あるとき新しい《エリヤ》を見つけたので、手に取ってみた。レーベルはバイヤー・レコーズ。名前からしてドイツのレーベルだろう。オケはミュンヘン放送管、指揮はカール・フリードリヒ・ベリンガー。知らん。ソリストも、エリヤ役のミヒャエル・フォッレ以外は聞いたことがない。合唱には、「ヴィンズバッハー・クナーベンコール」とある。「テルツァー・クナーベンコール」が「テルツ児童合唱団」と訳されているので、これは「ヴィンズバッハ児童合唱団」となるだろうか。 帰って、聴いてみる。 第2部もおおむねよし。三重唱「山に向かって目を上げよ」から合唱「見よ、イスラエルを牧するものは」の流れは美しいことこの上なし。主が顕現する場面や、エリヤが火の戦車に乗って昇天する場面ではさすがに力強さに不足。最後の2曲の合唱のテンポ設定はもっと速いほうが良かった、と私は思う。特に終曲は最後にリタルダントかけすぎ。クルト・マズア盤くらいのテンポならよかったのに。ちょっとだれた感じがしたのが残念。それともばてたか。 しかし、この合唱団、名前はそれまで聞いた事がなかったが、いい合唱団だ。最近の英国の聖歌隊のようなヘタレたところがなく、芯の通った硬派なコーラスを聴かせてくれる。他にはCDを出してないか、と思ったら、こういうのが出ていた。ともにドイツのロンドー(RONDEAU)・レーベルから。 *ガルス、J.バッハ、J.L.バッハ、メンデルスゾーン、ブラームス、ブルックナー、マウエルスベルガー:モテット集 前者、ア・カペラの曲でのアンサンブル&ハーモニーが絶妙。指揮者のベリンガーは結構テンポなどいじっているが、それにぴったりついていっている。これは1987年と1996年の録音で、年代の開きは9年。当然メンツは入れ替わっているはずだが、それを感じさせない。高い水準を保っているということだ。後者のバッハのモテットも上手い。マニフィカトはさすがにガーディナーやヘレヴェッヘらの名演に比べれば一歩譲る。 ロンドー・レーベルからさらに発売。 *J.S.バッハ:カンタータ第215番、195番 バッハのカンタータはさすがに並みいる名盤に一歩を譲るものの、密かに期待していたシュッツはよかった。 |