私のCD棚を見ていると、ポップスとかそういうのはほとんどない。昔はそういうのは音楽番組を見れば間に合っていたし、それほど興味はなかった。今もないけど。それよりも、『銀河英雄伝説』ビデオ・シリーズをTV放映しているときに、ドヴォルザークの交響曲「新世界より」をバックにしたアムリッツァ会戦に燃えたり、グレン・グールドが弾く大バッハの「インヴェンションとシンフォニア」を聴いていたら、「ありゃ、これって『ファミコン探偵倶楽部』の綾城家(1、消えた後継者)と校長室(2、うしろに立つ少女)の曲じゃん」とか思っていたわけですよ。といっても、そのころはいわゆるクラシックの知識はあんまりなく、集めようという気もなかった。そのかわりちょくちょく買っていたのが、ゲームミュージックのCD。TVの前で熱くなったゲームのバックで流れていた印象的な音楽の数々をゆっくり聴きたい・・・そういうわけで、当時あんまり持っていなかったお金をはたいて細々と買っていたものです。そういうものからある程度余裕が出来てついでに買ったものまで、ずらりというほど量はないけど羅列。
現在ではCD−ROMやDVD−ROMのおかげでそれほどアレンジ・ヴァージョンというのは流行らなくなったけど、昔のマシンでは貧弱な音源、少ない声部数と制約が多く、今と比べると非常に簡素なBGMしか生み出せなかった。それだけに原作の味を増幅させるアレンジCDが大いに流行ったものだった。今のゲームミュージックは、確かに昔と比べ高音質、分厚い響きを出せる、しかしそれにあぐらをかいて音楽それ自体の魅力に欠ける物がほとんど。
やっぱり、ゲームミュージック中の最高峰は日本ファルコムの「ソーサリアンシリーズ」の音楽であると、私は今なお思う。
まず、誰もが知ってる『ドラゴンクエスト』シリーズから。
私はWまでしかプレイしてません。ロト三部作で「ドラゴンクエスト」は完結した、というのが私の見方。
すぎやまこういち氏の繰り出す、重厚かつ心にしみる音楽はオーケストラアレンジにはうってつけ。
1. |
ドラゴンクエストの世界 ドラゴンクエストU 悪霊の神々 |
東京弦楽合奏団
バッキング・セクションズ |
アポロン・ミュージック
BY30−5136 |
Uの音楽は、「王城」などを除いてはポップなものが多い。
管弦楽にエレキ楽器を加えたアレンジ。
冒頭のテーマも小編成で軽快。ちょっと奥行きに欠けるけど。
なにはともあれ「この道わが旅」は不朽の傑作。 |
2. |
交響組曲 ドラゴンクエストV そして伝説へ・・・ |
NHK交響楽団 |
アポロン・ミュージック
BY30−5181 |
DQ大人気御礼でN響を引っ張り出す。ブックレットの解説も黒田恭一氏だよ、おい。
いつもながらの、句読点のやたらと多い文体、炸裂、とぼくはおもう。
冒頭の「ロトのテーマ」はフルオーケストラアレンジで重厚に。以後これが定着。
Vは最初からフルオーケストラアレンジを想定して書かれたのか、とか思ってしまう。「王宮のロンド」「冒険」は大好き。
「おおぞらをとぶ」のフランス的な響きもいいし、「そして伝説へ・・・」の堂々たるエンディングはアメリカ映画を思わす。 |
3. |
交響組曲 ドラゴンクエストW |
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 |
ポニーキャニオン
PCCG−00118 |
今回はロンドン・フィル起用。フィルハーモニア管はさすがに無理だったか。
伝統のバロック風王宮音楽は今回も健在。各章のメインテーマ・メドレーはバリエーション豊かで楽しい。
第4章戦闘テーマの「ジプシー・ダンス」は鮮やか。
「勇者の故郷」はWの中でナンバーワンの曲だと思う。あの哀愁に満ちた旋律がたまらない。 |
さて次はFF。私が好きなのはなんといってもT。ストーリーも音楽もFF一。オープニング、マトーヤの洞窟、グルグ火山、カオス城など名曲の宝庫。
あと、
フシギ ナ ジュモン サ サッサカサ! とくれせん たぼーび フシギ ナ ジュモン サ サッサカサ!<もう最高。
FFは人が感動的に死にまくったり、最後のダンジョンが異常に長い(しかもセーブ不可)などシリアス極まりないシリーズですな。
私がやったのはT、U、Wのみ。「ファイナル」って標題のくせに厚かましく10作を越えたなあ。
植松伸夫氏のライトな曲はフルオーケストラには不向き。小回りのきく小編成の古楽器オケなら合うかも。
作を追うごとに響きを重厚にしているような気がするが、もっと旋律を重視してほしいなあと思う。
1. |
ファイナル・ファンタジーW
オリジナル・サウンド・ヴァージョン |
NTT出版
N23D−001 |
SFC音源そのまま。私ががやったのは、シアトルで買った米国版FFW(日本でのイージータイプ)。
ケースぶっ壊せば日本製スーファミに突っ込んでプレイできます。英語に頭をひねりながらプレイしました。
ドグ・マグ・ラグの三姉妹の名前とかあっちの人にわからないネタの登場人物の名前は改変されてましたね。
ゴルベーザ四天王戦、最後の戦いの音楽が好きでした。 |
2. |
ファイナル・ファンタジーW
セルティック・ムーン |
NTT出版
N30D−006 |
アイルランドの器楽奏者たちを起用したFFWアレンジ版CD。大成功企画。
ハープと木管フルートによる「プレリュード」は絶品。
軽快な曲から叙情的な曲まで純然たるケルトの響きで、このゲームをプレイしたことのない人でも買って損はしないと思う。 |
3. |
交響組曲ファイナルファンタジー |
データム・ポリスター
H28X−10007 |
少なくとも前期FFの曲はオーケストラ向きではない。おお友よ、このような響きではない!もっとスピーディーでないと! |
こんだけしか持ってないですけど、セルティック・ムーンはイイ。どこかで見たら買っとけ!
続きましては日本ファルコム系。
ソーサリアン、イースシリーズなどで石川三恵子氏らの紡ぎだす数々の旋律はファンの絶大な支持を受けた。
知人の家でプレイした『ソーサリアン』でその音楽に酔い、CDをカセットテープにダビングして持っている。いいかげんMDに落としとかんと。
1. |
パーフェクト・コレクションYs |
キングレコード
KICA 1012〜3 |
パーフェクト・コレクションシリーズはかなり自由にアレンジをきかせているんだけれど、
もうちょっと原作の雰囲気を大事にしてもいいんでは?という感想。
そのままで充分名曲なんだから。
2枚組で、2枚目はヴォーカル入りなどさらに自由にやっちゃってます。 |
2. |
パーフェクト・コレクションYsU |
キングレコード
KICA 1014〜5 |
劈頭を飾る超名曲・「TO MAKE THE END OF THE BATTLE」はもっとアラビア風にやってくれたほうがよかった。
PC画面は古代遺跡の壁画(オリエント風)だけにね・・・全般的にアレンジが電気的でちょっと嫌い。 |
3. |
パーフェクト・コレクションYsV |
キングレコード
KICA 1021〜2 |
感想としては上に同じ。
「旅立ちの朝」のヴォーカルバージョンの標題が「千年LOVING」。すげえ。 |
4. |
パーフェクト・コレクション・ソーサリアン |
キングレコード
KICA 1033〜4 |
ゲームミュージックはある意味「標題音楽」と同じものだと思う。
ゆえにアレンジも、余り手を加えず原作の場面のイメージを損なってはならない。
ゆえに、「ブラディー・リバー」や『呪われたオアシス』のアレンジにはブーイング。 |
5. |
パーフェクト・コレクション・ソーサリアンVol.3 |
キングレコード
KICA 1039〜40 |
上に同じ。私ってば原典至上主義ですね。 |
6. |
ソーサリアン スーパーアレンジ・バージョン |
キングレコード
K32X 7123 |
時期的にはパーフェクトコレクションより以前。ソーサリアン基本シナリオより13曲をアレンジ。
結構手を加えているのだけれど原作の味を損なわない、難波弘之氏は恐ろしいほどのヤリ手であった。
「砂漠(呪われたオアシス)」「船内(呪われたクイーンマリー号)」は最高。ええ呪い系好きですとも。
「ブルー・ドラゴン」のノリノリっぷりは、この曲のベスト・アレンジ。 |
7. |
ソーサリアン・スーパー・アレンジ・バージョンV
戦国ソーサリアンVSピラミッド・ソーサリアン |
キングレコード
K30X 7711 |
追加シナリオ集『戦国ソーサリアン』『ピラミッドソーサリアン』の原曲と、
難波弘之氏(戦国)、岡田徹氏(ピラミッド)がそれぞれから3曲アレンジ。
絶妙のアレンジと聞き比べることで、原曲の完成度の高さを思い知ることができる。 |
8. |
交響曲「ソーサリアン」 |
キングレコード
276A 7707 |
オーケストラ風味のソーサリアンだが、ソーサリアンの音楽にオーケストラは合わない。
クラシック風にするならFFと同じく、小編成の器楽アンサンブルしかあるまい。
編曲を担当した羽田健太郎さんはさぞかし頭を痛めたと思われる。当然のようにミスマッチな一枚と成った。 |
9. |
交響詩ドラゴンスレイヤー英雄伝説 |
キングレコード
KICA 1101 |
ファンタジーと科学が渾然した『ドラゴンスレイヤー英雄伝説』のオーケストラ風アレンジ盤。
だから合わないって。 |
10. |
ソーサリアン・フォーエバーT |
キングレコード
KICA 1183 |
1996年に復活したソーサリアン・アレンジバージョン!
原曲を最大限に尊重したアレンジには・・・拍手っ・・・!
『消えた王様の杖』のアレンジも納得の出来。
スピードと勢いに満ち、聴き応え充分。フォーエバーの名に恥じぬ出来に仕上がっている。 |
11. |
ソーサリアン・フォーエバーU |
キングレコード
KICA 1185 |
冒頭の『紅玉の謎』から快調に飛ばす。「ブルー・ドラゴン」はもっとハジけててもよかったかな。
聴いてて元気が出てくる一枚。 |
12. |
J.D.K.BAND1 |
キングレコード
KICA 1019 |
イースU、スタートレーダー(そういやそういうのもあったな)、イースV、
ソーサリアン、ドラスレ英雄伝説の曲をハードロックにアレンジ!
うち4曲はヴォーカル入り。
ヴォーカル入りはさすがに原曲のイメージを損なうので嫌だが、全体的にはいい感じ。 |
13. |
J.D.K.BAND2/ダルク・ファクトの逆襲 |
キングレコード
KICA 1035 |
ドラスレ英雄伝説、スタートレーダー、イース、ソーサリアン、イースV、ダイナソアより10曲。
半数の5曲がヴォーカル入り。
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イースシリーズ(T〜V)のアレンジとしては、PCエンジン盤の米光亮氏アレンジのものが一番優れていると思う。「アドルのテーマ」もあるしね。
音楽CDとしてそれらを買う価値は充分あると思う。
W(PCエンジン版プレイ)は、イースシリーズ定番のあのベースリズムがなかったからちと不満。でもオープニングはカッコイイ。
ソーサリアンは「フォーエバーT・U」に「スーパーアレンジバージョンT・U(<ユーティリティ集&追加シナリオvol.1収録。テープにダビングしてマス)・V」を持っておけばいいかな?
そのほか。
1. |
パーフェクト・セレクション・ドラキュラ |
キングレコード
KICA 1036 |
棺桶の空く音とともに沸き起こる不気味な高笑いから始まる、スゲェイカスアルバム。
コナミの名作『悪魔城ドラキュラ』シリーズ(FC版のT、U、悪魔城伝説)から10曲をセレクト、
ソウルでラップでクラシックなドラキュラ・ワールドを堪能せよ。
自由にアレンジするならこれくらいアクセントきかせないと。 |
2. |
悪魔城ドラキュラMIDIコレクションズ |
キングレコード
KICA7809 |
悪魔城ドラキュラ(FC、SFC)、ドラキュラ2呪いの封印、ドラキュラ伝説(GB)、ドラキュラX、
悪魔城スペシャル、悪魔城伝説より20曲セレクト、アレンジ。
ドラキュラはもっと濃いアレンジが似合っている。 |
3. |
パーフェクト・セレクション・ツインビー |
キングレコード
KICA 1057 |
コナミのポップでコミカルなシューティング『ツインビー』シリーズから12曲をセレクト、アレンジ。 |
4. |
マジカルドロップ2 |
ポニーキャニオン
PCCB−00217 |
データイーストのパズルゲーム『マジカルドロップ2』の原曲集とミニドラマ収録。
マジシャン、デビル、チャリオットのBGMが好きでした。 |
5. |
マジカルドロップV |
ポニーキャニオン
PCCBX00002 |
データイーストのパズルゲーム『マジカルドロップV』の原曲集。
前作からのキャラのBGMはバージョン2に。
新キャラではデス、ジャッジメント、ハイエロファントのBGMが気に入り。 |
6. |
THE BEST OF KOEI Vol.1 |
KOEI
KECH−1003 |
『信長の野望・戦国群雄伝』、『維新の嵐』、『蒼き狼と白き牝鹿・ジンギスカン』、『水滸伝・天命の誓い』より、
オープニング・エンディングと人気の高い曲をセレクト、アレンジしたベスト・アルバム。 |
7. |
三國志V |
KOEI
KECH−1022 |
「呂布、画戟を構えて挑発する」イラストが印象的なVの、アレンジCD。 |
8. |
蒼き狼と白き牝鹿・元朝秘史 |
KOEI
KECH−1029 |
大島ミチル作曲による『元朝秘史』の本人の手によるアレンジ盤。
モンゴルの伝統楽器や、ホーミーまで駆使した入念な仕上がり。 |
・・・あと任天堂関係のもあるけど、どっか行って見つからないのでひとまずこれまで。
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