風雲

「風雲」
1989年連載開始  馬榮成  天下出版有限公司

 自分が先に知った方は当然「中華英雄」の方なんですが、こちらも「確か、中華英雄の続編か何かで関連があったんじゃ…?」と言う程度に認識しておりました。実際は作者さんが一緒なだけ。中華英雄は完結しているし、こっちも中華英雄の後に読んでみたいなぁ……と、最初はそんな程度の認識だった訳です。
 ですが、中華英雄の処にも書いた通りですが、よく行くアジアポップス輸入販売店で中華英雄の主題歌聞きたさにサントラを探している際に、鄭伊健のコーナーで風雲のサントラを発見。「続編か何かなら、音楽にも関連性がある筈!」と言う事で、映画を見る前に購入したのが運の尽きでした……そのCD、映像VCDとの2枚組だった訳です。VCDは、鄭伊健による主題歌「風雲」國語版と「一對對」粤語版のプロモ風映像でした。そこで「風雲」の映画の映像を見て「うおぉぉ、見てぇぇぇぇ!」となってしまい……DVD探して秋葉電気街を徘徊。遂には行き着けソフトセンターで取り寄せてもらったのでした。
 大抵、自分は20〜40分位区切りで数日間かけて映画を見るのですが、この時はたまたま1人だったので、御飯を食べながら見てたんです。決戦準備でバタついてる時期なのに、どうしても途中で止める事が出来ずに全部見切ってしまった程、面白かった!正直、中華英雄よりもノメった。ストーリー的にも深くて分かりやすい武侠ものアクション!そしてそのノメり具合は、新刊にきちんと反影しておりましたとさ……
……という事で、一応此処で語るのは映画の話。

『金の鱗を持つ魚、風雲を獲て龍となる』
……と予言された、武術集団「天下会」創始者・雄覇(xiong ba)。つまり「『風』と『雲』の名を持つ二人を弟子として迎えれば、人生の前半は栄華を極める」という事。その予言通り、彼は「聶風(jiao Feng)」「歩驚雲(bu jing yun)」の二人を弟子とするのですが…
 その名のごとく天下を手中に納めようとする雄覇は、4つの宝剣を手に入れようと、各々の流派等から奪おうと目論んでいます。そのうちの一つ、雪飲刀(xue ying dao)を持っているのが聶人王…聶風の父。聶人王は、雄覇との戦いの最中、火山に落ちて亡くなってしまいます。戦いの前の言葉で「私が負けても、息子の聶風を殺さないでくれ」の言葉通り、雄覇は聶風を引き取る訳です……風。
 絶世好剣(jie ye hao jian)は歩驚雲の父(原作では義父らしい)歩家荘の歩驚天(bu jing tian)が持っています……が、天下会はこれを襲撃、歩家荘は壊滅、歩驚雲の目の前で歩驚天は殺され、雲は連れ去られました。只、絶世好剣は歩驚天が天下会に取られない様、既に封印し、彼等親子の血でなければ解けない様にしておりました……雲。
………という具合に始まって、色々とすれ違いがありつつも深い友情の絆で結ばれてゆく聶風と歩驚雲のストーリー。未だ連載中のこの話の序盤を、凝縮してアレンジして…といった具合(だそうです)ですが、それでも十分楽しかった。実はどっちにとっても肉親の仇である雄覇の高弟になって、実は利用されていただけだと知り、彼を倒すまでなんですけどね。本当に、各々の性格の違いがよく出ているというか。純粋原作知らずに見ててのめれるお話でした。
 風のように形を成さず、穏やかな性格の聶風と、常に表情を押し殺しているけど、激情な性格の歩驚雲。聶風は鄭伊健、歩驚雲は郭富城がやってるんだけど、イメージによくあう。実は原作を殆ど見た事がなかった自分だけど、「ああ、こんなキャラ見た事ある〜」という様な雰囲気もかもし出してくれる。座り込んでマントなびかしてる歩驚雲の有名なシーンもやってくれたし。聶風の髪は風にばっさばッさとなびきまくっておりました。
 2人の兄弟子の泰霜が、いい人。力の上で3番目かも知れないのに、人柄がいい人なんだよな。役者もいい。誰かに似てると思って、先日KOFのアンディだと判明。特に2002のは、茶髪にすればそっくりだ。
 雄覇の命令で予言者探しと無双城襲撃&宝剣強奪と各々命を受けて旅に出て、いろいろな疑惑も生まれたり、天下会の支配下で、平民達の課税の苦しさもあったり、下の方からも火種が……ぐつぐつ。その時出てきた「麒麟痣」の于嶽が、天下会へいって減税の直訴をしに行く事になったりする。その娘の楚々がめッちゃ可愛い!!
 その後、雄覇の娘の幼馴染み・孔慈の事がきっかけで、歩驚雲と聶風は戦う事になる。更に雄覇と戦う事となり、歩驚雲は左腕を失う(自分でもぎ取ったんだけど…)。けど、川を流されて意識を失っている間に楚々に見つけられて、于嶽の麒麟痣の左腕を移植手術される訳だ。そこで治療と回復に当たっている歩驚雲を手伝いつつ天然に彼に接する楚々が、とにかく可愛いんだよ……
 聶風も気が抜けてしまうんだけど、雄覇の命で万病に効く血葡萄の実を取りに行く。実は雄覇に命を狙われ、雄覇の腹心に毒を盛られて殺される所だったんだけど…その場所が、折しも聶人王の死んだ場所。父の形見の雪飲刀を手にし、血葡萄の実を守っている火麒麟に暗殺者達が殺されている間に、血葡萄の実を食べて復活!激戦の末、火麒麟を倒す聶風。雄覇を倒す為に、天下会へ戻る!
 歩驚雲も当然天下会へ復讐に。その時、聶風に逢い、彼の差し出した血葡萄の実を受け取った時、ようやく彼かの間に何か深いものが芽生えた訳ですな。
 映画のストーリー適当に語ってるだけでうまくまとめられないんだけど、とにかく単純にのめり込んでドキドキした。戦ってるシーンがかっこう良くて、色んなシーンを見まくってしまった。

 役者ネタでいえば、雄覇役が日本の誇るアクションスター・千葉真一!あのテの漫画に出てきそうなキャラで、本当に違和感がない!まんまや〜〜!聞いた話に寄ると、香港で上映していた際にも、彼が日本人と見られない程のハマリっぷりだそうな。鄭伊健の聶風は爽やかですが、郭富城の歩驚雲もいい。というか、彼の二の腕が……(二の腕萌えかよ)
 孔慈とにかくむかつく女。役者は可愛いのにぃ…。先に中華英雄の翡翠ちゃんを見ているから余計なんだよ。原作では『娘』と『召し使い』の各々別キャラを統合したような感じになったからか知らんけど、「聶風も歩驚雲もどっちも好きで選べない」(正確には3人巻き込んでるんだけど)からって、雄覇に聶風との婚約をいわれて快諾しつつ、結婚式に歩驚雲が乱入してきて連れ出されたあと
歩驚雲「どうして結婚なんかするんだ?!」
孔慈「
初めて聞いたわ

……嘘こくなぁぁ!
 結果、こやつをめぐって聶風と歩驚雲が戦うんだけど、前からこの2人の反目を気にかけていた雄覇がその最中に2人とも殺しちゃおうとする。それに気が付いたあやつが身を呈して2人を庇って悲劇の死去!……の筈が、今迄の行動のおかげで、とても悲劇に思えなかった自分が此処に。自分に酔ってろ〜〜と迄思ったさ……だからこそ、楚々の可愛さには和んだよ。
 原作でのポストはどの程度か不明だけど、少林寺の釋太尊が格好いい、渋い。于嶽も良かったなぁ…。雄覇の側近の文丑丑が、本当におべっか使いのお調子者っぽくてカマっぽい演技がいい。演技が良いといえば、童年の歩驚雲。歩驚天にだっこされた時の嬉しそうな表情と、目の前で惨殺された時の無表情、そして拝師した時の憎しみを込めて一瞥の仕方がうまいんだわぁ……
 同じく原作でどれほどのポストを占めているかは不明なのに、滅茶シブい親父といったら、歩驚天でしょう。死際が格好良かったさ。
 無双城城主の兄である剣聖が、なんかあっさりとした出番で影が薄い。「ありゃ〜〜〜」な感じでした……これは。原作の方がポスト占めてるんだろうなぁ。無双城の息子の独狐鳴が、いきのいい無茶な輩でした。結局やられ役なんだけど……可哀想だ。

 とにかく、話が気に入って、Netで紹介サイトとか探しまくってしまいました……何と、日本のサイトで風雲ファンサイトを見付けてしまい、それこそキャラ紹介やストーリーダイジェスト、日本からの購買の仕方から海外風雲ファンサイト情報迄、情報満載で、マジ感激でしたわ。
 今はとにかく原作が読みたい!2月の香港行では絶対風雲漁りをするつもりです。信和中心も中心も行くぞ。

……更に勢いで、郭富城にもハマってしまいました。風雲のEDで流れた「驚變」が凄く気に入ったんです。歩驚雲とは違った性格だけど……今はCDを色々集めている処でございます。このまま行くと生写真とかそっちに迄手を出す勢い……壊れたな。


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