ASKA THE BEST

ASKAソロ曲のなかでも、ファンの間で特に人気の高い曲を取り上げて見ました。あまりにも深い詞の世界、心地よいメロディーはまさに名曲と呼ぶにふさわしいのではないでしょうか。


けれど空は青〜close friend〜  作詞、作曲:飛鳥涼 編曲:十川知司  アルバム「SCENEU」収録
たいした事じゃないさ そんなこと
うまく角を折れても 扉ばかりさ

本当はおまえの影が 眩しかったよ
戦いの顔をして 前を歩いていただけさ

お前のせいさ 振り向けないのは

長い嵐の夜が お前の胸の中にある
もしも涙で瞼閉じても けれど空は 空は青

今でも不思議に夏が 終わらない
アクセルを踏み込めば あの日のままさ

お前の傷の深さを 知っていたよ
1/2の痛み感じ合ってたつもりさ

確かめるより解り合っていた

長い嵐の夜が お前の胸の中にある
もしも涙で地図が濡れても けれど空は 空は青

残らずに残さずに
心のあるままに 向くままに
信じれば 信じれば いつもの空

手も振らずに別れた 想い出色した夢たち
もしも涙で色が消えても
けれど空は 空は青

何らかの企画でASKAソロ人気曲の投票などをやると、「月が近づけば〜」と並んで必ず上位に入っている曲です。「高校時代を一緒に過ごした友人、親友のために書いた」というこの曲は、青春時代を共に過ごした友人への励まし、憧れ、思い出など、様々な感情が込められています。「本当はお前のことが羨ましかったのに、強がって一歩先を行っているように振舞っていただけだよ」という感情にはひじょうに共感を覚えます。メロディーもすごくよくて、人気曲になるのも大いにうなずけます。
 残念ながら、去年、一昨年の2回のソロコンサートツアーでは歌いませんでした。またいつか生で聴きたいものですね。

 

月が近づけば少しはましだろう   作詞・作曲:飛鳥涼 編曲:十川知司  アルバム「NEVER END」収録
いろんなこと言われる度にやっぱり 弱くなる
いろんなこと考えるたびに 撃ち抜かれて

恋人も知らないひとりの男になる

壁にもたれて もう一度受け止める
小さな滝のあたりで

角を曲がるといつも 消え失せてしまう言葉だけど
心の中では 切れて仕方ない

この指の先でそっと 拭きとれるはずの言葉だけど
積もり始めたら 泣けて仕方ない

ごまかしながら生きて来たなんて 思わないけど
夢まみれで滑り込むような事ばかりで

毎日の自分をどこか 振り分けてた

僕の中を 通り過ぎ行く人
ほんの一瞬の人

朝の改札では 大勢の人が流れて行く
カーテンを引いて ベッドに転がる

静かに変わる時間を 閉じるように瞼を閉じる
月が近づけば 少しはましだろう

動きたくない身体を 毛布に沈めて聞いてた
鳴り止まないサイレンの音 胸の音なのか

角を曲がるといつも 消えうせてしまう言葉だけど
心の中では 切れて仕方ない

この指の先でそっと 拭き取れるはずの言葉だけど
積もり始めたら 泣けて仕方ない

静かに変わる時間を 閉じるように瞼を閉じる
月が近づけば 少しはましだろう

名曲です。まさにASKAソロの代表曲といえるでしょう。日々生きていればつらいこと、他人の言葉で受けた心の傷、悩みなどは尽きません。そういった避けることの出来ないつらい出来事に対する気持ちを歌った曲です。
 このような心情を歌った曲にC&Aの代表曲「PRIDE」がありますが、「PRIDE」が誰にも譲ることの出来ない”誇り”をもって前に進んでいくという、ひじょうに前向きな曲で、聴く人に勇気を与えてくれるのに対し、この「月が近づけば〜」は、自分からそれを乗り越えていくのではなく、”眠る”ことで浄化していくという、人間の弱さを歌った曲であるといえます。そういう意味で、この2曲はひじょうに近い位置にあると思われがちですが、実は根底に流れる意志は対極にあるのではないかとも思います。
 二度のソロコンサートでは共に中盤の聴かせどころで歌ってくれました。熱唱する姿がとても鮮明に脳裏に焼き付いています。

 

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