(プレイステーション2) 「φなる・あぷろーち2 〜1st priority〜」は、恋愛物のテキストアドベンチャーゲームです。 選択肢によってストーリーが分岐していき、様々な結末を迎えます。 制作、リリースともプリンセスソフト。 担当は企画。 具体的には、全シナリオを担当したのをはじめ、内容面全般に渡って監修しています。 おかげさまで「φなる・あぷろーち」がそこそこのヒット作となりましたので、「いつか来るかもしれない」とは思っていましたし、「『2』を書いてくれませんか」というお話をいただいたとき、驚きはありませんでした。 私自身も、「φなる・あぷろーち」というタイトルには愛着がありますから、二つ返事で了承したのを覚えています。 そして、それが苦難の道のりの始まりでした。(^^; 続編ですから、内容に相応のつながりを持たせなければいけない。 その上で、物語として成立させなければいけない。 これは両立させるのが本当に難しい課題でした。 プロットを提出し、承認を得て書き始めても、「なにか違う」という思いを拭いきれず、幾度となくプロットからやり直したものです。 おかげで、当初はだいぶ余裕を持っていたはずのスケジュールも、しまいには本当にぎりぎりの綱渡りになる始末。 関係各方面に、多大なるご迷惑をおかけしてしまいました。 ごめんなさい。m(__)m ただ、最終的には「2」として書くべきお話、「正解」である物語にたどり着けたんじゃないかと思っています。 そうやってあれやこれやと話を作りかえる途中、キャラの性格や名前、役割分担等もころころ変わりました。 最も顕著なのは、途中までメインヒロインだった姫、姫からその座を奪った(笑)美咲桜ですが、和瑞も妹だったり他人だったりしますし、妹は妹でも血がつながってたりつながってなかったり、様々なバリエーションが存在しました。 ちー姉も、学生だったり社会人だったり、活発だったりお淑やかだったりと変身を繰り返しました。 それに加えて、自宅サイド3人組(美咲桜、和瑞、ちー姉)は、それぞれ姉妹という設定の時期があったりします。 美咲桜の銀髪も、その伏線として生まれた設定ですしね。 薫音は比較的変動が少なかったキャラですが、それでも最初は病人ではなく、既に過去の問題を乗り越えた同級生として登場していました。 主人公の保護者も、最終的には男装の麗人、プリンス・コウで決まったものの、当初は男、それも身長二メートル近い巨漢で想定していました。 (ハルのライバルという設定だった) そもそも最初は、保護者役をちー姉が兼ねる形で考えていたりしますし。 …そんなわけで。 絵を担当してくださった島沢ノリ子さんには、シナリオがまだ序盤しかできていない段階でキャラデザをお願いし、あらすじを元にイベントCGを描いていただいてしまいました。(^^; もー、本当、申し訳ない限りです。 なので、イベントCGの一部には、発注したときと全然違う状況で使われている絵があったりします。 これは全面的に私の責任で、「場面に合ってねーじゃねーか」と思われる部分があったとしても、島沢さんに全く非はありません。 と言うか、その状況であれだけ素晴らしいキャラクタをデザインし、イベント絵を描いてくださったわけで、いくら感謝しても感謝しきれません。 途中、何度か挫けそうになりましたが、その度にキャラクタの絵を見て、励まされたものです。 プロとして恥ずかしいことに、進行はぐだぐだでしたが…。 内容的には「φなる・あぷろーち」の看板を背負って恥ずかしくないものに仕上がったと思っています。 前作のファンの方はもちろん、今作から入る方にも楽しんでいただけるよう、心血を注いで書き上げました。 一人でも多くの方に楽しんでいただけるよう、願っています。 |