1977年(昭和52年) 11月12日(晴良)
6回東京3日目 第8競走
サラ4才以上・オープン(別定)
1800メートル  5頭  R1.46.5
 馬     名  騎  手 着 差 単勝
テンポイント    60 鹿戸明 1.47.5   1.1
ロングホーク 57 松田幸   1 3/4   
カネコフジ   53 ▲木藤     9身  
ライバフット  56 中島啓 6身  
ヨシノリュウジン 51 ▲古西  3 1/2  
単110
複100 110
連複(1−5)140(1人気)

有馬記念でトウショウボーイへの雪辱を誓うテンポイントが東上後の足慣らしに(といったら
他の馬に失礼だが)選んだオープン戦。古馬陣は2週間後に天皇賞を控えているので、ま
るでテンポイントのために用意されたような番組だった。前走の京都大賞典では63キロで
8馬身。それから見れば別定の60キロは何のマイナス要素にもならない。出走馬は5頭。
なにしろ相手がテンポイントとあってはどうにも太刀打ちできそうもない。同じく関西から来た
ロングホークが堂々とオープン馬の看板を掲げていたが、4才から5才にかけて6連勝した
時の力をどこまで発揮できるか。最低頭数でのレースになった。小春日和の東京競馬場。
内ラチの黄色い菊の小輪がきれいに花弁を揺らし、かすみがかかったような青空が中央フ
リーウウェイの向こうまで広がっていた。
スタートはそっと出た。それでも自然に先頭に立ってしまった。後ろのヨシノリュウジンがさ
かんにちょっかいを出そうとするが相手にしてくれない。ならば俺が、とばかりロングホーク
が行こうとするとテンポイントは少しペースを上げるだけ。鹿戸騎手の手綱は動かずマイ
ペースで直線へ。
終わってみれば1着から5着まで人気通りに収まり、レースの迫力。展開のアヤ。競馬の
面白さ。そういった点では、競馬ファンにとっては不満が残るレースであっただろう。
テンポイントの強さだけが際立ったレースと言いたいが、強さが印象に残るというよりも
(私にとっては)テンポイントの淡々とした大人びたレースのほうが印象に残ったレースだっ
た。テンポイントの強さに歓喜した前走と違って、物足りなさとも違う寂しい気持ちが一瞬
よぎったことが思い出される。