平成10年3月5日(木)。早来の吉田牧場に行ってきました。テンポ
イントが息を引きとってから丁度20年。最初は毎年墓参に行っていた
のですが、ここ数年はご無沙汰でした。私にとっては一年半ぶりの吉田
牧場でした。自宅から車で50分ほど走ると吉田牧場です。しばらく吉
田場長とお話させていただいて、しみじみと20年前を思い出してしま
いました。関西テレビ制作の「風花に散った流星」の中で緒方拳さんと
マキストーブのある間で朴訥とテンポイントの話をしていたおばあちゃ
んも20年前と同じところで同じように元気でした。        
この日は命日ということで熱心なファンから沢山の花束とかお酒とか、
にんじんとかお饅頭とかが届けられていました。それらをすべて一旦、
お墓に持っていって、関西からお墓参りに来ていた4人組の女性の皆さ
んがお線香をあげていました。花束などは日中でもまだ凍ってしまうと
いうのでお墓まいりが終わった後はまた家に戻しましたので、私と吉田
場長が行ったときはいつものひっそりとしたお墓にもどっていました。
場長とテンポイントのこと、10日に行われたお葬式のことなどをテン
ポイントのお墓の前で語り合いました。20年前の3月10日は春の嵐
が吹き荒れて猛吹雪の早来でした。急ごしらえの葬儀会場に鳴り響くジ
ェットストーブの音と吹雪が会場の壁に吹き付ける音が、今でも耳の奥
に残っています。                        
テンポイントはファミリーに囲まれて眠っています。夏には大きな葉を
つける柏の丘に、父のコントライト、母のワカクモ、母父のカバーラッ
プU世。弟のキングスポイント、あのプリティキャストのお墓もあり
ました。どのお墓の前にも墓参のあとがあって吉田牧場の馬たちがファ
ンにいつまでも愛されていることを改めて感じました。       
テンポイントが蹄葉炎と闘っているとき、沢山の千羽鶴が馬房に届けら
れました。テンポイントが死んで牧場に帰ってきたあとも、お墓参りに
来た人たちがノートにいろいろ書き残していきました。吉田牧場では、
それらをとても大事に保管してあります。牧場の宝物といってもいいで
しょう。客間にはテンポイントのパネル写真などもならんでいて、私は
20年たっても、この部屋に入ると元気がなくなってしまいます。  
それにしても、20年。あっという間なのか、長いのかよくわかりませ
ん。20年たった今もテンポイントは昔と変わるところなく愛されてい
ることだけは事実のようです。