アクロポリス(アテネ) |
ペロポネソス戦争ペ (ペルシャ戦争勝利の後、対立したアテネ中心の デロス同盟とスパルタ中心のペロポネソス同盟 の戦争) |
![]() ペリクレス |
支配する者の論理
アテネ側 われらの望みは労せずして諸君をわれらの支配下に置き、そして両国た
がいに利益を分かち合う形で、諸君を救うことなのだ。
メロス側 これは不審な。諸君がわれらの支配者となる理はわかる。しかし諸君の
奴隷となれば、われらもそれに比すべき利が得られるとでも言われるの
か。
アテネ側 然り。その理由は、諸君は最悪の事態に陥ることなくして従属の地位を
得られるし、われらは諸君を殺戮から救えば、搾取できるからだ。
メロス側 われらを敵ではなく味方と見なし、平和と中立を維持させるという条件
は受け入れてもらえないものであろうか。
アテネ側 諸君から憎悪を買っても、われらはさしたる痛痒を感じないが、逆に諸
国からの好意がわれらの弱体を意味すると属領諸国に思われては、それこ
そ迷惑、憎悪されてこそ、強力な支配者としての示しがつく。
結局、交渉は決裂し、両者の攻防戦が続いた後、翌年の冬、メロス側内部の裏切りもあって、アテネ側に降伏を申し入れる。アテネ人は逮捕されたメーロス人成年男子全員を死刑に処し、婦女子らを奴隷にした。後日アテネ人は自国からの植民5百名を派遣して、メロス植民地を築いた。(「戦史」トゥキディデス)
支配者の座にしがみつくペリクレス
「考え違いをしてはならぬ。われらはただ自由化隷属かそれだけを争っているのではない。
支配者の座を追われれば、支配者たりし間に人々から買った恨みをあがなう危険にせまられる。諸君は支配者の座から降りることはもうできないと覚悟せねばならぬ。今になってその因果をおそれて、静かな善人に態度を改めたところでもう遅い。なぜなら、諸君は同盟独裁者の地位についてはや久しい。この位を手に入れたことがよし正義に反するとも、これを手放すことは身の破滅に等しいからだ。」(ペロポネソス戦争3年目の民会での演説)
ペロポネソス勢の侵攻による田畑の荒廃、戦没と疫病の二重苦にいたく困憊したアテネ市民が、彼の戦争責任を非難しているのに対し、民会で反論したもの。疫病でまもなく病没したため最後の演説となった。
アテネの「民主制」とギリシャ支配の論理
アテネの国内における民主政治の原理とギリシャ世界支配の帝国主義的論理とはどのように結びついていたのだろうか。その手がかりは、ギリシャの民主制が奴隷制と両立し、敗戦によって生きのびた他国の人々がそれを支えたことが「戦史」にも見える。デロス同盟の貢納金と奴隷の労働は、アテネ市民の生活を潤したが、経済基盤を掘り崩し民主制を蝕む。
