5.決戦

夜 ベイサイドシティ 海上  ライズを操縦するタカコ

後では、アリサが装備を確認している
向かう先は……パンドラ
時は遡り イブンの病院

ミシェルがPCにパンドラの全体像を移す

目標はパンドラ地上23階層、地下10階層にも及ぶ動く海の要塞

ゴウマン「パンドラは地上23階層、地下10階層の動く要塞だ」



マルシア「動くの?この要塞……」

ゴウマン「ああ。この中には、横須賀基地の武器弾薬の半分が収納されている」「その為、もしもの時の危険回避のため、ある一定のルートを移動できるようになっている」

ケイ「ここは?」
パンドラの最下層をさすケイ

ゴウマン「トンネルだ」

マルシア「トンネル?」

ゴウマン「そうだ、物資の搬入や、海上が使えない場合の移動手段として作った物だ」「2年前の地震の際に、このトンネルに亀裂が生じ、使用禁止になっている」

シルヴィア「ここを通って潜り込むんやな」

タカコ「そういうこと」「このトンネルは地下鉄につながっているの」

パンドラにも弱点はある
物資の輸送や海上が使用できない場合に移動通路として整備されたいる海底に伸びるトンネルであった

2年前の震災以来使用されていないその場所を通り敵中枢に潜入する

それだけが難攻不落の要塞を落とすたった一つの手段だった

地下鉄構内

クムガン、ノクトゥール、ナンブ、トリュフアン、ケルベロスが地下鉄構内に進入地下トンネルからパンドラへ向かう



時間少し戻ってイブンの病院

タカコ「この地点で、一般車両と軍事車両が別れる」「でも問題が一つあるの」

ケイ「問題?」

タカコ「トンネルとパンドラをつなぐ扉は、パンドラ側からじゃないと開かないの」

シルヴィア「そんなもん、バズーカでもミサイルでももっていってやな……」

おどけるシルヴィアをタカコが制して

タカコ「銃火器関知システムが作動すると、トンネル自体が崩壊するようになっているの」

シルヴィア「何やそれ〜!?」

あきれ気味に片子を見るミシェル

ミシェル「そんなあぶなっかしい物作る人の気が知れませんね」


タカコ「だから、誰かがパンドラに潜入して内側からその扉を開けなきゃいけないの」

パンドラのCGを見ながら作戦を立案するタカコ

マルシア「え!?」

シルヴィア「そんなムチャな!」

トンネルとパンドラをつなぐ扉はパンドラ側からしか開けられないのだった
しかも銃火器の使用が関知された場合即座にトンネルが爆破される仕組みになっている

アリサ「私が行く」


誰が扉を開くのか………その時アリサが自分から任務を志願した

アリサを見る一同……
ケイ「アリサ……」

アリサ「大丈夫だ。ドジは踏まない」

そして作戦は開始された



ライズから飛び降りるアリサ
堅固な防空体制をほこるパンドラに対して潜入するには
海底からしかない
サイボーグのアリサがダイブすることは命がけの作戦だった



アリサの潜入作戦にあわせ坑道を進むAA達

パンドラ海底部

排水溝を見つけ潜入を試みるアリサ


パンドラ内部

無事にパンドラ内に潜入
ウエットスーツを脱ぎ捨て銃を構える

目指すは最下層


海底部坑道

地下鉄からパンドラの坑道に潜入したAA達

一路パンドラへ向かう

目指すは最下層連絡扉


坑道を進むLM


最下層を目指しエレベーターに乗るアリサ

パンドラ内中央司令室

しかし、AA達の行動はテロリスト達に気づかれていた
オペレーター「S5番エレベーターの監視カメラが停止しています」
さらに新しい報告を聞きジャンリュックは笑みを浮かべる

ジャンリュック「エレベーターは動いているのか?」

オペレーター「降下中です」

ジャンリュック「最下層で待ち伏せろ!」

オペレーター「はっ」
アリサの潜入を察知して、ジャンリュックは最下層での待ち伏せを部下に命じた。

ジャンリュックのやりとりの中、皇城大尉は某所へ連絡をし指示を仰いでいた。


皇城「はっ………わかりました…」「失礼します」

皇城「海底トンネルの爆破許可が下りた。どけ!」
ジャンリュックをどかしパネル上の小さい蓋を開ける

皇城「もう邪魔はさせない」

トンネルの爆破許可が下りて皇城大尉はコンソールに手を伸ばす


皇城「死ね!」

海底に轟音が響き渡る


ケイ「!……」
ミシェル「爆発音を探知しました」トリュフアンのセンサーがミッシェルに告げる
ケイ「位置は?」
ミシェル「1942」「さっき通ってきたあたりです」

マルシア「トンネルが爆破されたんじゃ……」
シルヴィア「ウソやろ!」

マルシアの予感は的中した
彼女たちの後を追って海水が流れ込んでくる

そのころアリサはエレベーターで降下中であった

最下層

到着するエレベーターを待ちかまえるテロリスト達

しかしエレベーターには誰もいない
不審に思いのぞき込むLM

隠れていたアリサの反撃が始まった
的確な攻撃で次々に敵をなぎ倒す


坑道内
必死に走るAA達

最終地点はすぐそこだが後から海水が迫り来る

ミシェル「出口です!あそこ!」

シルヴィア「アリサ、まだなの?」


出口に向かうAA達

そして迫り来る海水……


パンドラ最下層

待ち伏せしていた敵が一斉に打ち始める


敵の数が多くなかなか先に進めないアリサ

しかし、残された時間は無い

銃火が止んだ一瞬の隙に軌道車に駆け込む


アリサは軌道車で扉へ向かう

扉の先にはAA達がアリサを待っている

両手で銃を撃ち敵をなぎ倒しながら進むアリサ

軌道車が盾となり一気に扉に突き進む


迫り来る海水

扉の前でたたずむAA達

頼みはアリサだけだ

シルヴィア「アリサ、何しとんねん」

ケイ「来る!」

迫り来る海水が目前まで……


パンドラ最下層 アリサ

軌道車を走らせ突き抜けるアリサ

扉まであと少し

坑道内

為すすべもなく立ちすくむAA達
マルシア「ああ……!」

ミシェル「アリサ!」

パンドラ最下層

アリサが扉のパネルに飛びつく


海水に飲み込まれるAA達

海水に飲み込まれ激しく水中を舞う4体のLMとケルベロス

その瞬間、パンドラの扉がついに開く

アリサが扉の開閉に成功したのだ



ようやく開いた扉から扉から大量の海水と共にエンジェル達が流れ込んできた

次々に吐き出されるようにパンドラ内に潜入するAA達

ケイ「アリサ、閉めて!」

全員がパンドラ内に潜入したことを確認しケイが叫ぶ

アリサは急いでパネルを操作する

ゆっくりと扉が閉まり出す


坑道内

海水の流れの勢いで、地下鉄も流されてきた

激しくパンドラの扉にぶつかる

これで扉が閉まらないとパンドラの地下部分は水没する可能性もある

ゆっくりと扉が閉まりやがて海水の流入は止まる

水浸しになりながらもパンドラ内に潜入

全員が合流する

つかの間の休息……


シルヴィア「アリサ、何やっとんねん。うちら殺す気かい!」

ミシェル「何言っているんですか、殺しても死なないのがシルヴィアさんじゃないですか」

アリサ笑いながら銃を持ち直す

マルシア「ふふふ…」

ケイ「ククク…」

シルヴィア「何やねん」

バツが悪そうに

シルヴィア「ま、しゃあないな……」


アリサ「行こう!」

ケイ、シルヴィア、マルシア、ミシェル「おう!」

パンドラ制圧を目指し動き出すAA達



パンドラ 中央司令室

皇城「くそ!」
作戦失敗に悔しがる皇城大尉
対照的にジャンリュックはどこか楽しげな表情を崩さない
ジャンリュックがコントロールセンターを出ていこうとする

皇城「おい、どこに行く!?」

ジャンリュック「せっかくの客だ出迎えてやらんとな」

皇城「整備班グレイフォックスの修理は済んだのか!?」
通信機に怒鳴りつける
整備班「はい、つい先程終了して、ただいま調整中です」

皇城「もういい、出るぞ!」

整備班「はっ


大型貨物エレベーター

最下層から地上部を目指す

途中アンチテロ部隊と遭遇し激しい銃撃戦がかわされる


敵を倒しながら突き進むAA達

目指すは中央司令室



格納庫

ジャンリュックゾンカーに乗り込む

皇城大尉がグレイフォックスに乗り込む


中央司令室

扉が爆破され煙の中からLMが飛び出す

ナンブが突入次々にアンチテロ隊員をうち倒すやがて中央司令室を占拠する



メインコンピュータに近づくトリュフアン

ミシェルがLMを降りあたりを見回す

ミシェル「あーあ、こんなにメチャクチャにしちゃって、もー」

シルヴィアの派手な銃撃戦で辺り一面むちゃくちゃに壊れている

シルヴィア「あはは、」「かんにんや、かんにん」

集まるAA達

アリサがケルベロスから降りる


ケイ「司令室を占拠しました」

パンドラ近辺の上空 ライズ

タカコ「ずいぶん早かったわね」

ケイ「ミッションを進めます」

タカコ了解よ」


タカコはライズをパンドラへ向かわせる

ケイはメンバーに指示を与える

コンピュータと格闘を始めるミシェル

ケイ「ミシェル、コンピュータはまかせたわ」

ミシェルOui Oui(ウイ ウイ」

シルヴィアは「ミシェルの援護を」
シルヴィア「なんやガキのおもりかいな」

シルヴィアの愚痴にテーブルから這い出てきて

ミシェル「ガキじゃありません!」



ケイ「マルシアは私と来て」

マルシア「了解」

最後にケイはアリサの顔をまっすぐ見つめ

ケイ「アリサは……」

アリサ「……」

ケイ「好きにしていいわ。……」「でも命は大切にね」
ケイの意図をくみ取ったアリスは微笑んで返事を返す

アリサ「……分かってる……」


ケイ「行こう!」

シルヴィア「化けもんは?」

ケイ「暴れれば、出てくるさ」

ケイ「ここに来るかも知れないから、気をつけて」

出ていくクムガンとノクトゥール

端末操作しているミシェルにアリサが近づき

アリサ「メンテナンスルームの位置は分かるか?」

ミシェル「ちょっと待って」


画面にパンドラの位置図

ミシェル「ここよ」

アリサ「ありがとう」

ミシェル「え?……」


走り出すアリサ
ケルベロスにのってメンテナンスルームに向かう

ミシェルはPC操作を再開する
アリサがお礼を言ったそのことが嬉しかった
ミシェルがクスッと笑う

画面が代わりネットワークのゲート画面が出てくる

コンピュータ「パスワードを入力してください」

ミシェル「いい子だから、言うことを聞いてちょうだい」

ミシェルはハッキングに没頭する



クムガンがドアを蹴り中へ入る

中はLM格納庫だった

中を調べるとドラム缶が見つかる

中には燃料が入っていた


パンドラ内部

アリサ ケルベロスにまたがり一路メンテナンスルームを目指す


そこら中に燃料をぶちまける

クムガンとノクトゥール

通路からアンチテロ隊員が現れる

瞬時に気づいたノクトゥールが応戦

敵をうち倒すが……

やられる瞬間に撃った弾がばらまいた燃料に引火する

ケイ「やばい!待避!」

逃げるクムガンとノクトゥール

爆発が誘発されパンドラの外装をも吹き飛ばす大爆発となる

中央司令室

コンピュータ「レベル2の体制に入ります」

ミシェル「えーと、お次は……っと」

コンピュータと格闘中のミシェルとそれをただ見ているだけのシルヴィア

遠くで爆発音(ケイとマルシアの仕業だ)

シルヴィア「んもー、うちも暴れたいわー」


……

煙の中からグレイフォックスが現れる


パンドラ内部

ケルベロスを従え防御機構をなぎ倒しつつ通路を突進していくアリサ

自動制御の自走防衛メカがレーザーを放つ



相手の攻撃をケルベロスは簡単にかわし
攻撃!
瞬く間に防衛メカを沈黙させる

アリサ「やるじゃない」

ケルベロス「サンキュー、マスター」

格納庫

クムガンとノクトゥール派手に打ちまくる

飛行機やヘリコプターが次々に爆発していく

次々に破壊される

パンドラ外部

突然爆発が起こる


ライズコクピット

タカコ「ハデにやってるわね」

パンドラ周辺を周回していたタカコ

何かに気づく「ん?」

パンドラの対空防衛装置が動き出す

ミサイルを発射する

タカコ「いやだわ」

冷静に操縦桿を握り直しライスを操るが

四方からミサイルが飛来する

無線からミシェルの声が

ミシェル「タカコ、まかせて」

タカコ「え?」

突然ミサイルの軌道が大きくそれる

ライズを追尾していたミサイル全てがあらぬ方向へ飛んでいく

ミシェル「ミシェルはこんなこともできちゃうの、ボーナスはずんでくださいね」

中央司令室をジャックしたミシェルがミサイルの軌道をそらせたのだった

コンピュータ「対空ミサイルシステム作戦停止。レベル3の体制にうつります」

シルヴィア「ミシェル、きったないでー!」

ちゃっかりのミシェルにすかさず突っ込む

ミシェル「だって〜」

パンドラ内部

アンチテロ隊員がアリサの行く手を阻む

応戦するアリサとケルベロス

いきなりアリサのいた場所が爆発する

ゾンカーが放ったミサイルがアリサ達が居た場所を直撃したのだった

突然の攻撃に床に転がり込むアリサとケルベロス

そこに容赦なく次を打ち込むゾンカー


アリサ動けない

ケルベロスがアリサの前に立ちはだかる


二人に迫るミサイル

ケルベロスがレーザーを放ちミサイルを打ち落とすが

もう一発がケルベロスの攻撃をかわし、迫る

直撃を受けるがケルベロスが盾となりアリサは無事であった


辺り一面に飛散するケルベロスのボディー


ゾンカーをにらむアリサ

アリサ「ジャンリュック……!」

しかし、ゾンカーは攻撃をやめ去っていく

ジャンリュックの攻撃でケルベロスは大破した

アリサはケルベロスの散乱した部品のなかからメインチップの入った中央回路を回収し大事にしまう

パンドラ上空 ライズのコクピット

後を気にしながらライズを操縦するタカコ
タカコのライズをパンドラの防空部隊が捕捉する

三機のナットクラッカーライズの追撃を開始する


狭い空間を飛び回るライズ

それを追うナットクラッカ

激しいデットチェイスを制したのはタカコだった

機体の大きさが災いし、避けきれない

通路に追突し爆発する

ナットクラッカー


パンドラ通路

ゾンカーを追うアリサ

通路の先にゾンカーが乗り捨ててあった

近くの扉が開く

誘われるように中に入るアリサ

部屋の中にはジャンリュックが居た


銃をおろすアリサ

ジャンリュックは椅子に座り目を閉じている

まるで眠っているように……


メンテナンスルーム

ジャンリュックと向かい合うアリサ

彼の座る椅子からは無数のケーブルが引き出されていた

突然メインモニターに映るジャンリュックの映像

ジャンリュック「よく来たな」「アリサ……」

ジャンリュック「歓迎する……」

全てのモニターにジャンリュックの映像

ジャンリュック「しかし、私の居る所はそこではない。もう少しだ。ここまで来るんだ……」

ジャンリュックと向かい合うように椅子に座るアリサ

ジャンリュック「そうだ。私の居るところまで来るんだ。さあ!」


椅子のケーブルを引き抜きジャックを差し込む
一瞬にして意識が飛ぶ

彼の誘われるままアリサはサイバースペースにダイブした


電脳世界

画像が歪んでいる……

ジャンリュック「PDCソフトを立ち上げるんだ」

アリサ「PDCソフト?」

空間にキーボードが現れる

アリサはキーボードに触れキーを打つ

一瞬光が溢れ画像の歪みが消える

ジャンリュック「このサイバースペースは、軍の物だ。民間のサイボーグにはここの景色が歪んで、機能しないようにプログラムされている」

アリサ「どこだ」四方を見回しながら「ジャンリュック」

ジャンリュック「念を集中するんだ」

アリサ「……」

突然闇に包まれる……

パンドラ上空
ナットクラッカーが発砲する
辛うじてかわす
正面にナットクラッカーが現れる

ミサイルを放つ
タカコレーダーを見る

前と後からもミサイルが接近してくる


挟み撃ちにされた
操縦桿を握り

急制動、急上昇

ライズ急停止から急上昇

ミサイルは目標を失い通過するそして

お互いに放ったミサイルに迎撃されてしまう

ライズコクピットでニッコリのタカコ

タカコ「……?」

ナットクラッカーが落ちて煙を上げている

煙の中に何かが動いているのが見える


煙が引けてくると……

グレイフォックスが鎮座している

グレイフォックスの羽が光り出す

慌てて操縦桿を握り直すタカコ

タカコ「!」

グレイフォックスの放つ光が背中を通り頭部へ集まる


グレイフォックスのプラズマ砲が放たれる

プラズマ砲の直撃は避けたものの

ライズの操縦系統に打撃を与える

タカコだめ!動いて!」

必死に操縦するタカコ

しかし、墜落する

タカコ「ああ〜〜!」



パンドラ内部 通路

ミシェル「ケイ、マルシア、聞こえる?」

ミシェル「タカコからの連絡が途絶えたの!」

ケイ「なんだって!?」


電脳空間

ジャンリュック「どうしたアリサ、何を緊張している」

アリサ「あなたは私を撃った……」

回想 
ゾンカーに撃たれるドルチェとアリサ


電脳空間

ジャンリュック「お前が向かってきたからだ。それに」「お前はまだ生きている」

アリサ「そう、あなたは私を撃った。でも、私を殺そうとはしなかった。プラズマを拡散させ威力を半減させた」

シナプスを避けながら進むアリサ

アリサ「何故?私はあなたに教え込まれた。銃を向けられたら、相手が肉親でもその場で殺せと」
回想 アリサ11歳……

必死に銃を撃つ

ジャンリュックを捕まえていた警官がアリサに撃たれる

ジャンリュックが震えるアリサを抱きしめる

アリサ初めての殺人……

震えが止まらない



電脳空間

アリサ「そう言っていたあなたが、何故私を生かしておいた?」

ジャンリュック「俺にはお前が必要だからさ」


アリサ「え?……」



パンドラ内部 武器弾薬庫

クムガンとノクトゥール武器弾薬庫に入るとグレイフォックスに遭遇する


タカコは乗っていたヘリを撃墜され皇城大尉の乗るグレイハウンドにとらわれていた

マルシア「タカコ……!」

ケイ「マルシア」「私が奴の気を引くから、その隙に、奴の内椀を狙撃して」

周囲は弾薬庫タカコを救うにはマルシアの狙撃能力に賭けるしかない


マルシア「そんなムチャよ!もしタカコに当たったら……」首を振りながら「ううん、」「タカコに当たらなかったにしても、ここは弾薬庫よ!」「奴によけられただけでも、生身のタカコは」

マルシア「助からないわ!」

ケイ「マルシア!考えている余裕はない、あなたなら出来る!」

ケイが力強く説得する

ケイ「タカコを救えるのはあなたしかいないのよ!」

マルシア「そんな……」


中央司令室

パソコンと格闘中のミシェルと子守のシルヴィア

コンピュータ「全ての隊員に告ぐ」「すみやかにレベル4の態勢に対処せよ」

コンピュータ「繰り返す、すみやかにレベル4の態勢に対処せよ」



シルヴィア「何や、ミシェル、どないしたんや?」

突然暗くなり警報が鳴り響く
シルヴィアが慌ててミシェルに振り返


ミシェル「コンピュータが止まったおかげで起爆装置が作動しちゃったみたい!……」

シルヴィア「起爆装置?……」

思わず聞き返すシルヴィアだったがすぐに気が付く

シルヴィア「!この要塞のかいな!」

電脳空間

アリサの進む先で無数の光が生まれる

ジャンリュック「……アリサ、よけろ」

アリサ「え!?」

三角形の物体がアリサに襲いかかる

左手が巻き込まれる

アリサ「うわっ!」

謎の物体はアリサの左手を食いちぎり後方で四散する

アリサの左腕に光が集まり再生される

アリサ「え?……」

ジャンリュック「腕だけで良かったな」「そいつに丸飲みされたら」

三角形の物体ワクチンが次々に生まれる

ジャンリュック「再生は不可能だ」


武器弾薬庫内

皇城「どうした腰抜けども!」「出た来い!まとめてぶっ潰してやる!」

ケイ、マルシアの存在に気づき挑発をかける皇城大尉

人質のタカコは未だ気を失ったまま


天井のフックを使い一気に距離を詰めるクムガン

機動性を生かした、奇襲作戦


ケイ「なめんなよ!」(韓国語)


クムガンの蹴りがグレイフォックスにヒット思わずのけぞる

グレイフォックスに馬乗りになるクムガン

ノクトゥールに向かせる

ケイ「マルシア!」

ノクトゥール構えるしかし、とらわれた人質と犯人の姿、忌まわしい過去が脳裏をかすめる

クムガンを振り落とそうとするグレイフォックス

ケイ「動くな!」

銃を構え至近距離から発砲


グレイフォックスの後頭部に着弾

弾みでクムガンが振り落とされる

タカコ気が付き顔を上げる

銃を構えたノクトゥールが見える

マルシア「タカコ、動か」

マルシア「ないで−!」

マルシアの行動を理解し慌てて頭を下げるタカコ

タカコ「!」

ノクトゥール撃つ

もう一発

タカコのすぐ上

グレイフォックスの両内腕に命中

皇城「うが−!」

マルシア「イエス!」

マルシアは見事グレイハウンドの内腕を打ち抜く


グレイフォックスの腕がだらりと下がる

タカコが床に放り出される

間合いを見ていたクムガンが素早くタカコを抱きかかえる

よろめくグレイフォックスにケイが飛びつき無事にタカコを救出

皇城「くっそ〜!」

プラズマ砲を発動させるがクムガンに打ち抜かれた後頭部のプラズマ砲基部が暴走を始める

皇城「な……何!?」

グレイハウンドの破損個所からのスパークが周囲の弾薬に次々と誘爆を始める

皇城大尉は炎に巻き込まれていく



シルヴィア「タカコ!ケイ!マルシア!大丈夫かァ〜」

無線からシルヴィアの声

タカコ「みんな無事よ」「化け物を一匹退治したわ。ミシェルそっちはどうなってる?」


中央司令室

ミシェル「それが、この基地全体が爆発するシステムが発動しちゃって……!」

タカコ「あと何分あるの?」

ミシェルPCをいじりながら泣きそうになって

ミシェル「10分切っちゃいましたぁ!」


通路

タカコ「止められそう?」

ミシェル「無理です!」泣きそうになりながら「10分なんかじゃ絶対に無理です−!」

ケイ「アリサを助けなきゃ」

タカコ「……」「ミシェル、落ち着いて。アリサがどこにいるかわかる?」

ミシェル「最上階です」

タカコ「いいこと、全員そこに集合よ。アリサをなんとしてでも助けるの!」


メインコンピュータの停止によって要塞の自爆機構が作動したパンドラ

タイムリミットまでわずか10分
エンジェル達はアリサを救出すべく最上階に走る

首都中央政府ビル

秘書「将軍大変です」

風間将軍のオフィスに秘書が駆け込んでくる

秘書「皇城大尉に逮捕状が出たそうです」

風間「何!?」

秘書「実は……将軍にも逮捕状が……」「こちらに捜査官が向かっていると……」

風間「皇城め、しくじりおって……!」

秘書「……どういたしましょう」

風間「証拠を消せ。パンドラの秘密データを消すんだ」

秘書「は?」

風間「私の名誉を傷つけるものは、何も残すな」

秘書「はい、ただちに!」

機密データを削除するためパンドラのメインコンピュータにアクセスする


電脳空間

襲いかかるワクチンをかわしながら電脳空間を進んでいた
アリサ「うわっ!」
ワクチンに左足が触れもぎ取られる

しかしすぐに再生する
ジャンリュック「アリサ覚えているか」

声のする方を見るアリサ
ジャンリュック「俺達が育ったあの街の臭いを」

アリサ「ああ……」


ジャンリュック「お前と同じ臭いがした」

アリサ「私は、あなたの言うとおりに」「生きてきた」


八年前 ベイサイドシティ

ビルの一部が爆発する

それを眺めるジャンリュックとアリサ

アリサ11歳

アリサ「私には、あなたが全てだった」



13年前

アリサとジャンリュック
アリサ8歳
アリサ「初めてあったあなたの目は、、」「争いに負けた野良犬のような目だった」

アリサ孤独におびえ、誰にも愛されない自分に絶望していた」

ジャンリュック15歳

アリサ「その目に世界がどのように映るのか……私にはよくわかった」

過去を語りアリサを再び手に入れようとするジャンリュック


5年前

ジャンリュック23歳、アリサ17歳

ホテルロビーでの銃撃戦

アリサ「だから、あんたと一緒にいることで」

4年前の回想
ジャンリュック24歳、アリサ18歳
アリサ「それを少しでも埋められればと思った」


昔のままに世界を増悪するジャンリュックの姿を しかし、アリサは拒絶した

アリサ「でもそれは私の見当違いだった」

アリサ「……野良犬はどうあがいても野良犬のまま。いつまでたってもひとりぼっちなんだ」

アリサ「私にはそれがわからなかった」

ジャンリュック「何を言っている。クズ共に何か吹き込まれたのか」
突然防護壁を抜ける

ジャンリュック「見ろ」

アリサの全面輝く二重螺旋の光の帯


ジャンリュック「これは軍の最高機密ブロックだ」


アリサ「うっ」

アリサの体内からジャンリュックが抜け出してくる

ジャンリュック「素晴らしい反応速度だ」

ジャンリュック「お前でなければあの防護壁は抜けられなかっただろう」
「俺が示し、お前が実行する」
「俺達は二人でひとつなんだ」

アリサに手をさしのべるジャンリュック

ジャンリュック「さあ、昔のように楽しくやっていこう……」


アリサ「私には、もう過去は必要ない」

アリサがキッパリとジャンリュックの誘いを断る

ジャンリュック「何?」

アリサ「あなたのように過去にすがって生きていくつもりはない」


ジャンリュック「まだわからないのか!」

ジャンリュックの体が透ける……機械の体

ジャンリュック「この体のどこに未来がある!二年前のあの時に、俺の未来は闇に閉ざされたんだ!」



アリサの体も透ける……やはり機械の体

アリサ「いいえ、あなたはちっとも変わっていない」「現実を受け入れられない野良犬のままよ!」

ジャンリュック「言わせておけば!」

怒りに燃えて、アリサに襲いかかるジャンリュック

ジャンリュックの放つ光の粒子がアリサを襲う

アリサ「うわっっ!」「ううう〜〜〜」

ジャンリュック「許しを乞えば〜」「命だけは助けてやる」

ジャンリュック「アリサ、許しを乞え!」


電脳ルームの扉が開き
タカコ、シルヴィア、ケイ、が走り寄る

タカコ「アリサ!」

モニターに苦しんでいるアリサが映っている
アリサ「うわ〜〜〜〜〜〜」

アリサに駆け寄る

ケイ「アリサ!」

マルシア、ミシェルも遅れて入ってくる


シルヴィアが首のコードを引っ張りながら

シルヴィア「はよ、助けな!」

タカコ「だめ!コードを抜いたら、アリサがこっちに戻れなくなるわ」

シルヴィアすんでの所でコードを引っ張るのをやめる


マルシア「どうすればいいの?」

ケイ「アリサが自分で戻ってくる以外、助かる道はないわ」

しかし…モニターに映る苦悶の顔を仲間達は為すすべもなく見守るしかなかった


最高司令室

キーボードを打つ秘書

風間「早くしたまえ!」

秘書「はい、間もなく」


電脳世界

苦しむアリサ

突然防護壁画消えていく

ジャンリュック「ん?プロテクションが外された!?」

ジャンリュックアリサを無視して

機密ブロックに近づく


二重螺旋構造の中心部にオレンジ色のコアが見える

ジャンリュックはコアに近づく

アリサもジャンリュックに続く



ジャンリュックの顔が歓喜にふるえる

ジャンリュック「これが軍の」

ジャンリュックはコアに両手を突っ込み光の粒子をつかみだし食べる

ジャンリュック「最高機密だ」

アリサ「……最初からこのために……」

ジャンリュック「そうだ」「ハッサンの命など、どうでもいいんだ」
データーの中に手を伸ばし思うがままに情報をむさぼるジャンリュック
ジャンリュック「この手の機密は敵対国には高く売れる!」
ジャンリュック高らかに笑う

ジャンリュック「この国の電脳スパイの名前を教えてやろうか、あはははは」

彼の目的は最初から軍の抱える膨大な機密情報にあった
最高司令室

「消去しろ」


我が身に追求の及んだ風間将軍がデーターの全消去を命じた

秘書「はっ」


ジャンリュック「ん?」

コアに手を突っ込んでいたジャンリュック

ジャンリュック「どうしたんだ!?」

一瞬後には周辺のイメージに亀裂が走った

コアに突っ込んでいた手が抜けない

さらにコアがジャンリュックを飲み込もうとする

ジャンリュック「バカな!ここまできて!」
ジャンリュック「助けてくれ!アリサ」

崩れ去るデーターと共に、ジャンリュックの意識も消えていく



悲しげに自分を抑えるアリサ

ジャンリュック「お願いだ、助けてくれ!」

崩壊が加速していく機密ブロック

ゆっくりと離れていくアリサ

ジャンリュック「ウオオオオオ〜〜」

ジャンリュックを飲み込みながら崩れゆくブロック


ジャンリュック「アリサ〜〜!!」



現実……

AA一同「アリサ!」
タカコ「大丈夫?」

アリサ「ああ……」


パンドラの自爆シークエンスは進んでいる一刻の猶予もない

タカコ「あの発着所にヘリがあったわ、あれで脱出しましょう!」

一同「はい!」発着所に向かい走り出す


アリサ、コードを抜いて立ち上がる

目の前のジャンリュック

現実世界には戻って来れない

後のモニターでジャンリュックが映っている

ジャンリュック「……た……すけ……て……くれ……」

現実世界のジャンリュックが時々痙攣する



ジャンリュックを見つめ動かないアリサにタカコが声をかける

タカコ「アリサ、何をしているの!?早く!」

ジャンリュック「…た…けて…れ……」

タカコ「…そいつは助からないわ!」

アリサ「ジャンリュック」

ジャンリュック「……ア……リ……サ……」

現実世界に戻ったアリサは1発の銃弾で彼に最後の別れを告げた


アリサ「……さようなら……」

政府ビル

同じ頃、軍の司令室でも1発の銃弾が響き渡った

秘書「将軍!」



政府ビルを見上げるゴウマン

逮捕状を携えた警官の前で、風間将軍は自らの命に決着を付けたのだった

パンドラ

あちこちで爆発が起こる。崩壊し始める

発着所


ドアを開け発着所に滑り込むAA達

しかし崩壊は始まっていた

傾き賭ける発着所

シルヴィア「ヘリってもしかして、あれのことかいな」

バズーカを構えていたシルヴィアが指差す方向

滑り落ちるヘリ


シルヴィア「あああ」「あ〜〜〜」

落ちたヘリが爆発する音だけが空しく響く

ミシェル「うっそ−、どうやって脱出するんですか?」

司令室

コンピュータ「爆破まであと3分、爆破まであと3分。関係者は、ただちに避難してください」

突然、ヘリが現れる

一同「え!?」」

引っ込むミシェル
バズーカを構えるシルヴィア

一同「!」

エンドウ「ジャジャ馬共!騎兵隊の搭乗だ!」


ヘリはエンドウ警部が操縦していた

エンドウ「早く乗れ!ぐずぐずするな!」



ケイ「タイミングバッチリ!」

ミシェル「素敵よ!エンドウさん!!」

乗り込むAA達

エンドウ警部乗り込んでくるタカコに

エンドウ「俺を二度も気絶させた奴は、まだ生きているか!?」

タカコ「みんな無事よ」

エンドウ「尻の一つもぶっ叩いてやらねぇと気がすまねぇ」

タカコ「あら、それってセクハラ?」

エンドウ「セ、セクハラ〜!?」


パンドラの一部が爆発する

発着所も大きく揺れる

一同「うわ〜〜!」

エンドウ警部が慌ててヘリを浮かす

そこに遅れてきたアリサが

さらに爆発

アリサが巻き込まれ吹っ飛ばされる

ケイ「アリサ!」

転げ落ちるアリサ

辛うじて捕まる

ヘリを操縦するエンドウ警部を見ながら

タカコ「寄せて」

エンドウ「よしきた」

パンドラの爆発が続く

建物が傾く

そこにグレイフォックスが現れる

アリサ「!」


皇城「貴様らみんな、道連れにしてやる−!」

半狂乱の皇城大尉

動けないアリサに乱射


アリサ「うわ!」

着弾、右腕がもげる


シルヴィア「死にぞないが!」

シルヴィアが揺れるヘリから狙いを定めバズーカを放つ

反動でヘリが傾く

ミシェル、エンドウ「うわ−!」


皇城「うわ!!」

グレイフォックスに命中

まともに当たり飛散するグレイフォックス



グレイフォックスの爆発の余波で、アリサが辛うじて捕まっていた鉄骨が曲がる

アリサの手が滑り出す

アリサ「ク……ク……」

タカコ「アリサが!」

エンドウ「まかせろ」

アリサ「あ!」滑り落ちる

急降下のヘリ

ケイ手を伸ばし

ケイ「アリサ、つかまれ−!」


落ちていくアリサの手、のばされるケイの手

互いにつかみ合う

ヘリ急上昇


アリサを引き上げる

シルヴィア「よっしゃあ」

見ていたタカコとエンドウほっとするが平穏もつかの間…

タカコ「急いで、パンドラが爆発するわ」

エンドウ「何〜!?」


パンドラが小爆発を繰り返しそして

大きな爆発のあと崩壊する

爆発の煙からヘリが飛び出す


ヘリ内部

一同「イェ−イ}

シルヴィア「オッサン、結構やるやん」

エンドウ「何言ってやがる」「この俺を誰だと思っとる!」


アリサはミシェルに小さな固まりケルベロスの中核を差し出した

アリサ「ミシェル、頼みがある」

アリサを覗きながら
ミシェル「何?アリサ?」

アリサ「ケルベロスに新しい体を作ってやってくれないか。」

アリサから部品を受け取るミシェル

ミシェル「ってことは、これ、あの子の中枢部ってわけ…」

マルシアがそんなやりとりを覗く

マルシア「どうしたのいつものアリサらしくないじゃない」

そう言われアリサ照れ笑い

アリサ「そいつも、私たちの仲間にしてやりたいんだ」

わずかに昨日とは違った大気をヘリは切り裂いて飛んでいく……
ケイ「え?……」

アリサのセリフに驚きながらも嬉しそうに

ケイ「仲間か……」


シルヴィア「あん……」

照れたように目をそらし

シルヴィア「へへ……」


ミシェルニッコリと笑う

マルシアもつられて笑う

そんなみんなのやりとりを聞きながらほほえみ

タカコ「素敵な朝日ね……」


アリサ「ああ……最高の朝だ……」

シルヴィア「これでオッサンも、仲間やなァ〜」

エンドウ「馬鹿言うな」「俺は警官だ!れっきとした公務員だぞ!」

エンドウ「……野良猫共の仲間になんぞ、なれるか!」

ミシェル「野良猫だって、ひっどーい」

マルシア「そうね、あんまりね」

エンドウ「お前ら誰のおかげで助かったと思ってるんだ〜!?」

シルヴィア「まあまあ、かたいこと言わんと」

みんなのやりとりを聞きながらアリサは腕時計を捨てる

静に海に吸い込まれる腕時計……


沈むパンドラを背後に進むヘリ

シルヴィア「みんな、仲良−やろうや!」


「イェ−イ」

END