避難所生活?

 お久しぶりです。  
 ちょっと大変な事態に巻き込まれてしまい、更新できるような状態ではありませんでした。いや、マジで精神を病むかと思いましたよ。それとももう病んでるのかな?  
 理由はまったくしょうもない話であり、同時にシャレにならない話でもあります。  

 我が家は古いマンションの一階なのですが、前から水回りに深刻なトラブルを抱えておりました。夜中と言わず、早朝と言わず、ユニットバスの排水が逆流するというもので、そのたびに業者さんを呼ぶ始末。出先から帰ってきたら、床が(汚水で)水浸しということも一度や二度ではありませんで、後片付けに数時間、時には丸一日が潰れてしまうこともしばしばでした。ちなみに汚水とは上層階から流れたトイレや台所、風呂の排水すべてがごっちゃになったものです。  
 
 それが今年に入り、一気に悪化。  
 何度も清掃しているのに逆流が繰り返され、しかも、それが数日にわたって続くということが、連続して起こりました。申し沿えておきますと東日本大震災の影響ではありません。トラブルはそれ以前からあったので。  
 もはや心身ともに限界です。管理会社に連絡して本格的な調査をしてもらうことにしました。排水口からファイバースコープカメラを送り込み、中を確認。すると明らかに亀裂とおぼしき影が。さらに汚水の出口からは建物の基礎部分と思われる砂利が見つかり、これは共用部分の排水パイプが割れているか、外れているかのどちらかだろうという結論になりました。そうこうしているうちにも逆流が始まり、もはや一刻の猶予もならずと緊急工事。  

 しかし、そこからが大変でした。
 上層階での水使用を止めるわけにはいかないので、まずは排水の迂回路を作らなくてはなりません。このため家の中を通る形で排水パイプを新設し、ベランダから共用の排水口へ流すという力技を敢行。  
 次に壁とユニットバスを壊し、むきだしになったコンクリート床を破壊するという大工事に移ります。果たせるかな真っ黒なヘドロ状の汚泥がトラック一杯分出ました。そして問題の排水管を発掘。  
 ここで驚愕の事実が。  
 塩ビ管というものは普通なら接着されているものですが、数十年ぶりに掘り出されたパイプはまったく接着されておらず、その場でスポスポ抜けてしまうというトンデモ状態だったのです。  
 でも今度はそんな手抜きは許されません。
 新しい
パイプをしっかりと接合。新しい土を入れて埋め戻し、切断された鉄筋を繋ぎ直して、セメントで埋めて元どおりに。それから新たなユニットバスを搬入し、内装工事で壁や床を復元。もちろん、その全工程は自分もこの目で確認し、デジカメで記録に残します。
 すべてが終わったのは四週間後でした。これには、それ以前の排水トラブルに悩まされていた期間は含みません。断続的とはいえ七月から十一月まで、実に四ヶ月以上をこの問題に費やしていたことになります。 やれやれ……。 

 ちなみに工事の四週間の間、自分は管理組合の会議室へ仮住まいしていました。  
 必要最低限の生活物資と布団とパソコンを搬入してましたが、なんとも落ち着きませんでした。もちろん今回の震災で、被災した人たちに比べたら、天国のような環境だと思います。タイトルに避難所生活なんて書きましたが、実際に体験された人たちには殴られるかもしれません。  
 しかし、突然の災難で住み慣れた家を追い出され……というのがどれほど精神的に参るか、これは体験してみないとわからないのだなあと改めて実感しました。
 そして大変だったのは、さらにその後。
 閉め切った室内でコンクリート床をドリルでほじくり返せばどうなるか?
 部屋中、細かなチリで覆われ、掃除しても掃除しても終わりません。もらろん本棚とかベッドとかあらゆるものに覆いはかけていたのですが、敵はわずかな隙間から侵入し、うっすらと白く積もっているのです。
 これらをすべてキレイにして、外部に避難させていた様々なモノたちを戻し……それだけで一週間以上かかりました。
 これほど疲れた経験は、記憶にありません。もう口がきけないとかを通り越して、生きているのがイヤになるぐらい疲れました。

 ちなみに今はトラブルもなく快適そのもの。ユニットバスは以前より狭くなってしまいましたが、明るく機能的なので、まぁ満足しております。  
 しかし、今も朝方になるとゴボゴボと汚水が逆流する音で目が覚めます。もちろん本当に逆流しているのではありません。今まで散々聞かされ続けたイヤな音が耳にこびりつき、空耳というか幻聴のように聞こえてしまうのです。  
 ある種の神経症のようなものですね。  
 まぁ、時間が解決してくれるだろうと思い、なんとか平常心で過ごしております。 ここも早く平常運転に戻さなければ。

                                     (2011.11.22)