仁義なき新緑の季節

  5月です。すっかり、いい季節になりました。ちょっと暑いけど。
 というわけで猫のオデコのごとき我が家の庭先も、すっかり緑が濃くなっています。ここでは毎年、小さな花が咲くのですが、これがなかなか可愛い。  
 調べてみるとムラサキカタバミという草花だとわかりました。学名Oxalis corymbosa。お、なんだかカッコいいぞ。  
 それにしてもネットは便利だなーと改めて思いましたよ。季節と花の色が判れば、わたしのようなド素人でも簡単に調べがつくんですから。  
 
 で、このムラサキカタバミ。凄まじい生命力で駆除が困難とされています。自分にしてみれば自然に生えてきて目を楽しませてくれるのですから、いいじゃないかと思うんですが、自分のイメージ通りにガーデニングをしたい人たちにとっては邪魔な存在なのでしょうね。  
 ところで生命力の強い植物といえば、もうひとつ。笹があります。日本の野山はちょっと放置しておくとあっと言う間に笹だらけ。うちの庭先もそうでした。  
 しかし、この勢力地図がムラサキカタバミによって塗り替えられようとしています。最初はクローバーとの三つ巴かとも思ったのですが、こちらはムラサキカタバミの葉でした。
 どちらも土の中に伸びた茎から生えるそうで(鱗茎というらしい)、地下はさぞかし凄まじいことになっているのではないかと思います。
 一時期は笹が消えてしまうのではないか?と思ったぐらいですが、梅雨の季節になると笹が反撃。夏場は一進一退。冬場は休戦。今頃の季節になると戦闘再開というわけです。

 それまで草花に注意を払ったことなんてなかったのですが、やっぱり生存競争を目の当たりにするとじわじわきます。人間の身勝手な論理が許されるなら、可憐な花をつけるムラサキカタバミを応援したいところですが、ここは自然の成り行きに任せるべきなんでしょうな。  
 本格的に駆除しようと思ったら地面を掘り返して、鱗茎をひとつ残らず取り除かないとダメだそうで、小さな庭にカルタゴのような運命をたどらせるのは、さすがに気が引けます。