マティーニ
 

 何か忘れたいことがあるとき、人はふつう、マティーニを注文する。
 おそらく度数が強くて、辛口だからだ。
 悲しみをシャンパンで飲み干す人を、わたしは見たことがない。


              〜 『ハリーズ・バー』
                 アリーゴ・チプリアーニ 著 〜


 なんとなく、そんなフレーズを思い出した夏の午後です。
 暑いですね。
 暑中お見舞申し上げます。